湯湾岳下山中。
あれ・・?ひょっとしたら・・・?
どんどんと先へ行ってしまう息子にはぐれないよう必死で
足元の険しい岩を滑らないように一個一個と降りていきながら、
でも、
何だか どんどん疑惑が湧いてきた。
しかし、下には降りているのだから、、
間違ってはいないのでは・・・?
と言う思いもあり、尚、降りてしまう。
(遭難者に多いパターンだそうです。
下ってるから合ってると思ってしまう・・らしい。確かにそうでした。)
でも、何回か、足をすべらせ、
何度もツルにからまって 悲鳴をあげ、
本当に進みづらくなってきて
ペタンと座ってしまう。
なんだか、奄美のケンムンが沢山居て、
どうも、進みにくくされてる気がしてきてしまう。
って事は、何だか、、引き止められてるんじゃないの・・?もしかして・・?
前方で やっと振り向いてくれた息子が、「大丈夫~~~???」
と、声をかけてくれた。
しかし振り返った息子の顔は、既に、緊迫した顔。
やはり・・・。
彼もまた、内心、気がついてるはず・・。
「ねー! 間違ってない? この道。
違うんじゃない?」
「・・・・・」
「ねー! ママもさ~ 降りてるから合ってるって、思ってたんだけどさー、
これ、開けてるけど、人の道じゃないんじゃない?
これ、水が乾いてるけど、これ、きっと沢だよ!
水の道だよ!」
自分で言いながら、自分の血が 背中からサーっと引いていくのを感じた。
「・・・・・
そうか・・・
そう言えば、、、登山道の印の赤いリボンが、どこにも結ばれてない」
息子の顔が、声をあげずに 絶叫した。
恐怖を覚えた顔。
まずい・・・。
まずい・・・。
出来れば、この道が合ってると思いたい。
だって、
だって 物凄く大変な思いで やっとここまで降りてきた。
“もし、合ってたら”
“もうちょっとできっと下山できるはず”
※(まあ、これも遭難者によくある心情らしいっすよ・・)
現実問題、ヘットへトである。
しかし、ちょっと冷静に考えて、今降りてきた斜面を振り返って見ると
やはり、ここを登ったという記憶は無い・・ように思う。
ふと、思い出し、絶叫顔の息子に、
「ねえ、そう言えば君、さっき登る前に、登山口のところで、方位磁石、見たじゃない?
あれ、出してみて。
それで方角観てみよう」
あ と言う顔をして、息子が 震える手で、リュックから方位磁石を取り出す。
いやー。。つくづく、方位磁石って、必須だよね・・
と内心思いつつ、今回自分は持って来てなくて
息子が持ってきてくれてて本当に助かった。
山をなめたらいかん。本当にいかん。
して、方位磁石を確かめる。
こっちが北でしょー・・
さっき登山口から山頂を見たときはこう、
で、下山コースは宇検村側だから、この道だと、こっち向きだから・・・
やっぱ、
違うんジャン・・?
「ごめん・・ママ・・
ごめん・・・
ぼくが、、
ぼくが、、間違えて・・
間違えたんだ・・・
どうしよう・・・・・」
頭の中に 遭 難 の二文字が浮かんだ。
私たちが今日この山を登ること、
今、登っていることを知る人は、誰も居ない。
恐くて、携帯の電波が入ることを確認する勇気が出ない。
しかも全身泥と水でぐちゃぐちゃで、
こんな手で携帯をいじったらアウトだし。
頭の中で、リュックの中身を点検する。
レインコート、応急グッズ、入ってたな。。
非常食として、飴とか、サラミとか。。
飲み物はそれぞれ500mlずつあるな・・
無意識に、夜明かしを考えて中身を想像してしまってから
慌てて ぶんぶんと考えを打ち消す。
駄目駄目駄目
夜はハブの時間でありんす。。
この山で 夜明かしなんて、とんでもないでござりんす。。
深呼吸して腕時計をみた。
(※私はいつも、考える時に、腕時計を見るくせがあるんです・・)
そしたら、
なんてことない。まだ昼間の2時。
日が落ちるまで、あと5時間以上あるではないか
数秒でそこまで一気に考えをまとめた私は
息子に
「大丈夫だよ!
来た道を、まっすぐあがろうよ。
まっすぐ降りたからまっすぐ登れば大丈夫。
それでわかる道まで 戻ろうよ。
この道があってるのかもしれないけど、
あってるって、確信できるところまで戻ってから
もう一度降りたらよいんだよ。」
そして、
「さあ!
じゃあ、この飴を一個ずつ舐めて
元気出していこう!」
と、ポケットに入れてあった、熱中症対策の飴を息子に渡し
自分も舐めた。
そういう時の飴って
本当に、元気が出るもんですねー。
何だか、それで 二人とも気持ちが落ち着いてきて、
今度は私が先に上りながら、頑張って登っていきました。
声を掛け合い、励ましあい、
そしたら、、
なんて事は無く、
ものの15分で、あっさりと、
「ここで間違えたんじゃん」
と言う、場所に着いてしまったのでした。
半ば、呆然として、親子で今来た道と正しい道との 境に立って振り返ると
その分岐に ちょっとした茂みがあって、
まるで同じ方向、同じ一本の道に見えてしまう・・
なあるほど~・・・ これで間違えちゃったんだねー・・・
ヘナヘナと脱力。
そして 安堵感。
そして 息子と握手。
良かったー。。。
危なかったー・・・。。。
「僕が悪かった。ごめんなさい。」
と再び息子が謝るので それは違うよ。
私の確認が無かったからだよ。と、なした。
それに、、
今登ってくる間に
ものすごく、 不安、恐れ、苛立ち、の感情が 湧いてしまった。
それって、この神聖な山で、今まで感じたことが無かった
マイナス感情だった。
「だからさー
きっと この谷、この沢って、まだ、何かマイナスが溜まっている処なんじゃないかなー
そのマイナスの波動に、疲れが共鳴しちゃった気がする。
きっと、このマイナスの谷を 癒さなくちゃいけないから
それで、
ここに入っちゃったんじゃないかなー」
そして、
今登ってきた、谷沢を見下ろしながら、レイキをした。
「うん。
なんか、これで良かったって感じがする
さ! じゃあ今度こそ、降りようや!」
母の不思議行動に慣れている息子は
何だかとりあえず良かったらしいと言うことで
「うん!!」
と再び元気に走り出した。
私も、ものすごく嬉しくて ハイテンションで
作詞作曲takaのありがとうの歌(なんじゃそれ~)
を熱唱しながら 降りた。
前方に赤い鳥居が見えた時には、ほんとうに
ありがとう~~~!!!と絶叫。
降りたら、足元も腕もぐっちゃぐっちゃ。
緊張が一気にほどけたためか
降り出した雨のためか
体がすっかり冷えてきて寒さを覚えてきて、
taka親子 車の中で、ずぶぬれの服を 着替えました。
着替えがあって、良かった・・。
いやー・・・
結果良ければ全てよし・・
ではありますが、
今回、本当に、反省しました。
山をなめたらいけませんね。。
なめてたつもり・・は 無かったのだけど
初めて登る山じゃない という事と
来た道を引き返す下山ルート と言う事で
大きな油断が、ありました・・。
危険な目にあわせてしまった息子に、降りてから、しっかり謝りました・・。
照れ笑いする息子とガッチリ握手して
改めて 山を振り返って見ると
おそらく間違って降りていた方角は
登山口よりも、はるか果てしなく下のほうへと続いていました。
改めて、ぞっとしました。
そして 改めて 親子で無事を喜びあいました。
後に千葉に帰ってから、山登りを良く知る方々にこの話をすると
みなさん、一様に顔をしかめ、
「takaさん、、山をなめたらいかんのよ」
と、静かに、諭してくださいました・・。
そして、「山で道に迷ったら 沢に下りずに、尾根に上る」
これは山登りの鉄則なんだと
教わりました。
知らなかったけど、
あれで、合っていたんだなあ・・・
良かったー・・・
ほんと、、
結果オーライ! と 単純に笑い飛ばせないくらい
今回は ほんと、こわかったです。
あれ・・?ひょっとしたら・・・?
どんどんと先へ行ってしまう息子にはぐれないよう必死で
足元の険しい岩を滑らないように一個一個と降りていきながら、
でも、
何だか どんどん疑惑が湧いてきた。
しかし、下には降りているのだから、、
間違ってはいないのでは・・・?
と言う思いもあり、尚、降りてしまう。
(遭難者に多いパターンだそうです。
下ってるから合ってると思ってしまう・・らしい。確かにそうでした。)
でも、何回か、足をすべらせ、
何度もツルにからまって 悲鳴をあげ、
本当に進みづらくなってきて
ペタンと座ってしまう。
なんだか、奄美のケンムンが沢山居て、
どうも、進みにくくされてる気がしてきてしまう。
って事は、何だか、、引き止められてるんじゃないの・・?もしかして・・?
前方で やっと振り向いてくれた息子が、「大丈夫~~~???」
と、声をかけてくれた。
しかし振り返った息子の顔は、既に、緊迫した顔。
やはり・・・。
彼もまた、内心、気がついてるはず・・。
「ねー! 間違ってない? この道。
違うんじゃない?」
「・・・・・」
「ねー! ママもさ~ 降りてるから合ってるって、思ってたんだけどさー、
これ、開けてるけど、人の道じゃないんじゃない?
これ、水が乾いてるけど、これ、きっと沢だよ!
水の道だよ!」
自分で言いながら、自分の血が 背中からサーっと引いていくのを感じた。
「・・・・・
そうか・・・
そう言えば、、、登山道の印の赤いリボンが、どこにも結ばれてない」
息子の顔が、声をあげずに 絶叫した。
恐怖を覚えた顔。
まずい・・・。
まずい・・・。
出来れば、この道が合ってると思いたい。
だって、
だって 物凄く大変な思いで やっとここまで降りてきた。
“もし、合ってたら”
“もうちょっとできっと下山できるはず”
※(まあ、これも遭難者によくある心情らしいっすよ・・)
現実問題、ヘットへトである。
しかし、ちょっと冷静に考えて、今降りてきた斜面を振り返って見ると
やはり、ここを登ったという記憶は無い・・ように思う。
ふと、思い出し、絶叫顔の息子に、
「ねえ、そう言えば君、さっき登る前に、登山口のところで、方位磁石、見たじゃない?
あれ、出してみて。
それで方角観てみよう」
あ と言う顔をして、息子が 震える手で、リュックから方位磁石を取り出す。
いやー。。つくづく、方位磁石って、必須だよね・・
と内心思いつつ、今回自分は持って来てなくて
息子が持ってきてくれてて本当に助かった。
山をなめたらいかん。本当にいかん。
して、方位磁石を確かめる。
こっちが北でしょー・・
さっき登山口から山頂を見たときはこう、
で、下山コースは宇検村側だから、この道だと、こっち向きだから・・・
やっぱ、
違うんジャン・・?
「ごめん・・ママ・・
ごめん・・・
ぼくが、、
ぼくが、、間違えて・・
間違えたんだ・・・
どうしよう・・・・・」
頭の中に 遭 難 の二文字が浮かんだ。
私たちが今日この山を登ること、
今、登っていることを知る人は、誰も居ない。
恐くて、携帯の電波が入ることを確認する勇気が出ない。
しかも全身泥と水でぐちゃぐちゃで、
こんな手で携帯をいじったらアウトだし。
頭の中で、リュックの中身を点検する。
レインコート、応急グッズ、入ってたな。。
非常食として、飴とか、サラミとか。。
飲み物はそれぞれ500mlずつあるな・・
無意識に、夜明かしを考えて中身を想像してしまってから
慌てて ぶんぶんと考えを打ち消す。
駄目駄目駄目
夜はハブの時間でありんす。。
この山で 夜明かしなんて、とんでもないでござりんす。。
深呼吸して腕時計をみた。
(※私はいつも、考える時に、腕時計を見るくせがあるんです・・)
そしたら、
なんてことない。まだ昼間の2時。
日が落ちるまで、あと5時間以上あるではないか
数秒でそこまで一気に考えをまとめた私は
息子に
「大丈夫だよ!
来た道を、まっすぐあがろうよ。
まっすぐ降りたからまっすぐ登れば大丈夫。
それでわかる道まで 戻ろうよ。
この道があってるのかもしれないけど、
あってるって、確信できるところまで戻ってから
もう一度降りたらよいんだよ。」
そして、
「さあ!
じゃあ、この飴を一個ずつ舐めて
元気出していこう!」
と、ポケットに入れてあった、熱中症対策の飴を息子に渡し
自分も舐めた。
そういう時の飴って
本当に、元気が出るもんですねー。
何だか、それで 二人とも気持ちが落ち着いてきて、
今度は私が先に上りながら、頑張って登っていきました。
声を掛け合い、励ましあい、
そしたら、、
なんて事は無く、
ものの15分で、あっさりと、
「ここで間違えたんじゃん」
と言う、場所に着いてしまったのでした。
半ば、呆然として、親子で今来た道と正しい道との 境に立って振り返ると
その分岐に ちょっとした茂みがあって、
まるで同じ方向、同じ一本の道に見えてしまう・・
なあるほど~・・・ これで間違えちゃったんだねー・・・
ヘナヘナと脱力。
そして 安堵感。
そして 息子と握手。
良かったー。。。
危なかったー・・・。。。
「僕が悪かった。ごめんなさい。」
と再び息子が謝るので それは違うよ。
私の確認が無かったからだよ。と、なした。
それに、、
今登ってくる間に
ものすごく、 不安、恐れ、苛立ち、の感情が 湧いてしまった。
それって、この神聖な山で、今まで感じたことが無かった
マイナス感情だった。
「だからさー
きっと この谷、この沢って、まだ、何かマイナスが溜まっている処なんじゃないかなー
そのマイナスの波動に、疲れが共鳴しちゃった気がする。
きっと、このマイナスの谷を 癒さなくちゃいけないから
それで、
ここに入っちゃったんじゃないかなー」
そして、
今登ってきた、谷沢を見下ろしながら、レイキをした。
「うん。
なんか、これで良かったって感じがする
さ! じゃあ今度こそ、降りようや!」
母の不思議行動に慣れている息子は
何だかとりあえず良かったらしいと言うことで
「うん!!」
と再び元気に走り出した。
私も、ものすごく嬉しくて ハイテンションで
作詞作曲takaのありがとうの歌(なんじゃそれ~)
を熱唱しながら 降りた。
前方に赤い鳥居が見えた時には、ほんとうに
ありがとう~~~!!!と絶叫。
降りたら、足元も腕もぐっちゃぐっちゃ。
緊張が一気にほどけたためか
降り出した雨のためか
体がすっかり冷えてきて寒さを覚えてきて、
taka親子 車の中で、ずぶぬれの服を 着替えました。
着替えがあって、良かった・・。
いやー・・・
結果良ければ全てよし・・
ではありますが、
今回、本当に、反省しました。
山をなめたらいけませんね。。
なめてたつもり・・は 無かったのだけど
初めて登る山じゃない という事と
来た道を引き返す下山ルート と言う事で
大きな油断が、ありました・・。
危険な目にあわせてしまった息子に、降りてから、しっかり謝りました・・。
照れ笑いする息子とガッチリ握手して
改めて 山を振り返って見ると
おそらく間違って降りていた方角は
登山口よりも、はるか果てしなく下のほうへと続いていました。
改めて、ぞっとしました。
そして 改めて 親子で無事を喜びあいました。
後に千葉に帰ってから、山登りを良く知る方々にこの話をすると
みなさん、一様に顔をしかめ、
「takaさん、、山をなめたらいかんのよ」
と、静かに、諭してくださいました・・。
そして、「山で道に迷ったら 沢に下りずに、尾根に上る」
これは山登りの鉄則なんだと
教わりました。
知らなかったけど、
あれで、合っていたんだなあ・・・
良かったー・・・
ほんと、、
結果オーライ! と 単純に笑い飛ばせないくらい
今回は ほんと、こわかったです。
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