「日々これせっせとお薬作り」 -製薬会社新米研究員SIUの日常-

新薬の研究に営む毎日・・・のはず。製薬会社研究職の日常をつたない文章でつづります。

メディシナルケミストリー用語解説260

2007年06月27日 | 製薬会社な日常
自腹で買った創薬関連本を採点して見ようのコーナー!です。

購入した本は吉川医薬研究所の吉川徹様が進める2冊。

ちなみに吉川徹様は、幅が広く非常にクオリティが高い製薬業界のレポートを
作成しネット上で公開してくださっているので、SIUは色々参考にさせていただいております。
こんな場末のブログをご覧になっていると思えませんが
『ありがとうございます』と大声で言っておきたいと思います(笑)

本当は秘密にしておきたいくらいのソースなのですが
いいものは広がっていくのが常なのであえて紹介して
「SIUもたまにはいいもん進めんじゃねーか」と思ってもらう作戦(笑)
吉川様のレポート↓
「週刊 吉川医薬経済レポート」
http://www.medmk.com/mm/topic/news_tag.htm

ここまで褒めると嘘っぽく思えるかもしれませんが
吉川様とは一面識もございませんで、SIUが勝手に褒めているだけであります。

<閑話休題>

さてその2冊とは
『メディシナルケミストリー用語解説 260』
日本薬学会医薬化学部会Medicinal Chemistry関連用語集編集委員会企画,
日本薬学会編 じほう 2007年3月刊 2600円

『新しい薬をどう創るか――創薬研究の最前線』
京都大学大学院薬学研究科編 講談社ブルーバックス B-1541 2007年4月刊
の2冊

そのうちの
『メディシナルケミストリー用語解説 260』をご紹介。

外見は無味乾燥な用語集に見えますが…
いいわこれ。製薬会社の研究(もしかしたら開発も?)に
従事しているヒトにはかなりお勧め。
これで2600円は社会人なら買いじゃないでしょうか?

逆にこの業界に特化している分、学生さんやら他業種のヒトには向かないかも。
製薬会社の研究職を目指して就活している方は、会社入ってから少ししたら
購入すればよいと思います。入社前に買ってもわかりにくい気が…
SIUの学生時代には「2600円」は大金でした(笑)

就活中の学生さんにはむしろ巻末についている「創薬に関する物語・ストーリー」リストに
載っている本をお勧めいたします。だいたいはすでにSIUの手元にある本なので
時間があるときにそれらもおいおい紹介していけたらよいなあ。

さて内容について。。。
会社に居ると「良く出てくる単語だけどどうゆう意味かイマイチわからない」って
略語とか専門用語があるじゃないですか。

わかりやすい例で言えば…
入社直後は「アドメ(ADME)」とかだって「ん?どういう意味…」てなもんですよ。
(もちろんSIUがアホであったことは否めない)
合成の人だったら「ビボ、ビトロ(in vivo, in vitro)」だって
意味がわからないかもしれない。そんなときに欲しかったなぁと思う一冊。

無論、そんなカンタンな話ばかりでなく、良く聞くけど
イマイチ分かりづらいことを簡潔に歯切れ良くまとめてくれていると思います。
例えば「Lipinski's rule(いわゆるrule of 5ですな)」とか
SIUははっきり理解していなかったんですが、これを読むと「Oprea's score」
対比して書いてくれている、わかりやすい。

または「hERG試験」って良く聞くし意味はわかっているつもりなんですけど
(いちおうSIUは循環かつ薬理だし_笑)
何の略?って聞かれると「いやそれは、その…テヘ(苦笑)」って
愛嬌で逃げてしまいます(あ、石は投げないでください_笑)。
この本を読んで始めて正解を知りました。薬理の方わかります?
(・・・考え中・・・)
正解は「human ether-a-go-go related gene」の略
(ヒト心筋IKrのαサブユニットをコードする遺伝子のこと)
だそうですよ。なんだ「a-go-go」って(笑)
「君たち男の子Go-Go」みたいな(若い子は置いていかれてください)

あとは「CLogP」とか何度も説明してもらってるんですけど
聞くそばから正確な意味合いを忘れるんです、なんせ「ざる」の頭だから…けど
この本を読めば正確かつ簡潔に意味が書いてあるから、合成の人に意味を聞いて
「何度目だ?」(もしくは「オマエ何年目だ?」)って怒られなくてすみます。

これらの用語って製薬会社で研究してると良く出てくるのに
ネットで検索してもノイズが多いためか、なかなか本来の意味にたどり着けなかったり
するんですよね。かといって生化学辞典には載ってなかったりもする。
そんなときにこの一冊に「あるかな?」って確認できる意味では
便利じゃないですかね?

合成のかたとか毒性の方とかなら
「アロステリックレギュレーション(Allosteric Regulation)」とか
「インバースアゴニスト(Inverse Agonist)」とか
「パーシャルアゴニスト(Partial Agonist)」とか
薬理に説明されてもわかったような、わかんないような言葉ありませんか?
そんなのもここに解説されております。

前から読んでいって、気になるところだけ読めば「なるほどー」と思える。
読み物としても面白い本です。というわけでわりとお勧めの一冊でした。

3年前のアイディアが論文化されてました…

2007年06月22日 | 製薬会社な日常
本日、PubMedで論文を検索していたら
3年前に自分が立てた仮説とまったく同じストーリー
の論文がPublishされていました。

内容は「ある物質の抗肥満作用とそのメカニズム・作用部位」について。
3年前に思いついた時は
「この点とこの点は一見バラバラに見えるけど実は繋がってたら
おもしろいよなー」って考えながら、調べたんですけど
ほとんど証拠がなく、けっこう斬新だったのになぁ…

時が経てばだんだん鮮度が落ちて当たり前になるというような
お手本ですよね。そんなにビックジャーナルじゃなかったし(笑)

論文書くことが仕事でないので、先を越されてまったく悔しくない。
それが言いことなのか悪いことなのかわからないけど(笑)

人には言えるが自分じゃ出来ない

2007年06月21日 | 製薬会社な日常
学会会場では「もう少しゆっくりしゃべったら良いのに」とか
「もっと良く聞いてから質問に答えれば良いのに」とか
エラそうに思うのですが、本日
上司に学会の内容を聞かれしどろもどろになり
「言うは易し、行なうは難しだなぁ」と実感いたしました(涙)

どんな時でも気をつけることを、思いつくまま箇条書きにしてみると…
・わかりやすくするため、話の順序を考える(ストーリー展開を気にする)
・簡易に話せない場合は図を示しながら話すと理解してもらいやすい
・自分がわかること、わからないことをはっきりする
・はっきりとした声で答える
と言うところでしょうか?

最近箇条書きが多いな(笑)

色香が香る

2007年06月20日 | 製薬会社な日常
新人さんと同じエレベーターになりました。
彼女はオジ様たちにたいそう人気があるのですが
たしかにエレベーター内でのちょっとしたなにげない身のこなし方に
なんともいえない色気がありました。
わりあい社内で否定的な意見もあるのですが(笑)
色気があるのは、個人的には非常にうらやましいなあと、、、

与謝野鉄幹は言いました。
「友を選ばば書を読みて、六分の侠気、四分の熱」

この言葉の「侠気」を「色気」に変えても良いくらい
「色気」って大事じゃないかと。単純に露出が激しいとかじゃなくて
「身のこなしが…」ってのがポイントよね。

まあ何が言いたいかというと
「SIUさんてどこかわからないけど、色気あるよね」って言われるような
年の取り方をしたいなぁ、と思ったしだい。
姿を見せないブログならではの宣言。
実物を知っている方には殴られてしまうので(笑)

学会出張箇条書き

2007年06月19日 | 製薬会社な日常
たまに学会出張に行ったことをブログに書いておりますが
「学会出張てどんな感じなの?」とか「学生の時の学会との違いは?」とか
そんな疑問を読んでる人は感じるかな?と思ったんでそのままの回答には
なりませんが、学会出張に必要なもの、ポイントなんぞを書こうかと思います。。。

まず必要なことを箇条書きにしていきましょう(一応時系列順)
初めて会社の学会出張する人はチェックリストにしていただくと幸い。
□交通機関(新幹線・飛行機など)の手配
・混雑時にはとにかく早く抑えましょう。出発時間が決まっていない場合は
最終に予約を取っておけば、当日でも空いている限り便の振り替えは効きます。
予約便が出てしまった後だと無理ですが。

□宿泊施設の手配
・東京、大阪なら泊まるところはたくさんありますが
地方都市で大きな学会があると、泊まるところがなくなって泣きそうになります。

□学会参加事前申し込み
・当日の時もあり。事前参加の方が安い時には事前登録を
会社から言われる時もある。会社によって自分で手続きする場合と
総務にお願いする場合があります。

□要旨集をチェック
・参加セッション、チェックすべきポスターの決定をしておきましょう。

□当日(もしくは前日)おくれずに会場へ行く

□学会参加
・出張報告書に書きやすいようにメモを残す
・できる限り質問をしよう、誰も自分の事なんか覚えてません
旅の恥は掻き捨て(笑)

□お土産購入
・実は一番重要かも。特産品を絡めつつ、お値段抑えつつ(笑)

□出張報告書作成
・一番メンドクサイが、時間が経つとより大変・になるのでお早めに。

□出張旅費清算
・交通費、宿泊代、学会参加費、要旨集代。場合によっては懇親会参加費も
清算する必要性があります。忘れていても誰も教えてくれないので
学会から帰ったら必ずすぐに清算。


箇条書きのつもりが書き込みすぎた気もします…
続編を書くかもしれません。

内分泌学会3日目

2007年06月16日 | 製薬会社な日常
本日、土曜で内分泌学会はおしまい。
結局、せっかくの東京なのに特に美味しいものも
食べていないので、本当は午後も演題がちょこっとあるんですが
まあ自分的には半ドンで良いかなと思い、早めに終了(笑)

知り合いのやっているお店がちょうど有楽町にあったので
そこでご飯食べてきました。

内分泌学会はなかなか面白かったです。
循環・代謝・甲状腺異常・etc…
いろいろなジャンルを「内分泌」というくくりで
纏め上げているので、思いもがけない知識が手に入ります。

とはいえ、オーラルでは1回しか質問しなかったし
冷静に考えると手を抜いてしまっていたのかもしれないと反省(汗)

入社してけっこう経ちますがなかなか満足な学会出張というものはないですね。

少しづつ

2007年06月12日 | 製薬会社な日常
危うく閉鎖状態になりかけていたこのブログですが
(一ヶ月書き込みが出来なかったのはたぶん最長…_涙)
ちょこちょこと書いていこうと思います。
書きたいことはあるので。。。

これからもまたお願いいたします。