【 Photo by Kenji Oouchi 】
まだ
傘を持ったまま
歩いている
残る強い風に
巻き込まれた枯れ葉が
顔に当たって
今を
思い出す
やっと晴れたなぁ
空を見て
ひとりつぶやく
親爺に
久々の夕陽は
眼に滲みますねと
返したかったけれど
漏れそうな声を
抑えることだけが
今の自分を
支えられる
たったひとつの
ことだった
毎日
電話をくれた
あなた
もう
電話番号も
忘れたのですか
夕陽が
思い出したくない記憶を
空に映していく
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