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忘れないように……

アメコミ・ヒーロー映画の一覧(2015年~2020年)

2015-09-17 12:25:00 | 映画 - 作品

 来年アメリカで公開される、アメリカン・コミックス(アメコミ)のヒーローもの映画は何本あると思いますか? 7本も予定されてるんですよ。2010年代後半はアメコミのヒーロー・チーム映画が量産時代となります。



 まずは、マーベル・スタジオの「マーベル・シネマティック・ユニバース」(以下、MCU)と呼ぶ世界を舞台にした一連の映画。2008年の映画『アイアンマン』から始まって、この夏公開された映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』が11作目、9月日本公開の映画『アントマン』が12作目となります。2019年まで年2~3作ペースで公開することが発表されてます。

 なお、マーベル・スタジオはウォルト・ディズニー・スタジオに2009年に買収。このため、2012年の映画『アベンジャーズ 』以降は、配給もディズニーになってます。



 マーベルはMCUを始めるずっと前に、他の映画会社に映画化権を売ってる作品があるため、MCUに属さない映画シリーズが現在も製作されています。

 「X-MEN」シリーズ。マーベル・コミック原作だが、映画化権は20世紀フォックスが持っている。2017年3月までしか予定は出てないが、そのあとも映画は作られそう。

 同じくマーベル・コミック原作ながら、20世紀フォックスが映画化権を持っている「ファンタスティック・フォー」シリーズ。2005年にも映画が作られ、2007年にも続編が作られました。この2作とは関係なく、2015年に新しいシリーズが始まりました。日本では10月公開。続編も2017年に公開予定。

 マーベル・コミック原作で、ソニー・ピクチャーズのコロンビア映画が映画化してきた「スパイダーマン」シリーズは、MCU入りし、2017年に新しいシリーズが公開される。製作はマーベルとコロンビアで、配給はソニー。1作で終わるとは思えない。主役のトム・ホランド(1996年生まれ)が成長してしまう前にたくさん映画を作っておきたいところ。



 マーベルと並んでアメコミを代表するDCコミックは、タイムワーナー傘下の出版社。映画化はワーナー・ブラザースが手がけてきました。

 DCコミックは、2013年の映画『マン・オブ・スティール』と同じ世界を舞台にした映画を、年2作ペースで2016年から2020年まで映画を公開していく予定です。この世界(宇宙)を「DCエクステンディッド・ユニバース」(以下、DCEU)と呼ぶことになりました。


 面白いのは、マーベルが2003年のユニバーサル・スタジオの映画『ハルク』が興行的に満足いく結果ではなかった(私は好きな映画ですけど)にもかかわらず、MCUの製作に踏み切ったのに対し、DCは映画『マン・オブ・スティール』のヒットを受けて製作が決定した点です。

 『ハルク』は実写のテレビドラマシリーズのヒットが過去にあるので、懲りずにMCUを開始した2008年にも映画『インクレディブル・ハルク』を作りますが、やはり興行的には成功せず。以後ハルク単体の映画は作られていません。

 DCも過去にテレビドラマや映画で何度も大ヒットを飛ばした「スーパーマン」を再度映画化した2006年の『スーパーマン リターンズ』が興行的には成功せず。2013年にも映画『マン・オブ・スティール』を製作して、こちらはヒットを飛ばし、ここからDCEUを始めることに。

 アメコミの別々の作品をクロスオーバーさせてヒーロー達のチームを組ませるのは、漫画ではマーベルのアベンジャーズより、DCのジャスティス・リーグのほうが早かったのに、映画では完全に遅れを取りました。果たして、MCUのようにDCEUは広く受け入れられてヒットしていくのか。楽しみです。



 というわけで、全米公開日が決まってる作品だけですが、2010年代後半のアメコミ・ヒーロー映画4シリーズの一覧を表にしてみました。原題もまだ決まってないものは、勝手に仮題をつけました。よろしく。(※『アントマン』の続編製作が決定したため、日程が変更されました。以下の表は変更前のものです。後日、修正します。

 表の「XM」は「X-MEN」シリーズの映画、「F4」は「ファンタスティック・フォー」の新シリーズの映画です。数字は何作目かを表してます。


北米公開日マーベルDC作品名
MCUXMF4DCEU
2015年 5月1日M-11アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
Avengers: Age of Ultron
7月17日M-12アントマン
Ant-Man
8月7日F-1ファンタスティック・フォー
Fantastic Four
2016年 2月12日X-8デッドプール(原題)
Deadpool
3月25日D-2バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
Batman v Superman: Dawn of Justice
5月6日M-13キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー(原題)
Captain America: Civil War
5月27日X-9X-MEN:アポカリプス(原題)
X-Men: Apocalypse
8月5日D-3スーサイド・スクワッド(原題)
Suicide Squad
10月7日X-10ガンビット(原題)
Gambit
11月4日M-14ドクター・ストレンジ(原題)
Doctor Strange
2017年 3月3日X-11ウルヴァリン3(仮題)
Untitled Wolverine sequel
5月5日M-15ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2(原題)
Guardians of the Galaxy Vol. 2
6月9日F-2ファンタスティック・フォー2(仮題)
Fantastic Four 2
6月23日D-4ワンダー・ウーマン(原題)
Wonder Woman
7月28日M-16スパイダーマン(仮題)
Untitled Spider-Man film
11月3日M-17マイティ・ソー3(仮題)
Thor: Ragnarok
11月17日D-5ジャスティス・リーグ パート1(原題)
Justice League Part One
2018年 3月23日D-6ザ・フラッシュ(原題)
The Flash
5月4日M-18アベンジャーズ3 PART 1(仮題)
Avengers: Infinity War – Part 1
7月6日M-19ブラック・パンサー(原題)
Black Panther
7月27日D-7アクアマン(原題)
Aquaman
11月2日M-20キャプテン・マーベル(原題)
Captain Marvel
2019年 4月5日D-8シャザム(原題)
Shazam!
5月3日M-21アベンジャーズ3 PART 2(仮題)
Avengers: Infinity War – Part 2
6月14日D-9ジャスティス・リーグ パート2(原題)
Justice League Part Two
7月12日M-22インヒューマンズ(原題)
Inhumans
2020年 4月3日D-10サイボーグ(原題)
Cyborg
6月19日D-11グリーン・ランタン(仮題)
Green Lantern Corps



 ややこしいのは、MCUの『キャプテン・マーベル』の次に来るアメコミ映画がDCEUの『シャザム』だということ。シャザムに登場するのは、DC版のキャプテン・マーベル。名前は同じだが、全然関連のないキャラクターらしい。

 MCUは、新登場となるキャラクターの主演映画をたくさん用意しているが、この予定のままだとヒットしても続編は2020年以降になってしまう。新スパイダーマンを2017年7月に割り込ませたように、あらかじめ決めているMCU作品の公開日に、当初の予定とは違う作品を割り当てて、それ以降の作品を後ろにズラしてくる可能性もある。


 この他にも、2014年の映画『LEGOムービー』のスピンオフ『ザ・レゴ・バットマン・ムービー(原題)』 The LEGO Batman Movie が2017年2月10日に全米公開予定。バットマン&ロビンとジョーカーの対決がレゴで描かれる予定です。なお、『LEGO(R)バットマン:ザ・ムービー 〈ヒーロー大集合〉』 LEGO Batman: The Movie - DC Super Heroes Unite (2013年) もあり、こちらは日本でもDVDが出ています。

 ソニーは「スパイダーマン」のアニメーション映画を2018年7月20日に全米公開予定としている。題名はまだ未定で、IMDbでも「Untitled Animated Spider-Man Project」としかされていない。

 あと、俳優で映画監督のベン・アフレックは、DCEUでバットマン役が決まった際、バットマン映画を監督する権利も取得している。こちらは、2021年以降になるのだろうか。



 というように、2016年~2020年はアメコミを実写化した映画がひしめき合う事態になります。あと、アメコミではないけどファン層がかぶりそうなスター・ウォーズの映画も、2015年~2019年は毎年1作公開。日本の観客は、この状況についてこれるのだろうか。



参照:


マーベル映画 2008年~2019年 一覧表

2015-06-19 12:00:00 | 映画 - 作品

 間もなく日本でも映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』が公開されます。ところで、「これって “マーベル・シネマティック・ユニバース” で何番目の作品だっけ」と思って調べたら、11作目でした。みなさん、シリーズ全部覚えてますか?


 “マーベル・シネマティック・ユニバース” とは……。アメコミのマーベル・コミックのスーパーヒーロー物は、これまでも映画化されてきました。漫画では、異なるシリーズ作品がクロスオーバーして、スーパーヒーローらが競演することがあり、時には対決したり、時にはチームを組んだりしていました。映画でもこれをやろうと、2008年から始まったマーベル映画共通の世界を “マーベル・シネマティック・ユニバース” と呼んでいます。


 というわけで、“マーベル・シネマティック・ユニバース” の映画作品を表にしてみました。邦題未定のものは勝手に仮題をこちらで付けました。(※『アントマン』の続編製作が決定したため、日程が変更されました。以下の表は変更前のものです。後日、修正します。



#邦題
原題
劇場公開日説明Blu-ray、DVD
北米日本
フェーズ 1
1アイアンマン
Iron Man
2008年5月2日2008年9月27日「アイアンマン」1作目Blu-rayDVD
2インクレディブル・ハルク
The Incredible Hulk
2008年6月13日2008年8月1日「ハルク」1作目Blu-rayDVD
3アイアンマン2
Iron Man 2
2010年5月7日2010年6月11日「アイアンマン」2作目Blu-ray+DVD
4マイティ・ソー
Thor
2011年5月6日2011年7月2日「ソー」1作目Blu-ray+DVD
5キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー
Captain America: The First Avenger
2011年7月22日2011年10月14日「キャプテン・アメリカ」1作目Blu-ray+DVD
6アベンジャーズ
Marvel's The Avengers
2012年5月4日2012年8月14日スーパーヒーローチーム「アベンジャーズ」1作目Blu-ray+Digital Copy
DVD+Blu-ray
フェーズ 2
7アイアンマン3
Iron Man 3
2013年5月3日2013年4月26日「アイアンマン」3作目Blu-ray+DVD
8マイティ・ソー/ダーク・ワールド
Thor: The Dark World
2013年11月8日2014年2月1日「ソー」2作目Blu-ray+DVD他
9キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
Captain America: The Winter Soldier
2014年4月4日2014年4月19日「キャプテン・アメリカ」2作目Blu-ray+DVD他
10ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
Guardians of the Galaxy
2014年8月1日2014年9月13日「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」1作目Blu-ray+DVD他
11アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
Avengers: Age of Ultron
2015年5月1日2015年7月4日スーパーヒーローチーム「アベンジャーズ」2作目
12アントマン
Ant-Man
2015年7月17日2015年9月19日「アントマン」1作目。
主人公は体長1.5センチになるスーツを身につける。
ポール・ラッド主演。
フェーズ 3
13キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー(原題)
Captain America: Civil War
2016年5月6日未定「キャプテン・アメリカ」3作目
14ドクター・ストレンジ(原題)
Doctor Strange
2016年11月4日未定「ドクター・ストレンジ」1作目。
主人公は元脳外科医で魔術を操る。
ベネディクト・カンバーバッチ主演。
15ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2(原題)
Guardians of the Galaxy 2
2017年5月5日未定「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」2作目
16スパイダーマン(仮題)
Untitled Spider-Man film
2017年7月28日未定「スパイダーマン」1作目。
トム・ホランド主演。
17マイティ・ソー3(仮題)
Thor: Ragnarok
2017年11月3日未定「ソー」3作目
18アベンジャーズ3 PART 1(仮題)
Avengers: Infinity War – Part 1
2018年5月4日未定スーパーヒーローチーム「アベンジャーズ」3作目 前半
19ブラック・パンサー(原題)
Black Panther
2018年7月6日未定「ブラック・パンサー」1作目。
主人公はアフリカの小国の国王で優れた身体能力を持つ。
チャドウィック・ボーズマン主演。
20キャプテン・マーベル(原題)
Captain Marvel
2018年11月2日未定「キャプテン・マーベル」1作目。
主人公は「ミズ・マーベル」のキャロル・ダンヴァース。
21アベンジャーズ3 PART 2(仮題)
Avengers: Infinity War – Part 2
2019年5月3日未定スーパーヒーローチーム「アベンジャーズ」3作目 後半
22インヒューマンズ(原題)
Inhumans
2019年7月12日未定「インヒューマンズ」1作目。
主人公は、異星人による遺伝子操作で誕生した超人類のスーパーヒーローチーム。


 なお、2008年以降のマーベル・コミックの実写映画化には、上記以外に以下の作品がある。しかし、いずれも “マーベル・シネマティック・ユニバース” とは別の世界の物語である。


  • 『パニッシャー:ウォー・ゾーン』 Punisher: War Zone (2008年)
  • 『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』 X-Men Origins: Wolverine (2009年)
  • 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』 X-Men: First Class (2011年)
  • 『ゴーストライダー2』 Ghost Rider: Spirit of Vengeance (2011年)
  • 『アメイジング・スパイダーマン』 The Amazing Spider-Man (2012年)
  • 『ウルヴァリン:SAMURAI』 The Wolverine (2013年)
  • 『アメイジング・スパイダーマン2』 The Amazing Spider-Man 2 (2014年)
  • 『X-MEN:フューチャー&パスト』 X-Men: Days of Future Past (2014年)
  • 『ファンタスティック・フォー』 Fantastic Four (2015年)
  • 『デッドプール(原題)』 Deadpool (2016年)
  • 『X-MEN:アポカリプス(原題)』 X-Men: Apocalypse (2016年)
  • 『ガンビット(原題)』 Gambit (2016年)
  • 『ウルヴァリン3(仮題)』 (2017年)
  • 『ファンタスティック・フォー2(仮題)』 (2017年)

 なお、エヴァン・ピーターズが演じるクイックシルバーが『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年)と『X-MEN:アポカリプス(原題)』(2016年)に登場している。 “マーベル・シネマティック・ユニバース” では、このキャラクターはアーロン・テイラー=ジョンソンが演じており、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)の最後に初登場し、続いて『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に登場している。



参照:
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映画『ホビット 思いがけない冒険』の上映方式

2012-12-12 12:12:12 | 映画 - 作品
映画『ホビット 思いがけない冒険』 The Hobbit: An Unexpected Journey (2012) が12月14日(金)から日本で公開されます。この映画は、J・R・R・トールキンの小説『ホビットの冒険』 The Hobbit (1937年) を映像化した三部作の1作目です。

J・R・R・トールキンの小説『指輪物語』 The Lord of the Rings (1954-1955年) を映画化した「ロード・オブ・ザ・リング」三部作 (2001-2003年) のスタッフによるもので、両作品に登場し、外見の変化があまりないキャラクターは同じ俳優がキャスティングされている。

「ロード・オブ・ザ・リング」と異なり、今回の「ホビット」三部作は3D作品。このため、3D版と2D版が上映される。また、日本では字幕版と日本語吹替え版とが上映される。あと、デジタル上映以外にフィルム上映もあります。

他に、通常の映画館以外にIMAXデジタルシアターでも上映される。なお、デジタルではないIMAXシアターでの上映は日本ではないので、本物のIMAXで観たい方は海外の上映劇場をさがしてください。

そして、従来の映画は1秒24コマ (24fps) で撮影されてるのに対し、「ホビット」三部作は1秒48フレーム (48fps) のハイ・フレーム・レート(HFR)で撮影されています。しかし、従来の映写機のままでは1秒48フレームで上映できません。対応できるようにアップデートしたデジタル上映の映写機がある映画館でのみ、1秒48フレームの上映を観ることができます。

ちなみに、NTSC(日本で放送されていたアナログ放送)は、1秒30フレームと考えていいでしょう(1フレームを2フィールドで分け、1秒60フィールドで表示していました)。ISDB(現在の日本のデジタル放送)も、ほぼ同じと考えていいのかな……。

話を戻すと、映画『ホビット 思いがけない冒険』の劇場鑑賞には以下のような選択肢があるわけです。
  • 3D上映 / 2D上映
  • 字幕版 / 日本語吹替え版
  • デジタル上映 / フィルム上映
  • IMAXデジタルシアター / 通常館
  • ハイ・フレーム・レート上映 / 通常フレーム・レート上映

さらには、3D上映方式にもReal D、masterImage、ソニーデジタルシネマ3D、Dolby 3D、XpanD、NESTRIなど色々あります(参照:当ブログ 2011年12月の記事)。そこまで考えると大変なので、それは考慮に入れずに分けると、以下の表のようになります。あなたは、どれで観ますか?

 デジタル上映  3D上映  IMAXデジタル館  HFR (48fps)  字幕版  6館 
 吹替え版  6館 
 24fps  字幕版  10館 
 吹替え版  10館 
 通常館  HFR (48fps)  字幕版  26館 
 24fps  字幕版  189館 
 吹替え版  287館 
 2D上映  通常館  24fps  字幕版  211館 
 吹替え版  108館 
 35mmフィルム上映  2D上映  通常館  24fps  字幕版  24館 



参照:
『ホビット 思いがけない冒険』 - 公式サイト
 Theaters|Theaterpage Master - 上映劇場情報

『ハート・ロッカー』の原題のスペル

2010-03-05 13:00:04 | 映画 - 作品
いよいよ明日、3月6日(土)に映画『ハート・ロッカー』が公開ですね。日本時間3月8日(月)に授賞式が迫ったアカデミー賞で、作品賞の最有力候補となっております。



先日発表された第63回BAFTAアワード(イギリスのアカデミー賞)でも作品賞を受賞してます。他にも受賞多数で、作品賞を授与した映画批評家協会はロサンゼルス、ニューヨーク、ボストン、シカゴ、サンフランシスコ、ラスベガス、ヒューストン、オースティン、オクラホマなど。ウィキペディア英語版には、受賞&ノミネートのリストだけで一つのページが作成されるほど。

ところで、人と話していて気付いたのですが、どうやら『ハート・ロッカー』の題が正しく伝わっていないようです。カタカナ表記が同じになる(もしくは似たような)他の単語と思ってる人も多いのでは。英語の綴りを正しく書けますか?

そこで、似た発音の英単語を並べてみました。正しい組み合わせを考えてみて下さい。

【ハート】
 hard    (形容詞)物がかたい、困難な、熱心な
 hart    (名詞)雄鹿
 heart   (名詞)心臓、心、愛情
 hurt    (名詞)傷、心の痛み (形容詞)けがをした

【ロッカー】
 locker   (名詞)鍵のかかる戸棚(更衣室などにあるロッカー)、箱、冷凍庫、鍵をかける人
 rocker   (名詞)ロック歌手、ロックミュージシャン、ロッキングチェア、ゆする人


答えは、当ブログで以前書いた『ハート・ロッカー』のポスター7種類を載せた記事を見てください。正解でしたか?







で、どういう意味のタイトルなのか……









私が思うに、心に傷を抱えながらも、それを内に秘め押し隠し、任務に赴く隊員たちを、心の傷を入れたロッカーに例えてるんじゃないんでしょうか。違ってたらすみません。映画が楽しみです。

追記:
「棺桶」を意味する米兵の俗語だそうです。最初「棺桶なんじゃない」とか話してたんですが、本当にそうだったとは。深読みしすぎました。なお、字幕でみるかぎりでは、劇中にハート・ロッカーという言葉は、出てこなかったように思います。


参照:
『ハート・ロッカー』公式サイト
The Hurt Locker - Official Movie Website - 公式サイト(英語)
The Hurt Locker (2008) - The Internet Movie Database (IMDb)

List of accolades received by The Hurt Locker - Wikipedia
- 『ハート・ロッカー』の受賞&ノミネート一覧(ウィキペディア英語版)

第82回アカデミー賞 ノミネート部門数別 - Situation Normal - 当ブログの記事(2010年2月3日)

『オーシャンズ』字幕版は……

2010-01-25 12:05:08 | 映画 - 作品


Merde! なんてことだ、フランス映画『オーシャンズ』 Océans (2009) に日本語字幕版がないっ!

ジャック・ペラン監督の海洋ドキュメンタリー映画『オーシャンズ』が、1月22日(金)に劇場公開された。しかし、上映はすべて日本語ナレーション版のようです。六本木ですら日本語吹替えということに驚きます。

昨年の東京国際映画祭では、フランス語音声に日本語字幕(英語字幕はなし)で上映されたようです。なので、きっと配給会社のGAGAには字幕版のフィルムがどこかにあるはず。単館でもいいから字幕版を今からでも上映して欲しい。

ちなみに、オリジナルのナレーションはジャック・ペラン監督自身が行っている。ジャック・ペランは、1941年生まれのフランスの俳優・プロデューサー・脚本家・映画監督。日本で最も有名な出演作は『ニュー・シネマ・パラダイス』だろう。主人公トト少年の大人時代を演じている。

参照:
東京国際映画祭 | オーシャンズ

【追記】後日、期間限定で字幕版が公開されたそうです。コメント欄で教えて頂きました。かなざわさん、情報ありがとうございました。

アバター、上映方式は8種類?!

2010-01-18 12:15:02 | 映画 - 作品
『アバター』 Avatar (2009) の上映方式について簡単にまとめました。

DLP Cinema と CineAlta については、12月の当ブログの記事にて簡単に書いたので、そちらなどを参照してください。なお、『アバター』はソニー・ピクチャーズの作品ではないので、CineAltaでの上映では、4Kのデータではなく、2Kのデータで上映しているかもしれません。あと、DLP Cinemaでの2D上映館はないかもしれません。

最も高画質のIMAXフィルム版が、今のところ日本国内では上映されていないのが残念でなりません。IMAXデジタルを導入した109シネマズとの契約で、一般映画のIMAX版がIMAXシアターで上映できなくなったんでしょうね、おそらく。

海外でIMAXフィルム版を観る機会があれば、ぜひ行きたいと思います。あと、海外のシネラマ館でも『アバター』が上映されてます。スクリーンサイズ(縦横比)がIMAXフィルムとまったく違うので、是非それも観てみたいですね。


上映方式画質字幕版
音声:英語(一部 現地語)
字幕:日本語
吹替え版
音声:日本語(一部 現地語)
(現地語には日本語字幕)
2D
(平面映像)
通上館フィルム35mm21.95×18.6mm
デジタルDLP Cinema2K
CineAlta4K上映なし?
3D
(立体映像)
通常館デジタルReal D2K
Dolby 3DDLP Cinema2K
CineAlta4K
XpanD2K
IMAX館フィルムIMAX 3D70×48.5mm日本での上映なし
『アバター』の正しい本来の上映方式
デジタルIMAX デジタル 3D2K


参照:
Imax focuses on DLP chips - Hollywood Reporter (March 10, 2008)
Digital cinematography - Wikipedia
IMAX - Wikipedia
3D映画上映方式の違い - まどぎわ通信

【当ブログ記事】
これから公開される3D映画 (2010-01-27)
3D映画はどの上映方式で観るべきか (2010-01-26)
映画館でのデジタル4K上映開始 (2009-12-10)

「ハート・ロッカー」は3月6日(土)公開

2010-01-07 09:58:15 | 映画 - 作品
  


昨朝、たまたまFMをつけたらJ-WAVEの番組で、全米映画批評家協会賞の作品賞は『ハート・ロッカー』 The Hurt Locker が受賞したと紹介していた。

  


その際、別所哲也が「『ハート・ロッカー』はイラクの爆発物処理班の映画で、全米映画批評家協会賞は今までも黒澤明の『乱』や『パンズ・ラビリンス』などの外国で製作された作品にけっこう賞を与えるんですよ、題名を覚えときましょう」と言っていた。

どうやらイラク映画だと勘違いしてるようだ。『ハート・ロッカー』はアメリカ軍の話で、キャスリン・ビグロー監督のバリバリのアメリカ映画じゃないか。だいたい今年の映画賞レースではかなり上位を走っており、アカデミー賞でも作品賞にノミネートされるのは確実なのでは。

日本でも配給会社のムービーアイが倒産して、劇場公開されずに終わるのかと昨夏話題になっていた。『ハート・ロッカー』の邦題で3月6日に公開されることが先月発表され、ほっと胸をなでおろしたところなのに。

などと、ラジオに突っ込んでしまいました。公開が楽しみです。

    



参照:
『ハート・ロッカー』公式サイト
The Hurt Locker - Official Movie Website - 公式サイト(英語)
The Hurt Locker (2008) - The Internet Movie Database (IMDb)

1月6日のSHORT SHORT SHOWBIZ !! - J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 別所 哲也 :J-WAVE 81.3 FM

夜行列車(1959年/ポーランド)

2009-12-15 12:04:16 | 映画 - 作品
先日、風邪で日中寝込んだせいで夜眠れず、テレビをつけたらモノクロの古い映画をNHK BS2で放送していた。見始めたらやめられず、最後まで観てしまった。好みの分かれるところだろうが、私にとっては、まれに見る傑作でした。こんな映画があるなんて全然知らなかった。

『夜行列車』(1959年/ポーランド)
  • 原題:Pociąg
  • 英語題:Night Train (もしくは Baltic Express)
  • アメリカ盤DVDジャケット画像
  • 監督・共同脚本:イェジー・カワレロウィッチ(カヴァレロヴィチの表記も)
  • 共同脚本:イェジー・ルトフスキー
  • 撮影:ヤン・ラスコフスキー
  • 音楽:アンジェイ・トシャスコフスキー
  • 出演:ルチーナ・ヴィニエツカ、レオン・ニェムチック、ズビグニエフ・チブルスキー ほか
  • 衛星映画劇場 BS2 12月13日(日)午前1:30~午前3:08(12日深夜)(ポーランド語/字幕スーパー/白黒/スタンダード・サイズ)で鑑賞

2007年の第20回東京国際映画祭のコンペティション部門で観た『トリック』 SZTUCZKi / Tricks が、個人的に2007年ベスト1作品と思うほど良かったので、それ以後ポーランド映画を観るようにしてます。

旧作でもアンジェイ・ワイダ、ポランスキー、キェシロフスキ、イエジー・スコリモフスキといった監督は知っていたのですが、他にも傑作が数多くありそうで、恐るべしポーランド映画(そして恐るべし深夜の衛星映画劇場)。


参照:
映画 夜行列車 - allcinema
Night Train (1959 film) - Wikipedia - ウィキペディア英語版
Pociag (1959) - The Internet Movie Database (IMDb)
 現在、ユーザー評は320票で平均8.1点(10点満点)
Amazon.com: Night Train (Pociag) - アメリカ盤DVD(注:リージョンコードは1)


ちなみに『トリック』は、主演のダミアン・ウルが第20回東京国際映画祭にて最優秀男優賞を受賞しました(作品紹介)。アンジェイ・ヤキモフスキ監督の次回作はまだかなぁ。期待して待ってます。

【追記】
『夜行列車』の日本盤DVDが、紀伊國屋書店のレーベルから2010年6月26日に発売されることになりました。嬉しいですね。

Amazon.co.jp: 夜行列車 [DVD]

スター・トレック 新旧キャストなど

2009-06-09 12:57:27 | 映画 - 作品
映画『スター・トレック』 Star Trek (2009) を観ていたら、ミスター加藤が出てこず、代わりにスールーという聞き慣れない名前の東洋系クルーがいて、「あれ」と思いました。

そんなわけで、オリジナルのテレビシリーズ(アメリカでの放送は1966~1969年)の日本語吹き替えでは、一部のキャストの役名が変更されていることを今更ながら知った。日本語吹き替えのチャーリー(機関主任)、ミスター加藤、ウラ少尉は、本来はそれぞれスコット、スールー、ウフーラという名前なんですね。

そこで、今回はオリジナルのテレビシリーズと今回の映画のキャストを比較した画像を作ってみることに。


なお、オリジナルのテレビシリーズはファンの間では The Original Series の略でTOSと呼ばれているので、当ブログのこの記事でも以降は「TOS」と表記します。ちなみに、日本での放映題は当初『宇宙大作戦』で、現在はデジタルリマスター版が『スター・トレック 宇宙大作戦』の題でNHK BS2にて放送中(NHK海外ドラマホームページ)。

また、スターとトレックの間を詰める「スタートレック」という表記をよく見かけますが、昔の邦題はこうだったのでしょうか。現在はスターとトレックの間に「・」(中黒)が入る「スター・トレック」という表記になってます。遅くても映画化第2作「カーンの逆襲」 Star Trek: The Wrath of Khan (1982) の劇場公開時には、すでに「・」(中黒)が入る「スター・トレック」という表記になってます。

あと、2009年公開の映画は11作目なので、当ブログのこの記事では「ST11」と略させていただきます。



ジェームズ・T・カーク James T. Kirk
・キャプテン(TOS吹替では船長)
・TOS:ウィリアム・シャトナー William Shatner
・ST11:クリス・パイン Chris Pine



スポック Spoc
(TOSではミスター・スポック Mr. Spock
・サブ・リーダー(TOS吹替では副長)
・TOS:レナード・ニモイ Leonard Nimoy
・ST11:ザッカリー・クイント Zachary Quinto



レナード・マッコイ(通称:ボーンズBones
(TOSではドクター・マッコイ Dr. McCoy
・医療主任
・TOS:ディフォレスト・ケリー DeForest Kelley
・ST11:カール・アーバン Karl Urban



ウフーラ Uhura
(TOS吹替ではウラ少尉
・通信士官
・TOS:ニシェル・ニコルス Nichelle Nichols
・ST11:ゾーイ・サルダナ Zoë Saldana

ちなみに、ST11で出てきたウフーラのルームメイトは、ガイラ (Gaila) という名前で、種族はTOSなどにも出てきたオリオン(参照:Memory Alpha)。演じているレイチェル・ニコルズ (Rachel Nichols) は、『P2』 P2 (2007) では主役、8月公開の『G.I.ジョー』 G.I. Joe: The Rise of Cobra (2009) ではスカーレット役を演じてます。



スールー Sulu
(TOS吹替ではミスター加藤
・主任パイロット
・TOS:ジョージ・タケイ George Takei
・ST11:ジョン・チョウ John Cho

スールーは、フィリピン人と日本人のハーフという設定らしい。ファースト・ネームはヒカル。



チェコフ Chekov
・操縦士(ナビゲーター)
・TOS:ウォルター・ケーニッグ Walter Koenig
・ST11:アントン・イェルチン Anton Yelchin



モンゴメリー・スコット(通称:スコッティ) Montgomery Scott
(TOS吹替ではチャーリー
・機関主任
・TOS:ジェームズ・ドゥーアン James Doohan
・ST11:サイモン・ペッグ Simon Pegg

ちなみに、ST11に出てきたスコットの同僚は Keenser という名前だそうです(参照:Memory AlphaMemory Beta)。次作以降にも出してほしい。演じているのはディープ・ロイ (Deep Roy) という方で、『チャーリーとチョコレート工場』 Charlie and the Chocolate Factory (2005) のウンパルンパ役が有名。



パイク Pike
・初代キャプテン
・TOS:ジェフリー・ハンター Jeffrey Hunter
・ST11:ブルース・グリーンウッド Bruce Greenwood



サレク Sarek
・スポックの父
・TOS:マーク・レナード Mark Lenard
・ST11:ベン・クロス Ben Cross



アマンダ・グレイソン Amanda Grayson
・スポックの母
・TOS:ジェーン・ワイアット Jane Wyatt
・ST11:ウィノナ・ライダー Winona Ryder

ST11のサレクとアマンダの画像は、撮影されたもののカットされたシーンからです。


他にも、ST11の宇宙艦隊アカデミーでのシーンにジェームズ・コーマック (James Komack) という将官が登場している(学長なのか?)。この役はTOSではバイロン・モロー (Byron Morrow) が、ST11ではベン・ビンスワンガー (Ben Binswagner) が演じている。

あと、コンピューターの音声はメイジェル・バレット (Majel Barrett) が担当しています。メイジェル・バレットは、スター・トレックのテレビシリーズでも、全話ではないですが、5つのシリーズすべてでコンピュータの音声を担当したことがあるそうです。それ以外にもTOS、TNG、DS9では出演もしています。また、『スタートレック』の生みの親である故ジーン・ロッデンベリー (Gene Roddenberry) の奥さんでもあります。今作収録後の2008年12月18日に76歳で亡くなりました。


今回の映画の感想ですが、面白かったです。別時間軸となるためTOSにつながっていかないのが、何とも寂しい限りですが。あと、艦内、特にブリッジの計器がキラキラ光ってるのは綺麗でしたね。

それと、主要キャストがみんな全力疾走で走ってるのに驚きました。今回はスポックまでが走ってます。これまでのスター・トレックではクルーが走ってるシーンなんて思い当たらないので、新鮮でした。J・J・エイブラムス監督お馴染みの手に汗握る演出のひとつですけど、慌ただしいともいえます。いずれはデータ少佐が走ったりするんでしょうか……(そういえばTOSの「惑星セロンの対立」 Let That Be Your Last Battlefield ではセロン人 (Cheron) が走ってましたけどね)。


最後に、Star Trek: Countdown というコミックを紹介します。今回の映画11作目『スター・トレック』の前日譚ともいうべき内容で、映画10作目の『ネメシス S.T.X』 Star Trek: Nemesis (2002) の8年後から始まるようです。
表紙画像


映画『スター・トレック』オフィシャルサイト
スター・トレック 上映映画館-MovieWalker:ムービーウォーカー

Star Trek (2009) - The Internet Movie Database (IMDb)
Star Trek (film) - Memory Alpha, the Star Trek Wiki

ターミネーター襲来日

2009-05-12 14:56:57 | 映画 - 作品
昨日の朝日新聞夕刊の「あすは何の日」というコーナーに、1984年5月12日は映画『ターミネーター』 The Terminator (1984) でターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)が2029年からタイムスリップして来た日と説明されていた。

カイル・リース(マイケル・ビーン)はどうしたんだ、同じ日に来ただろうが。などと突っ込みつつ、調べてみると確かに5月12日のようである。

映画の冒頭で Los Angeles 2029 A.D. の字幕が出て、そのあとの現代のシーンにて Los Angeles 1984 1:52 a.m. と字幕で示される(なお、この字幕の字体はDVDによってはゴシック体に変えられていたりするようです)。

その後、警察官が5月12日木曜日だと答えるシーンがあるらしい。ただ、1984年の5月12日は実際には土曜日で、1983年の5月12日ならば木曜日となる。このため、もともとは1983年の設定で書いていたが、1984年公開となり、設定も1983年から1984年に移したのではないか、そのとき曜日を書き換え忘れたのではないかとみられてます。


「あすは何の日」の最後には、シュワルツェネッガーが今年6月公開の『ターミネーター4』に出演しないので I'll be back(また戻る)とはならなかったと締めくくってます。でもこれは間違いで、実際には4に出演シーンがあります。あと、サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンも声のみですが出演します。

続投する役者はこの二人のみのよう。演者が変更となる役は以下の通り(詳細はウィキペディア英語版の表を参照)。
  • ジョン・コナー役
  •  エドワード・ファーロング(2)→ニック・スタール(3)→クリスチャン・ベイル(4)
  • カイル・リース役
  •  マイケル・ビーン(1,2)→アントン・イェルチン(4)
  • ケイト・ブリュースター役
  •  クレア・デインズ(3)→ブライス・ダラス・ハワード(4)

ちなみに、テレビシリーズ『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』 Terminator: The Sarah Connor Chronicles (2008- ) の中で、カイル・リースは2002年生まれという設定らしい。ならば、2018年が舞台の『ターミネーター4』では16歳ということか。
  • ターミネーター The Terminator (1984)
  •  舞台:2029年、1984年5月12日~
  • ターミネーター2 Terminator 2: Judgment Day (1991)
  •  舞台:1995年、審判の日(1997年8月29日)
  • ターミネーター3 Terminator 3: Rise of the Machines (2003)
  •  舞台:2004年7月24日~
  • ターミネーター4 Terminator Salvation (2009)
  •  舞台:2018年


ターミネーター4 - オフィシャルサイト

『アルケミスト/輝きの秘密』

2009-03-26 11:58:53 | 映画 - 作品

現在、LuxのテレビCMで、“魅惑の成分”を巡る映画の予告編(?)が流れてます。これは、ユニリーバの新製品「ラックス スーパーリッチシャイン」「ラックス スーパーダメージリペア」のコマーシャルのために作られた短編映画『アルケミスト/輝きの秘密』です。

このラックス・オリジナルフィルムの本編がユナイテッド・シネマ豊洲にて上映中です。上映期間は3月21日(土)~4月3日(金)の2週間。予告編の前に上映されているようです(劇場公式サイト>キャンペーン>劇場からのお知らせ に詳細があります)。

また、関東以外の映画館ではユナイテッド・シネマ札幌、ユナイテッド・シネマなかま(福岡県)で上映されているようです。

【追記】ユナイテッド・シネマ以外の映画館でも上映されているようです。


『アルケミスト/輝きの秘密』 Alchemist
監督:ドーン・シャドフォース Dawn Shadforth
脚本:ジェフリー・ケイン Jeffrey Caine
撮影:ジョン・マシーソン John Mathieson
主演:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ Catherine Zeta-Jones

バビロン A.D. 全米公開

2008-09-01 12:03:17 | 映画 - 作品
フランス人監督マチュー・カソヴィッツのハリウッド映画(正確には米仏合作) "Babylon A.D." (バビロンA.D.)が8月29日に全米公開された。週末興行成績は初登場2位。主演はヴィン・ディーゼル。共演にミシェル・ヨージェラール・ドパルデューシャーロット・ランプリングランベール・ウィルソン
ポスター『Babylon A.D.』
マチュー・カソヴィッツ監督作は初期の『カフェ・オ・レ』 Métisse (1993) 、『憎しみ』 La Haine (1995) 、『アサシンズ』 Assassin(s) (1997) が個人的にとても好きである。映画ファンには『憎しみ』でカンヌ映画祭の監督賞を獲ったことで知られているが、一般には『アメリ』 Le Fabuleux destin d'Amélie Poulain (2001) の青年役や『クリムゾン・リバー』 Les Rivières pourpres (2000) の監督といったほうが分かりやすいだろう。

ヴィン・ディーゼル出演作では『ピッチ・ブラック』 Pitch Black (2000) がとても気に入っている(賛否はっきり分かれた映画だった)。バビロンA.D.は意外な監督・主演の組み合わせで、個人的に日本公開がとても楽しみである。少し不安でもあるが。

原作はモーリス・G・ダンテの1999年の小説 "Babylon Babies" (バビロン・ベイビーズ)。原作者のダンテは、フランス生まれで現在カナダのケベック在住。この小説は、1993年の "La Sirène Rouge" (赤いセイレン)、1995年の "Les Racines du mal" (悪の根)に続くシリーズ3作目。

なお、シリーズ1作目は2002年にフランスで映画化され、日本でも『レッド・サイレン』の邦題で2003年10月4日に新宿のシネマスクエアとうきゅうにて公開された。監督はオリヴィエ・メガトンで、主演はジャン=マルク・バール

当然、ジャン=マルク・バールが演じた主人公ヒューゴーを、今回はヴィン・ディーゼルが演じるわけだが、全然似たところがないので不思議な感じがする。まぁ、頭髪は似てるけど……


Babylon AD Movie - 映画公式サイト(英語)
Babylon A.D. (2008) - The Internet Movie Database (IMDb)
Maurice G Dantec - 原作者の公式サイト(フランス語)

旅するジーンズと永遠の夏

2008-07-10 09:52:45 | 映画 - 作品
ワーナー・ブラザーズ近日公開作品に『シスターフッド・オブ・ザ・トラベリング・パンツ2(原題)』が「2009年秋、全国ロードショー」となっているのを見つけた。2005年の映画『旅するジーンズと16歳の夏』 The Sisterhood of the Traveling Pants の続編である。続編製作はないのかと諦めていたところなので嬉しいです。上記のページには卒業式の写真が使われているので、邦題は「旅するジーンズと卒業の夏」あたりか(下は1作目と2作目のポスター)。(追記:日本公開が2008年8月6日(水)公開に急遽決定、邦題は『旅するジーンズと19歳の旅立ち』)
ポスター『The Sisterhood of the Traveling Pants』ポスター『The Sisterhood of the Traveling Pants 2』
原作は、アン・ブラッシェアーズの小説「トラベリング・パンツ」シリーズ。

前作の映画『旅するジーンズと16歳の夏』 The Sisterhood of the Traveling Pants (2005) は、小説1作目の映画化。監督はケン・クワピス。アメリカでは、2005年6月1日に2583館で公開され、週末興行成績は初登場5位、レイティングはPG。都内では、2005年10月1日に恵比寿ガーデンシネマで単館公開された(下左は公開時のチラシ、リンク先には裏側も)。
チラシ『旅するジーンズと16歳の夏』DVD『旅するジーンズと16歳の夏』DVD - Amazon.co.jp

今回の映画化2作目は、小説4作目の映画化らしい。監督はサナ・ハムリに代わるものの、脚色は前作の脚本家の一人エリザベス・チャンドラーが単独でクレジットされてます。主役4人は変わらず。ギリシャ系のリーナのお母さんは代わるようだが、前回は出番がほとんどなかったので構わないか。

前作で地元のスーパーでバイトしていたティビー役のアンバー・タンブリンは映画で忙しいものの比較的スケジュールは合わせやすかっただろう。しかし、別居した父の家へ行ったカルメン役のアメリカ・フェレーラは『アグリー・ベティ』のベティ役、ギリシャに行ったリーナ役のアレクシス・ブレデルは『ギルモア・ガールズ』のローリー・ギルモア役、サッカー合宿に行ったブリジット役のブレイク・ライヴリーは『ゴシップガール』(原作セシリー・V・Z)のセリーナ役と、テレビシリーズに主演しているためスケジュール調整は大変だったと思われる。

映画化第2作は、アメリカで2008年8月6日公開。日本公開は、Internet Movie Database (IMDb) によると2009年9月5日にすでに決まっているらしい。今年秋に前作と同じ恵比寿で公開すればいいのに、なぜ1年後?


 ――追記(2008年7月29日)――

急遽『旅するジーンズと19歳の旅立ち』の邦題で2008年8月6日(水)渋谷TOEI②他にてロードショーが決まりました(公式サイト)。日米同日公開で、時差のぶん日本の方が早い。

発表されたのはせいぜい4日くらい前のようだが、来週水曜公開っていくらなんでも急すぎる。劇場で予告編やチラシ・ポスターとか全然見かけなかったけれど大丈夫でしょうか。公式サイトの画像もアメリカ版ポスターのままで、役者の名前や題名も英語です。字幕もちゃんとしたものが間に合うのか心配。前売り券(特別鑑賞券)はあるのだろうか。

都内では渋谷TOEI②のみで上映される作品というのは初めてのように思う。TOEIとはなってるが、東急系の映画館。『スピード・レーサー』が不入りで、代打に入った『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0』もよっぽどダメだったか。他の公開劇場は109シネマズ川崎、109シネマズ名古屋、アポロシネマ(大阪・天王寺)、ユナイテッド・シネマキャナルシティ13、札幌劇場。

宣伝に時間をかけ、前作を観た人や原作ファンに知ってもらわないといけない映画なのに、何を考えているのやら……

 ――追記 了――


旅するジーンズと16歳の夏 - 映画1作目 公式サイト
旅するジーンズと19歳の旅立ち - 映画2作目 公式サイト
The Sisterhood of the Traveling Pants - 映画1作目 公式サイト(英語)
Sisterhood of the Traveling Pants 2 - 映画2作目 公式サイト(英語)

映画 旅するジーンズと16歳の夏 - allcinema
映画 旅するジーンズと19歳の旅立ち - allcinema
The Sisterhood of the Traveling Pants (2005) - 映画1作目 IMDb
The Sisterhood of the Traveling Pants 2 (2008) - 映画2作目 IMDb


理論社話題の新刊・トラベリング・パンツ - 原作 公式サイト
Sisterhood Central | Your Source for All Things Sisterhood - 原作 公式サイト(英語)

MovieWalker - 旅するジーンズと16歳の夏
MovieWalker - 旅するジーンズと19歳の旅立ち

Amtam.com - アンバー・タンブリン 公式サイト(英語)

ダラボンに至るまで

2008-07-03 09:58:11 | 映画 - 作品
今回は、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull (2008) にフランク・ダラボンが脚本家として雇われるまでの経緯。まずは前々回も引用したルーカスの発言のニュースを。

「インディ・ジョーンズ4」がなかなか実現しない理由
2006年8月22日 - eiga.com/buzz/060822/05.shtml
……また、「インディ・ジョーンズ4」の企画を思いついたのは、ルーカス自身だったとのこと。「最高のマクガフィン(物語で筋の展開に効果を発揮するアイデア。ヒッチコックが作った造語)を思いついたんだ。でも、それはあいにく他の作品と関連付いてしまっているものだった。スティーブンとハリソンは評論家に批判されることを気にしたから、僕らは2年ぐらい他のアイデアを出し合ったんだ。そうして、結局は最初のマクガフィンを使いつつ、問題がある部分を取り除いたっていうわけなんだよ」。……

ウィキペディア英語版の記事に、「インディ4」の脚本の経緯が載っています。それによると、当初1993年10月から1994年5月まではジェブ・スチュアートが脚本を書いてました。その後『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のジェフリー・ボームが書くことになります。ジェフリー・ボームは三つのバージョンの脚本を書き上げます。しかし、第三版が完成した1996年3月の3ヶ月後に映画『イ***ンデ**・*イ』 I****nd**** **y (1996) が公開されます(ネタバレ防止のため伏せ字)。上記のジョージ・ルーカスが言う同じ「マクガフィン」が出てくる「他の作品」です。この映画と企画・内容がかぶったため「インディ4」の製作はいったん白紙に戻り、ジェフリー・ボームは2000年1月に亡くなります。

2000年になってから、ジョージ・ルーカスは「クリスタル・スカル」(水晶髑髏)を登場させることを思いつきます。

ちなみに、東京ディズニー・シーのアトラクション「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」 Indiana Jones Adventure: Temple of the Crystal Skull のオープンは2001年9月4日。元となったディズニーランド(カリフォルニア)の Indiana Jones Adventure: Temple of the Forbidden Eye は1995年オープンだが、クリスタル・スカルは出てこない。なお、カリフォルニアのほうには『レイダース/失われた《聖櫃》』『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』に出ていたサラジョン・リス=デイヴィス)が登場する(行きたいっ!)。

そして、「クリスタル・スカル」が絡んだインディ4の脚本作りが始まります。2002年にはM・ナイト・シャマランが脚本家として雇われ、その後、スティーヴン・ギャガントム・ストッパードに話が行き、2002年5月にフランク・ダラボンが新しい脚本家に雇われます。この後は前々回書いた通りです。


Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull > Production > Development - ウィキペディア英語版

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 - 公式サイト
:: INDIANA JONES - OFFICIAL SITE :: - 公式サイト(英語)



追記

これは、ウィキペディア英語版の記事を読んで書いたものです。先日、書店でJ・W・リンズラー著(取材:ローラン・ブーゼロー)『メイキング・オブ・インディ・ジョーンズ ─全映画の知られざる舞台裏─ The Complete Making of Indiana Jones: The Definitive Story Behind All Four Films を手に取ってみると、そこにもこの経緯が書かれてました。詳しく知りたい方はそちらを参照してください。

表紙画像『メイキング・オブ・インディ・ジョーンズ ─全映画の知られざる舞台裏─』『メイキング・オブ・インディ・ジョーンズ』 - amazon.co.jp
表紙画像『The Complete Making of Indiana Jones: The Definitive Story Behind All Four Films』The Complete Making of Indiana Jones - amazon.co.jp

インディの脚本家のクレジット

2008-07-02 10:00:18 | 映画 - 作品
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull (2008) の製作延期事情について前回書きました。今回は脚本家のクレジットについて。

フランク・ダラボンが「インディ4」の脚本問題でルーカスに激怒!
2008年4月7日 - eiga.com/buzz/20080407/1
「インディ・ジョーンズ4」の脚本作業に携わったフランク・ダラボン監督(「ショーシャンクの空に」)が、米MTVニュースに「無駄な1年だった」と振り返り、「脚本家としてクレジットされたくない。ジョージ・ルーカスとは2度と仕事をしたくない」と激白した。

昨年春から「インディ・ジョーンズ」シリーズ第4弾の脚本を執筆してきたダラボン監督は、たくさん提供したアイデアの中から、脚本家デビッド・コープが出した「クリスタル・スカルの王国」のアイデアが採用されるに至り、自分が脚本家としてのクレジットされるのはふさわしくないと考えたそうだ。

「私がスティーブン(・スピルバーグ)に提供したアイデアのいくつかや、見せ場のあるショットが、映画にも使われていることを知っている。だが、クレジットされるには十分ではないし、正当な理由にならないよ。特に、スティーブンは私の脚本を愛してくれていただけに、全く失望しているんだ」と語り、「次に、もしスティーブンと仕事をするとしても、躊躇するだろうね」と、その痛手が大きいことを述べた。……

ということで、フランク・ダラボンの名前が本人の希望で脚本家のクレジットから外されました。そこで、「インディ」シリーズ全4作の脚本家のクレジットを調べてみました。

『レイダース/失われた《聖櫃》』 Raiders of the Lost Ark (1981)
 ・ストーリー(原案): ジョージ・ルーカス and フィリップ・カウフマン
 ・脚本: ローレンス・カスダン

『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』 Indiana Jones and the Temple of Doom (1984)
 ・ストーリー(原案): ジョージ・ルーカス
 ・脚本: ウィラード・ハイク & グロリア・カッツ

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』 Indiana Jones and the Last Crusade (1989)
 ・キャラクター: ジョージ・ルーカス and フィリップ・カウフマン
 ・ストーリー(原案): ジョージ・ルーカス and メノ・メイエス
 ・脚本: ジェフリー・ボーム

『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull (2008)
 ・キャラクター: ジョージ・ルーカス and フィリップ・カウフマン
 ・ストーリー(原案): ジョージ・ルーカス and ジェフ・ネイサンソン
 ・脚本: デヴィッド・コープ

なお、WGA(アメリカ脚本家組合/Writers Guild of America)の規定で「and」は別々に仕事をした人たちに用い、「&」はチームとして組んで仕事をした人たちに用います(参照)。「魔宮の伝説」の脚本を担当したハイク & カッツは夫婦だそうです。

また、WGAによると「written by」と「screenplay by」にも意味に違いがあります。一から全部書いた場合のみ「written by」となり、上記のインディ4作の脚本とした箇所はすべて「screenplay by」です。


Philip Kaufman - The Internet Movie Database (IMDb)
Lawrence Kasdan - The Internet Movie Database (IMDb)

Willard Huyck - The Internet Movie Database (IMDb)
Gloria Katz - The Internet Movie Database (IMDb)

Menno Meyjes - The Internet Movie Database (IMDb)
Jeffrey Boam - The Internet Movie Database (IMDb)

Writers Guild of America, West

Raiders of the Lost Ark (1981) - The Internet Movie Database (IMDb)
Indiana Jones and the Temple of Doom (1984) - The Internet Movie Database (IMDb)
Indiana Jones and the Last Crusade (1989) - The Internet Movie Database (IMDb)
Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull (2008) - The Internet Movie Database (IMDb)

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 - 公式サイト
:: INDIANA JONES - OFFICIAL SITE :: - 公式サイト(英語)