「日々これせっせとお薬作り」 -製薬会社新米研究員SIUの日常-

新薬の研究に営む毎日・・・のはず。製薬会社研究職の日常をつたない文章でつづります。

文献整理法2

2006年11月16日 | 製薬会社な日常
文献整理法1からの続きです。

Ref2000のすごいところはPDFファイルだろうが、Wordファイルだろうが
pptファイルだろうが全部をID番号にくくりつけて、一括管理できるところ。
詳しいことはhttp://members3.jcom.home.ne.jp/refwin/に作者の方の
解説があるのでそこを見てください。
ちなみにPubMedの検索結果からタイトル・ジャーナル名・著者・アブストを
テキストで取り出してRef2000に導入できるので、基本情報は手入力しなくても
良いのです。

英語が苦手なSIUが便利だな、と思う使い方はサイトやメルマガなど
さまざまな雑誌(特にJAMAやLancet等の臨床系が多い)のアブストを要約している
ものを手に入れて、それが自分の研究テーマに関連があったときRef2000に
その論文情報を入れて、コメント欄にアブスト要約をコピーしておけば
労せずして論文内容がわかって、かつ何時でも取り出せる状態になります。
これで毎回苦手な英語で時間を潰さなくていいですね(英語の勉強をしなさいよ_笑)
内容が知りたいだけなら、自分が訳そうと他の人が訳したものを読んでも同じです。
簡単に内容把握できるなら、他人が訳したものでいいし、本当に必要なのであれば
tableやfigを見ながらきちんと内容を把握すればいいのです。

うまく回るかわかりませんが、現在SIUが行っているシステム(と言うほどのものではないが)を紹介

PubMed検索→必要な論文選択→Ref2000*に導入
→翻訳ソフト*と英辞朗*を立ち上げ(どちらもネット接続ではなくスタンドアローンで動くもの)
→論文アブストを翻訳ソフトに突っ込み、原文を見ながらソフト上で直せる簡単な間違いは訂正
→翻訳ソフト任せの荒い訳(にもなっていない物)をワードに貼り付け
→プリントアウトした論文を見ながら、きちんとした訳に直す。
この時、英辞朗のポップアップ辞書機能*をONにしておくと辞書引き作業が省力化
→完成したものを、Wordファイルで保存。Ref2000で論文にひも付けして保存。


・ちょっとしたヒント
専門用語などでわからない単語や語句の使い方が出てきたときは
googleにその単語(英語)を入れて「日本のサイト検索」とかすると
どんぴしゃの訳が出てくることがあります。(ライフサイエンス辞書とか)
出てこないとしても周辺情報が手に入れられる…かも。
たくさん出てきすぎたら、予想できる漢字を一つ入れる方法もあります
「renal glomerulus 腎」とか(コレは英辞朗で出ますが)
「renal」はわかるのに「glomerulus」がわからない場合
こうすると「renal=腎臓のナニナニ」というのに
引っ張られて「renal glomerulus=腎糸球体」とわかる事があります。
それでもわからなければ、ステッドマンを引くか上のヒトに聞きましょう(笑)

いかがでしょう?多少は参考になりますかね?

文献整理法1

2006年11月15日 | 製薬会社な日常
皆さん文献(英語論文もしくは日本語総説)って
溜まっていきません?読んでないけどプリントアウトした
論文の山とか、PubMedで「面白い論文だな」と思って
ダウンロードしたら、机の奥に同じのがあったとか…
しかもラインが引いてあるのに、内容はぜんぜん覚えてないし(涙)

日本語の総説も最初はジャンル分けして閉じていたけど
そのうちコピーする数が読むスピードを上回ってきて
ジャンル分けしてフォルダに入れる前に机の上に山が出来て…(涙)

この状況を打開するために論文管理ソフトを現在導入中。
有名なのはEndNote等ですが、なにせ高い(アカデミックで無いと5万円ぐらいする)ため
気軽に導入できません。そこでフリーウエア(無料)である「Ref2000」*を導入。
非常に優れものですよ、このソフト。作者の方が日本人であるため、解説も詳細ですし。

現在、英語の論文と日本語の総説を関連付け中。
隙を見て具体的にどんなことをやっているかを書きたいと思いますね。

ちなみにi-tuneでも文献管理できるようです。
こちらはやり始めましたが、PDFとの関連付けが
切れてしまう可能性が高かったので辞めました。

<補足>
Ref2000
文献管理ソフト、フリーウェア。
日本語でも英語でもコメントやキーワード設定できる。
(フランス語やドイツ語でも出来るらしい)
これによってPubMedを操る感覚で自分の手元にある
論文を検索できます。コメント欄に論文内容の要約を書いておいたり
自分の気になったこと、要点を記載しておけばすぐ目的の論文にたどり着けますし
キーワード検索の際に意外な組み合わせでアイディアが浮かぶこともある(かも)

単純に論文管理できるだけではなく、日本語でコメントを書けるところが
英語が苦手なSIUにぴったり(笑)
本来の使い方として論文作成時のReferenceを一発作成できます。
コレもすごいですね。

非常にすばらしい出来のソフト。
日本人が作者でバグがあってもすぐ対応してくれるようです。
(フリーウエアなのに、あんた神だよ)

ダウンロードしたかったり、詳しく知りたい方はこちらまで。
http://members3.jcom.home.ne.jp/refwin/

万有がマイナーチェンジ

2006年11月13日 | 製薬業界トレンド
「万有」が「メルク万有」に変わるそうです。

↓コレがニュースリリース
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2006年10月30日
報道関係各位

万有製薬株式会社

社 名 に 関 す る お 知 ら せ

万有製薬株式会社(本社:東京都千代田区、社長:平手 晴彦、以下万有製薬)は、2007年下半期に、社名を 「メルク万有株式会社」へ変更する方針を決定いたしました。正式な社名変更日につきましては、決定次第別途お知らせいたします。

万有製薬は2004年3月にMerck & Co., Inc., Whitehouse Station, New Jersey, U.S.A. の100%子会社になりました。このたびの社名変更は、万有製薬がMerck & Co., Inc., Whitehouse Station, New Jersey, U.S.A.のグローバル戦略の中で重要な役割を担うという方向性に沿ったものです。Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, New Jersey, U.S.A.は世界各国の患者さんや医療従事者の方へ画期的な医薬品およびワクチンを提供しています。

今後は日本市場において 「メルク万有・ブランド」 の構築に努めてまいる所存です。
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http://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2006/corporate_1030.html


具体的に何がしたいか良くわかりませんが、まあいろいろ一新したいということですかね。

ちなみに万有勤務の友人に「社名変わるらしいね」と聞いたら
「良くそんなマイナーニュース知ってるね」と言われました…(涙)

就職の時期

2006年11月09日 | 製薬会社な日常
研究所にパラパラとスーツ姿のヒトが目に付くようになりました。
業者さんではなく、うちの会社を受けに来ている子達のようです。
秋ですね、就職活動の時期です。
年に一度、人事の方と会うと秋を感じます(笑)

武田研究所閉鎖についての裏話

2006年11月08日 | 製薬業界トレンド
すいませんSIUです、通常更新に戻ってきました。
ご心配おかけしました。

さて、武田の研究所移転ということで
知り合いの武田勤めの方(先輩)に「どーですかー?」って
メールしたところ(ちなみに十三の研究所勤務)
極秘事項として移転が研究員に伝えられた様子を教えてくれました。

外部発表前日に研究員が体育館(?)にいっせいに集められて
説明を受けたそうです。(数百人いっぺんに)
ちなみに急だからという、良くわからない理由のため
体育館には椅子もなく、みんな体育座りだったそうで・・・
いい年した研究員たちが体育館にちんまりと体育座り…
数百人ならんで、老いも若きもみんな体育館で地べたに
体育座り…、かなりシュールで面白いです(笑)

笑い事でない方すみません。

ちなみに先輩は既婚者ですがお子さんもいないので
「まだ先だし、変に彩都(大阪が誘致した場所)なんか行くと不便だから
湘南でよかったよ」とのこと、なるほどね。

噂によるとアステラスも筑波に研究機能を集める予定と聞きましたけど…