畑倉山の忘備録

日々気ままに

米国による他国の選挙への干渉

2019年01月27日 | 国際情勢
ウールジー元CIA長官のテレビ発言にあるように、米国による他国の選挙への干渉は現在も絶え間なく続いています。

他国の民主化を支援するという名目で、年間1億7千万ドルを上回る資金が米国の国家予算から全米民主主義基金(NED)に提供され、共和党系の国際共和研究所(IRI)、民主党系の全国民主国際研究所(NDI)などが仲介して関連組織に分配され、他国の野党や反体制運動などの支援に使われています。

スティーブン・キンザーによれば、NEDの理事会には2014年のウクライナ政変で反体制デモを激励したビクトリア・ヌーランド国務次官補や、イラン・コントラ事件にかかわった外交官のエリオット・エイブラムズなどがいます。日本にも無関係な話ではないはずで、警戒が必要です。

このようにいまだに公然と他国への選挙干渉を繰り返す米国が、ロシアによる米国大統領選挙への干渉をヒステリックに非難してもぜんぜん説得力がありません。そもそもロシアがどんな干渉をしようが、米国の民主主義への脅威という点では国内機関のほうがずっとランクが上だとキンザーは指摘しています。(中野真紀子)

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スティーブン・キンザー(Stephen Kinzer) :元ニューヨークタイムズ紙の海外特派員、現在はボストン・グローブ紙で国際問題のコラムを担当。『転覆~ハワイからイラクまで米国によるレジームチェンジの世紀』、『シャーの手下たち~米国による政権転覆と中東のテロの根源』、グアテマラのクーデターについての『苦い果実』など、著書多数。最新作『本当の旗~セオドア・ルーズベルト、マーク・トウェイン、米帝国の誕生』は最近ペーパーバック版が出版に。

http://democracynow.jp/video/20180312-3