「日々これせっせとお薬作り」 -製薬会社新米研究員SIUの日常-

新薬の研究に営む毎日・・・のはず。製薬会社研究職の日常をつたない文章でつづります。

ベーリンガーがベンチャー(アクティミス)を買収

2008年06月18日 | 製薬業界トレンド
また買収案件です。。。
Boehringer Ingelheim(ベーリンガーインゲルハイム)です。

NIKKEI NETより
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独ベーリンガーインゲルハイム、バイオテクノロジーの非上場ベンチャー企業の買収計画を発表
ベーリンガーインゲルハイム、アクティミス・ファーマスーティカルス社の買収計画を発表

2008年6月17日  ドイツ/インゲルハイム

 ベーリンガーインゲルハイムはこのほど、同社がアクティミス・ファーマスーティカルス社を買収する旨、両社間で合意に至ったことを発表しました。アクティミス・ファーマスーティカルス社はサンディエゴ(米国カリフォルニア州)を拠点とするバイオテクノロジーの非上場ベンチャー企業です。買収は段階的に進められ、アクティミス・ファーマスーティカルス社が喘息を適応症に開発するAP768の開発マイルストンの達成に応じて、持株比率を高めていく計画です。現在フェーズIにあるAP768が成功裡にフェーズIIIに至った段階で、ベーリンガーインゲルハイムはアクティミス・ファーマスーティカルス社を完全買収することになります。買収総額は5億1,500万米ドル相当となる見通しです。

 AP768は、喘息やアレルギー性鼻炎治療の新たな標的であるCRTH2(マウスTH2細胞に発現する化学誘引物質共役型受容体)に作用する化合物です。現在実施中のフェーズIに先立つ前臨床試験では、複数の動物モデルにおいて、現在市販されているロイコトリエン受容体拮抗薬と比べて、より有効性の高い作用機序であることが示唆されました。

 「アクティミス・ファーマスーティカルス社の化合物は、呼吸器系領域でベーリンガーインゲルハイムが持つ充実した開発ポートフォリオを更に補完するものです。COPD治療の進歩に大きく寄与したスピリーバ(R)など、ベーリンガーインゲルハイムは過去何十年にもわたり、呼吸器系領域での研究開発に強みを発揮してきました」と、ベーリンガーインゲルハイム取締役会副会長、医薬研究開発担当取締役のアンドレアス・バーナー博士は述べました。
(中略)
ベーリンガーインゲルハイムについての詳細情報は:
 www.boehringer-ingelheim.com (ベーリンガーインゲルハイムグループ)
 www.boehringer-ingelheim.co.jp (日本ベーリンガーインゲルハイム)
からご覧いただけます。
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http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=191968&lindID=4

買収総額は5億1500万ドル(約556億円)らしいです、referenceは薬事日報。
http://www.yakuji.co.jp/entry7125.html

ちなみにベーリンガーインゲルハイムとは、1885年に設立、ドイツのインゲルハイムに本拠を置く
世界約50ヵ国に143の関連会社を持つ世界でトップ20の製薬企業の一つ。
2007年度の売上高はおよそ110億ユーロ(約1兆7700億円)だそうです。
1兆7700億円っていくらですか?(笑)SIUには金額が大きすぎてワカランです…

さらにアクティミス・ファーマスーティカルスは、独バイエル・ヘルスケアからスピンアウトした
バイオベンチャーで、三井物産ベンチャーパートナーズなどが出資しているらしいですよ。
日本にも旧バイエルの研究所があったじゃないですか、それがいまアクティミスに所属していると
何かで読んだ気がしますがreferenceをすぐに示せないので、話半分で(笑)
まあ、ファイザーからスピンアウトした愛知の研究所が外資に買われたみたいなイメージですな。

「第一三共が買収」を受けて社員は…?

2008年06月16日 | 製薬会社な休日
第一三共勤務の友人ダイイチ君(もちろん仮名_笑)
と電話で久しぶりに話しました(割と仲良し)。

んで、ランバクシーの買収の件を聞いてみましたが
当たり前ですが報道以上のことは社員もわからないようで…
でもなんか現場の空気感は感じました。。。
あ、あと社内LANにはその件について社長(だっけな?)の
コメントが載ってるそうです。

ちなみにこの件についてダイイチ君が言ってたこと
・経営陣にとっては数字的な経営目標の達成が容易になる
ことが魅力的だったのではないか。
・ただしTOBなので成立するかはわからない。
・ランバクシー買収はGSKやファイザーも検討していたらしい
ということは、割といい買収案件だったのかも。
だそうです、はい。

学生時代は身浮世離れしていたアナタが、ずいぶんとまあビジネスマンっぽい
コメントをして母さんうれしいよ(爆)…って感じたんですが
本人に伝えるのは少し無礼かな?と思ったんで

「身浮世離れしていたアナタがずいぶんビジネスマンっぽい
コメントをするねぇ(笑)」無礼に言ってやりました(笑)
(再度言いますが「SIUは」仲良しだと思ってます_汗)

あ、でも彼の名誉のために言っておきますが
彼はSIUの十倍は優秀な科学者で、三倍くらい頭が良いです。
同じなのは身長くらい…(笑)

あ、でも彼は「インドには行きたくない!」そうです。
たぶん理由は「きれい好きだから」だな。
なんかそこに学生時代の片鱗を見て少しかわいかった(笑)

ビルマは英語だと「ビィーマー」って聞こえた

2008年06月15日 | 非製薬ネタ
映画「ランボー」見てきました。
ひどくグロテスクな表現が多かったので
そうゆうのが苦手な方にはお進めしませんが
戦争行為が美化されていないというのはSIUの好みではあります。
「人を助けるために、人を殺していいのですか?」
ということを真っ正面から聞かれた感じですかね。
久しぶりに一人で見て正解の映画でした。

おしゃれタウンは眠らない

2008年06月14日 | 非製薬ネタ
ウィークエンドシャッフルのイベントに行ってきました。
しかし深夜の0:00-スタートなのに人が集まり過ぎです(涙)
場所は恵比寿側から来る駒沢通りと旧山手通りぶつかったところにある
代官山のUINT。おしゃれタウン代官山(笑)

イベントは楽しかったですし、自販機のエビアンが500円で売ってるのも笑いました。

第一三共がRanbaxy Laboratoriesに買収提案

2008年06月12日 | 製薬業界トレンド
来ましたね第一三共、大型買収です。相手はワールドワイドな後発品薬メーカー
Ranbaxy Laboratories Limited(ランバクシー・ラボラトリーズ)。

簡単な概況
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第一三共、後発薬事業5000億円に 12年メド(NIKKEI NET)
 第一三共の庄田隆社長は12日に都内で記者会見し、2012年に後発医薬品(ジェネリック医薬品)
事業が5000億円強になるとの見通しを示した。後発薬が主体のインド製薬最大手、
ランバクシー・ラボラトリーズを最大5000億円で買収することが寄与する。(後略)
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hotnews.aspx?site=MARKET&genre=c1&id=AS1D120AG%2012062008
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もちっと詳しい記事はこちら↓
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Voice of India
2008/06/12 THURSDAY 19:17:49 JST
〈東京〉 インド最大の製薬会社ランバクシー・ラボラトリーズを買収した第一三共の庄田隆社長と、
ランバクシーのマルビンドラ・シンCEOが12日、都内で共同記者会見を行った。
第一三共は、ランバクシー・ラボラトリーズおよびその創業家(シン一族)と、
ランバクシーの株式の50.1%以上を買収することを目的とする契約を結んだことを11日に発表していた。
ランバクシー・ラボラトリーズは第一三共の連結子会社となる。(後略)
http://www.voiceofindia.co.jp/content/view/1312/74/
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激しい動きになってきましたね、M&A.
さて、では最近の動きをおさらいしてみましょう。

最近の内資による買収のおさらい
<武田>
Millennium Pharmaceuticals, Inc.(ミレニアム・ファーマシューティカル社)を
なんと約88億ドル(約8900億円)で買収。(すごいキャッシュフローのパワーだ!)
あとはAmgen(アムジェン)日本法人を買収してますね。これは日本法人に加えて現在臨床を進めている
アムジェン化合物の日本における開発権付き、買収金額は非公開。
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/071127/14523.html

<アステラス>
癌領域の抗体医薬を専門とするベンチャー・Agensys, Inc.(アジェンシス)を買収。
価格は3億8千7百万ドル(約400億円くらい?)。
http://www.japancorp.net/Japan/article.asp?Art_ID=40982&cid=28595

<エーザイ>
癌領域の重点テーマ化を進めるためにMGI PHARMA, INC(MGIファーマ)を買収。
買収金額は約39億ドル(約4300億円)
http://www.yakuji.co.jp/entry5222.html

最近の買収案件についてまとまっているページ↓
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200806120013a.nwc
*買収金額等はネットの報道から引っ張っておりますので信憑性等に関する判断は
自己責任でお願いします。

と最近、内資製薬企業の海外ベンチャー~中堅メーカーの
買収案件が多かったですが、これも大きい規模ですね。
買収金額5000億円というと、特許が切れていないARBの売り上げが500億くらいだから
その十倍ですよ、そうぞうつかないな。海外の企業の買収の場合のれん代ってどうなるんですかね?
あと株式上場してない時ののれん代って発生しないのかな?

第一三共⇒Ranbaxy Laboratoriesに関しては割と好意的な報道が多いようですね
SIUの感想としてはインドに橋頭堡を築く戦略としてとしてはgood!って感じでしょうか。

少し考えてメリットをあげると
1. 第一三共が持たない販売網を各国に築いている
2.第一三共と被らない特徴のある会社である、相互補完性を持つ(後発品に特化)
3.これから有望なマーケットであるインドの会社である

っていうメリットがあげられるのですが
ミレニアムの半額って考えると安いとも言える気もするなぁ。
ミレニアムがいいコンパウンドを持っているかはわからないので
そうゆう意味ではランバクシー購入の方がバクチ度は低いのかな。

他の会社は化合物(もしくは抗体)付きの会社を買った感じ
今回の件は純粋に事業形態としての『会社』を買ったという感じでしょうか。

アステラス・武田に比べ海外戦略にノウハウ・人材が乏しいように感じられる
第一三共ですが、果たして巨大外資メーカー(しかも後発品に特化している)を
マネージメントしきれるか?お手並み拝見ですね。

研究者にせよバックオフィスにせよ、日本と他国のカルチャーの違い
第一三共とランバクシーのカルチャーの違いが埋められるでしょうか?
うまくマネージメントできれば化けるかもしれませんが…
こりゃ、各国の(海外の)ランバクシーの現地支社に赴きコントロールすることになる
現場の人は想像を絶する苦労をするのではないかと…。SIUに出来ないだけか(涙)

と、まあ偉そうな事を言ってもランバクシーの企業文化なんてSIUは知る由もありません(笑)
大成功してインドの研究所で日本人引っ張りだことかになるといいのになぁ(←馬鹿げた妄想)

試薬が届かない…

2008年06月11日 | 製薬会社な日常
タイトルのまんまです、試薬(キット)が届かない(笑)
海外から入荷する品物は早めの注文が大事ですね。
わかっちゃいるけどストック作ると棚卸しがメンドクサイのよ。
あとその実験系が止まった時に試薬が無駄になりますしね。

いつかは欲しいなイグノーベル賞

2008年06月10日 | 製薬会社な日常
最近読んだ本のお話…
イグ・ノーベル賞 -大真面目で奇妙キテレツな研究に拍手! -
(マーク・エイブラハムズ (著), 福嶋 俊造 (訳) 阪急コミュニケーションズ)
を読みました。

これまでの数々のイグノーベル賞受賞者・研究を紹介しています。

ちなみにイグ・ノーベル賞(IG NOBEL PRIZES)とは
「ノーベル賞」に反語的な接頭辞(ig)を加えたもじりであると共に
「nobleでない=卑劣な、あさましい」を意味する"ignoble"をかけた賞の名前です。
うまく言い表すのは難しいのですが「バカバカしい、でも意味のある研究」に
与えられる賞と言えばいいでしょうか。

より詳しくイグ・ノーベル賞とは何かを知りたい方は
wikiへどうぞ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/イグノーベル賞

良く知られている物としては「たまごっち」や「バウリンガル」
「ハトによるモネとピカソの作品の識別」(以上、日本人の受賞)などがあります。
ちなみに「たまごっち」の受賞理由(経済学賞)は
『数百万人分の労働時間を仮想ペットの飼育に費やさせたことに対して』という
もっともな理由です。たしかにバカらしいほどの労働力・労働時間の損失とも言える(笑)

受賞している研究はトンデモ研究だけではない事は知っていましたが
有名医学雑誌であるLancet, JAMA, BMJ, NEJM
載っている研究も受賞しています。
レベルの高い研究とイグノーベル受賞研究は両立するようです。
さあ皆さんレッツトライ(笑)

一つの研究にあまり突っ込むのもなんですが、受賞研究に
MRIを用いヒトの生体構造に迫った物があります。
この研究はnatureに2回リジェクト、BMJに1回リジェクト。
そしてすったもんだの挙げ句、BMJに載ったそうです。
しかしよくnatureに投稿しましたね…

ちょっと研究内容についてSIUは言及し辛いので
詳しく知りたい方は本書のp152を見るか
下の論文をPubmedで引いてみてください…、ですがSIUへのクレームは受け付けません(笑)
Magnetic resonance imaging of male and female genitals during coitus and female sexual arousal.
Schultz WW, van Andel P, Sabelis I, Mooyaart E.
BMJ. 1999 Dec 18-25;319(7225):1596-600.

そりゃこの研究じゃアクセプトされにくいよ…

大学コンビニ物語

2008年06月09日 | 製薬会社な日常
大学で教員をやっているA子さんから聞いた話
「最近の若者に憤っているんだ」とのこと

A子さんが大学構内のコンビニの買い物のときの話
551円の買い物をした時に、1001円出したところ
449円返ってきたそうです。店員さんに
「1円ありますよ」といったところ(A子さんは1円玉や5円玉でお財布をパンパンにしたくなかったんですね)
店員さんは俯いたまましばし考え
「・・・大丈夫です」と一円ごと押し返されたそう
大丈夫って(笑)
「あれで大学生なんだから困っちゃうよ、一円を加える計算もできないのか!」
って言ってました。

A子さんには悪いのですがちょっと微笑ましかったです
「・・・大丈夫です」って、何が大丈夫なんだ(笑)
なかなかセンスありますよ、店員さん。

「THE MIST」って映画見ました

2008年06月08日 | 製薬会社な休日
本日、「THE MIST」という映画を見てきました。
ネタばれはしませんが、トラウマになりそうなエンディングでした(涙)
でも見に行ってよかったです、はい。

ローカルな話で申し訳ありませんが、映画のために車を使った時に
筑波からひたち野うしく駅に行く途中の右手に、巨大なK's電気が出来てました。
土地が余ってるんだなぁ(笑)
あの辺に三菱化学の工場か研究所がありますしね。
あ、あと左手にレストランなのかな?なにか素敵なお店にところが建設中だったなぁ。
ひたち野うしく駅の周辺も最近たくさんお店が出来てきましたねー。
昔はスカスカだったのにねぇ。