間も無く選挙を迎えるアメリカ大統領選
共和党の副大統領候補 JDヴァンスの自生伝
本作の出版は2016年と少し前(ヴァンスが政治家になる前)
米国の白人労働者層(=貧困層)が多く住むラストベルト(錆びた一帯)で産まれ育った著者が急速な工業化で集まった白人労働者達が産業の衰退とともに街も人も貧困に取りこまれて身動きできない生活実態を著者の経験から語る
離婚を繰り返し薬物中毒にもなった母と父と呼べる人の不在という家庭環境ではあったが、祖父母や姉の支援もあり、その環境から抜け出し大学進学、弁護士となり、自分の故郷を外からみるようになる。
大学進学費用を得るため海兵隊に入隊したことで、著者は自分の育ってきた世界とは違う世界が存在することを身をもって知り、イェール大ロースクールでは社会的資本(いわゆるコネ)の大切さを知る
出版時は起業投資家だったけど、上院議員となり、今夏には副大統領候補に指名という生き様は、まだアメリカンドリームはある、ということを思い出させてくれた人物
ラストベルトに取り残された白人貧困層の実態・問題点を出身者だからこそ愛情をもって語ったうえ、安易な解決策は提示していないことにも好感
祖父母の時代は民主党支持者だった
しかし最近(オバマ以降)の民主党はエリート出身者がエリートの環境で物事を判断していると評価し、その結果トランプ支持者を生んでいるようだ。
間もなくアメリカ大統領選