Dogma and prejudice

媚中派も媚米派も同じ穴のムジナ
従属主義的思考から脱却すべし
(言っとくけど、「媚米」と「親米」は違うんだよ)

「生存者がいないから、拉致問題は解決済み」?

2007-11-23 | 拉致・北朝鮮問題

(参考)「stay alive for a moment of the death」さん「大前研一の馬鹿ぶり全開」より、
 大前研一ちゅうのはバブルの産物だと思ってたんだがまだいたんだな。
で拉致に関してわけわかめなことをほざいていたので読者のために全文貼っておくことにした。
出所は日経BPネットなんだが、こんな低劣な論者にコラムを書かせるのはここと産経新聞くらいのもんじゃないの?

 全体を通してアホかというほどにネガティブなんだが、たとえば大前氏は、ある時細君を誘拐して強姦まくった犯人が後日判明し、そいつが「誘拐強姦事件は解決済み。」っと言ったらそれでなんの検証もせず諦めるのか?

 僕は情がどうだのこうだのなんて子供のようなことは言う気はないが、機会があったら氏に一度きいてみたいのは「国民国家における国民と国家の関係は?」ちゅうことだな。


“拉致問題は解決済み”という現実
経営コンサルタント 大前 研一氏
2007年11月14日より

 北朝鮮の工作員による日本人拉致問題は、小泉政権の時代に大きな展開をみた。小泉政権のあと、対北朝鮮強硬派で鳴る安倍晋三氏が首相に就任したこともあって、拉致問題はいっそう進展することが期待された。

 しかし先の参院選での自民党の大敗北、そして安倍氏の不可解かつ突然の辞任。もちろんそれだけが理由ではあるまいが、最近、拉致問題はほとんどといっていいほど動きがない。日本側が「拉致被害者を返せ」と言い、北朝鮮側が「拉致問題は解決済み」と返す、これを繰り返している状況が数年間続いているだけだ。

 一方、北朝鮮の核問題については進展があった。今回の6カ国協議で、エネルギーを支援する代償に北朝鮮は核の無能力化に合意したのである。日本政府は米国に対して、拉致問題が解決する前にテロ支援国家としての指定を解除しないよう働きかけているが、米国は明確な答えを示してはいない。

 そんな折り、中山内閣総理大臣補佐官はヒル国務次官補との会談で、「拉致問題が解決しなければ、北朝鮮へのエネルギー支援には参加できない」と述べた。そして拉致問題の進展については「国が被害者家族を帰国させることに基本認識を持ち、具体的なステップを踏み始める必要がある」という日本政府の考えを示した。また危機感を抱いた拉致被害者の家族が訪米し、ヒル国務次官補に直接陳情するなどの動きもみられる。

 これで拉致問題は再び動き出すのだろうか。わたしは正直なところ「微妙」と考えている。こういうことを書くのは拉致被害者の、あるいはその家族のお気持ちを考えると忍びないものがあるのだが、北朝鮮の言う「拉致問題は解決済み」という言葉が示す現実を考えると、そう結論せざるを得ないのだ。


口に出せないデリケートな問題
 では「拉致問題は解決済み」とはどういうことか。はっきり言えば、「拉致した人はもういません」ということを意味しているのではないだろうか。少なくともわたしには「解決済み」の意味は「探しても、生きている人はもういませんよ」であるとしか考えられない。

 おそらく小泉元首相が平壌で直接交渉したときに、その辺のくだりが出てきていたはずで、もしかしたら通訳の誤訳があったのかもしれないし、お互い「解決済み」に至る解釈、あるいは定義があいまいであったのかもしれない。

 一方、米国は「解決済み」の意味を当然北朝鮮から説明されているはずで、それがなければ、北朝鮮を「テロ支援国家」のリストから外す作業に着手するとは考えられない。

 つまりわたしにはこの問題が「それを言っちゃーおしまいだよ」という言霊の世界の問題のような気がするのだ。当然、日本のマスコミもその流れに沿って自らはこの問題を深追いすることなく呪文のように「北朝鮮=拉致問題の解決が先決」という線に沿って報道している。

 そしてイラク、アフガニスタン、パキスタンなどブッシュ大統領の進めてきた中東政策が暗礁に乗り上げるなか、任期切れ前に一つでも得点を稼ぎたい米国大統領の都合で、北朝鮮問題の解決を、日本の頭越しで図る可能性が高くなっているのである。そのタイミングは年末といわれているが、日本は刻一刻と追い込まれているのではないかと危惧する。


拉致問題を棚上げする“5カ国協議”
 米国としては友好国である日本の言い分も当然認めたいのだろうが、韓国も中国も明らかにこの問題を棚上げしてしまった。ロシアは最初から日本の意見を聞く立場にない。いま日本を除く5カ国は朝鮮半島の非核化に交渉のすべてのポイントを移してしまった。拉致問題を抱えている韓国は拉致被害者の家族への補償金を提示して見切り発車を断行しようとしている。

 だが、拉致された家族はそれを認めない。「まだ生きている」という思いで、「いつか帰ってくるに違いない」「早く帰せ」と活動を続けている。ここに大きなズレがあるのだ。先述のように日本は言霊信仰の国なので、日本側で「もう、生きている人はいません」と口にしてしまったら、拉致被害者の家族はがたんと気力を落として活動も終わってしまうだろう。

 だから、日本政府はその一言を口にしない。米国も日本の拉致被害者たちの心情は理解しているので、あえて日本の内政問題につながりかねないこのデリケートな問題に関しては発言しない。

 もしいまだ元気にしている人々がいるのであれば、今の北朝鮮にとってそれらの人々を帰国させるのを妨げるものはないはずだ。既に帰国している人々の立ち居振る舞いを見れば、そう北朝鮮に不利になる言動をしているわけでもない。元気でいる人々を帰国させて日本からの援助を引き出す、というメリットを上回る理由があるとは(少なくともわたしには)思えないのだ。

 そもそも小泉元首相が北朝鮮を訪問したときに交わした、正確な言葉をわたしたちは知らない。これも大きな問題だ。小泉元首相は2回北朝鮮を訪問し、5人の拉致被害者が帰国したが、そのときいったいどういう話をしたのだろうか。そのときの正確な言葉を、誰も聞いていないのだ。「まず、あの5人を帰した(生きている人はほかにもいる)」のか。それとも「生きているのは5人だけで、全員を帰した」のか。その認識が正確ではない。


安全保障上の問題に口を出せない日本
 日本が核問題に関与できていないのはなぜか。誤解を怖れずはっきり言おう。「拉致被害者は生きている」という建前があまりにも災いしているのだ。まず日本がやらなくてはいけないのは、「拉致問題は解決」と北朝鮮が言う理由を問いただすことである。そして、日本と北朝鮮の間にある大きなズレを修正するべきなのだ。

 にもかかわらず日本がやっているのは、米国に「拉致問題についても議題に挙げてください」とお願いすることだけ。米国は「日本の要求はいちおう伝えます」と言いながら、本当は誰もまじめに伝えていない。中国もこの問題は関係ないという態度でまじめではない。だから6カ国協議の議長声明にも拉致問題は盛り込まれていないのだ。

 だからこそ、わたしは強調しておきたい。とにかく「解決済み」の理由を明確にし、日本にとってより重要な、開発済みの原爆とそれを搭載する可能性のあるミサイルの双方を無能力化することが先決だ、と主張することである。それをしないうちは、いつまで経っても、北朝鮮が日本にとって大きな脅威であるという状況が解消されない。

 確かに、拉致された被害者のうち、数人はまだ生きている可能性はある。しかし、拉致被害者の家族が訴えるように、40数人全員が北朝鮮で生きているというのは、希望的観測に過ぎるのではなかろうか。しかしそれを口に出すことは難しい。それが日本の言霊信仰の恐ろしいところだ。

 わたしはヒル国務次官補から政府の担当者に「日本よ、いい加減に目覚めよ」と言ってほしいと思っている。それを言わないから、この問題がいつまでも終わらない。そして、日本は6カ国協議の中で他のメンバーから無視され、日本にとって本当に重要な安全保障上の問題が放置されたまま、北朝鮮と米国との国交正常化が進んでしまう可能性が高くなっているのである。


 大前 研一氏は、北朝鮮の「拉致問題は解決済み」という言動から、「もしいまだ元気にしている人々がいるのであれば、今の北朝鮮にとってそれらの人々を帰国させるのを妨げるものはないはずだ」とし、「拉致した人はもういないのだ」と結論付けていますが、少し強引過ぎる論理展開ではないのでしょうか。

 大前氏は、「『「拉致被害者は生きている』という建前があまりにも災いしているのだ」と、「生きている」というのは建前であると言っています。

 ところが、そのあとで、「確かに、拉致された被害者のうち、数人はまだ生きている可能性はある」とも言っています。

 「拉致被害者のうち、まだ生きている人がいる可能性がある」と考えながら、「『拉致被害者は生きている』というのは建前であり、そのような建前は邪魔なだけだ」と言っているのは論理矛盾であり、もし論理矛盾でないのなら、「生きている拉致被害者は見殺しにしろ」と言ってることにしかなりません。

 日本の評論家の一部に、大前氏のように「拉致被害者はもういない。だから、拉致問題は解決済みなのだ」という主張をする人がいますが、そのような考えは大きな間違いです。

 オノレが指示して拉致を行い、オノレの国に監禁した挙句、「故意」であろうとなかろうと「死なせてしまった」のであれば、「生存させながら帰国させない」ことより、さらにずっと金正日の罪は重いのであり、「みんな死んじゃったから、拉致問題は解決だよ」みたいな呑気なことを言って済むことではないのです。

 それに、「生存者がいないから、拉致問題は解決済み」などというような意見が大勢を占めるようになれば、「それじゃ殺してしまえ」ということになりかねないわけで、いままで、生き延びてきた拉致被害者の生命を危険にさらすことにもなります。

 もし、北朝鮮が、「故意」であろうとなかろうと拉致被害者を「死なせてしまった」のであれば、それは、彼ら自らが、「日朝国交正常化」に至る道筋を半永久的に閉ざしてしまったのだということを痛切に分からせるべきでしょう。

 「死なせてしまった」というのが事実と分かり次第、日朝交渉の内容も、「日本の半島支配」に対する北朝鮮からの賠償要求から、「北朝鮮の拉致事件」に対する日本側からの賠償請求に切り替えるべきなのは言うまでもありません。

 そのような事態になったとき、「さあ、いよいよ、日朝国交正常化」だの、「今後は、北朝鮮に大規模援助をすべき」だのというような事を主張してはしゃぐ評論家や政治家がいるなら、そのような輩こそが、媚朝派売国奴であり、大いに世論から指弾されてしかるべき者たちということになるでしょう。



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2 コメント

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RE:これは酷い (上田真司)
2007-11-24 02:59:59
たもん次男さん、コメントありがとうございます。

>アメリカは常に正しい。そのアメリカが拉致問題を不問にして北との関係改善を図つてゐるのは、拉致問題が解決済みだからに違ひない・・・そんなところでせうか。
>媚米派が媚米派であるがゆゑに北朝鮮を利する発言をする段階に入つてるのかもしれませんね。

私もそう思います。

媚米派は、アメリカの後追いをするだけのことで、何の原理原則も持っていないのではないでしょうか。

アメリカが制裁を実施すれば、日本もそうすべきだと論じ、アメリカが北朝鮮と友好関係を結ぶ方向に向かえば、日本もそうすべきだと論じるわけです。

きっと、アメリカの言いつけを守り、アメリカのものまねをしていさえすれば「日本は安泰」と考えているのでしょう。

今後は、大前氏のように、「拉致問題などもう終わった話だ」とか、一部の論者の主張する「拉致問題を解決するためには、まず国交正常化を先にすべきだ」という「拉致問題出口論」のような主張が、増加してくると考えるべきでしょう。

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これは酷い (たもん次男)
2007-11-23 20:21:16
これは酷い。
大前研一といふのは、何を考へてゐるのか。
アメリカは常に正しい。そのアメリカが拉致問題を不問にして北との関係改善を図つてゐるのは、拉致問題が解決済みだからに違ひない・・・そんなところでせうか。

媚米派が媚米派であるがゆゑに北朝鮮を利する発言をする段階に入つてるのかもしれませんね。
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