【 Photo by Shunsuke Kudo 】
知りたい
なぜ
生きてるの？
なぜ
あの人は死にたくなかったの？
なぜ
このままでいいのに生まれ変わるの？
なぜ
年老いたパパとママを見ると哀しいの？
なぜ
こんなに楽しい事があるのに生きるのは大変なの？
なぜ
それでもこの世に居つづけたいの？
なぜ
しあわせはそんなに続かないの？
なぜ
この音楽を聞くとあの人思い出すの？
なぜ
鳥や木や風はしあわせをくれるのに
鳥や木や風にはあげられないの？
なぜ
あいたい人には逢えないのに
嫌な人にはすぐ逢うの？
なぜ
あの人がスキで仕方ないの？
なぜ
してあげられることはこんなに少ないの？
どうして
それでもこんなにしあわせなの？
きっと知っている
どんなに嫌なことがあっても
未来が明るくなくても
ここに生きるしあわせは
消えることはないことの意味を
知りたい
この命を
そしてあなたを
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【 Photo by Keiko Aoki 】
どうせなら
春風に乗って飛んでゆきたい
いつまでも乾かない
父さんのパジャマを柔らかく仕上げ
ようやく歩き始めた
あの子の背中を優しく押して
花粉で悩んでる女の子の横を
分からないようにすり抜け
早く帰りたいと
窓の外ばかりを見てるあの人に
何枚かの花びらを
届けてあげたい
今すぐに
すべてのものを
飛び越えて
どこへも飛ばせるなら
春の風に乗せて飛ばしたい
虚ろに壁を見てるおじいさんに
春の一瞬の心地よさを
液晶の中が生き場所の若者に
陽射しと風の活力を
そよぐ髪が気になるおじさんには
吹きかからぬようにすり抜け
窓から見た桜並木で
春を知ったあの人へ
街角で咲く
名もなき花の香りを届けたい
スキなように
笑いながら
泣きながら
だって
音だって
飛んでゆくんだ
ボクだって
届けられるはずさ
それがほんの少しでも
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【 Photo by Shunsuke Kudo 】
この花は
いつもボクに
いろいろ
思い出させる
あの日
うれしくてスキップしたモコモコ
あの時
ふたりで手をつないで歩いたクスクス
あの年
事件つづきでキレそうだったゴモゴモ
でもいつも
この花を見上げてこう言うのさ
この花が一番スキなんだ
今年は
この輝きを
まるで写真のように
この世界から切り取りながら
ボクひとりで言うよ
これ以上
キミを待てないから
また？って舌打ちされても
一人つぶやく変な人に見られても
この花が一番スキだって
この花は
ボクの春なんだ
そして
ボクの入り口で
そして
ボクのカサブタだから
ボクが
こうして
いつものように
この花を見てる
今
キミは
あの窓から
何を見ているの？
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【 Photo by Yoshinobu Tashiro 】
ほら
そこで
いつも
あなたを
見てる
すこし
ほほえんで
ことばに
うなずいて
ときには
ベソかいて
たまに
ムッとして
ほんのたまに
本気で嫌いになって
でも
あなたの
ことが
とっても
スキで
この
時間が
終わらないと
信じてる
一杯の
ミルクを
分けたことも
あるし
楽しみにしていた
チョコを
あげたことも
あなたのために
うそをついた
ことだってある
いまにも
泣きそうな
あなたを
見て
いっしょに
泣いて
げっそりと
やせ細った
あなたを
見て
そして
また
泣いて
それでも
いつも
あなたを
見ている
いつも
わたしは
陽だまりで
夢を
見る
ただ
みんなの
このしあわせが
この時が
いつまでもつづけと
願いながら
愛は
いつでも
美しい
心から生まれ
いつまでも
光りつづける
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【 Photo by Jun Hiraoka 】
どこへ帰るの？
どこへ帰ればいいの？
今日帰る家のことじゃなく
もっとずっと先のこと
突然 さあお帰りって言われたら
その場所や 道が わかるかな？
空の上だったなら
ちゃんと飛べるかな？
ひとりかな？
誰か待ってるかな？
まっ暗だったら怖いな
どうしてこんなに不安なんだろう
あなたは平気なのに
オルネラ・ヴァロー二みたいな
歌声が聞こえたなら
行けるかもしれない
だって誰かの声に似てるから
きっといつか
あんな感じに言われたんだ
大丈夫 怖がらないでって
その時は胸を張って行くんだ
いつか遠い昔に
聞いた子守唄と
そこで輝く光と
ここにいたという記憶の輪郭を
たどってたどって
行き着くはずの
その場所へ
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