「蓄膿症の治療をお願いします。」と言って来院する患者もそう多くはない。だから治療方法は知っていても、その効果の程をあまり知らない。
前頭部のツボ、「上星」または「囟会」あたりの圧痛と、百会にお灸をするものであるが、先日娘が「蓄膿症があるのでお灸で治らない？」という電話があって，蓄膿症の治療をする機会に恵まれた。
前頭部の圧痛を探して、「百会」と「囟会」のあたりに１５壮ぐらい据えた。他に「足の三里」にも据えて治療を終わった。
翌日、また来院した娘に「蓄膿症はどうした？」と聞くと、「昨日から、青鼻が出て鼻をかむのが忙しい。」と言う。
もう１度同じ治療をして帰した。
蓄膿症に灸は効果抜群であった。少なくとも娘にはよく効いたわけである。
めまいの治療で来た患者さん、めまいが治ったら「歩くと左足が痛むんですけど。指の付け根がいたんで、お医者さんには『モルトン病』って言われました。」
「あ～、モルトン病ね・・・治らないって言われなかった？」
「そんな風に言われましたね。」
「治らないこともないんだろうけど治りにくいんだよね。以前モルトン病の患者さん来たんだけど、あまりパッとしなかったんですよ。でもせっかくだから治療してみましょう。」
ということで数回治療してみましたら、「先生、足をつくときの痛みはなくなりました。痛みは指の先に移りました。」と
「解谿と」いうツボを押してみると圧痛があるので、「内庭」というツボに皮内鍼をする。「先生、指先の痛みもなくなりました。」
ということで、何故か今回のモルトン病はよくなっているみたい、前の人と何が違うんだろう？
前の人のカルテをよく見て、考えてみよう。
