夏は
うつむきがちな人を
振り向かせようと
水面を揺らして
水面は
その思いのままに
ゆたりゆたりと
ふくらんではちぢみ
鈍色に
色を差していく
水面は
夏に共鳴している
夏はすべてを
揺らしていく
いのちが揺れ
こころだって
決心だって
大きく揺れ
永遠だって
きっとどこかで揺れはじめている
あの日
ボクは夏と共鳴した
汗さえ揺れていた
旅がおわった
と思った
波も
流れる音楽も
おわろうとしていた
それでも まだ
夏は わたしを 振るえさす
たまに
ほんのたまに
わたしを揺さぶり
もう一度 目覚めさそうとする
みつめられている
ふたたびの夏に
射られるほどに
みつめられている
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