『おう、翁さん、北の国では冷たい物が落ち始めたそうで、暦の上でも降霜だから寒くなってくるが、この辺りでは初霜は明治節を過ぎ、早くて立冬の頃だからな、ハハハハ。しかしだ、異常気象がどんな悪戯をするかだ。ぼちぼち大根が採れるから、良かったら畑から持って行って、ええ、持って行って柚子と味噌煮にする？、じゃあ抜いてくるよ。一旦家に戻って買い出しに？、忙しいな』
『こんちわ、茂さん、婆さんを送っての帰りよ。昨日の朝は５度だったそうで、いよいよ冬将軍のお出ましのようだわ、ファハハハ。おや、吊るし柿を作ったな、一寸だけ？、あの木では３００個はあるな。太陽が南に傾いて、４時近くには自分の山に落ちて、日暮れが早くなる。大根は今夜は味噌煮、明日は浅漬けにするかな。去年植え替えた柚子が１０数個実を付けて、大馬鹿でもないわ、ギャハハハ』
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『奥さんと榛名湖に行って来たって？、元気になって良かったよ、翁さんの頑張りに奥さんが応えたのだろうよ、ハハハハ。つるし柿は先週孫娘が遊びに来て、悪戯に作ったが食えそうだわ。大根も白菜も霜に当たれば甘味が増すが、まあ美味しいよ。キノコをご馳走する約束したが、福島原発の放射能汚染、自分では食ったが、人様にご馳走するのは如何なものだわ、ハハハハ』
『この季節に、皆さんが遊山に出かけるようだが、婆さんの体調からはこの程度のドライブだわ、ハハハハ。大根や白菜は漬け物で正月にでも貰うよ、百合さんもだが、弘子さんも初枝さんもベテラン、それぞれに工夫もあって美味しさの違いがあるわ。・・・あれ、奥さんはこれから買い物に？、じゃあ、頼んでもいいかな？、いつもの目刺しなどのほか今日は減塩醤油を含めて２千円以内でお願いします』
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あとがき＝冬物野菜、ご近所の畑を回って作り過ぎの始末の手伝いで、漬け物はいずれ無心をしてご馳走様さ、ガハハハ＝＝放念の翁