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day by day

癒さぬ傷口が 栄光への入口

吉川晃司と私(2015)~骨折してもシンバルキック~

2020-07-08 | キッカワ。
2014年の頭のおかしい30周年ツアーの熱も冷めやらぬファイナルから約2ヶ月後の12月。すでに年末のクリスマス前のこと。
さらに頭のおかしいスケジュールが発表された。

KIKKAWA KOJI 30th Anniversary Live “SINGLES+ RETURNS”決定!


30周年ツアーの追加公演。それは、ライブハウスツアーだった。

東京2ヶ所(ZeppのDCTとTOKYO)、福岡、札幌、仙台Renza、なんば、名古屋。2月28日から始まり、4月24日までの約2ヶ月で計7公演。(仙台は追加公演として追って発表された)

2014年のSINGLES+とB-SIDE+で計68曲(のべ70曲)を歌って、自分でも飽きるかと思ったら意外とまだ物足りなかった…。
また、前ツアーが東名阪+広島のみの公演だったため、他の主要都市でもやろうということになったという。
なので、(なので??)このライブハウスツアーでもさらにかぶりなしのセットリストを組む───

……知ってたけど、バカなのかな????

しかしこのツアーはさすがに東京に2週連続遠征することもかなわず初日だけ申し込んだのだが見事落選。地元なんばとファイナルの名古屋のチケットだけが取れた。
考えてみればライブハウスとはいえZeppのキャパシティは小ぶりな会館と同程度の筈なので通常ならそう落選などはない筈なのだが、なぜかライブハウスは競争率が高いのだろう。そして私はライブハウスは落選しがちだ。
この時はまさか、このツアー中にあんなことが起こるなんて予想もしていなかったのだ。


私が落選した2月28日のZepp DyberCityTOKYOでの公演はおそらく、つつがなく盛り上がって終わったのだと思う。
しかし翌週のZepp TOKYOでの公演の日、とんでもないことが起こっていた。

吉川晃司、骨折でシンバル蹴られず
吉川晃司が3月3日にバイクの運転の練習中に左足首を骨折し、昨日3月5日に手術を受けていたことが明らかになった。


3月3日にバイクで足首骨折して、5日に手術して、6日にライブやった………?


知ってたけど。
知ってたけど。
・・・・・・・・・・・・・・。


やっぱりバカなのかな???

いや、過去にも、ライブ中に肋骨折って1公演だけ延期してあとやりきったとか、ありましたよ。
あと、シンバルキックで下手こいて足の指何回か折ったりざっくり切ったりしてるって自分でも言ってましたよ。

どうやら5日に、骨折箇所にばんばんビス留めしまくる手術をして、その折った箇所以外はどこも悪くないから出てきたらしい。うん。肋骨折るより歌うのに支障ないよね、足だけならね。わかるわー

わかるか!!!(爆)
もう笑うしかない。

さすがに手術翌日のこの日の東京は「シンバルキック」だけは控えたらしいが、セットリストも変更せずしれっと21曲歌い切ったらしい。
さらに、経過観察の後今後の──次はもともと少し日数が空いていて、3月29日の予定だった──日程について検討すると言われていてわずか4日後の3月10日には公式にこんなコメントが発表された。


ファンの皆様へ

いつも吉川晃司を応援いただきまして、ありがとうございます。
この度は、皆様に多大なご心配をおかけして、大変申し訳ございません。
TOURに関しまして、現在予定しております公演は全て実施致します。
吉川は、現在、次のステージに向けて、トレーニングに励んでおります。
通常のライブとは多少異なるパフォーマンス展開が予想されますが、ぜひご期待ください。
今後とも吉川晃司をご愛顧いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

2015年3月10日


予定変更無しだそうだ。

そして、3月29日Zepp Fukuokaに登場した吉川晃司は、
骨折した脚を高々と持ち上げて、踵落としのシンバルキックを披露したのだという。

そういう人だということはとうに知っていたし、私はそんな吉川晃司が好きなのだ。そういう男を29年追いかけてきたのだ。
この30周年のアンコールのような年に、こんなおかしな形でそれを再確認することになってしまった。

なお、この時の「バイク練習中の事故」とは、まだ情報解禁前で詳らかにはされていなかったが映画「さらばあぶない刑事」に出演するための役作りであったことが映画の製作発表とともに明らかにされた。

吉川晃司の骨折の理由が判明 映画撮影のために怪我も「バイクは素晴らしい乗り物です」の男気
この骨折について本人はこのようにコメントしている。
3月5日にボルトを入れる手術をして、6日がZepp Tokyo公演で、命の次に大事なシンバルキックはできませんでしたが、いつもとはひと味違った緊張感と集中力の高い、自分としては満足のいくライブができましたので、残りの5公演もこのまま続けさせていただくことにしました。

FOREVER ROADツアーの公演中に肋骨を骨折した時、息をするのも痛い身体で「どこか痛い方が集中力が上がる」とかなんとか嘯いてツアーを続けたちょうど20年前と、言うことがたいして変わっていない。
まあいい。
吉川晃司はそういうところが変わらないからいいんだ。
年齢に伴う肉体的な衰えは自分が一番よく知っているし、曲がりなりにももとアスリートなのだから、十分なケアをしている上でハッタリをかましているだけだということはもう判っている。


と、いうような忘れられないツアーは順調に日程をこなしていた。
私がやっと現場に入れたのは終盤のなんば・ファイナルの名古屋。

KIKKAWA KOJI 30th Anniversary Live "SINGLES+ RETURNS"

【サポートメンバー】
GUITAR : 菊地英昭 (ex.THE YELLOW MONKEY)
BASS : 小池ヒロミチ
KEYBOARDS : ホッピー神山
KEYBOARDS & GUITAR : 菅原弘明
DRUMS : 菅沼孝三


30周年本ツアーでは若い二人のドラマーだったけど、今回は師匠。

01. Miss You
02. CLOCKWORK RUNNERS
03. 雨のTraveller
04. スリルなモナリザ
05. やせっぽちの天国
06. Dance with Memories
07. GIVE ME A BREAK
08. ギラギラ
09. Baby Baby
10. Weekend Shuffle
11. KEY 胸のドアを暴け
12. Atomic Butterfly
13. もしも僕が君ならば
14. I'm Yes Man
15. スティングレイ
16. The Sliders
17. プレデター
18. RAMBLING MAN
19. A-LA-BA・LA-M-BA

- encore -

20. MARILYNE
21. ジェラシーを微笑みにかえて
22. モニカ★福岡・札幌・仙台のみ
23. BE MY BABY★福岡・札幌・仙台のみ



アンコールは福岡・札幌・仙台公演のみ4曲で、本公演ではRED DAY(前編)のオープニング曲だったモニカとBE MY BABYだったのは、本公演でこの3都市には来てないのでせめてこの2曲だけは聴いて帰ってもらおうという配慮(だと思う)。

私の入ったZepp Nambaの公演が収録日だった。
何故かタイガースユニの人がいる(なぜだ)。
カープユニの人もいたような気がする(この後徐々に増える)。
私は上手の端の方にはなったがまあまあ前の方で見ることは出来た。
そういえばライブハウスツアーは2020年現在でこれ以来やっていないので、確かこの時の話だったと思う。Zeppには2階席があり、1階はオールスタンディングだが2階は指定席。
チケット販売の際に、その2階から埋まったと愚痴を言う吉川。
そうね、私はせっかくライブハウスでオールスタンディングならしんどいけどそっちでワーっとやりたいけど、時々座れる座席が欲しい、他人に圧迫されながら騒ぐのはつらい、気持ち悪いという人も少なくなかろう。ファンの年齢層的にも。もうライブ前に男5キロ女3キロ走って来いとは言えなくなってしまった(笑)。


吉川は、青く光るイカした杖をついてステージに現れた。
マイクのそばには、脚を支えるための台がある。
基本的には折れた方の左脚はこの台の上で膝立ちさせる体勢で歌う。

一見、特に問題はなさそうに見えた。
折れたのは足首だし、本体は健康だから声を出すにもそれほど大きな影響はなさそうに見えた。だからこそやっているのだとも思った。
しかし、2019年のツアーMCでのポリープ治療の話の端々に、この時のツアーで無理を押したことがこちらに伝わる何倍も吉川の身体に負担を強いていたことが伺えた。
不自然な体勢でスタンドマイクに手をかけて体重を預ける形になり、それを続けた影響で指がつりやすくなったとか。
どうしても通常のトレーニングが出来ないので体幹が弱ってしまい、結果的に一から作り直すことになったこととか。

だいたいいつもそうだ。

吉川晃司という人は、長年やっている間に数々の負傷も病気もしてきている。フィジカルな表現にも重きを置いている人だからなおさらだ。プロの格闘家が吉川の身体に残る様々な傷痕を見て「お前はミュージシャンじゃないのか、アスリートみたいな怪我をしているな」と驚かれた話はよく聞いたこと。
ただ、それに一番苦しんでいる時には「こんなもん何てことねぇぜ!」みたいに見得を切って押し通してしまう。
何年も経ってから、「あの時こうだったんだけど…」みたいな話が他の話のついでにするっと出てきたりすると「やっぱり何てことないわけなかったじゃないか…!」と呆れる羽目になるのだ。

今回の骨折の件でどちらかのMCで自慢げに語っていたのは、
「足首が折れたからって運動しなければツアー中なのに衰えるのはまずいから(まだ手術の傷口がちゃんとくっついていないのに)プールで泳いでたら医者に怒られた」
という話だった。
もちろん、傷口に対する衛生的な視点から言っても、絶対真似しちゃだめです(笑)。
「でも医者が怒ったり呆れたりするのをを無視して(それもだめ)泳いで身体動かしてたらもう回復力が落ちてるはずの年なのに常人より早く骨くっついてきた!」
とドヤ顔。
繰り返すが真似しては絶対いけません。


ともあれ3月初めに骨折した吉川晃司は、4月下旬には7公演のライブハウスツアーを無事に終えた。
2014年8月から続く一連の30周年ライブもこれで終了。
1年をかけてやった3シリーズのライブで計89曲、のべ93曲を披露してくれたことになる。
随分昔に聴いたきりだった曲、初めて聴く曲、好きだけどあまりライブでは歌われない曲。それでも今回歌われなかった曲もまだまだ多くあって、それが吉川晃司の積み上げてきた30年なのだと思った。

「30周年を派手にやったから、もう次(の大きなアニバーサリー)は50周年だな」

当たり前のようにそう言って笑う吉川。
その時彼は69歳。
ロックな年の吉川晃司はまだ、「80歳過ぎたら寿司屋やろうかな」などと嘯いているかもしれない。



さて、ゴールデンウィーク前には今年のツアーが終了してしまったわけだが、吉川はこの夏フジロックと中津川ソーラーという2本のフェスに参加している。
中津川ではベーシストとしてウエノコウジが初参加したようだ。
ウエノはここから現在(2020)に至るまで、吉川のベースを担ってくれている。


そして、この年の後半。

吉川晃司さん、まさかの部長役 ドラマ「下町ロケット」

 TBSドラマ「下町ロケット」の新たな配役が明らかになった。主人公・佃航平(阿部寛さん)と向き合う帝国重工の財前部長役を吉川晃司さんが演じる。
「モニカ」での衝撃的なデビューから約30年、吉川さんはロッカーとして俳優としてかぶき通し、常識を壊す若者の象徴だった。一転、「下町ロケット」では「まさか」の部長役で、物語の鍵を握る大企業の管理職を演じる。

2015/9/17

そう。
「財前部長」だ。

「さらばあぶない刑事」で重要な敵役としての出演にも驚いたが、今度は大企業の部長役。
10月スタートのこのドラマ、実際見てみると、1話から出番も多いし主人公・佃(阿部寛)とは当初敵対に近い立場から一転、彼を信頼しその夢に賭けてなにくれとなく助けてくれるという…めちゃくちゃいい役…見どころもいっぱいある………

この役を演じたことで、役者・吉川晃司は完全に一般の人に認知され受け入れられたのではないかと思う。
不器用な兼業役者だった吉川が、不器用なままその存在感だけで説得力を持つことを認められたのだ。

「下町ロケット」は後に続編が作られたが直接は大きく関わらないと思われた財前の出番もふんだんに作られた。
おそらく役者としての吉川晃司の代表作のひとつになったのではないだろうか。

それは、吉川晃司に役者仕事のオファーが増えていくことも意味していた。

デビュー31年は、まだ通過点だ。


---吉川晃司と私 buck number---
【1】(1984~85)~出会う前~
【2】(1986)~鮮烈すぎる出会い~
【3】(1986~1988)~解体への…~
【4】(1989~1990)~COMPLEX~
【5】(1991)~LUNATIC LUNACY~
【6】(1992)~Shyness Overdrive~
【7】(1993)~10th Anniversary~
【8】(1994)~My Dear Cloudy Heart~
【9】(1995)~FOREVER ROAD~
【10】(1996)~BEAT∞SPEED~
【11】(1996~97)~0015→HEROIC Rendezvous~
【12】(1999)~HOT ROD~
【13】(2000)~HOT ROD MAN RETURNS~
【14】(2001)~SOLID SOUL~
【15】(2002)~PANDORA~
【16】(2003)~Jellyfish&Chips~
【17】(2004)~20th Anniversary~
【18】(2005)~エンジェルチャイムが鳴る夜に~
【19】(2006)~Savannah Night~
【20】(2007)~TARZAN~
【21】(2008)~SEMPO,and・・・~
【22】(2009)~25周年、両刃の剣を携え~
【23】(2010)~夏と冬のGROOVE~
【24】(2011)~日本一心~
【25】(2012)~愚~
【26】(2013)~SAMURAI ROCK~
【27】(2014)~反発の30年~
【28】(2015)~骨折してもシンバルキック~
【29】(2016)~WILD LIPS~
【30】(2017)~ライブこそ人生~
【31】(2018)~武道館で、笑顔の再会を~
【32】(2019)~吉川晃司、起動。~
【33】(2020)~空に放つ矢のように~
【34】(2021)~BELLING CAT~
【35】(2022)~OVER THE 9~
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