day by day

癒さぬ傷口が 栄光への入口

吉川晃司と私(2014)~反発の30年~ 

2020-06-26 | キッカワ。
2014年2月1日。

吉川晃司がデビュー30周年を迎えたこの日、新聞の一面広告が出された。
そこには鋭い眼差しの吉川晃司の姿と、謎の箇条書きが記されていた。

反発の30年。
三十年三十則。

1.川の流れのように?冗談じゃない。
2.反発からロックは生まれる。
3.石橋は叩いて渡るな。壊して泳げ、バタフライ。
4.常識は不要。良識は必要。
5.職業欄は「吉川晃司」。中卒だ。
6.シンバルは蹴って鳴らす。
7.キープ元気。たまに骨折。
8.バカで結構。
9.ケンカは水のなかで、やるもんだ。
10.ゴールなんてなくていい。ずっと走ってればいい。
11.マグロと一緒。止まれば死ぬ。
12.動きながら知恵を絞れ。カラダだって絞れる。
13.折り返し地点?人生を折り返してどーするよ。
14.「諦めることが大人」そんなことはウソ。
15.人生というダイスを転がして、自分をもて遊べ。
16.フェラーリは、ボコボコに乗り潰す。
17.ひびが入ってようが、器はでっかく。
18.お好み焼きにはマヨネーズはかけるもんじゃない。
19.広島人魂は、墓まで持っていくんじゃけぇの。
20.朱に交わったら、黒くなれ。
21.マイノリティのスタンスを貫け。
22.孤独なんかには、すぐ慣れる。
23.ツラくないってことは、生きてないってことだから。
24.全部さらけ出す。その瞬間が一番美しい。
25.裸でいれば皮膚は強くなる。
26.長いものには巻かれるな。むしろ、巻き返せ。
27.権力の座にいるのは、すっとこどっこいばかり。
28.負の遺産、子らに残せば恥知らず。
29.とどのつまり、愛と夢。
30.人情より上にくるもんなんて、なんかあんの?


語録のようでもあるけれど。
吉川は震災の時、「物差しが変わった」と繰り返し言っていた。
しかし、たとえ物差しが変わって書きあらわされる寸法が変わったとしても測られる本体は何も変わっていなかったのだな、とこれらを見て思う。
吉川晃司の本質はきっと、どこも欠けても割れてもいないのだ。
何故なら、吉川晃司の中心にはダイヤモンドが、傷だらけでも割れないダイヤモンドが埋まっているから。


この新聞広告には、30周年ライブツアーの概要が掲載されていた。
公式でもツアーの内容が発表された。

30th Anniversary Live "SINGLES+"決定!!

「前編」と「後編」で全曲違う!被り曲なしのセットリスト!
*各会場1日目と2日目の演奏曲目は全曲異なります。


2011年以来、ずっとどうにも心が晴れずにじくじくしていた私の心だったが、突然。それは本当に突然に。
分厚い雲が晴れてその切れ間からいきなりカンカン照りの太陽が顔を出したように面食らった。

前編と後編……???
被り曲なし………?????
1日目と2日目の演奏曲目は全曲異なります……??????

いやちょっと待て。
ちょっと落ち着こうか。

大阪に始まり、武道館、広島、名古屋。
4ヶ所で計8公演。が、実質は4公演。
いや前後編のライブとか初めて聴いたわ(少なくとも吉川では)。


などと頭を捻っているうちにすぐにファンクラブ先行予約の通知がきた。
こうなったらほぼ条件反射だ。
結局大阪・武道館・名古屋のそれぞれ通しで申し込んでしまった。
もちろん前編のみ後編のみなどの選択も出来るのだが、そんな選択肢は私には存在しなかった。

その「予定」は、震災から2013年までの、どこか追い立てられてでもいるかのようなピリピリしたものとは違う世界のもののようで。30周年という区切りに向かって一旦気持ちを切り替えてくれたのかもしれない、とやっと思うことが出来た。

アニバーサリーの年にはベスト盤がリリースされるのがお約束のようになっているが、アニバーサリーではなく2011年にベスト盤が2種類も出てしまっていたので当分ないだろうと思っていたら、「ベスト」ではなく過去の、すでに存在しないレコード会社のものも含め、以前所属していたレコード会社でリリースされたすべてのアルバムが(当初「レコード」でリリースされたものはデジタルリマスターされ)再販された。同時にコンプリートBOXとしても。
(私はさすがにここまでは入手していないけれども)

そしてベスト盤はベスト盤としてリリースされたのだが、これは全シングルに加えて初収録のライブバージョン音源などが収録されている。30周年のご祝儀だ、これは買っておく。
タイトルは「SINGLES+」。 SINGLES+


例の頭のおかしい(?)ツアーのタイトルはここから来ているのだ。

この発売日。
もうひとつの頭のおかしい告知が入った。

2014.6.25
一夜限りのSuper Session Live KIKKAWA KOJI Birthday Night "B-SIDE+" 決定!
シングル・カップリング曲を中心にセレクトされた隠れた名曲によるプレミアム・ライブ!
日本を代表するミュージシャンたちとの競演は必見!!
8月23日から始まるTOUR "SINGLES+"と合わせて70曲余を歌いきる30周年スペシャルの幕開けは見逃せない!
今は入手困難なB面セレクトアルバム「B-SIDE+」を会場にて限定販売。


ツアーを1会場前後編としてかぶりなしの別セットリストでやるというだけでまあまあ頭おかしいと思っていたら、そのツアーではやらないさらにかぶりなしの、しかも1夜限りのライブをやるという……
(実はこのあとさらに頭のおかしいことになるのだがそれは2015年に)

2013年までの停滞感や切迫感は何だったのだ。
とことん切迫したところで、やっと「自分はとにかくライブをやって歌いまくればいいのだ、それでファンが笑って元気を出してくれたらそれでいいのだ」という結論にたどり着いてくれたのだろうか。

それは、
私にとって。
泣けるほど嬉しいことだったのだけれど。




約一年ぶりに来た武道館は、吉川の誕生日の前々日だった。
一年前、これからの吉川晃司がどうなっていくのかというぼんやりした不安を抱えたまま後にした武道館のあの金色の玉ねぎは、同じ姿なのに夏の陽に照らされてまぶしく輝いていた。

この日のライブのテーマは「B-SIDE+」。
これまでアルバムに収録されてこなかったB面(CDで言うならC/W)の曲を集めたアルバム「B-SIDE+」が急遽この公演の物販スペースで販売された。
その後も期間限定で限定数のみの販売だったため、公式のディスコグラフィにも掲載されていない。
収録曲は以下の通り。()はシングルA面。


真夜中のストレンジャー(モニカ)
Miss You(LA VIE EN ROSE)
Rainy Lane(You Gotta Chance ~ダンスで夏を抱きしめて~)
I'm so crazy(RAIN-DANCEがきこえる)
奪われたWink(キャンドルの瞳)
永遠のVELVET KISS(Modern Time)
無口なmoonlight(すべてはこの夜に)
Black Corvette(Virgin Moon)
激しい季節(せつなさを殺せない)
Stripper(Rambling Rose)
Only Love(SPEED)
STRANGE FRUITS(エロス)
NAKED(Glow In The Dark)
夏色の恋に着替えて(ギラギラ)
JUSTICE(恋のジェリーフィッシュ)
地上より永遠に(狂った太陽)
SPICY(サバンナの夜)
朝焼け(SAMURAI ROCK)

B-SIDE+というコンセプトのライブの当日にこのCDを売る意味よ(笑)。
どうせ、こんな時に集まる連中は予習などしなくてもレア曲だろうがB面だろうが知ってるだろ?とでもいうのか。知ってるけど。知ってるけどさ。


KIKKAWA KOJI Birthday Night "B-SIDE+"

この日のライブは、そのあと始まる前後編構成の本ツアーのサポートメンバーとはガラリと全員変えて、初めてセッションするミュージシャンも加えてそういう意味でも特別なライブだった。
実質のバースデーライブのためか、1日限りだし何か好きなことをやっていいということになったのかもしれない。
名プレイヤーと言われる大御所のミュージシャンの名前が連なる。

【サポートメンバー】
GUITAR : 野呂一生 (CASIOPEA 3rd)
BASS : 後藤次利
KEYBOARDS : 矢代恒彦
DRUMS : 山木秀夫
CHORUS : 坪倉唯子
CHORUS : 山根麻以

ギターの野呂さんはかのカシオペアのリーダー。
ベースの後藤さんは吉川のソロ二期最初のツアー「Lunatic LUNACY」でもサポートして頂いた大御所ベーシスト。
ドラムの山木さんは後藤さんとも組んで活動されることもあるこちらも大御所ドラマー。
ヤッシーこと矢代さんは一時ずっとサポートについてくれていたこちらもベテラン。
そして唯子さんも麻以さんも名の知られたヴォーカリスト。

自身が49歳になる直前のライブ。
キャリアも30年。
もうすでに年下のミュージシャンとやることが多くなったこの時点で、あえて自分よりも年上で相当な修羅場をくぐってきただろうキャリアの海千山千のミュージシャンをサポートメンバーに選んだ吉川。
ステージの上では自分が最年少、なんて、いつ以来なんだろう。

30年?49歳??いやいや自分はまだ全然ヒヨッコだ!
とでも言わんばかりで、そんな吉川晃司が頼もしくも楽しみでもあった。


開演の前に、客電が落ちると会場のヴィジョンに映し出されたのは、吉川と親交のある様々な人たちのビデオメッセージだった。

(敬称略)
黒柳徹子
中村獅童
及川光博
岡村靖幸
阿川佐和子
小林武史
降谷建志 (Dragon Ash)
前田日明
増子直純 (怒髪天)
唐沢寿明
布袋寅泰 (ex.BOOWY、COMPLEX)
綾小路翔 (氣志團)

(個人的にミッチーが出てきてニヤニヤが止まらなくなったのは仕方ないですね!)

小林武史は、震災後のフェス(ap-bank)での繋がりでコメントをくれたとのことだったが、メッセージが終わるとしれっとステージの上でピアノを弾き始めた。
シークレットゲスト1人め。

01. Rainy Lane (with 小林武史)
02. BOMBERS (with 小林武史)
03. HEROIC Rendezvous (with 小林武史)
04. ロミオの嘆き
05. JUST ANOTHER DAY
06. 終わらないSun Set
07. ロスト チャイルド
08. MISS COOL
09. LOVE CHARADE
10. Only Love

- HAPPY BIRTHDAY -

11. SPICY
12. 地上より永遠に
13. ジャスミン
14. JUSTICE
15. GOOD SAVAGE
16. Love Flower
17. 無口なmoonlight
18. BOY'S LIFE

- encore -

ここで、もう一人のシークレットゲストが登場。
氣志團の綾小路翔が、彼らが毎年やっているフェスイベント・氣志團万博への出演を吉川に直接依頼するため…
自身も同日に北海道のフェス(RISING SUN)の出演が終わると速攻で飛行機に乗り武道館にやってきたのだという(笑)そんな流れで一曲歌って帰っていく綾小路翔(笑)。
19. にくまれそうなNEWフェイス (with 綾小路翔)
20. RAIN-DANCEがきこえる
21. 真夜中のストレンジャー



というわけで、この年の氣志團万博に吉川晃司も参加することになったらしい。


楽しいライブだった。
あとからBlu-rayなどで確認すると、一夜限りのセッションでもあり歌詞を間違えたりキッカケを失ったりもちょくちょくしているのだが、吉川は終始楽しそうに歌っていた。
私も本当に楽しかった。
聴きなれたはずの曲がよそいきのアレンジになって新鮮に飛び込んできた。

「楽しいだけ」のライブが、帰ってきた。
去年まで、あんなに不安で気持ちが晴れなくて、以前のようなバカ楽しいだけのライブが再び戻ってくることがあるのだろうかなんて気に病んでいたことが全部全部嘘だったように。

震災後、いつからだっただろう、吉川は歌い終わって去る時に
「じゃあまた、笑顔の再会を!」
と挨拶替わりに言うのが常になった。

また笑顔で再会しよう、それまでの毎日を、自分の出来ることを自分の出来る範囲でがんばろう。

そう思えるライブにまた出会えた。それが何よりも嬉しかった。


この日、ライブが終わって帰ろうかという時にもうひとつとんでもなく大きな「お土産」を貰うことになる。



開場前の物販で販売されていた限定のベストアルバム「B-SIDE+」。
これを物販会場で買うと、K2マークの入ったバッジが貰えた。
このバッジは色んな色で作られており、終演後に「当選の色」が発表される──とのことだった。
ビジョンや会場コンコース内に張り出された「当選色」。



私が貰ったのその色なんですけど?!!

いや、私は、チケット運こそ悪くはないと思う。前の方もよく当たる。が、普通の抽選は滅多に当たらない。
ざっと思い返してみても、楽天イーグルスの設立最初の秋季キャンプ(藤井寺球場)で急遽行われたサイン会に当選したくらいしか思い出せない。
(吉川のバースデーライブの当選はチケット運の範疇だと思っている)

思ってもみなかった幸運に見舞われて動揺するも、この日は私は完全にいわゆる「ぼっち参戦」だったので心の中で飛び上がったりガッツポーズしたりしながら当選者の集合場所へ向かった。
武道館のコンコースに戻り、先導のスタッフに連れられて階段を下りていく。普段、我々一般客は立ち入り禁止のエリアだ。
少しそのまま待機していると、奥の通路から、さっきまでステージで歌っていた吉川晃司が出てきた。


一瞬のハイタッチ。

せめて何か一言でも言えばいいのに。何と言ったのかも覚えていない。
「人に頑張れとか言うものじゃない」みたいに言われ始めるそのずっと前から、吉川はMCで「頑張れ言うな!」という持ちネタがあるのだが、ここで「頑張れ」なんて言う度胸は無かったと思う。
当時の自分のツイートを検索してみたが、生憎舞い上がってばかりで声をかけることが出来たのかどうかもわからなかった。

この日、私はそのまま夜行バスで大阪へ帰ったのだが、もう1年前に抱えていたもやもやしたものは完全に消えて無くなっていた。一週間後、大阪から始まる「前後編」の30周年ツアーがただただシンプルに楽しみで仕方なくなった。



さて、不安が吹き飛んであと楽しみしか残っていなかった本ツアーが一週間後始まった。

KIKKAWA KOJI 30th Anniversary Live "SINGLES+"

【サポートメンバー】
GUITAR : 菊地英昭 (ex.THE YELLOW MONKEY)
BASS : 小池ヒロミチ
KEYBOARDS : ホッピー神山
KEYBOARDS & GUITAR : 菅原弘明
DRUMS(前編) : 坂東慧 (T-SQUARE)
DRUMS(後編) : 青山英樹

今回は第二ギターはレコーディングなどでお馴染み菅原さん。曲によってキーボードも。
ドラムは前編と後編で若い二人が交代で務めている。
後編の英樹君は、吉川が若い頃にいっぱいお世話になったドラマーの青山純さんの息子さん。
なん?satokoちゃんといい、ドラマーの子はドラマーになるの?(笑)

「前編」はRED DAY、「後編」は「SILVER DAY」と銘打たれ、大阪から始まる。
■RED DAY■
01. モニカ
02. BE MY BABY
03. 心の闇(ハローダークネス)
04. フライデーナイトレビュー
05. プリティ・デイト
06. すべてはこの夜に
07. ピンナップにシャウト!!
08. Glow In The Dark
09. Virgin Moon
10. SOLITUDE
11. RAIN-DANCEがきこえる
12. ROMANCER
13. 狂った太陽
14. INNOCENT SKY
15. FLASHBACK
16. Brain SUGAR
17. Rambling Rose
18. ONE WORLD
19. No No サーキュレーション
20. Mis Fit
21. The Gundogs
22. ナイフ

- encore -

23. Dream On
24. せつなさを殺せない


■SILVER DAY■
01. 太陽もひとりぼっち
02. You Gotta Chance~ダンスで夏を抱きしめて~
03. キャンドルの瞳
04. LA VIE EN ROSE
05. パラシュートが落ちた夏
06. ポラロイドの夏
07. 雨上がりの非常階段
08. ベイビージェーン
09. HONEY PIE
10. VENUS~迷い子の未来
11. ナーバス ビーナス
12. エロス
13. Cloudy Heart
14. RUNAWAY
15. SPEED
16. SAMURAI ROCK
17. パンドーラ
18. 恋をとめないで
19. FOREVER ROAD
20. KISSに撃たれて眠りたい
21. アクセル
22. Fame & Money
23. Juicy Jungle

- encore -

24. BOY'S LIFE
25. a day・good night



この一連のツアーでは「原則かぶりなし」を謳っているためか決めたセットリストを忠実に守り、途中で入替などはなかった。
B-SIDE+も入れるとこの3種類のセットリストで合計70曲。ただし“RAIN-DANCEがきこえる”と“BOY'S LIFE”の2曲はB+でも演られたので実際には68曲になる。
なお、後にこの3公演分をまとめて収録された映像作品では、かぶった2曲のほかあと2曲削られていて収録は66曲。いつも思うのだが何故ちょろっと1曲だけカットとかされるのだろう(笑)。


オープニングのSEに乗せてステージ中央のモニターにライブ映像やジャケット写真が最新から30年前へと遡っていく。2日間で曲も写真の内容も変えられている。
RED DAYは、写真がデビュー当時のものにたどり着いて始まったのはデビュー曲「モニカ」。そしてCOMPLEXの「BE MY BABY」へとキャッチーで2日間の起爆剤になるような導入になる。
シングル曲は2日間で適度に分配されて骨格を作り、私でもライブで聴いたことがあるかどうか記憶が定かでないような初期のアルバム曲や、そう数多くはやってこなかったレアな曲が骨格の隙間で輝くきらきらした電飾のように輝く。
毎度ライブで歌われる定番曲も含めて、どの曲も何かの思い出に紐づけされていた。
私は30年のうち28年だが、それだけの年月、この人の曲を、声を、傍らに聴きながら色んな場面を生きてきたのだとあらためて感じさせられた。

ツアー参戦三か所め、ファイナルの名古屋で、私はオープニングから泣けて仕方なかった。
この3年くらい会えているのに会えた気がしなかった、会いたくて仕方なかった、私のよく知っていたはずのひと。
本当に会いたかったんだな。やっと会えたんだなと思った。

30年分の曲を紐解いていくツアーの1日目(RED DAY)のアンコール、ただ1曲まだ耳に馴染まない曲が聴こえてきた。
唐沢寿明主演の映画「イン・ザ・ヒーロー」の主題歌、「Dream On」(2014/9/3発売)。


年を重ねたスーツアクター(特撮などでガワを着てヒーローや悪役の役を演じるアクション俳優)の物語だ。
この映画には吉川晃司は出演していないが、吉川の書いたこの主題歌はこうやって年を重ねてきた今だからこそ書ける、歌える歌なのだと思った。
以前、「主題歌はテーマがはっきりしているからむしろ普段自分が書かないような歌詞もすんなり書ける」と言っていたがこの曲は苦戦したらしい。

人は見果てない夢に
賭け続け 倒れ続け 消えて逝く
ダイヤが燃え尽きる様に
その魂に 火を放て

道は折れない真心に
導かれ 切り開かれ ゆけるもの
信じろ 目に宿る光
その流行らない 愚直さが
美しい

30年駆け(賭け)続け歌い続けた男が紡ぐこの詞に、私は彼の生きざまを投影せずにはいられない。

大きな白い旗に遮られて見えなくなりそうになっていたあの肩幅の広い大きな背中は、少しだけスピードを緩めて追いつけるところに待っていてくれたような気がした。
もう大丈夫。
また全速で走ってよ。
今度は絶対に見失わないから。
あなたか私か、どちらかが死ぬまで決して。



---吉川晃司と私 buck number---
【1】(1984~85)~出会う前~
【2】(1986)~鮮烈すぎる出会い~
【3】(1986~1988)~解体への…~
【4】(1989~1990)~COMPLEX~
【5】(1991)~LUNATIC LUNACY~
【6】(1992)~Shyness Overdrive~
【7】(1993)~10th Anniversary~
【8】(1994)~My Dear Cloudy Heart~
【9】(1995)~FOREVER ROAD~
【10】(1996)~BEAT∞SPEED~
【11】(1996~97)~0015→HEROIC Rendezvous~
【12】(1999)~HOT ROD~
【13】(2000)~HOT ROD MAN RETURNS~
【14】(2001)~SOLID SOUL~
【15】(2002)~PANDORA~
【16】(2003)~Jellyfish&Chips~
【17】(2004)~20th Anniversary~
【18】(2005)~エンジェルチャイムが鳴る夜に~
【19】(2006)~Savannah Night~
【20】(2007)~TARZAN~
【21】(2008)~SEMPO,and・・・~
【22】(2009)~25周年、両刃の剣を携え~
【23】(2010)~夏と冬のGROOVE~
【24】(2011)~日本一心~
【25】(2012)~愚~
【26】(2013)~SAMURAI ROCK~
【27】(2014)~反発の30年~
【28】(2015)~骨折してもシンバルキック~
【29】(2016)~WILD LIPS~
【30】(2017)~ライブこそ人生~
【31】(2018)~武道館で、笑顔の再会を~
【32】(2019)~吉川晃司、起動。~
【33】(2020)~空に放つ矢のように~
【34】(2021)~BELLING CAT~
【35】(2022)~OVER THE 9~
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