side by side:湘南夫婦のあしあと

二人が好きな地元湘南、スポーツ観戦、旅行、食べ歩き,音楽・美術鑑賞など、日々のあれこれを綴ります

AI vs 教科書が読めない子供たち

2020年08月05日 | 書籍・雑誌


「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務めた新井紀子先生の著者
帯にあるように2019年のビジネス書大賞受賞

前半は「AI」とは何ぞやにページが割かれている。
今のAIでできること、今のAIの得意・不得意とするところ、今のAIの限界を東大ロボットプロジェクトでの成功・不成功点を挙げて丁寧に説明されている。

この結果、AIには数学的に説明できないが故に判断できない分野がまだあり、AIに人間の仕事が全て奪われるのではないことがはっきりしている。

ここまでで、個人的には現代の様々な生活に使われているAIに気づかされ、大変勉強になった。
カスタマーサービスの音声録音も単にクレイマー対応ではなく、問合せと応対の事例を多く学習するため、と聞いてへぇ~と思った。
オペレーターが復唱する時は、AIの音声判断が誤っていた・できなかった場合だとか。

改めてAIの凄さや面白さ、既に私たちの生活に入り込んでいることも十分理解できた。

後半は東大ロボットプロジェクトの際行った学生への読解力調査で得た、今の学生は読解力がなく、教科書も理解できていないのではないかという懸念についてページが割かれている。

音読が少ないからか、漢字が読めない生徒が増えたそうで、中でも衝撃だったのは、学生の中には 「学」の字から始まる単語(学校、学級、学生、etc)は全て学校と読む生徒がいるという下り。
理由は学校と読んでいれば当たる確率が高いから、、、だとか。
単に漢字が読めないだけでなく、文脈の中での予想もできないということなのか?
そもそもボキャブラリー(語彙)が少ないのだろうか。

読みながら思い当たったのは、「最近の職場の若手はマニュアルを読まない」と言われることだが、これも「読まない」ではなく「読めない=理解できない」なのかも。

新井先生の予測では、教科書が読めない=理解できないレベルの教育水準の人が就く仕事はAIが今後担っていくことが予想され、失業者になる可能性が高い。
反復練習のドリルばかりやっていては、教科書が読める=理解できるようにはならない。

「教科書が読めない」は日本に限ったことではないそうだ。

今も売上部数を伸ばしている著書なので、教育現場をはじめ関係各所で問題意識を持って、できればなんらかの対応がとられていくことを期待したい。


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