国際的な労働組合団体が7日、都内で、ファンドの実態や買収に伴う組合活動への影響などに関するセミナーを開催し、買収防衛のため、労組の団結を訴えた・・・。
国際労組の説明によると、ファンドによる買収の実態は、(1)借り入れで調達した買収資金を買収企業の負債として計上させ、利子も含め代わりに返済させる(2)買収企業に顧問料を要求する(3)特別配当の実施のため、借り入れを強要するという。
実例として、米ブラックストーン・グループが買収した英社に4500万ドル(約54億4500万円)の顧問料を支払わせたほか、米ハンバガーチェーン大手のバーガーキングが買収ファンドに特別配当を行うため4億ドル(約484億円)の借り入れを行ったなどの事例を挙げた。
「ファンドは買収企業を巨大なATM(現金自動預払機)と見立て空っぽになるまで引き出そうとする。人材育成や生産性向上を重視した投資が不可能になる」と批判しています。
まさにこれが、買収先の企業の生き血を吸って肥え太る国際金融資本の非道ぶりの実態です。
こういう実態に目をつぶって、外資を応援する人たちは、外資と結託して大もうけを企む国内ハゲタカかその関係者なのでしょう。あるいは、何も知らずに「外資導入=良いこと」と思い込んでいる気のいい愚か者なのかもしれません。
ネオリベ論者は、ネオリベ批判論者を鎖国主義者と呼びますが、彼らのいう「国を開く」というのは、国際金融資本という「簒奪者」を日本に招き寄せて、日本社会を蹂躙させることなのです。
(参考)
国際労組が都内でファンドセミナー 買収対抗へ監視組織 労働協約に雇用継続条項
投資ファンドによるM&A(企業の合併・買収)が活発化するなか、国際的な労働組合団体が7日、都内で、ファンドの実態や買収に伴う組合活動への影響などに関するセミナーを開催し、買収防衛のため、労組の団結を訴えた。
主催したのは、サービス産業労組が加盟するユニオン・ネットワーク・インターナショナル(UNI、本部・スイス)と国際食品関連産業労働組合連合会(IUF、本部・同)の2つの国際労組。
基調講演でUNIのフィリップ・ジェニングス書記長は、外資系を中心に投資ファンドによる日本企業の買収案件が増えていることを踏まえ、「ファンドの動きを監視、分析するためのタスクフォース(特別作業班)を設置するべきだ」と述べ、国内労組同士が手を取り合う必要性を訴えた。
また、昨年以降、米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)など巨大ファンドの日本上陸が相次いでおり、同書記長も「確実に日本を狙っている」と警告した。
このほか、IUFプロジェクト・コーディネーターのヒダヤット・グリーンフィールド氏がファンドによる買収の実態を説明。(1)借り入れで調達した買収資金を買収企業の負債として計上させ、利子も含め代わりに返済させる(2)買収企業に顧問料を要求する(3)特別配当の実施のため、借り入れを強要する-などの問題点を指摘。
米ブラックストーン・グループが買収した英社に4500万ドル(約54億4500万円)の顧問料を支払わせたほか、米ハンバガーチェーン大手のバーガーキングが買収ファンドに特別配当を行うため4億ドル(約484億円)の借り入れを行ったなどの事例を挙げた。
さらに同氏は「ファンドは買収企業を巨大なATM(現金自動預払機)と見立て空っぽになるまで引き出そうとする。人材育成や生産性向上を重視した投資が不可能になる」と批判。また、「経営者ではないオーナーが労組と話す必要はないと主張し労組との対話には応じない」と述べ、組合活動にも重大な影響が及ぶと指摘した。
さらに、同氏は「買収で、企業の所有権が変わっても、雇用保障と組合承認の継続を保証する条項をあらかじめ労働協約に設けるよう交渉する必要がある」などとし、労組としての防衛策導入の重要性を訴えた。
最終更新:6月8日8時33分
フジサンケイ ビジネスアイ