どのように創薬ターゲットを選ぶか?非常に難しい問題です。
プロジェクトが始まると膨大な資金・人材をつぎ込むことからも
ある意味ではここが製薬会社の運命を決める、といっても過言ではないかもしれません。
選んだターゲットによって「確からしさ」がいくつかあります。
まず臨床試験にそのターゲットを狙った化合物が乗っているか否か?
臨床にのっているなら(特にPhIIb以降)、有効である可能性が高いです。
他社の化合物がPhIIb以降まで進んでいるということは
人での有効性が認められている(可能性が高い)ということから
新規テーマ立ち上げ時の社内プレゼンで「ヒトでのPOC*が取れている」と言っても
クレームをつけられる可能性は低いでしょう
前臨床の段階、もしくは手をつけている会社が(表面上)ない場合なら
そのターゲットが本当に有効かどうかを自分(自社)で確認する必要があり
そのためには特異的な化合物が存在しているかどうかが難易度の高低を決めます。
なぜなら特異的な化合物がないと検証試験が組めないためです。
もし他社が手をつけてないターゲットの
(自社で見つけたターゲット、論文・学会発表があったばかりのターゲットなど)
創薬を目指す場合には自社のライブラリーからリード化合物となりえる
ものを見つけ出すことから始まります。コレが先日書いた
「わかりやすく理想的なスクリーニングフロー(薬理編)」の中の
「1 st screening:in vitro assay(cell freeの系:できればHTSで回したい)」に
なるわけです。
続きは次回以降…
<補足>
POC
(「ぴーおーしー」と読む)
proof of conceptの略
直訳で「コンセプトの証明」
たとえば創薬の現場で「POCが取れている」と言う時は
「ターゲット(もしくは化合物の)の有効性が証明が出来ている」という意味
たいてい「ヒトに対する有効性」に対していう事が多い。