昨日、今日と注目していたcardiovascular*系の
化合物の2つが(ともにPhaseIII*)、片方は臨床中止
もう一つは導出決定(というか、提携か)
というニュースを知りました。
他社さんの話ですけど、まさに天国と地獄ですね。
こうゆうニュースって株主さんとかは、どのくらい
反応するんですかね…
<補足>
PhaseIII
臨床段階の一番最後の試験(治験)。
日本語だと「第三相試験」とか書かれてたりする。
しかし関係ないけど「Phase→相」って直訳だよな。
臨床段階には大きく3段階あって…って
昔、解説書いた気がするのですが
見つからないので、再度解説。
治験と呼ばれる、臨床段階には3段階あり
PhaseI,II,III(フェイズワン、ツー、スリーと読んでね)が
あり、特にPhaseIIはaとbに分かれる。
PhaseIは健常な人のボランティアの方に対して薬を使い
主に体内動態等を確認。
PhaseIIは少数の患者さんに協力してもらい
実際の薬効(dose dependenceなど)を確認。
PhaseIIIである程度、大規模に薬として有用かを
確認します。
…おかしい所があったら、誰か指摘して
SIUは開発の人じゃないから、確固たる自信はありません(涙)
臨床の組み方は薬のターゲット疾患にもよりますし
同じ薬効の薬でも、会社の方針によっても変わってきます。
例えば「ガンの薬」なら実質PhaseIIまでで
(たしか)上市まで持っていけます。
逆に臨床が長引く例では、抗リュウマチ薬
(具体的にはレミケードとエンブレル)が
PhaseIV(市販後調査)として5000例と3000例集めるよう
お上から指示がありましたね。
5000例と3000例って、とんでもない数ですよ。
関連各社の開発さんご苦労様です(涙)
(厳密にはPhaseIVは全部の薬でやるらしいですが…よく知りません_笑)
患者さんの数、つまり臨床試験の大きさは
オーファンな薬なら少数例でも認められますし
慢性疾患(高血圧とか糖尿病とかね)なら、かなり大きい
臨床を組まないとダメなようです。
あとは最低限の試験しか組まないのか
上市後いっきに販売できるように
標準治療薬とのコンビネーションの臨床studyも組んで
治験をする会社もあります。この辺は会社の方針ですね。
こんな感じでいかがですかね?
あ、オーファンを解説しないといけないか…
それはまたの機会に(笑)
cardiovascular
「心血管系」のこと、心臓や血管のシステム全体を
指すとときに良く使います。
「心血管系疾患のリスク」なら「cardiovascular risk 」とか
COX-2阻害薬のアドバースエフェクトの時に
よく使われてましたね。
心血管系の疾患と言えば、高血圧とか脳卒中とか
心不全とか動脈硬化とか、まあそんな感じです。