なまこ壁はまじかで見ると白い盛り上がりの連続が力強く、頼もしく見えます。白黒の単純なトーンの白壁となまこ壁の土蔵造り、古い伝統技術がなぜか新しいデザインのように感じられました。
土蔵造りは、外気に触れる土壁や柱の上に漆喰を厚く塗り重ね、火の粉をはねのけます。なまこ壁は、平瓦の継ぎ目を漆喰で盛り上げ、火も水も寄せ付けない工夫です。盛り上げた部分が海のナマコに似ているのでこの名がついたことは知っていましたが、構造については改めて学びました。
なまこ壁と並んで、白壁が爽やかです。子供のころの記憶では白壁の土蔵にはかってお上からのお達しで炭を塗り付けて敵機からの目からのがれるようにしていました。
長い歴史の中で再三の火災にあったこの町で、町人たちが工夫を凝らして火災に強い土蔵造りの建物を作り上げました。なまこ壁の土蔵は白と黒の単純な色とデザインではありますが、その強靭さにより中町界隈に多く残りました。