My Blue Heaven Missing link

魅力的な写真とそこからイメージした詩をお楽しみください。

with each puff of wind

2012-05-09 15:15:30 | Yoshinobu Tashiro

5月1日から9日までは、

一度掲載した写真に違う言葉をつけるという試みにトライしています。

九回目で一応最終回の今日は、美しさと寂しさが同居している写真です。

この20歳以上歳の離れたカメラマンとは不思議な縁を感じていて、以前は仕事をずっと一緒にしていましたが、

その仕事の流れもすっかり終わり、今は年に2、3度一杯呑みにいく間柄です。

でもボクらはこれからもずっとそういう付き合いを続けていくでしょうし、二人の間には写真と言葉が介在しているはずです。

彼の写真には、ある種不思議な空虚感と無駄な力の入っていない気楽さがあるのです。

彼の生き方にも似た、自由さと繊細が美しい共鳴を起こしているような一枚です。





 

【 Photo by Yoshinobu Tashiro 】 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風がひと吹きするたびに


わが家の景色は 変わっていく

 

 

 

 

朝がくるたびに 母はだんだん壊れていき

 

雨がふるたびに 父はだんだん小さくなっていく

 

後を追うように 壊れていっているのは ボクで

 

 

 

 

電池を 変えようが

 

油を 注そうが

 

どこの 何の 部品を 変えようが

  

劣化は止まることはない

 

 

 

 

風が ひと吹きするたびに

 

汚れていた思い出が きれいに なっていく

  

思い出の中では すべての登場人物が 善人のはずなのに

 

悪人の母と父が 微笑みかける

 


 

ひとり ふとんの中で なら

  

大好きだよ と 言えるのに

 

顔を合わすと 止める 鬼がいる

 

 

 

風がひと吹きするたびに 

 

わが家の色は あせていく

 


 

 

ヒサシブリ ダネ カアサン ボクノコト ワカリマスカ?

 

 

 

  

 

 

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