これから寒さが厳しくなり、乾燥した季節となります。いろいろと弊害の出る時期でありますが、患者さんの背中を見ると多くの方に引っ掻き傷が見られます。
「乾燥してるのね~、痒くて痒くてたまらないの、寝ているうちに掻きむしっちゃうのよ。」
「身体洗ってる?」
「毎晩洗ってるわよ~、石鹸つけてゴシゴシと~。まだ洗い方が足りないのかしら~?」
「洗うのやめてみたらどうですか?」
「え?なんで?」
「特に石鹸つけて洗うのはやめてみたらどうですか?」
そんな話をして、石鹸の使用を冬場はやめるように話しました。
「先生、痒みなくなったわ。」「よかったですね。」
こういうの、結構多いんですよ。
今の人は、自宅に風呂があって、かなりの頻度で入浴していると思います。そして毎日石鹸をつけてきれいに洗っている人の皮膚は皮脂に覆われることがありません。人間の皮膚は皮脂に覆われていなければ傷つきやすい弱い肌だと思います。
石鹸をつけてきれいに洗ったあと(皮脂を落としたあと)、夏場はすぐに皮脂に覆われますが、冬場は皮脂に覆われるには数日かかります。その数日間は弱い肌が露出しているわけですので肌を痛めやすいのです。
すべての皮膚掻痒症が石鹸によるものではないかもしれませんが、こういった勘違いをされて、ますます石鹸ゴシゴシで洗っている方が多いのも確かです。
やけに体が痒いなあと思ったらちょっと石鹸をやめてみてください。それで収まらなければ、皮膚科に行ってみましょう。
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