Situation Normal

忘れないように……

フランス映画祭2010、始まります

2010-03-17 11:53:17 | 映画祭
今週3月18日(木)から22日(祝)まで「フランス映画祭2010」が開催されます。この映画祭は、1993年から毎年6月に横浜で行われていましたが、2006年からは3月に東京などで開催されています(昨年と今年は東京のみで開催)。

第18回となる2010年は、長編14作品と短編特集が上映されます。全作品はTOHOシネマズ 六本木ヒルズの最大館であるスクリーン7(644席、スクリーン:高さ8.4×横幅20.2メートル)にて上映されます。また、他のスクリーンでもオールナイト上映が行われる。

前売り券は、TOHOシネマズ 六本木ヒルズのチケットカウンターにて買うことができます。また、映画館に行かなくても、TOHOシネマズ 六本木ヒルズの公式サイトの上映スケジュールからも買えます。

上映される長編14作品のうち日本での劇場公開が決まっているのは7作品のみ。この機会を逃すと観られない作品を観るもよし、公開予定作品をひと足早く観るもよし。前売り券が完売してる作品はまだ5作品のみですし、売り切れてる作品も含めて全作品に当日券があるそうなので、興味のある方はぜひ足を運んでみては。

今年の上映作品は以下の通りです。

3月18日(木)
 『ミックマック(原題)』 Micmacs à tire-larigot

3月19日(金)
 『旅立ち(原題)』 Partir
 『オーケストラ!』 Le Concert
 『アンプロフェット(原題)』 Un prophète
 『スフィンクス(仮題)』 Gardiens de l'ordre

3月19日(金)オールナイト
  『テルマ、ルイーズとシャンタル(原題)』『バス・パラディアム(原題)』『スフィンクス(仮題)』

3月19日(金)オールナイト「パッションナイト」
  『旅立ち(原題)』『リグレット(原題)』『ハデウェイヒ(原題)』

3月20日(土)
 『リグレット(原題)』 Les Regrets
 『バス・パラディアム(原題)』 Bus Palladium
 『クリスマス・ストーリー(原題)』 Un conte de Noël
 『テルマ、ルイーズとシャンタル(原題)』 Thelma, Louise et Chantal
 『エンター・ザ・ボイド』 Enter The Void / Soudain le vide

3月21日(日)
 『シスタースマイル ドミニクの歌』 Sœur Sourire
 『ハデウェイヒ(原題)』 Hadewijch
 『あの夏の子供たち』 Le Père de mes enfants

3月22日(祝)
 「短編9作品」
 『パリ20区、僕たちのクラス』 Entre les murs

それ以外に、フランス映画祭2010関連企画として「アラン・レネ全作上映」が行われます。詳細は、渋谷の映画館ユーロスペースの公式サイト内のこちらと、東京日仏学院の公式サイト内のこちらを参照してください。

あと、昨年だったか一昨年だったかにも思ったのですが、なぜかフランス映画祭が始まろうという時に公開終了となるフランス映画が多いです。公開終了していなければ、映画祭のお客さんにアピールして、客足を伸ばす機会になると思うんですが。まぁ、映画祭会場がTOHOシネマズ 六本木ヒルズだと、フランス映画のポスターとかチラシとか置かせてもらえそうにないという問題もありますが。

『シャネル&ストラヴィンスキー』(公式サイト
 ~3月5日(金) Bunkamura ル・シネマ(渋谷、公式サイト)、シネスイッチ銀座(

『ユキとニナ』(公式サイト
 ~3月12日(金) 恵比寿ガーデンシネマ(公式サイト

『海の沈黙 デジタルリマスター版』(公式サイト
 ~3月19日(金) 岩波ホール(神保町、公式サイト

『去年マリエンバートで(HDニューマスター版)』(公式サイト
 ~3月19日(金) シアター・イメージフォーラム(渋谷、公式サイト

『すべて彼女のために』(公式サイト
 ~3月19日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町(公式サイト

「エリック・ロメール追悼特集上映 アデュー ロメール」(詳細
 ~3月19日(金) ユーロスペース(渋谷)

「ジャック・ロジエのヴァカンス アンコール」(公式サイト
 ~3月19日(金) ユーロスペース(渋谷、詳細


最後に、映画祭上映作品のフランス版ポスターの画像を載せておきます。スクリーン7での上映順に並べました。マウスオーバーさせると、日本語題が出ます。(追記:画像がリンク切れになっていたので貼り直しました。作品によってはポスターの端が切れてる物があります)

ポスター画像ポスター画像ポスター画像ポスター画像ポスター画像ポスター画像ポスター画像ポスター画像ポスター画像ポスター画像ポスター画像ポスター画像ポスター画像ポスター画像


参照:
フランス映画祭2010公式サイト--Festival du Film Francais 2010-- - 上映作品の紹介

『ハート・ロッカー』の原題のスペル

2010-03-05 13:00:04 | 映画 - 作品
いよいよ明日、3月6日(土)に映画『ハート・ロッカー』が公開ですね。日本時間3月8日(月)に授賞式が迫ったアカデミー賞で、作品賞の最有力候補となっております。



先日発表された第63回BAFTAアワード(イギリスのアカデミー賞)でも作品賞を受賞してます。他にも受賞多数で、作品賞を授与した映画批評家協会はロサンゼルス、ニューヨーク、ボストン、シカゴ、サンフランシスコ、ラスベガス、ヒューストン、オースティン、オクラホマなど。ウィキペディア英語版には、受賞&ノミネートのリストだけで一つのページが作成されるほど。

ところで、人と話していて気付いたのですが、どうやら『ハート・ロッカー』の題が正しく伝わっていないようです。カタカナ表記が同じになる(もしくは似たような)他の単語と思ってる人も多いのでは。英語の綴りを正しく書けますか?

そこで、似た発音の英単語を並べてみました。正しい組み合わせを考えてみて下さい。

【ハート】
 hard    (形容詞)物がかたい、困難な、熱心な
 hart    (名詞)雄鹿
 heart   (名詞)心臓、心、愛情
 hurt    (名詞)傷、心の痛み (形容詞)けがをした

【ロッカー】
 locker   (名詞)鍵のかかる戸棚(更衣室などにあるロッカー)、箱、冷凍庫、鍵をかける人
 rocker   (名詞)ロック歌手、ロックミュージシャン、ロッキングチェア、ゆする人


答えは、当ブログで以前書いた『ハート・ロッカー』のポスター7種類を載せた記事を見てください。正解でしたか?







で、どういう意味のタイトルなのか……









私が思うに、心に傷を抱えながらも、それを内に秘め押し隠し、任務に赴く隊員たちを、心の傷を入れたロッカーに例えてるんじゃないんでしょうか。違ってたらすみません。映画が楽しみです。

追記:
「棺桶」を意味する米兵の俗語だそうです。最初「棺桶なんじゃない」とか話してたんですが、本当にそうだったとは。深読みしすぎました。なお、字幕でみるかぎりでは、劇中にハート・ロッカーという言葉は、出てこなかったように思います。


参照:
『ハート・ロッカー』公式サイト
The Hurt Locker - Official Movie Website - 公式サイト(英語)
The Hurt Locker (2008) - The Internet Movie Database (IMDb)

List of accolades received by The Hurt Locker - Wikipedia
- 『ハート・ロッカー』の受賞&ノミネート一覧(ウィキペディア英語版)

第82回アカデミー賞 ノミネート部門数別 - Situation Normal - 当ブログの記事(2010年2月3日)

サンドラ・ブロック、アカデミー主演女優賞になるか

2010-03-04 12:11:42 | 映画 - 人物
先日、フジテレビの『めざましテレビ』だったと思うが、映画『しあわせの隠れ場所』 The Blind Side で本年度アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされたサンドラ・ブロックの紹介を途中から見たが、ちょっとヒドかった。

「最近は落ち目で人気がなく、アメリカの若い人はこの映画で観るまでサンドラ・ブロックを知らなかったが、この映画で人気が再燃した」みたいな言いよう。

おいおい、それは違うだろうよ。『しあわせの隠れ場所』の全米公開は2009年11月20日。その半年近く前の2009年6月19日に全米公開された『あなたは私の婿になる』 The Proposal は、アメリカ国内で1億6395万8031ドルの興行収入をあげた。

当然のことながら、全米での週末興行成績は初登場1位。2009年にアメリカで公開された映画のなかで、アメリカでの興行成績は現在16位。1978年以降にアメリカで公開されたロマンティック・コメディのなかでも歴代6位の成績である(7位は『セックス・アンド・ザ・シティ』)。

たしかに、1億ドルの大台を越えたのは2000年末公開の主演作『デンジャラス・ビューティー』 Miss Congeniality 以来で、2009年は復活の年かもしれないけれど。これまで、主演作は途切れずあり、たいてい5000万ドル前後の成績は出している。

賞レース的にも、2000年度のゴールデン・グローブ賞ノミネート以来、大きな賞から遠ざかっていた。2009年度のゴールデン・グローブ賞で上記2作品でノミネートされ、うち1つで受賞したのだから、復活といったイメージがつくのかもしれない。んでも、2005年の出演作『クラッシュ』は第78回アカデミー賞で作品賞・脚本賞・編集賞を受賞してるんだしなぁ……

まぁ、この番組はよく調べずに放送する番組である。番組内の「ココ調」というコーナーも、たまに見かけると、調べた結果に唖然とし、テレビに向かって突っ込むことも多い。もっとちゃんと調べて欲しいもんです。


参照:
Sandra Bullock Movie Box Office Results - サンドラ・ブロック出演作の全米興行成績

アカデミー外国語映画賞、ノミネート作や受賞作が決まるまで

2010-03-03 13:00:15 | 映画 - その他
アカデミー賞の授賞式が、日本時間の来週月曜に迫ってきました。そこで、今回はアカデミー賞の外国語映画賞について。

賞にエントリーするまでなどは、詳しくは下記の参照にリンクを載せた、アカデミー賞のルール14などを見てください。今回は、エントリー作からノミネート作を絞り、そして受賞作を決めるまでについてです。

昨年の『おくりびと』のノミネートの際のことを、アメリカ在住の画家・作家の米谷ふみ子さんが書いておられたので、該当箇所をそのまま引用します。夫のジョシュ・グリーンフェルドさんが、映画『ハリーとトント』 Harry and Tonto (1974) の共同脚本でアカデミー賞にノミネートされた経験があるということもあって、取材をたくさん受けたようです。


彼ら(注:日本のテレビ局のロサンゼルス支局の人)は夫(注:ジョシュ・グリーンフェルド)に、どのような過程で外国語映画部門が賞を決めるのかを質問していた。

「会員にはアカデミー賞受賞者や候補者がなる。他の人でなりたい人は会員二人の推薦を取り、各部門の委員が会議をして決める。

外国語映画の賞を決めるのは、十月以後の毎週一日外国映画(各国が選んだ一本)を四本ずつ会員に見せ、それで投票して五本に絞る。

その後最終の賞を決めるには、候補の五本の映画を決まった日に決まった劇場で一本ずつ上映するのを観に行かねばならず、その時、入り口で名前をサインしなければならない。五本全部観た人だけが投票できるのだ。

会員は全部で六千人位いるが、半分以上が年寄りで夜出たがらない。観ずに投票する人が多いので、公平を期するために国内の映画だけはDVDが各会員に送られるようになった。だから外国語部門の投票をする人はとても少人数になる」

と説明していた。

――米谷ふみ子「アカデミー賞のとばっちり ―異文化を伝えることの難しさ―」(『波 2009年4月号』新潮社)より


アカデミー賞の主要部門と違って、劇場で上映会が行われ、5本全部に出席した人のみで投票されるというのは、これを読むまで知りませんでした。投票者がちゃんと全作品の上映会に出席したかチェックするのが大変そうです。実際に何人くらいが投票権をクリアしているのか、投票数は何票か気になりますね。


参照:
アカデミー賞の外国語映画賞のための特別ルール (Rule Fourteen: Special Rules for the Best Foreign Language Film Award)
アカデミー外国語映画賞 - Wikipedia - ウィキペディア日本語版