プルトニウムは人工の元素です。グレン・シーボーグとその同僚が1941年に94番元素の合成に成功し、92番元素ウラン(ウラニウム、天王星=ウラヌスにちなむ)の二つ先の元素ということで、冥王星にちなんでプルトニウムと名付けました。つまり、地獄の王ないし火の燃え盛る世界の元素というわけです。実際にプルトニウムが地獄を生むような物質であることが後で分かったわけですが、この命名は何という歴史の皮肉だったでしょう。
プルトニウムは容易に核兵器に用いられる材料物質であり、通常の原子炉で製造されるプルトニウム、いわゆる原子炉級プルトニウムの7〜8キログラムもあれば長崎型の原爆が製造できます。
プルトニウムはまた、よく知られた発ガン性の物質で、シーボーグ自身その本(『超ウラン元素』メツエン社、1958年)で、「人類に知られた最も危険な毒物」と表現しています。国際的な基準に基づくこの物質の摂取限度によれば、職業的労働者にとっては1マイクログラム(100万分の1グラム)以上が、健康上問題にしなくてはならない量であり、一般公衆にとっては、ナノグラム(10億分の1グラム)レベルが健康上問題にされなくてはならない物質です。
(高木仁三郎「1997年ライト・ライブリフッド賞受賞スピーチ」1997年12月8日、ストックホルム、スウェーデン議会にて)
プルトニウムは容易に核兵器に用いられる材料物質であり、通常の原子炉で製造されるプルトニウム、いわゆる原子炉級プルトニウムの7〜8キログラムもあれば長崎型の原爆が製造できます。
プルトニウムはまた、よく知られた発ガン性の物質で、シーボーグ自身その本(『超ウラン元素』メツエン社、1958年)で、「人類に知られた最も危険な毒物」と表現しています。国際的な基準に基づくこの物質の摂取限度によれば、職業的労働者にとっては1マイクログラム(100万分の1グラム)以上が、健康上問題にしなくてはならない量であり、一般公衆にとっては、ナノグラム(10億分の1グラム)レベルが健康上問題にされなくてはならない物質です。
(高木仁三郎「1997年ライト・ライブリフッド賞受賞スピーチ」1997年12月8日、ストックホルム、スウェーデン議会にて)