【 Photo by Toshiyuki Imai 】
毎日通る帰り道を
下を向いて歩いているとき
ふと見上げると
空に大きな満月が光っていて
振り返ってみれば
月の光で長い影ができていて
その影が妙にユーモラスで
元気出せよと声をかけられた気がしたら
満月が分かってくれたのさ
キミの落ち込んだ気持ちをね
もういいんじゃない
今日はこれで終わりなよってね
苦しいのは生きているから
失敗したのは挑戦したから
後悔しているのはクリア出来る筈だから
涙が出るのは真剣だから
仕方ないことさ
だから
月が落ち
日が昇り
明るくなったら
新しい扉を開ければいい
もう一度
挑戦したいなら
同じ扉を開ければいい
そして空を見上げるんだ
風に乗って
イカした明日が飛んでくるさ
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【 Photo by Natsuko Imai 】
ボクにはボクの匂いがあって
キミにはキミの匂いがある
もうキミが座っていないあの席にも
ボクが手をかけることのないキミの肩にも
ふと思い出せば その匂いはきっとする
キミの好きなあの曲が流れれば
その匂いは音と一緒に部屋を膨らませ
街角でふとその匂いを感じれば
恥ずかしそうなキミの笑顔が蘇る
何の香りか？と問われても
答えがみつかる筈もない
けれど
きっとそれは
キミの
笑顔だったり 寝息だったり
涙だったり ため息だったり
汗だったり 後悔だったり
幸せだったり 思い出だったりが
混じり合った
キミの人生の香り
昨日の雨の匂いは消えたけれど
キミの匂いは
まだどこかでほのかに香っている
月光でほのかに明るい夜に咲く花のように
じきに消えていく触感と
いつまでも残るやわらかな香り
記憶の断片はつねに香りとともにある
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【 Photo by Kentarou Noomaru】
心配しないで！ 大丈夫だよ
調子が上がらないのは 仕方ないこと 流れが来ていないのさ
雲の向こうでは お日様が照ってるさ
ダメージを少なくして 再浮上する準備をしておくんだ
考え過ぎないで！ 大丈夫さ
落ち込んでいるのはキミだけじゃない
誰もが 当たり前に 落ち込むものさ
落ち込んだどん底から 復活する方法を覚えちゃえばいい
出来るさ！ 大丈夫！！
一番は 覚悟を 決めることさ
いつかはガツンって やられることもある
その時に 大きいダメージを負わないように キチンと覚悟しておけばいい
不幸のカードが 一瞬で 幸福のカードに変わることなんてないのさ
てっとり早いのは 逃げることさ
でも簡単に 逃げられないのなら
少しずつ少しずつ 自分のまわりに 幸福を増やしていけばいい
あとは 日の当たる場所を選んで歩くこと
そして いつも笑顔で 唇に歌を持てばいい
すると いつか
「あれっ？ しあわせかもしれない」って思う瞬間がやってくる
そうすれば こっちのもんさ
ボクらは 子供の頃に思ったほど 長くはないけれど
楽しい時間を過ごすために 生まれてきたんだからね
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【 Photo by Jun Hiraoka 】
はるかはるか昔 金環日食が起きた時に
「神様が怒ってる」と脅かして
権力と金を 好きなようにしたヤツが いた筈さ
全ての判断基準が 神様だった時のことさ
金環日食で 地上が暗くなった 瞬間に
金環日食のある年は 景気が爆発するって 言いまくって
ワサワサ儲けてるヤツが いる筈さ
一番の判断基準が 神様からお金になった 今だからね
どんなにお金を使って 風向きを変えたって
その風に乗って シアワセは 飛んでこないし
お金を使って 降らせた雨じゃ
悲しみの一つだって 流せやしない
「ワタシが金環日食を起こした」なんて
神様ヅラして言うヤツは もういないだろうけど
そんな言葉が信じられた時代の方が 幸せだったかもしれないね
きっと昔 神様は ボクたちのそばにいたんだ
そんな ボクたちと神様の 隙間に
科学とか 物理とか 写真とか コンピューターとか
便利という名の欲望がたくさん飛び込んできて
どんどん神様とボクらの間が 遠くなった
でも 神様は アートや 宗教の中にだけ いる訳じゃない
流れる雲 雲の割れ目から差す陽射し 楽しげに啼く鳥の声
そんなあたりまえの 自然の出来事の中に 神様を感じればいい
とにかく 少しだけでも 神様に感謝すればいい
そこから 何かが きっと 始まるさ
カミサマ アリガトウ
オカゲサマデ ボクハ キョウモ コウシテ イキテ マス
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【 Photo by Kentarou Noomaru 】
いい事でもあったかい？
ああ 嫁さんが 今日はご機嫌でね・・・
昨日は どうだった？
まあ 何もなかったから いい日 だったんだろう・・・
この街角には いつでも いろんな人生が交差する
この角に いつも ただ立ってる 若者
朝な夕な ここにきてタバコを吸う 老人
用がなくても 必ず遠回りしてここを通る ビジネスマン
週に２回 開店と同時に朝食を取りにくる 老夫婦
渦巻いている
命
人生
そして
一瞬の日常
人生どこにも 交差点がある
目と目があって 眉毛を上げれば挨拶終わりの 悪友同士
もう通らないと決めたのに 気がつくと立っていた オンナ
年金が入ると ステーキを食べにくる 老人
この町を捨て30年後に 自分を確認しにきた 残りのない男
誰の都合など知る由もなく
80年姿を変えていない街角のビルに
80年分の思いがシミのように跡を残す
「子供の頃 親父とよく来たんだ」
「今度 親父を連れてこいよ きっと顔を覚えてるから」
チラリとも 顔を見ずに答える カフェの親父の周辺には
うず高く 人間模様が 積もっている
心と血の通う街角に 今一瞬の物語は 今も続いている
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