畑倉山の忘備録

日々気ままに

日本人のアメリカ人化

2016年09月17日 | 鬼塚英昭
日本人がアメリカに深入りするのはどうしてなのかを考えてみたい。それは、日本人がアメリカ人化しているからである。だからアメリカがサブプライム化すると、日本もサブプライム化したのである。ビル・トッテンの『日本人はアメリカにだまされている』(1994年)を紹介したい。トッテンは日本で「株式会社アシスト」を経営している。

「現在のアメリカは、国民の1%だけが得をするシステムの国と思えばわかりやすい。その1%の人々が、残りの99%の人々をごまかそうとしている。私は最近、決して冗談ではなく、アメリカの指導階級は本気で国民をごまかしているのではないかと思うことがある。これはじつにかんたんなことだ。
 要するに、政治家が何もしなければいいのである。麻薬を野放しにし、拳銃を自由に使わせ、暴力を取り締まらない。教育問題も放置する。テレビは下品な映像を映させ、雑音でしかない音楽を流させる。子供の教育レベルが低下しているから、テレビの悪影響はてきめんにあらわれる。人殺しやレイプに感性が麻痺して、自分もその一員に加わるようになる。頭の中は空っぽになっているから、本も読まない。思考能力は、いよいよ低下し社会生活を営む能力がなくなってくる。」

トッテンは1994年だからこそ、右のような文章を書いたのである。現在では決して書かないであろう。どうしてか? これはまさしく日本の現状に他ならないからだ。あっという間に日本人はアメリカ人化したのである。だから、アメリカで起こることは、必ずといってよいほどに日本でおきるのである。

(鬼塚英昭『八百長恐慌!』成甲書房、2008年)