side by side:湘南夫婦のあしあと

二人が好きな地元湘南、スポーツ観戦、旅行、食べ歩き,音楽・美術鑑賞など、日々のあれこれを綴ります

24デ・キリコ展 @東京都美術館

2024年09月02日 | 美術館、美術展
8月29日まで東京都美術館で開催されていたデ・キリコ展に行ってきました。
9月14日からは神戸市立博物館で開催されます。

私が行った日は東京の会期が残り1週間を切ったタイミング
混雑を覚悟していきましたが、平日午前10時の入場回ではスムースに鑑賞できました。

ネットでチケット購入できるようになり、混雑も予想できるのが便利ですね。
今回のチケットは時間指定チケットで、指定時間後1時間内に入場するルールでした。

なんとも不思議な絵画の印象が強いデ・キリコの作品
デ・キリコが名声を得た「形而上絵画」は、謎めいた光景や神秘的な空間、幻想を描き、見る者に違和感や不安などの感情に訴えることで、日常の奥に潜む神秘性や謎をほのめかす作品です。
のちのダリ、マグリットシュルレアリスムに大きな影響を与えたと言われています。

確かに「なんか変?」と感じる絵達なのですが、不快に感じるのでもないのは不思議です。

個人的には本展を通じて、ちょっと変わった画家なのかと思っていたデ・キリコが変人なのでは芸術に至極全うに向かい合っていたというのが痛いほど分かりました。
絵画だけに留まらず、彫刻、挿絵、舞台衣装も手掛けていました。
一方で本展では語られていませんでしたが、若いころからうつ病を繰り返したという病歴が急激に作風を変えた遠因にもなっていたのかもしれません。

1978年没のデ・キリコは晩年、過去の作品を複製したのですが、贋作騒動も起こしています。
デ・キリコの多くの作品が集められた不思議な部屋に入った感じの展覧会でした。

24田中達也展 みたてのくみたて @日本橋高島屋

2024年08月25日 | 美術館、美術展

8月28日まで日本橋高島屋で開催されているミニチュアアーティストの田中達也展「みたてのくみたて」

田中達也さんの作品は以前も雑誌やインスタで目にすることがあって、とても興味があった

発表作品がどう作られているかもわかる展示で、その発想のひらめきと柔軟性に会場のあちらこちらで感嘆の声が聞こえる
個人使用限定で写真撮影も可能

田中さんの作品は作品名にも「クスっ」としてしまうところもあって、とにかく観ていて楽しい

MINIATURE CALENDARというサイトを開設していて、毎日1作品発表している。
会場では制作工程を含めたビデオ紹介もあって、作品に使う人形や日常品のコレクション数にも驚かされた

会期終了近くと夏休み期間ということもあり、会場は老若男女の大賑わい
会場内の入場制限をしていて、チケット購入列も長かった
この日は人が多くて十分鑑賞できませんでしたが、9月に横浜高島屋でMINIATURE LIFE展2が予定されています。
展示内容は変わるみたいです。
是非足を運びたいです




24 空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン @東京ステーションギャラリー

2024年08月24日 | 美術館、美術展
現在東京ステーションギャラリーで開催中です(9月23日まで)
日本では30年ぶりの回顧展

展覧会チラシも3種類作成されて、どれもフェロン作品の良さを伝えている
ジャン=ミッシェル・フォロンはベルギーのアーティストで作品は版画や水彩画、ポスター、文学作品の挿絵など多岐にわたる 

優しく温かみのある色調に漠然とした人物像
夢の中の一場面のような作品も多いが、アムネスティの人権宣言の挿絵にも描いている
とても親しみやすいが、長くじっくり観ているとハッと気づかされたり、考えさせられたりする作品も多い
風刺というほど明示したり皮肉ったりはしていないが、「これで(このままで)いいの?」と。
不安にさせられる画風ではなく、落ち着いた気持ちで鑑賞できるからこそ、心を寄せられる余裕があると気づかされる

本展は東京で9月23日まで開催後名古屋市立美術館、あべのハルカス美術館に巡回予定






24富山美術館巡り 富山県立美術館 エッシャー不思議のヒミツ

2024年08月21日 | 美術館、美術展
人気スポット環水公園の西の一角にある
2017年に富山県立近代美術館(2016年老朽のため閉館)のコレクションを引き継ぐ形で開館
設計内藤廣

訪問した際は企画展「エッシャー不思議のヒミツ」の会期終盤だった
東京に巡回しないと知って、急遽予定に入れたのだが、結果結果時間が足りなかった

だまし絵が代名詞になっている版画家エッシャーですが、複数ある鉛筆で描いた展示作品の細部にわたる観察力と細かな描写技術に圧倒されました。

だまし絵のカラクリ(というか人の目の習性)の解説もあったのですが、頭が追い付かなった感じです。
数時間では時間が足りず、半日以上かけてじっくり鑑賞したかった企画展でした。

常設展示も魅力的なので、機会があれば再訪したい美術館でした。




24富山美術館巡り 秋水美術館

2024年08月20日 | 美術館、美術展
大和百貨店・総曲輪エリアの近くにある秋水美術館
富山の医薬品メーカ、リードケミカルの創業者森政雄氏のコレクションを展示する美術展
特に日本刀剣の収集に関しては日本随一と評されている

私が訪問した際は企画展 「木に魅せられた匠たち」が開催され、日本刀の展示はなしだったが、漆工芸も好きなので楽しめた

黒田辰秋、棟方志功、輪島塗、合鹿椀、我谷盆が展示されていた
写真撮影可


我谷盆(わがたぼん)はダム建設で水没した我谷村で作られていた栗の丸太から作るお盆
村の消滅で途絶えたかに思えた我谷盆ですが、木工家森口信一氏が中心となって作風・魅力を継承・伝えています。
展示されているのも森口信一氏の作品

漆器では沈金という技術を使った作品も美しかった
蒔絵の技術のひとつで、漆を塗った器に沈金刀で絵を彫り金箔を流し込む
現在は輪島市と沖縄本島が産地として有名

館内は2階、3階が展示室で、1階でチケット購入後上階から降りてくるシステム
1階には小規模なショップとイベントスペースがあり、刀剣コレクションのビデオを流していた。
凄く素敵な内容でビデオを見たら、刀剣を是非観たいと思わずにいられない

「木に魅せられた匠たち」は9月3日まで開催

福岡市美術館

2024年08月13日 | 美術館、美術展
博多滞在最終日は福岡市美術館に行ってみた
私たちは路私たちは路線バスと使って行った
博多駅前からバスが出ているのでわかりやすかった


外観は公立美術館によくある風情のレンガ作りに見えますが、常滑焼の窯で焼かれた磁器質タイル。
建物の設計者は前川國男、
1979(昭和54)年開館、2019年大規模改修工事後リニューアルオープン

入館料も常設展なら200円と手頃
美術館のコレクションが良質との評判が高い

館内は1階に古美術のコレクション室、2階に企画展室と洋画・現代画のコレクション室がある。
常設展のチケットで1階、2階のコレクション室に入場できる。

洋画・現代画のコレクションにはレオナール藤田、ダリ、ミロ、シャガール、ウォーホール、草間彌生などがある。
古美術のコレクションには仁清の壺や尾形乾山など
数は多くないが、ハッとさせられるものがあル。

企画展に入らずとも満足度は高いと思う。

館内施設のうちレストランとカフェは隣接している大濠公園側に位置し、ロケーションとしてもピカイチ
1階カフェ「アクアム」の景観の良さはリゾート地にいるよう。美術鑑賞とは別な心の充実度を得られると思う。


軽井沢千住博美術館

2024年07月16日 | 美術館、美術展
前々から行ってみたいと思っていた千住博美術館に行きました。
入場料は一般1500円
駐車場は広い(60台)

この美術館は千住博の作品を鑑賞できるだけでなく、建物自体も工夫が凝らされ、美術館内という室内空間で千住博の作品鑑賞をしながら陽を感じ、自然を感じることができる素敵な美術館でした。

建築家は西沢立衛
館内が撮影禁止で写真でご紹介できないのが残念ですが、実に素敵で居心地が良い
素適な空間に美術作品が飾られています
大きく採られた窓だけでなく、館内に中庭/ガーデンスポットが設けられ手入れされた植裁が眺められる

自然・風景を主題にした作品展示のなか、途中途中で自然に目を向ける心地よさ

私達は晴天日だったので、明るさを満喫しましたが、雨天日はまた違った印象を受けることでしょう

美術館は傾斜地にあるため、館内が緩やに傾いています。
ヒール履きでも対応できない傾きではありませんでした。

軽井沢千住博美術館
軽井沢町長倉815
0267-46-6565
9:30-17:00
火曜日休館

軽井沢は素敵な美術館が増えていますね。
滞在の楽しみ方が増えて嬉しいです。


24富山美術館巡り 富山県水墨美術館

2024年07月15日 | 美術館、美術展
6月下旬に富山に行った際は美術館巡りをした

最初に行ったのが富山県水墨美術館 (観覧券200円)
昨年末 リバーリトリート雅樂倶から富山市内に移動中にたっぷりとした敷地に平屋建の贅沢な空間が記憶に残った建物だ。
車移動でないと路面電車の最寄駅から徒歩10分

展示室のうち常設展は1部屋だけ、残りの部屋は企画展に使われているようだ。
有料なのは常設展(200円)のみ

私は建物だけでも見に来たいと思った口だが、コロナの影響が残っているのか、とにかく人がいない
失礼ながらスタッフの方が多くて面食らう
入口近くで音がしたので覗いたら、映像ルームで水墨画についてビデオ2種類が30分ごとに上映されていた。
ここも人がいない。私が入室した際は私だけ。(その後も音が聞こえたのでリピート上映されていた)
なんだか、運営が(金銭的に)心配になってしまうほど。
建物内から眺める庭もよく手入れされているだけに、なんとも勿体無いと思った。





Tiffany wonder @Tokyo Node (2405)

2024年05月13日 | 美術館、美術展
Tokyo Node で開催中のTiffany wonderを観てきた
会期は4月12日~6月23日(日)

TokyoNodeは虎ノ門ヒルズステーションタワーの45階にあるギャラリー/ イベントスペース
私は昨秋 オープニングイベントのSynを観に行ったので勝手がある程度わかったが、初めてだと45階まで行くのにちょっと戸惑ってしまうと思う。

7階までステーションタワーの共用エレベーターであがると、TokyoNodeへの専用エスカレーターがあり8階へ。
ここから専用エレベーターで45階へ行く仕組み
8階にスタッフがいてエレベーターへの案内があります
SynもTiffanyWonderも時間予約制の入場でした。来館には時間に余裕を持って。

入場して直ぐの部屋はTiffanyの紹介映像が流れていた。
途中からの映像がTiffanyランプ
懐かしかったわ。

最初はTiffanyの軌跡の展示
TiffanyBlueの箱の変遷の紹介ですが、ホールの壁が紙ではなく織物には驚いた

展示室内は写真・録画可能なので人が集中する場所もありました。
目玉展示物のひとつ、バードオンアロックブローチ

途中のブースにはTiffanyの職人さんが入っていて実際の作業をみせていました。

ジュエリーの数々の美しさはもちろんで眼福そのもの。
個人的には過去のTiffanyのショーウインドウの展示が素敵だと思った。
デザイナー名もクレジットされていて、ニューヨークの実物大で観てみたくなりますね。
写真のほか、動くディスプレイもあって時代背景やTiffanyの哲学・美意識が垣間見られてとても興味深かったです。

最後にゴールドダイヤモンドが展示されていました。
初めてみました。
写真可能ですが、どう撮影しても目に映るものとは違ってしまって。
実物の凄さですね。

チケット購入はTiffanyのアプリから。
オーディオガイドもアプリから自分で聞くようになっています。
ショップも開設されていましたが、入場制限があり入場までかなり待たされそうだったので立ち寄りませんでした。

子供の入場制限はありません。
大人には興味の尽きない展示なのですが、子供(特に未就学児)を付き合わせるのは気の毒かな、と思いました。
走り回る子供への会場スタッフの注意の仕方も上品でしたけど。








茶の湯の美学 @三井記念美術館 2404

2024年04月30日 | 美術館、美術展
日本橋の三井記念美術館に行ってきました。
場所は日本橋三越の近く三井本館の7階
旧財閥の三井家から寄贈を受けた美術品を一般公開している。
運営は公益財団法人三井文庫
2022年のリニューアルしているが、私は初訪問

今回の展示会は、コレクションから利休、織部、遠州らが活躍した桃山時代~江戸初期の茶道具の美意識を探る展示会

久しぶりにお茶道具をたっぷり拝見してきました。
国宝の「志野茶碗 銘卯花墻(うのはながき)」のほか、利休好み、織部好み、遠州好みの茶碗・茶器類が丁寧な説明とともに展示され、大変興味深かったです。
利休が好んだ黒樂茶碗 長次郎作銘「俊寛」
利休が銘をつけた数少ない茶碗のひとつで、「俊寛」の銘は3つあった長次郎作の黒樂のうち2つは返され、残った一つだったので、流刑地に一人残された高僧俊寛に倣ってというのも印象的だった

なにより驚嘆なのは、茶道具だけをとってもこのコレクションの充実さです。

入口近くに三井家の歴史と美術収集や美術館についての紹介ビデオが流れており、約25分と少々長いが大変勉強になりました。
国宝の「円山応挙 雪松図 」が11月の企画展で公開される予定なので、是非観に行ってみたい。

素適な美術館に出会えて、幸せ!