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畑倉山の忘備録

日々気ままに

日本国憲法の成立過程

2016年05月09日 | 国内政治

日本国憲法は、一時的に誕生したものではなかった。日付の順序にしたがって、敗戦の年、四五年におけるいくつかの大きなグループの動きを追うと、次のようになる。

まず初めに声をあげたのは文化人グループであった。敗戦翌月の九月二十七日、辰野隆・正宗白鳥・山田耕筰・山本実彦・村岡花子たちが日本文化人連盟発起人会を開き、文化の民主主義化を促進するよう会合を持った。(中略)大原孫三郎が創立した大原社会問題研究所所長だった高野岩三郎が、十月二十九日に、この日本文化人連盟発起人会に参加して、これが日本国憲法を生み出す文化人の気運を生み出す第一歩となり、十一月十三日に連盟が発足した。

これに続いて動いたのが近衛文磨グループであった。四五年十月四日に第二回目の近衛・マッカーサー会談がおこなわれ、マッカーサーが憲法改正によって自由主義を取り入れる必要性を近衛に申し伝えた結果、近衛のもとで、憲法学者・佐々木惣一博士、高木八尺博士、ジャーナリストの松本重治などが、アメリカ国務省と連絡を取りながら憲法草案の作成に着手した。ところが、戦争犯罪者の近衛文磨が憲法作成にかかわっていることに内外から痛烈な批判が起こり、ニューヨーク・タイムズが、「近衛が憲法を起草する適任者であるというなら、ナチスのゲーリングを連合国のトップに据えるべきである」と酷評したのを受けて、十一月一日にはGHQが「近衛に憲法改正を頼んだ覚えはない」と声明して、自ら近衛との関係を断ち切った。十一月二十四日に休々木惣一草案が発表されたが、十二月六日にGHQがA級戦犯として近衛文磨逮捕命令を出し、十二月十六日に近衛が服毒自殺を遂げたためこの憲法草案は雲散霧消した(近衛に擬せられたナチス・ドイツ国家元帥ヘルマン・ゲーリングも、ニュールンベルク裁判後、死刑執行二時間前の四六年十月十五日に服毒自段した)。

第三の動きは、松本烝治グループであった。四五年十月十一日に、幣原喜重郎首相・マッカーサー会談がおこなわれ、新任総理大臣の挨拶に来た幣原に対してマッカーサーが憲法の自由主義化と人権の確保を口頭で要求したのである。この結果、十月二十五日に国務大臣・松本松本烝治を委員長として、政府の憲法問題調査委員会が設置されたが、単なる「調査」委員会であり、憲法改正の意志をまったく持たないグループであった。

第四の動きが、最も重要な鈴木安蔵グループであった。十月十五日に憲法学者の鈴木安蔵が自由憲法の必要性について三日間にわたって講演し、新聞に連載されたことがきっかけとなって、十一月五日に先の文化人グループの高野岩三郎のほか、杉森孝次郎・室伏高信・岩淵辰雄・馬場恒吾・森戸辰男が加わって七人が憲法研究会を東京で結成した。彼らは、言論の自由、男女平等、生存権、平和思想など、現在われわれが生きる民主国家の屋台骨となる思想を骨子として、具体化のための議論を開始した。たびたびの議論を経て、十二月二十五日に鈴木安蔵が執筆して、憲法草案を完成し、十二月二十六日に鈴木安蔵の憲法草案を憲法研究会が最終案として確定した。骨子は、「日本国の統治権は国民より発する。国民感情を考慮して天皇制廃止には踏みこまないが、天皇を儀礼的存在に後退させる」とし、十二月二十七日に憲法研究会の「憲法草案要網」として発表したところ、十二月二十八日の毎日新聞一面に鈴木安蔵草案が褐載され、これがGHQの憲法草案の土台となったのである。

第五の動きとして、十一月八日、政党のトップを切って日本共産党が第一回全国協議会を開催し、新憲法の骨子を決定。十一月十一日には、共産党が人民主権の憲法草案「新憲法の骨子」を発表した。以後、各政党による憲法草案づくりがはじまったが、全体に、各政党の草案づくりは時期的にも内容的にも、非常に後れたものであった。

つまり、四五年内に生まれた憲法草案は三つだけで、共産党案が最も早く、続いて佐々木惣一草案が出て、翌月に憲法研究会草案(鈴木安蔵草案)が出た。しかし共産党は天皇制の廃止を求める行動に出たため、当時の日本の世情では、支持される可能性が低かった。マッカーサーもその世論を考慮して、占領政策を容易にするため天皇制維持による方針を固めていたので、共産党案には最初から育つ芽がなかった。佐々木惣一草案は、自由主義者の高木八尺博士や、ジャーナリストの松本重治も議論に加わったので、民主化についてはー部に進歩的な面を含んでいた。高木博士は、実父が高名な英学者の神山乃武、養祖父が幕臣時代からの経済学者として地租改正に取り組んだ神田孝平で、平和主義者の柳宗悦らのグループにあったし、関西財界の重鎮・松本重太郎の養孫にあたる松本重治も現代まで国際親善と平和活動に従事してきた人物である。しかし、天皇の統治権を維持するという佐々木の封建思想がひどく時代後れで、近衛の自殺と佐々木の頑迷さのため、こ草案は完全に空中分解した。残るは年末に登場した鈴木安蔵草案しかなかったのである。

アメリカは、十二月六日にGHQの弁護士で民政局法規課長のマイロ・ラウエルが「日本の憲法についての準備的研究と提案のレポート」を作成していたが、日本人の動きを見て、大晦日に連合軍通訳翻訳部(ATIS)が鈴木安蔵ら憲法研究会草案の翻訳に取りかかったのは、当然であった。

あと一つは、アメリカではない連合国グループが動いていた。十二月にモスクワで連合国のアメリカ・イギリス・ソ連の三国外相会議が開催され、戦争に敗北した日本を連合国が占領するにあたり、アメリカ主導のGHQだけに憲法など日本の改革を任せることに反対していたからである。そこで十二月二十六日、日本を管理するための政策機関として十一ヶ国で構成される極東委員会を翌年二月二十六日に発足させることを決定し、翌日モスクワ宣言として発表した。十一ヶ国は、ニュールンベルク裁判の裁判国アメリカ・イギリス・ソ連・フランスの四ヶ国に、オランダ・オーストラリア・カナダ・フイリピン・中国(中華民国)・インド・ニュージーランドが加わり、GHQは極東委員会の決定に従わなければならないとした。

こうして四五年を送り、明けて四六年以後が、有名な、世に論じられてきた憲法制定の議論だが、すでにこの段階で、現在まで戦後の日本経済と平和を守ってきた民主的憲法の骨格は決まっていたのである。

それを決定した鈴木安蔵グループの七人は、どこから出てきたか。

実は七人の侍のなかで最も若いのが、全員のとりまとめをおこなった鈴木安蔵であった。福島県生まれの安蔵は若くして治安維持法違反で検挙され、二十代で投獄された怒りから、憲法学を研究するうち大正デモクラシーの指導者・吉野作造と出会って世界各国の憲法資料を提供され、屈指の憲法学者となった。そこから、明治初期に高知県で自由人権運動が興った歴史を調べるうち、植木枝盛らの先覚者が主権在民の憲法草案を主張して、人民の抵抗権や革命権まで明記していたことを知った。そしてその源が、同じ土佐の中江兆民によって翻訳されたジャン=ジャック・ルソーの『社会契約論』や『民約論』などであることを学び、安蔵は世界中の思想を広く身につけたのである。

戦後、安蔵のもとを訪れたのが、戦前からの知己ハーバート・ノーマンであった。長野県の伝道帥として地元で愛されたカナダ人ダニエル・ノーマンの息子として軽井沢で生まれ、日本をよく知るハーバートは、戦後にGHQの依頼で来日し、占領下の日本の民主化に取り組んだ。そのなかで、日本の元禄時代、早くから階級差別の撤廃と、男女同権を唱えた学者・安藤昌益を日本人に紹介するほど、日本史に目が肥えていた。安藤昌益が秋田藩に生まれたのは、ルソーよりわずかに早く、大石内蔵助たち赤穂義士が切腹した年であった。昌益は「浅田飴」の処方生みの親となったすぐれた医学者でもあり、青森県八戸に住んだ驚くべき人権思想の先駆者であった。その意味で昌益の思想も、日本国憲法の底流に脈々と息づくことになった。

四六年が明けて、急な動きに泡を食った日本政府の松本烝治が、ようやく憲法改正私案の起草を開始し、憲法問題調査委員の宮沢俊義らが加わったが、国民の主権さえも眼中にない、民主化とほど遠い封建的憲法をこしらえたのである。

四六年二月一日の毎日新聞スクープでその内容を知ったGHQが驚きあきれて、マッカーサーが民政局に、急いで憲法モデルを作成するよう極秘に命じることになったのは、自然の成り行きであった。民政局メンバーは、国連憲章と鈴木安蔵草案を土台にして、アメリカ憲法、ドイツのワイマール憲法、フランス憲法、日本の各政党の憲法草案など、ありとあらゆる資料を並べて議論を重ねた。しかし憲法学者でもない彼らが、短時日での作成を命じられたため、結局は鈴木安蔵草案を骨格にして、GHQ草案を作成したわけである。それを知らない日本政府が松本試案をGHQに持参すると一蹴され、GHQ草案を突きつけられ、以後はよく知られるように、徹夜の書き換え作業にかかった、という次第。情ないのは、日本の国民に自由を与えようとするそのGHQ草案に吉田茂と白洲次郎が口を出して、民主化を妨害し続けた態度である。

最終的には四六年三月五日、GHQとの交渉によって大幅に修正された日本政府の確定草案が採択され、翌六日に緊急記者会見で発表されたのである。そこには、鈴木安蔵たちが求めた通り、主権在民が明記され、天皇制は維持されるが天皇を単に国家の象徴とし、天皇の統治権が否定され、GHQがほかの戦勝国に天皇制維持を納得させるために、国際紛争を解決する手段としての戦争放棄が規定されていた。マッカーサーがこれを全面的に承認する声明を発したことは言うまでもない。

ところがその後、連合国の極東委員会が、「これで決定するのではなく、日本の国民が憲法改正に自由に参加し、議会を経て決定しなければならない」と、これまたまったく当然の勧告をおこなった。それを受けて議会でたびたびの議論が展開され、ここに国民が数々の意見を寄せ、怪しげな密室の小委員会が修正案を出すなどしたが、土壇場になって、極東委員会が普通選挙制と、総理大臣と国務大臣は文民でなければならないという重要な条項の追加を求めたおかげで、議会が最終的にこれを採り入れ、「帝国憲法改正案」つまり現在の「日本国憲法」が修正可決されたのであった。四ヶ月におよぶ議会を経ての成果であった。日本の指導者は、マッカーサーが言った通り、「十二歳の子供」であった。

憲法改悪の動きが出てきた最近になって、鈴木安蔵草案の存在意義がマスメディアで報道されるようになったのは好ましいことである。だが、それが「今発掘された新事実」であるかのように報じられるのは、まったくの嘘である。広く日本の文化人の考えを採り入れた憲法研究会草案をもとに、GHQ草案が生まれたことは戦後すぐに日本史の書物に書かれ、古くから知られた事実である。その存在を、知らなかったとすれば報道人として恥ずかしいことであり、実は故意に無視して、「GHQの押しつけ憲法」という世論を生み出してきたのが、近年の報道界なのである。

しかし鈴木安蔵らの憲法研究会草案にも欠点があり、それをGHQのブレーンと極東委員会が補い、議会で広く国民の声を採り入れたものが、四七年五月三日に施行された日本国憲法であった、と言うのが正しい。憲法の口語化に尽力したのは、『路傍の石』を書いた小説家・山本有三であった。そもそも、四五年末当時の内閣情報局による世論調査で、国民の四分の三という圧倒的多数が憲法改正を強く要求し、その意見として天皇制の改革,貴族院の廃止、国民主権、自由の保障などを求めていたのだから、日本の国民の情熱の結晶が新憲法であった。GHQが押しつけた憲法、と呼ぶのは、ただ白洲たちがその国民の意志に無駄な抵抗をし続けた、時代錯誤の恥ずべき何日間かの行為を指しているにすぎない。

(広瀬隆『持丸長者 戦後復興編』ダイヤモンド社)


戦後憲法と9条

2016年05月09日 | 国内政治
れんだいこは、近代憲法の由来を評価する。それは、ルネサンス的息吹からもたらされた市民革命の産物であり、キリスト教的政教一致体制からの政教分離思想と市民的権利の保障を特質とする。人民大衆の臣民的在り方からの解放であり、市民の自由自主自律的規律によりもたらされる社会を理想としている。これには異存ない。

戦後憲法の成立史と9条的反戦平和条項の由来は、精力的に検証されてしかるべきであろう。れんだいこ史観は、戦後憲法も9条もその精神に於いてキリスト教的理想主義に裏打ちされていることを重視したい。その限りで「押し付け」であることはその通りである。但し、そのようにしてもたらされた戦後憲法はプレ社会主義的な内実を伴っており、為に人民大衆がこれを受け入れ享受することになった。

その憲法と9条が改変されようとしているのはなぜか。これを本質的に見れば、キリスト教的理想主義憲法からユダヤ教パリサイ派的独裁主義憲法への転換が画策されていると読むべきではないか。これを理解するには、キリスト教的とユダヤ教精神を知らねばならず、その根深い対立をも知らねばならない。この方面の知識が極端に痩せている日本人の多くは、このことを理解できない。

戦後憲法と9条が規定された裏事情は次のように理解できる。戦後直後には第一次第二次世界大戦を反省とする反戦平和的時代気分が漲っており、これを受け止める形で日本の戦後憲法に反映されたのではなかろうか。その他人民的諸権利の網羅は、それをアメリカ陣営がもたらすことにより、戦後日本をソ連陣営に引き込みさせない戦略戦術として使われたのではなかろうか。れんだいこは、そのように推定している。

その後冷戦社会となり、日本は軽武装経済大国の道をひた走り始めた。この間、表面的な帝国主義間対立を装いながら、その裏で国際金融資本帝国ロスチャイルド派即ち現代パリサイ派が実権を強め、金融と軍事と原子力を握る彼らは、戦後日本を再捕捉する為に様々な狡知で攻略し始めた。戦後憲法の改憲はこの流れで生み出されているものである。してみれば、改憲運動の正体は国粋主義によるものではなく、現代パリサイ派の国際的指令に基づくものであると見立てたい。

現代パリサイ派は何ゆえに改憲を急ぐのか。それは、日本の自衛隊を中東へ派兵し、アジア人とアラブ人を戦わせる傭兵国家にせんが為である。歯止めなき軍事防衛費注ぎ込みの道を敷き、軍事産業を支える軍費支出大国日本にせんが為である。更には、原子力費支出大国日本にせんが為である。金融奴隷国家日本にせんが為である。れんだいこはそう見立てる。

戦後憲法の制定過程論の真の問題は、「GHQ案=マッカーサー草案」が下敷きにした「原案」を探し出すところにある。GHQが僅か二週間で作成したという巷間説に従う限り真相が見えてこない。その原案を捜し出し、誰がどういう意思と目的で草案化したのかを知ることが大事であろう。現在、このような議論が皆目為されておらず、群盲象を撫でる感がある。

いずれにせよ、現下の改憲論は押し付け憲法を自主憲法化するという口実で、新たな押し付け憲法化されようとしているところに問題がある。それも、キリスト教的精神からユダヤ教的精神のものへと転換されようとしている。ユダヤ教的精神に汚染されると国家及び人民は病み永遠に立ち直れなくされる。これは歴史が教えるところである。

9条改定論は、戦争及び軍事費抑止力としての9条を改定することにより、軍事防衛費の垂れ流しと好戦国家へ誘い込むために画策されている。彼らは、国家を守るという名目でこの道へ誘うが、これほど危険な誘いは無かろう。我々は断固として拒否するべきである。

最後に。現下憲法論のれんだいこの知る限り論者の殆どが言及していない重要点について触れておく。戦後憲法は財政健全主義を掲げている。これにより国債の発行を禁止している。予算の国会承認もその現れである。憲法9条の非武装平和主義は、軍事が最大の金食い虫であることを踏まえてこの方面の費用支出を拒否する宣言とも受け取ることが出来る。今や、この精神が全く無視されているが、今からでも良いこの原理原則を再興すべきではなかろうか。

2007.6.20日 れんだいこ拝

http://www.marino.ne.jp/~rendaico/9jyotushin/kuratariron.htm

ウォール街が支配する天皇制国家

2015年06月14日 | 国内政治
安倍首相が目論む戦前回帰とはウォール街が支配する天皇制国家で、昭和天皇は実際に支配者だった
(櫻井ジャーナル 2014.12.24)

12月14日が投票日だった衆議院選挙の結果、自民党と公明党は圧倒的な議席を維持した。日本全体でも個別の政策に関して国民が支持しているわけではなく、投票率も戦後最低の52.66%にすぎず、比例代表で自民党が得票したのは17.44%、与党合計で24.66%であり、小選挙区の場合、自民党は25.33%、与党全体では26.09%。

これで圧勝と呼ぶべきでないと主張する人もいる。野球で完敗したチームが、得点は圧倒されているものの、安打数では勝っていると強がるようなもので、選挙は議席数を争うものだということを忘れた議論。ともかく自民党と公明党は公示前と同じ326議席を獲得し、その議席率は68.63%に達した。「2年間の安倍政権に信任をいただいた」とは言えないが、圧勝したのだ。

今後、その議席数を利用して安倍晋三政権は自国の経済を破綻させ、社会を破壊し、国民と国土を侵略戦争を続けるアメリカに差し出す政策を打ち出してくるだろう。第2次世界大戦の前、1932年までと似たようなことをするということだ。

近代日本は明治維新で始まると言えるだろうが、徳川体制の転覆にイギリスが関与していることは否定できない。そのイギリスは18世紀の後半から生産の機械化を進めたものの、巨大市場だった中国で売れない。商品として魅力がなかったということだが、逆に中国の茶がイギリスで人気になって大幅な輸入超過。この危機を打開するためにイギリスは中国へ麻薬(アヘン)を売ることにしたわけだ。

当然、中国側はアヘンの輸入を禁止しようとする。そこでイギリスは1840年に戦争を仕掛けて香港島を奪い、上海、寧波、福州、厦門、広州の港を開港させたうえ、賠償金まで払わせている。これ以降、香港はイギリスやアメリカが東アジアを侵略する重要な拠点になった。

1856年から60年にかけてはアロー号事件(第2次アヘン戦争)を引き起こし、11港を開かせ、外国人の中国内における旅行の自由を認めさせ、九龍半島の南部も奪い、麻薬取引も公認させた。

イギリスが行った「麻薬戦争」で大儲けしたジャーディン・マセソン商会は1859年にトーマス・グラバーを長崎へ派遣し、彼は薩摩藩や長州藩など倒幕派を支援することになる。その邸宅は武器弾薬の取り引きにも使われた。

1863年には「長州五傑」とも呼ばれる井上聞多(馨)、遠藤謹助、山尾庸三、伊藤俊輔(博文)、野村弥吉(井上勝)が藩主の命令でロンドンに渡るが、その手配を担当したのもグラバー。渡航にはジャーディン・マセソン商会の船が利用された。こうしたイギリスを後ろ盾とする人びとが作り上げた明治体制は「現人神」の天皇を頂点とする一種の宗教組織で、当初の天皇は飾り物にすぎなかった。

廃藩置県の後に琉球藩をでっち上げるという不自然なことをした後、日本は台湾、朝鮮半島、中国というように侵略していくが、その背後にはイギリスやアメリカの影が見え隠れする。日露戦争で日本はウォール街のジェイコブ・シッフから資金を調達、ウォール街と結びついていたシオドア・ルーズベルト大統領の仲介で何とか「勝利」している。

関東大震災の復興資金をJPモルガンに頼った日本はウォール街の強い影響下に入るのだが、1932年にその関係が揺らぐ。この年に行われた大統領選挙でJPモルガンをはじめとするウォール街が支援していた現職のハーバート・フーバーが破れ、ニューディール政策を掲げるフランクリン・ルーズベルトを選んだのである。

フランクリンは巨大企業の活動を規制して労働者の権利を認めようとしていただけでなく、ファシズムや植民地に反対する姿勢を見せていた。親戚だというだけでシオドアとフランクリンを同一視するのは大きな間違いだ。

そこで、ウォール街は1933年にクーデターを準備し始めるのだが、この事実は名誉勲章を2度授与された海兵隊の伝説的な軍人、スメドリー・バトラー退役少将の告発で発覚する。計画についてバトラー少将から聞いたジャーナリストのポール・フレンチはバトラーに接触してきた人物を取材、コミュニストから国を守るためにファシスト政権をアメリカに樹立させる必要があると聞かされたという。これも議会の記録に残っている。

皇室とウォール街を結ぶ重要なパイプだったのがジョセフ・グルー。1932年から41年まで駐日大使を務め、戦後はジャパン・ロビーの中心的な存在として日本の「右旋回」、つまり戦前回帰を主導した人物だ。

このグルーの親戚、ジェーン・グルーはジョン・ピアポント・モルガン・ジュニア、つまりモルガン財閥総帥の妻。またグルーの妻、アリス・ペリー・グルー(ペリー提督の末裔)は大正(嘉仁)天皇の妻、貞明皇后(九条節子)と華族女学校(女子学習院)で親しくなっている。言うまでもなく、昭和天皇は貞明皇后の子どもであり、昭和天皇はウォール街と結びついていたということにもなる。

戦後、「日米同盟」の仕組みを作り上げる上で昭和天皇が重要な役割を果たしていたことを豊下楢彦教授は明らかにしたが、その背景にはこうした事情もあった。吉田茂首相とマッカーサー司令官ではなく、天皇とワシントンとの間で軍事同盟の青写真が描かれていったのである。「悪いのは全て軍部だった」で内務官僚をはじめとする役人、学者、新聞記者などは責任を回避、その結果が現在の日本につながっている。

http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201412240000/

日本語脳を育てる

2015年06月09日 | 国内政治
私が思うに教育改革は幼稚園レベルからの改革です。ここからやり直さないといけません。これくらいの年齢からしっかり素読をさせること。五十音の発音なり、『論語』なりを、言葉としてしっかり発音させ、いわゆる「日本語脳」を作ることです。

そのためには言葉に出して話させる、というのがー番いいと思います。口から出して振動させることに意味があります。

江戸時代は教育と言えば、まずは発声でした。小さくてわからないとしても、とにかく「四書五経」を言わせます。それを繰り返しているうちに、日本語脳ができ上ります。日本語脳の最大の特徵は感性豊かな右脳です。右脳を左脳が補佐しながら、しっかりと判断できる有能な人々が、江戸幕府の仕組みを作り、訪れた欧米人をして「世界唯一のパラダイス国家」と言わしめた国を築いたのです。

楽天やユニクロといった新興企業が社内公用語を英語に据えましたが、英語はネイティブと直接交渉する人間以外は、熱心にやる必要はないでしょう。

私も経験がありますが、こちらがたとえ片言の英語でも、英語圏の人間は比較的、何度でも説明してくれます。メールや書類なら翻訳ソフトや辞書を使えばいい話です。

英会話力がないと生き残っていけないという不安情報を煽っているのは、英語で儲けようと考える人々です。まずはそこを認識してください。「婚活」を煽っている人々同様、彼らはビジネスとして行っているだけです。そこに正義はありません。

英会話力などと主張する前に、まず母国語である「日本語会話力」をしっかりと教育すべきなのです。

それと同時に、自国の文化や伝統、本当の歴史を学ぶべきでしょう。英語が話せても日本のことをほとんど知らない日本人が大勢いますが、欧米の人間から見ると、彼らは外国に憧れているだけの可哀相な人に映るそうです。

池田整治『脱・洗脳支配』(徳間書店、2012年)

「マッカーサーの告白」は偽文書

2015年06月09日 | 国内政治

ネット上に「マッカーサーの告白」なる偽文書が流通している。マッカーサーの議会証言を原文で読めば、これが偽文書であることは明白なのだが・・・。

あのマッカーサー元帥が、「私は反省している。大東亜戦争は日本の自衛戦争であった。アジアの人々を白人から解放するために日本は戦争をした。悪いのは罠に嵌めた米国であり、日本は正しかった。反省すべきは米国であり、日本が謝る必要はない。東京裁判はまやかしだ。広島・長崎の原爆投下も必要なかった。」と米国議会で告白しているのだという。

だから日本人よ、自虐史観を捨てて立ち上がれ。自信を持て。日本は本当は負けていない。だから敗戦記念日といわず終戦記念日というのだ。従軍慰安婦問題は捏造であり南京大虐殺もなかった。すべては日本を貶めるために反日勢力がでっちあげたデマである。世界で最も優秀で規律の取れた皇軍がそんな事をするわけがない。次回戦争するときは必ず勝利してみせる。かりに戦死しても靖国の英霊となるから安心して死のう、というわけである。

無知無学のおバカなネット右翼がこのような妄想話に洗脳されていくのである。

日本人の本当の自立は、歴史の真実を知ることから始まる。


マイナンバー

2015年06月09日 | 国内政治
マイナンバーは外資にも美味しい。

マイナンバー創設のためにかかるコンピューターシステム関連の費用は約3000億円。しかし、年金記録システムと特許庁のシステムという国家プロジェクトが7年かかって頓挫し、いつ完成するか分からないという状況を考えれば、マイナンバーシステムがきちんと出来る保証はない。

甘利担当大臣は、国内事業者の技術不足を理由にマイナンバーシステムを海外事業者に発注する可能性を否定しなかった。

年金・納税・資産・医療保険・雇用保険・戸籍・住民登録など国民のあらゆる個人情報を一元化するコンピューターシステムを海外事業者に発注するということは、システム設計の段階だけではなく、メンテナンスのために海外事業者が国民のあらゆる個人情報にアクセスできるということになり、極めて問題である。

http://togetter.com/li/500107

「日本はなぜ基地と原発を止められないのか」

2014年12月21日 | 国内政治
「日本はなぜ基地と原発を止められないのか」で話題の矢部宏治が鳩山友紀夫と“日本の真の支配者”を語った!

民主党・鳩山政権の崩壊と沖縄の基地問題を出発点に、日本の戦後史を振り返った話題の新刊『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(集英社インターナショナル)の著者・矢部宏治(やべ・こうじ)氏。そして、まさにこの本を執筆するきっかけとなった鳩山友紀夫元首相。

このふたりが、辺野古移設反対派の圧勝に終わった11月の沖縄県知事選や総選挙を踏まえ、事実上、今も米軍の占領状態が続いているこの国の姿と、日本が「真の独立国」として新しい戦後を歩んでいくためにはどうすればいいのか、その方法を考えた!

■首相の時はわからなかった「見えない敵」の正体

―まずは鳩山さんに、矢部さんの本を読まれた率直な感想から伺いたいのですが?

鳩山 正直申し上げて“ぶったまげた”というか、矢部さんがここまで勇気を持って取材され、この本を書かれたことに敬服しました。先にこの本を読んでいれば、私も総理を辞めずに済んだかもしれない、と(笑)。

もちろん、私は自分の非力について言い訳する気はありません。総理として一度は沖縄県民に期待感を与えながら(県外移設を)実現できなかったのは私に大きな責任があります。

ただ、この本を読んで、当時、自分がもっと政治の裏側にある仕組みを深く理解していれば、結果が違っていた部分もあるのかなとは思いました。それだけに、自分が総理という立場にありながら、この本に書かれているような現実を知らなかったことを恥じなきゃいかんと感じるわけです。

矢部 鳩山さんは以前、インタビューで「官僚たちは総理である自分ではなく『何か別のもの』に忠誠を誓っているように感じた」と言われていましたが、その正体がなんであるか、当時はわからなかったのでしょうか?

鳩山 物事が自分の思いどおりに進まないのは、自分自身の力不足という程度にしか思っていませんでした。本来ならば協力してくれるはずの官僚の皆さんには、自分の提案を「米軍側との協議の結果」と言って、すべてはね返されてしまって。分厚い壁の存在は感じながらも「やっぱりアメリカはキツイんだなぁ」ぐらいにしか思っていなかった。その裏側、深淵の部分まで自分の考えは届いていなかったのです。

しかし、矢部さんのこの本はもっと深いところで米軍と官僚組織、さらには司法やメディアまでがすべてつながって一体となった姿を見事に解き明かしてくれて、いろんなことが腑(ふ)に落ちました。この本を読んで、目からうろこが何枚落ちたかわからないくらい落ちましたね。

矢部 在日米軍と日本のエリート官僚で組織された「日米合同委員会」の存在は、当時ご存じなかったということでしょうか?

鳩山 お恥ずかしい話ですが、わかりませんでした。日米で月に2度も、それも米軍と外務省や法務省、財務省などのトップクラスの官僚たちが、政府の中の議論以上に密な議論をしていたとは! しかもその内容は基本的には表に出ない。

私が総理の時にアメリカから「規制改革をやれ」という話があって、向こうからの要望書に従って郵政の民営化とかがドンドンと押しつけられた。そこで「この規制改革委員会はおかしいぞ」というところまでは当時もわかっていたのですが。

矢部 日米合同委員会は基本的に占領以来続く在日米軍の特権、つまり「米軍は日本の国土全体を自由に使える」という権利を行使するための協議機関なのですが、この組織が60年間続いていくうちに、そこで決まったことには、もう誰も口出しできないという状況になってしまった。

なかでも一番の問題は、日米合同委員会のメンバーである法務官僚が、法務省のトップである事務次官に占める割合は過去17人中12人、そのうち9人が検事総長にまで上り詰めている。つまり、米軍と日本の高級官僚をメンバーとするこの共同体が、検察権力を事実上握っているということなんです。

しかも、在日米軍基地の違憲性をめぐって争われた1959年の砂川裁判で、当時の駐日米国大使だったダグラス・マッカーサー2世が裁判に不当な形で介入し、「日米安保条約のような高度な政治性を持つ問題については、最高裁は憲法判断をしない」という判例を残してしまった。ですから日米合同委員会の合意事項が仮に憲法違反であっても、日本国民にはそれを覆(くつがえ)す法的手段がない。

鳩山 それはつまり日米合同委員会の決定事項が、憲法も含めた日本の法律よりも優先されるということですよね。そのことを総理大臣の私は知らなかったのに、検事総長は知っていたし役人も知っていたわけだ。

矢部 ですから、鳩山さんの言う「官僚たちが忠誠を誓っていた何か別のもの」、つまり鳩山政権を潰(つぶ)したのは、この60年続く日米合同委員会という米軍と官僚の共同体であり、そこで決められた安保法体系だというのが現時点での私の結論ですね。―そうした仕組みの存在を知った今、鳩山さんはどのような思いなのでしょうか。

鳩山 日米合同委員会に乗り込んでいきたいぐらいだね。「何をやってるんだ、おまえら!」みたいな感じで。

ただ、そういうものが舞台裏で、しかも、憲法以上の力を持った存在として成り立っていたとしても、決してメディアで報道されることもないし、このメンバー以外にはほとんど知られないような仕組みになっているわけですよね。

矢部 このような「見えない力」の存在は、政権内にいないと、野党の立場ではまったく知り得ないものなのでしょうか?

鳩山 私も自民党時代がありましたので、8年は政権党にいたわけですが、当選1回や2回の新人議員の間は、官邸内部で何が動いているか知りようもありませんでした。でも与党の一員としては扱ってもらっていたと思います。

それが野党となると、与党、特に与党の中枢の方々とは情報量が圧倒的に違う。官僚も野党に話す場合と与党に説明に行く場合では、丁寧さも説明に来る人の役職も全然違う。そのぐらい野党に対しては官僚は区別し、冷たい対応をしていました。

つまり、自民党政権と官僚機構が完全に一体化していたということです。野党は圧倒的に情報過疎に置かれているのは事実で、国民はその野党よりも情報が少ない。

この先、特定秘密保護法によって、ますます国民には何も知らせない国になるわけで、非常に恐ろしいことだと思います。

■日本全土が「米軍の基地」という現実

矢部 「横田空域」という、1都8県の上に米軍が管理している広大な空域がありまして、日本の飛行機はここを飛べない。これなんか典型的な「米軍が自由に日本の国土を使える」事例ですね。

鳩山 私も横田空域のせいで、日本の航空会社が非常に不自然な飛行ルートで飛ばされていることは知っていましたが、「沖縄と同じように、米軍の優位性というのが東京や関東周辺にもあるんだな」という程度にしか理解していなかった。

しかし、具体的に図を見ると、関東上空がこれほど広範囲に米軍に「占領」されているという事実に仰天しますよね。沖縄だけではなくて、実は日本全体がアメリカに今でも支配されているも同然ですから。

矢部 飛行ルートの阻害もありますが、それより問題なのは、米軍やCIAの関係者が日本の国境に関係なく、この空域から自由に出入りできる、入国の「裏口(バックドア)」が存在することです。これはどう考えてもおかしな話で、こんなことは普通の主権国家ではあり得ません。

この問題なんて国際社会にアピールしたら、みんなすごく驚くと思うんです。これは今、日本で起きているほかの問題、特に原発の問題にも絡んでくる話ですが、日本という国が置かれている状況の歪(ゆが)みやおかしさを伝えるいい事例になると思っています。

結局、日米安保条約とは、米軍が「日本の基地」を使う権利ではなく、「日本全土」を基地として使う権利を定めたものなのです。

旧安保条約の第1条で米軍にその権利が認められ、60年の安保条約で文言は変わっていますが、その権利は残されている。これを「全土基地方式」というのですが、これはなんとしても国際社会にアピールして変えていかないといけない。

鳩山 矢部さんの本だと、米軍がそんなことをできる根拠は、敗戦国である日本を今でも「敵国」と見なした、国連憲章の「敵国条項」があるから、という話でしたが。

矢部 そこの説明は少し複雑で、旧安保条約第1条には、そうしたメチャクチャな軍事利用のあり方は、日本側が望み、アメリカ側がそれに応えたものだということが書かれている。そうした戦後処理を日本が望んだ以上、日本の主権や国民の人権がいくら侵害されていても、国連は口を出せないというロジックになっているんです。一種の法的トリックと言ってもいい。

ですから、日本にちゃんとした政権が誕生して、国際社会で堂々と議論し、「全土基地方式はやめてくれ」と言ったら「それは敵国条項があるから無理だ」とは絶対ならないと思います。

■米軍の占領状況を米国民に訴えろ!

鳩山 矢部さんのような方の努力もあって、私もようやく目隠しが外れて真実が見えてきたわけですが、問題はそこから先をどうするかです。やはり一部の人たちだけが目隠しを外すんじゃなくて、日本の国民の多くに触れられるPR戦術というか、日本の戦後の背後には何があるのかをきちんと解き明かす手段が必要だと思いますね。

それと、日米関係に関わっている米軍関係者を除けば、アメリカの議会や国民は日米合同委員会なるものがどういう役割を果たしてきたのか、それが今も日本の主権をさまざまな形で侵害している事実も知らないと思います。しかし、こうした状況はアメリカの国民から見ても「異常なこと」だと映るはずですから、われわれが海外、特にアメリカの議会や国民に対して「日本は今も事実上、米軍に占領されているけれど、本当にこれでいいのか?」と訴えることが重要です。

矢部 情報発信という意味では、今、ドイツなど多くの国が日本の原発汚染に対して「何を考えてるんだ!」って相当に怒っている。基地の問題だけだと「勝手にやっててくれ」となるかもしれないけれど、原発の問題はそうはいかない。全地球的な問題です。

あれだけ深刻な原発事故を起こした日本がなぜ、今再び原発推進への道を進もうとしているのか? その背景には「日米原子力協定」という、自国のエネルギー政策すらアメリカの同意なしには決められないという、客観的に見ても非常に歪(いびつ)な構造がある。それをうまく国際社会にアピールできたら、こうした日本の歪んだシステムに世界の光が当たる可能性はあります。

鳩山 そうですね、日本のメディアも完全に取り込まれてしまっているのであれば、基地の問題だけではなく、原発も併せて海外に訴えるほうが圧倒的に意義があると思います。

ただし、そうした「外圧」に頼るだけでなく、結局はこの国の政治を変えない限り、そして多数派にならない限り、こうした流れは大きく変えられません。

(取材・文/川喜田 研 撮影/池之平昌信)

●鳩山友紀夫(はとやま・ゆきお)
1947年生まれ、東京都出身。第93代内閣総理大臣となり、沖縄基地問題で「最低でも県外移設」と主張し活動するも、2010年6月、総理辞任。2012年の総選挙前に政界を引退。昨年から政治信念である「友愛」の文字を取り「友紀夫」名で活動している

●矢部宏治(やべ・こうじ)
1960年生まれ、兵庫県出身。書籍情報社代表。著書に『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知ってること―沖縄・米軍基地観光ガイド』、共著に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』など。『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』は発売1ヵ月で5万部というベストセラーに。

(前編)週プレNEWS 12月15日(月)6時0分配信
(後編)週プレNEWS 12月16日(火)11時0分配信

http://wpb.shueisha.co.jp/2014/12/15/40591/
http://wpb.shueisha.co.jp/2014/12/16/40674/

日本を支配する“憲法より上の法”の正体とは?

2014年12月21日 | 国内政治
日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか? 本書のタイトルはまさに、誰もが一度は抱いたことがある「素朴な疑問」だろう。

それを出発点に著者の矢部宏治氏がたどった日本戦後史の「旅」は、想像をはるかに超える広がりを見せながら「憲法」の上にある「もうひとつの法体系」の存在と、それによって支配された「日本社会のB面=本当の姿」をクッキリ浮かび上がらせる。

太平洋戦争で焼け野原と化した国土を世界有数の経済大国へと復興し、間もなく戦後70年を迎えようとしている日本が、今も対米従属のくびきから逃れられない本当の理由……。

そして、この国がいまだに「独立国」ですらないという衝撃の事実を、日米間の条約や公文書などの「事実」を足がかりに明らかにする本書は、多くの「普通の日本人」にとって、文字どおり「目からウロコ」の体験をもたらしてくれる一冊だ。矢部氏に聞いた。

■戦後の日本を本当に支配していたものとは?

―まず驚いたのは矢部さんがほんの数年前まで、沖縄の基地問題とも政治とも無縁な、いわゆる「普通の人」だったということです。そんな「普通の人」が日本の戦後史をめぐる「旅」に出たきっかけはなんだったのですか?

矢部宏治(以下、矢部) 直接のきっかけは、やはり民主党による政権交代とその崩壊ですね。それまでは日本は経済的には豊かだけど、「なんか変な国だなぁ」とは思っていて、鳩山政権ができたときにやっぱり期待したんですよね。この政権交代で何かが変わるんじゃないかと。

ところが圧倒的な民意を得て誕生した鳩山政権があっという間に崩壊して、沖縄の基地問題も潰(つぶ)されて、菅政権になったら完全に自民党時代と同じようなことをやっている。これは一体どういうことなんだと怒りに任せて、沖縄に取材に行ったのが始まりです。鳩山政権を潰したのは本当は誰だったのか、その答えをどうしても知りたくなった。

―ちなみに、矢部さんは沖縄の基地問題について以前から関心があったのですか?

矢部 いいえ、沖縄といえばそれまで2回、旅行で行っただけで、基地のことや辺野古のことも何も知りませんでした。ところが実際沖縄に行って、自分の知らなかったさまざまな現実を目にして、その根っこを探っていくと、いろいろワケのわからない仕組みに出会う。

そこで沖縄本島にある28の米軍基地をすべて許可なしで撮影した『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』という本を作りました。

沖縄では住民が米軍基地を日常的に撮影している現実があるのですが、当局の判断次第ではそれが違法行為だとして逮捕される可能性もある。

そうしてカメラマンとふたりで危険に身をさらしながら基地の取材を続けていくうちに、いろんなことが見えてきた。基地のフェンスってまさに「境界」なんですね。日本とアメリカの境界、戦争と平和の境界、民主主義のある世界とない世界の境界。

そういう「境界」をずっとたどっていくと、日本の戦後や日本国憲法の成り立ち、日米関係の裏側が少しずつ見えてくる。さらにたどっていくと、最後は国連憲章にまでたどり着いたというのが今回のこの本で、結局、第2次世界大戦後の世界は、軍事力よりもむしろ条約や協定といった「法的な枠組み」によって支配されていることがわかってきた。

■日本国憲法より上の「法の支配」とは

矢部 具体的な例を挙げましょう、例えば米軍の飛行機は日本の上空をどんな高さで飛んでもいいことになっています。なので沖縄に行くと米軍機が住宅地の上を信じられないような低空でブンブンと飛んでいる。

もちろん、日本には航空機の運航について定めた「航空法」が存在します。ところが、日米地位協定の実施に伴う「航空特例法」というのがあり、そこには「米軍機と国連軍機およびその航空機に乗り組んでその運航に従事する者については、航空法第六章の規定は政令で定めるものを除き、適用しない」と明記してあるのです。

つまり、「最低高度」や「制限速度」「飛行禁止区域」などを定めた航空法第六章の43もの条文が米軍機には適用されない! 「米軍機は高度も安全も何も守らずに日本全国の空を飛んでいいことが法律で決まっている」という驚愕(きょうがく)の事実です。要するに日本の空は今でも100%、米軍の占領下にあるのです。

ただし、沖縄の米軍機は日本の住宅地の上を超低空で飛ぶことはあっても、米軍住宅の上を低空で飛ぶことはありません。なぜならそれは危険であるとして、アメリカの法律で禁じられているからです。

―日本の航空法は無視してもいいけれど、アメリカの航空法はきちんと守っていると。

矢部 空だけではありません。実は地上も潜在的には100%占領されています。例えば、2004年に起きた沖縄国際大への米軍ヘリ墜落事件。訓練中の米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落し爆発炎上した際、米軍は一方的に事故現場を封鎖してしまいましたが、実はこれも「合法」なのです。

なぜなら日米間には1953年に合意した「日本国の当局は(略)所在地のいかんを問わず、合衆国の財産について捜索、差し押さえ、または検証を行なう権利を行使しない」という取り決めがあり、それが現在でも有効だからです。

つまり、アメリカ政府の財産がある場所はどこでも一瞬にして治外法権エリアになり得る。
墜落したヘリの残骸や破片が「アメリカの財産」だと見なされれば、それがある場所で米軍はなんでもできるし、日本の警察や消防は何もできないのです。

―日本の憲法や法律が及ばない場所が突如、現れる?

矢部 そこが最大の問題です。いくら条約は守らなければならないと言っても、国民の人権がそのように侵害されていいはずがない。条約は一般の法律よりも強いが、憲法よりは弱い。これが本来の「法治国家」の姿です。

ところが1959年に在日米軍の存在が憲法違反かどうかをめぐって争われた砂川裁判で、最高裁(田中耕太郎・最高裁長官)が「日米安保条約のような高度な政治的問題については、最高裁は憲法判断しない」という、とんでもない判決を出してしまいます。

しかも、この裁判の全プロセスが、実はアメリカ政府の指示と誘導に基づいて進められたことが近年、アメリカの公文書によって明らかになっています。

結局、この「砂川判決」によって、日米安保条約とそれに関する日米間の取り決めが「憲法」にすら優先するという構図が法的に確定してしまった。

敗戦後、日本政府がアメリカ政府に従わされたように、この判決以降、「憲法を含む日本の国内法」が「アメリカとの軍事条約」の下に固定化されてしまった。つまり、日本の上空どころか、憲法を含んだ日本の「法体系」そのものがいまだに米軍の支配下にあると言っても過言ではないのです。

■ 戦後日本を陰で操る日米合同委員会

矢部 ちなみに、安保条約の条文は全部で10ヵ条しかありませんが、その下には在日米軍の法的な特権について定めた日米地位協定がある。さらにその日米地位協定に基づき、在日米軍をどのように運用するかに関して、日本の官僚と米軍が60年以上にわたって、毎月会議(現在は月2回)を行なっています。

これが「日米合同委員会」という名の組織で、いわば日本の「闇の心臓部(ハート・オブ・ダークネス)」。ここで彼らが第2次世界大戦後も維持された米軍の特殊権益について、さまざまな取り決めを結んできたのです。

しかも、この日米合同委員会での合意事項は原則的に非公開で、その一部は議事録にも残らない、いわゆる「密約」です。

また、この日米合同委員会のメンバーを経験した法務官僚の多くが、その後、法務省事務次官を経て検事総長に就任しています。つまり、この日米合同委員会が事実上、検事総長のポストを握っていて、その検事総長は米軍の意向に反抗する人間を攻撃し潰していくという構造がある。

―民主党政権時に小沢一郎氏が検察のターゲットになったり、鳩山由紀夫氏の政治資金問題が浮上したりしたのも、もしかしたら彼らや民主党政権が都合の悪い存在だったのかもしれませんね……。検事総長という重要ポストをこの組織のメンバーが押さえ続けることで、先ほどの話にあった「軍事力ではなく法で支配する」構造が維持されているというわけですね。

矢部 ただし、この仕組みは「アメリカがつくり上げた」というより、「米軍」と「日本の官僚組織」のコラボによって生まれたと言ったほうが正しいと思います。

アメリカといっても決して一枚岩じゃなく、国務省と国防省・米軍の間には常に大きな対立が存在します。

実は国務省(日本でいう外務省)の良識派は、こうした米軍の違法な「占領の継続」にはずっと反対してるんです。当然です。誰が見てもおかしなことをやっているんですから。しかし60年も続いているから、複雑すぎて手が出せなくなっている。まともなアメリカの外交官なら、みんな思っていますよ。「日本人はなぜ、これほど一方的な従属関係を受け入れ続けているのだろう?」と。

考えてみてください。世界でも有数といわれる美しい海岸(辺野古)に、自分たちの税金で外国軍の基地を造ろうとしている。本当にメチャクチャな話ですよ。でも利権を持つ軍部から「イイんだよ。あいつらがそれでイイって言ってるんだから」と言われたら、国務省側は黙るしかない。

―基地問題だけでなく、原発の問題も基本的に同じ構図だと考えればいいのでしょうか?

矢部 こちらも基本的には軍事マターだと考えればいいと思います。日米間に「日米原子力協定」というものがあって、原子力政策については「アメリカ側の了承がないと、日本の意向だけでは絶対にやめられない」ようになっているんです。

しかも、この協定、第十六条三項には、「この協定が停止、終了した後も(ほとんどの条文は)引き続き効力を有する」ということが書いてある。これなんか、もう「不思議の国の協定」というしかない……。

―協定の停止または終了後もその内容が引き続き効力を有するって、スゴイですね。

矢部 で、最悪なのは、震災から1年3ヵ月後に改正された原子力基本法で「原子力利用の安全の確保については、我が国の安全保障に資することを目的として」と、するりと「安全保障」という項目をすべり込ませてきたことです。

なぜ「安全保障」が出てくるかといえば、さっきの「砂川裁判」と同じで「安全保障」が入るだけで、もう最高裁は憲法判断できなくなる。

■ 日本がアメリカから独立するためになすべきことは?

―しかも、「安全保障」に関わるとして原発関連の情報が特定秘密保護法の対象になれば、もう誰も原発問題には手が出せなくなると。

矢部 そういうことです!

―日本が本当の意味で「独立」する道はないのでしょうか?

矢部 第2次世界大戦の敗戦国である日本とドイツは、国連憲章のいわゆる「敵国条項」で国際法上、最下層の地位にあるわけです。しかし、戦後、ドイツは周辺諸国との融和を図り信頼を得ることで、事実上、敵国的な地位を脱したと見なされるようになりました。

それがあったから、ドイツは冷戦終結後、90年に第2次世界大戦の戦勝4ヵ国(英米仏ロ)との間で講和条約(「2プラス4条約」)を結んで、東西ドイツの再統一を実現することができたのです。そしてその条約に基づき、94年までに国内にいた駐留軍としての英米仏ロの軍隊を撤退させることができた。現在ドイツ内にいる米軍はNATO軍として駐留しているもので、その行動については全面的にドイツの国内法が適用されています。

なので、僕はドイツが戦後、真の意味で独立したのは1994年だと思っています。つまり、ドイツも独立するまでに49年もかかった。日本もまだ事実上の占領状態にあるとしたら、今からでも同じことをやればいい。

また長い間、アメリカの“軍事占領下”にあったフィリピンも、上院で憲法改正を議論して、1991年に米軍基地の完全撤退を実現しています。

日本はドイツとフィリピンというふたつのモデルがあるわけですから、そこから学んで、やるべきことを淡々とやっていけばいい。現状では「憲法改正による外国軍撤退」という、やや過激に見えるが実はオーソドックスなフィリピンモデルをカードに持ちながら「周辺諸国との和解を実現した上での、新条約締結による外国軍撤退」というドイツモデルを目指せばいいと思います。

後者については、国務省の良識派は絶対に喜ぶはずです。ところが現在の安倍政権は周辺諸国との緊張感をいたずらに高め、書店の店頭には「嫌韓・嫌中本」が氾濫(はんらん)している。まるで真逆の出来事が急激に起こり始めているのです。それこそが「日本の主権回復」を阻む最悪の道だということをどうしても言いたくて、この本を書きました。

(取材・文/川喜田 研 撮影/池之平昌信)

●矢部宏治(やべ・こうじ)
1960年生まれ、兵庫県出身。書籍情報社代表。著書に『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること―沖縄・米軍基地観光ガイド』、共著に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』など。

( 週プレNEWS 2014年11月04日)
http://wpb.shueisha.co.jp/2014/11/04/38278/

竹中平蔵と郵政民営化(復習メモ)

2014年10月04日 | 国内政治
客観的な事実はといえば、やはり竹中平蔵という人間は、アメリカのジャパン・ハンドラーズたちが育て上げたエージェント、手先であり、アメリカの外資やハゲタカのために日本の国を売り渡す売国奴以外の何物でもない。

米経済紙、『ウォール・ストリート・ジャーナル』の(2005年)8月26日付け記事では、郵政民営化によって、外資がどれだけのビジネスチャンスを得るのかということについて、明確に金額を上げて期待感を表明している。

この中で、シティーグループは、郵貯・簡保の民営化によって、国債、地方債、社債を含む日本の債券市場から1兆3750億ドルが流出すると試算。投資家は有利な運用先を探すが、1270億ドルは米国債へ、640億ドルが欧州のユーロ債へ、5210億ドルが日本の株式市場に向かうとみている。1ドル百円換算でも、12兆円ほどの金額が米国債の"投資”に流れ出す計算である。これを日米の金利差をつかって、合理的に実行するつもりである。2001年度での米国の黒字と同じ金額である。さらに簡保に対する資産運用でさらに米国債投資は膨らむ。これがアメリカの戦争体勢と、社会保障のコストを負担する形になっている。日本は金利が低いので資金が流れ出してしまうわけである。

これだけの金額を国内の無駄ではない有意義な公共投資を慎重に選び抜いて実行すれば、日本の内需拡大政策に確実に寄与するはずである。それ以外にも、再保険契約、窓口での外資製品の販売などメリットはたくさんある。郵政民営化をアメリカが熱心に推進する理由である。これでもアメリカの陰謀などは眉唾だという人がいるだろうか?

Who Gains From a Japan Post Split?
If Privatization Plan Clears, About $3 Trillion in Assets Would Get Redistributed

By AGNES T. CRANE
DOW JONES NEWSWIRES
August 26, 2005; Page C4

Citigroup estimates a change in ownership would drain $1.375 trillion out of Japanese bonds, including JGBs and municipal and corporate debt, as either new management searches for more lucrative investments or customers shift their business elsewhere. The analysts estimate that $127 billion would go into U.S. bonds, $64 billion into European fixed income, and a whopping $521 billion into Japanese equities.

http://online.wsj.com/article/0,,SB112498065117423035,00.html


ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報
http://amesei.exblog.jp/1708133

長生きしたければ病院に行くな 余計な検査は受けないほうがいい、病気を作るだけだから

2014年09月22日 | 国内政治
 人間ドックが「二次がん」を引き起こし、肺がん検診を受けると寿命が短くなる。医学部教授、有名医師、医療ジャーナリストが敢えて指摘する。

 「肺に影が」「胃の数値に異常が」そんな所見が出て、一瞬頭が働かなくなった経験はないだろうか? 精密検査の結果を待つ精神状態は思い出したくもないはずだ。このストレスこそ、病気の源である。

・検査で体調がおかしくなった

「老化をあるがままに受けいれ、痛み、苦しみがある時以外は、病院には近づかないほうがいいのではないか。私はそう考えています。現在71歳ですが、11年前の還暦の時に妻ともども決心して、健康診断やら人間ドック、血液検査さえもすべてやめました。そして、そうした検査のストレスがいかに重かったかということに気づいたのです。私たちの日常は、とても穏やかなものになりました」

 拓殖大学学長で経済学者の渡辺利夫氏は、柔らかい口調でそう話す。愛煙家の渡辺氏は、40代、50代の頃は年に1~2回、人間ドックを受けていた。だが、ある時ふと、そのおかしさに気がついたという。

「たとえば、検査で肺に異常な影があると言われたとします。その後、細いファイバースコープを飲まされて、生検(生体組織診断。患部の一部を切り取って調べる検査)があります。こうした検査自体が苦しいし、その予後はもっとつらい。

 結果が出て再検査、また生検をして、さらに結果を待つ。働き盛りの人でも、この間、生きた心地のしない時間を過ごして凄まじいストレスを受け続けるのです。

 年をとれば、検査で何らかの異常値は必ず出ます。加齢とともに、異常値の出る頻度は確実に高まっていくわけですから。症状もないのに検査によって病気を探り出すような愚かなことはやめようと決めたのです。やめれば穏やかな"身体感"に必ずや目覚めますよ」

 渡辺氏と同じように、早稲田大学教授の池田清彦氏(62歳、生物学)も「検査は不要」という信念がある。

「40代の頃、初めて内視鏡で胃の検査を受けさせられ、50代でも便潜血検査で陽性だからというので、胃がんやら大腸がんの検診を受けさせられた。

 がんはなかったのですが、そういった検査そのもので体調を崩したんです。後で、『何もないのにオレの腹はかきまわされたのか』と腹立たしくなってね。

 そうやって具合が悪くなってからかな、門外漢だった医療のあり方とか、余計なことを考える余裕ができたのは。それで、いろいろと調べたり考えたりするうちに検査そのものにより懐疑的になって、一切受けなくなったわけです」

・がん検診で寿命は延びない

 日本の年間死亡者数は約114万人。そのうち約34万人が「がん」で亡くなっている。無論、日本人の死因のトップだ。それだけに、医学会や医療行政も、がんの早期発見、早期治療を至上命題に掲げ、一般的な健康診断から始まり、人間ドック、がん検診を奨励している。脳ドック、メタボ健診なども一般的になった。

 定期的な検診は健康保持のカギ―私たちは漠然と、いや、心からそう信じ切っている。しかし、その常識は本当に正しいのか?

 医療統計学などの専門家で、新潟大学医学部教授(予防医療学)の岡田正彦氏はこう言い切る。

「じつはがん検診の効果を真っ向から否定するデータが存在するのです。結論から言えば、がん検診などの検査を定期的に受けても寿命は延びません。それどころか、寿命を縮めるという結果すら出ているのです」

 岡田教授の言うデータの嚆矢は、約20年前にチェコスロバキア(当時)で行われた、肺がん検診の実効性を調べるための大規模追跡調査だった。

 この調査では、健康な男性を集め、年2回の肺がん検診を3年続けて受けるグループと、検診を受けないグループに分けて観察した。検診内容は、胸部レントゲン写真と喀痰細胞診(顕微鏡で痰の中のがん細胞を調べる方法)だ。

 3年間の観察終了後、その後の健康状態を調べるために、さらに3年間、両グループの人たちに年1回ずつの胸部レントゲン検査を受けてもらい、肺がんの発症率を調べた。結果は驚くべきものだった。

「普通に考えれば、きちんと検査を受けてきたグループのほうが、そうでないグループより肺がんになる割合も、死亡率も少なくなるはずです。ところが、結果は逆でした。検診を受けていたグループのほうが多く肺がんになり、より多くそれで死亡していたのです。

 それだけではありません。この調査では、あらゆる死亡原因に関するデータが集められていましたが、肺がん以外の病気で死亡した人も、検診を受けてきたグループのほうが明らかに増えていました。つまり、"肺がん検診を受けると寿命が短くなる"という結果になったのです」(前出・岡田氏)

 この調査結果は当初、「単なる偶然」「何かの間違い」などと、多くの専門家の批判にさらされた。だが、同じ頃、先進医療大国のアメリカを含む各国でも同様の大規模調査が行われ、まったく同じような結果が出たことで、大勢は決した。つまり、「肺がん検診を受けると寿命が短くなる」ことが、実証されたのだ。

・日本人だけが信じるウソ

 一方、日本では世界とは逆の流れが起きていた。チェコスロバキアの調査から10年ほどたった頃、厚生労働省の研究費による調査が行われた。その結果と結論は、マスメディアにも大々的に発表された。「毎年、肺がん検診を受けると、肺がんによる死亡率は半分になる」と報道されたのである。

「この日本の調査は、検診を定期的に受けるグループと、受けないグループに分けて追跡調査を行ったものではありませんでした。肺がんで死亡した人が、過去3年間に検診を受けていたかどうかを調べただけの不完全なものであり、そもそも調査の目的が『肺がん検診の有効性を証明する』ものだったのです。毎年の肺がん検診で死亡率が半分になるというのは、明らかなウソです」(前出・岡田氏)

 肺がんだけではない。たとえば、日本人に多い胃がんについてもウソがまかり通っている。日本の専門家が胃がん検診の科学的根拠にあげているいくつかの調査データは、この肺がん検診についての調査と同じスタイルで行われたもの―岡田氏はそう断じるのだ。

 日本人間ドック学会による『人間ドックの現況』('08年版)によれば、人間ドックの年間受診者数は1日コースが全国で約280万人、2日コースが約25万人。日本人の"検診信仰"を如実に表す数字だろう。

 欧米には人間ドックという考え方そのものがない。目的もなくただ漠然と検査を行ってもコストがかかるばかりで無意味、という意識がその根底にあるからだ。冒頭の渡辺利夫氏は、人間ドックに通っていた頃の心理をこう述懐する。

「一種の確認恐怖症になっているんですね。検査で数字を確認しないと気が済まなくなっている。しかも、健康を確認したくて検査を受けていながら、その一方で異常値がないと逆に落ち着かないという矛盾も同時に孕んでいるのです。こんな心理は人間ドックを受けなければ生まれません」

・行けば行くほど二次がんに

 こんなデータもある。OECD(経済協力開発機構)によると、1年間に病院に通う数字を各国で調べたところ、日本は13.4回でトップ。福祉先進国と言われるスウェーデンはわずか2.8回だった。

「スウェーデンは、治療よりも生活習慣などの予防医学に力を入れている。一方、日本は何でもかんでも病院に行き、検査を受ける。病院や人間ドックで『要精密検査』と判定されたからといって、すべてがただちに治療が必要というわけではないのです。

 正常と言えないまでも、放っておいてかまわない異常もある。ところが、要精密検査と言われて病名をつけられると、そのストレスから体調を崩してしまう人も少なくないのです」(前出・岡田氏)

 人間ドックの検査で特に問題視されるのは、レントゲン検査だ。会社や自治体などで行う一般的な健康診断では、胸部エックス線写真は1枚だが、人間ドックでは2枚撮る。また、食道や胃のレントゲン検査ではがん検診が7枚なのに対し、人間ドックは8枚以上。当然、放射線の被曝線量は多くなる。

「食道や胃の場合、人間ドックの被曝線量は通常のがん検診の4~5倍。胸部レントゲン検査と比べると、800倍前後にもなる。そのため人間ドックを毎年受けている人たちは、二次がん(医療が原因となって起こるがん)になりやすく、そのことが人間ドックで見つかるがんの割合をさらに押し上げてしまうという傾向もあるのです」(岡田氏)

 がん発見後の治療も問題だ。岡田教授が続ける。

「腫瘍にも種類があり、そのまま放っておいても進行しないものも数多くあります。ところがいまは、すぐさま強制的に切除などの治療に移る。

 治療前に悪性腫瘍かそうでないかを病理医が判定するのですが、じつはその判定も主観に頼る部分が多く、必ずしも科学的とは言えません。ですから、それが本当に必要な治療だったのかどうか、わからない部分があるのです」

 がん治療の大前提とされている「早期発見、早期治療」というキャッチフレーズも絶対的なものではなく、科学的根拠はないという。

「前述のチェコスロバキアやアメリカのデータがそれを実証しています。また、エックス線による被曝や、薬の多投与など、現代医療の過剰な検査と治療により、たとえその病気が早期発見によって治ったり、症状が治まったとしても、薬の副作用などで別の病気を起こしている現実があります。総合的に見れば、がんの早期発見、早期治療が人の一生の健康にとって絶対とは言えないのです」(岡田氏)

 人間ドックに入った方なら経験があるだろう。すべて正常数値、ということはまずありえない。前述の『人間ドックの現況』には、全受診者の90%以上が何らかの異常数値を指摘されている、と記されている。人間ドックはある意味、「病気のお墨付き」をもらうために行くようなものなのだ。

 東京・足立区で長年在宅医療に従事してきた柳原ホームケア診療所所長の川人明医師も、こう話す。

「従来は正常の範囲だった数値が、近年では国の生活習慣病対策に合わせて『異常』や『要注意』にひっかかるようになっている。黄信号どころか、青信号の点滅や点滅前でも異常や要注意になってしまうのです」

 地域医療で数多くの健康相談を担ってきた、天理よろづ相談所病院(奈良県)元副院長の今中孝信医師も、過剰な検査の弊害を憂う。

「人間ドックでがんが早期発見されることがありますが、ドックで見つかるがんは緊急性のないものばかりだということを見落としてはいけません。緊急性のあるものは、ドックにかかる前に発現しています。

 ところがドックで一度でもがん細胞が見つかったら、緊急性がないにもかかわらず、すぐに治療を受けたり、経過をみる場合は、定期的に検査を繰り返すことになる。がんが"悪性"に変化していないか日常的に怯え、医者から『大丈夫です』と言われるまで、大変なストレスのもとで暮らすことになるのです」

 レントゲン検査の危険性については前述したが、他にも、苦しい検査はたくさんある。がんの生検の傷がいつまでもジクジク痛むことがあるし、肛門からカメラを入れて検査する大腸へのファイバースコープ挿入は、大腸の大きく曲がっている部分に管を通すために熟練を要するので、未熟な医師がやれば受診者にとって非常に大きな苦痛となる。

 これらのストレスが、本来は健康だった人を病人に変えてしまうケースが少なからずある―現場の医師たちは、そう力説してやまないのだ。

 近年騒がれるようになったメタボ健診も、疑問だらけだ。読売新聞の医療担当記者で、『メタボの常識・非常識』の著書がある田中秀一氏が指摘する。

「メタボリックシンドロームの診断基準は8つの学会が共同で決めていますが、根拠に説得力がないため批判的な意見が数多く出ています。メタボ健診では血圧、血糖、中性脂肪などの値を測り、そこでひっかかると投薬となることが多い。

 つまり、基準が厳しいほど、製薬会社は薬の需要が増えて『ありがたい』わけですが、その基準を作る研究室には、寄付金という形で製薬会社から巨額の研究費が流れているのです」

・メタボ健診は無意味

 メタボリックシンドロームは、もともと高度な肥満が社会的に問題視されているアメリカで生まれた考え方だが、それ自体が病気を指すわけではない。また、日本人にとってこの検査がどこまで必要なのかも不明だ。田中氏は、アメリカよりその基準を下げてまでメタボ健診を行う必要性は、「ゼロではないにせよ、かなり低い」と言い切る。

 帯津三敬病院(埼玉県川越市)名誉院長の帯津良一医師も、懐疑的に言う。

「昔は総コレステロールが250mg/dlより上だと危険とされていた。それがいつの間にか220mg/dlまで引き下げられています。かつては『健康』だった220~250mg/dlの間の人は、いまや『異常』な治療対象者です。220mg/dlという数字の根拠はきわめて不明瞭で、どなたかの陰謀のようなものも感じます」

 同じような疑問は、高血圧の治療においても言えるだろう。血圧が高いと判定される人は、人間ドックの全受診者の半数を占めている。

 それらの人々は、通院して血圧を下げるための降圧剤を飲むことになる。しかし、薬でいくら血圧を下げても寿命が延びることはない。むしろ副作用で短命になってしまうことさえあるという。その恐ろしさを、前出・岡田教授が指摘する。

「長年飲み続けた人は、心筋梗塞、自殺、事故などで死亡する割合が高くなっていることがわかっています。理由はさまざまですが、ある種の降圧剤はコレステロール値や中性脂肪値を上げてしまう予期せぬ作用があるのです。

 自殺や事故が増えるのは、血圧が下がり過ぎるためではないかと推察されています。これらは副作用ではなく、血圧を薬で強引に下げたために起こる反作用と言うべきでしょう。類似の現象が、糖尿病の薬にも認められています」

・病院は必死で異常を探す
 さらに、日本特有の"検査漬け"体質は病院経営と不可分に結びついていると語るのは、前出の読売新聞記者・田中秀一氏だ。

「日本はCTやMRIといった高度な診断装置を備えた病院が非常に多い。高価な機器なので、せっせと稼働させないと経営が立ち行かなくなる。そこで検査、検査となるのですが、患者のほうも高度検査装置のある病院のほうが安心だという思いがあるのでしょう」

 その結果、世界でも類を見ない・検査漬け・医療が横行しているというのだ。

 検査も治療も医者任せというのでは、かえって病気になる―そうアドバイスするのは、諏訪中央病院(長野県茅野市)名誉院長の鎌田實医師だ。

「病院は見過ごしを一番怖がるので、とにかく必死で異常を見つけようとします。たいがいの場合、『異常な影がある』と、まず言われます。そこから精密検査になりますから、ふつうの人は、次の結果が出るまで不安でたまらない。受診する側も、自分に必要な検査がどんなものなのかを自分で考え、その検査の数値の意味を知るくらいの知識が必要です。

 また、過剰な投薬には注意してください。たとえば軽い高脂血症で投薬を始める病院はおかしい。無駄な投薬は二次健康被害の可能性も生みますし、薬依存や薬漬けの恐れもある。いくら早めの治療が必要だといっても、軽い高脂血症や糖尿病には投薬は必要ありません。まず必要なのは、生活指導です。

 人間ドックを行っている病院で病気を掘り起こされ、系列病院で治療する―そんな構図を指摘されても仕方がない病院は確かにあります。検査は頻繁に行うのではなく、本当に必要な時に必要な検査を受ければ十分なのです」

 前出の帯津良一医師は、「人間ドックは受けたことがないし受けるつもりもない」と言う。本当の健康は、数字には表れないという。

「『いつもと違うな』という感覚は、食べたり、体を動かしたりする中で気づくもの。その声を見落とさないようにするには、何よりメリハリのある生活をすることです。昼間は一生懸命汗を流して仕事をして交感神経をぴりぴりと刺激する。

 仕事が終われば完全にリラックスして副交感神経を働かせる。こうした切り替えの意識が自律神経を敏感にさせ、体の異変があった時にその声を聞き取るための勘を鋭くさせるのです」

 健康は、病気を恐れながら得られるものではない。病気の存在を忘れる時にこそ得られるものだろう。つまり、「病院で検査を受けていれば安心」という考えは幻想なのだ。長生きの秘訣、最高の医療とは、過剰な健康志向に縛られずに生きることなのかもしれない。

週刊現代 2010年07月21日(水)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/868

超党派の「グリーン・グループ」(みどり会)に注目せよ

2014年09月22日 | 国内政治
ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 2012年12月21日

自民党・民主党問わず当初は大連立を模索する集団として震災後に活動を活発化した「民自連」という超党派議連。アーミテージやマイケル・グリーンとも連絡を密にとっている。

この衆院選でも小泉進次郎とコロンビア大学や戦略国際問題研究所(CSIS)の同僚として売り込んで、文京区などの東京2区で深谷隆司の後継候補として当選した辻清人などの30代の若手候補だけではなく、中曽根・福田ファミリーの御曹司なども米国と関係が深いだろう。自民党では河野太郎も民自連のメンバー。

民主党には民自連のメンバーでも長島昭久が選挙区で予想通りの盤石の強さを見せており、長島の秘書もいずれはヴァンダービルト卒ということもあり、国政を目指すはずだ。

彼らのような留学組の若手国会議員は、国内留学中心の松下政経塾派とも、派閥政治の申し子である現在の石破茂自民党幹事長や町村派の長老議員とは違う。

私は彼ら議員連合の司令官はマイケル・グリーン(戦略国際問題研究所日本部長)やブルース・クリングナー(ヘリテージ財団研究員)だと分析している。

そこで便宜をはかるために、自民、民主、みんなの党に主に集まっているこの種の海外留学経験組(大学院やシンクタンク出身)の議員や官僚を「グリーン・グループ」(別名:みどり会)と呼びたい。

グリーン・グループの官僚で言えば、安倍政権で外交顧問になると言われる谷内正太郎を頂点にする官僚、大学教授のネットワークがある。

彼らは安倍晋三のような右翼民族主義とは異なり、出発点が留学で培った人脈を元にした「親米保守」であり、したがってアメリカの司令塔であるマイケル・グリーンの受け皿である。

民主党政権では菅グループや小沢・鳩山グループなどの中道左派グループが一翼を担っていたが、これが国内留学系の松下政経塾の花斉会や凌雲会との間で権力闘争を繰り広げさせられた。凌雲会の仙谷由人が落選したが、日本政治は仙谷対小沢という構図からさらに新しい段階に進んでいるといえよう。

すなわち、自民党内における勢力均衡をアメリカにとって都合の良い方法で行うはずである。無論、安倍晋三の回りにいるような宗教がかった日本原理主義者を排除するのは日本にとっては良いことである。

しかし、アメリカの描く「日米韓」のソフト中国包囲網形成路線には危うさがあり、中国との関係が保てなくなる可能性もある。

本当は日米同盟と同時に日中協商を成立させなければならない。ただ、日米同盟強化だけに舵を切ると、アメリカの戦略の中で単に日本が中国を包囲する地域的代理人(リージョナル・エージェント)という形でアメリカがこれまで負ってきたアジア太平洋の防衛コストを大幅に負担させられる上に、日本が自主外交できなくなってしまうこともありうるのだ。

その点において、国内政界における「リバランシング(新しい勢力均衡)」を実施しようとしているマイケル・グリーン会長率いる「グリーン・グループ」の動静には注意を払う必要がある。

留学というのを無意識の洗脳教育とみれば、今の日本政界、中国の洗脳教育を受けている政治家なんかいても一人か二人。アメリカのシンクタンク帰りや長期留学組の方が派閥を作れるほどに与野党で増大。中国の洗脳を批判する 保守 は先ず自分の足元を見たらどうだろうか?どう見ても日本にとってはアメリカの国内ロビー活動の方が喫緊の脅威である。中国との関係をどう構築していくかは国内におけるこの種のロビー活動の影響を除去してからでも遅くはない。

いずれ近いうちにこのグループのメンバー構成を明らかにしていきたい。

ともかく、「みどり会」所属議員の皆さん、グリーン会長から「TPP参加」「一年以内の解釈改憲」という業務命令がでましたよ。このみどり会には「国策捜査」という「党議拘束」に変わる手段でメンバーの行動を規制するテクニックがあるらしい。これも詳しく調べたい。

(貼り付け開始)

TPP、一刻も早く参加表明を=解釈改憲「1年で可能」-知日派グリーン氏

ワシントン市内でインタビューに答えるマイケル・グリーン戦略国際問題研究所(CSIS)日本部長=20日

 【ワシントン時事】知日派として知られる米シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン日本部長は20日、時事通信のインタビューに応じ、安倍政権について、環太平洋連携協定(TPP)への参加を早期に表明し、経済再建に全力を尽くすべきだと強調した。主なやりとりは次の通り。
 -新政権はどういった政策を取るか。
 第1に、長期政権たり得るのだと新内閣が実証できるよう望んでいる。内閣や政権の交代が頻繁に起き、米日同盟の協力関係に最大の打撃を与えているからだ。第2に、経済問題に取り組み、長期的な成長戦略を提示できることを願う。第3に安保・外交だ。安倍外交の特徴の一つに、時代遅れで米日の安保協力の障害となってきた、集団的自衛権の行使の禁止や武器輸出三原則の見直しが挙げられる。
 -経済面では何を期待するか。
 安倍政権は上昇率2%のインフレ(物価)目標を掲げデフレに取り組む。これは必要なことだ。ただ、長期的には、経済改革が最も重要になる。改革を促進する最善の方法の一つは、(日中韓などで)自由貿易協定(FTA)を締結することだが、日本がTPPに参加しようとしない限り、FTA交渉での立場は極めて弱いものになる。
 自民党はTPPに加わりたがっていると思う。オバマ政権は日本に参加を促すため、さらに手を打つべきだ。安倍政権には、一刻も早く参加の意思を表明するよう提言する。
 -自民党は憲法9条の改正を掲げている。
 改正は透明かつ民主的な過程を踏んでなされ、中国を除く大多数の国が歓迎すると確信している。ただ改正は、登るには大変高い「山」だ。米日同盟と日本の国防政策をより効果的なものにするための極めて重要な「丘」が他にある。集団的自衛権の承認や武器輸出三原則の一段の緩和などだ。
 -9条に関する憲法解釈の見直しのことか。
 その通り。解釈改憲は「丘」であり、安倍政権は1年に満たない期間で登り切ることができる。(2012/12/21-14:30)

(貼り付け終わり)

http://youtu.be/U_AY5PZ6RXk

マイケル・グリーンのうた
(歌詞:前原誠司、作曲: バリー・マクガイア・ランディ・スパークス)
歌:小泉進次郎とみどり会

ある日 ヒラリーとふたりで
語り合ったさ
アメリカと生きる歓び
そして 楽しみのことを
マイケル グリーン
青空には オスプレイが歌い
グリーン グリーン
夜中には ララ
米兵が暴れる
その時 ヒラリーがいったさ
ぼくを胸にだき
マスコミに叩かれているときも
ラララ 泣くんじゃないと
マイケル グリーン
尖閣には 中国船がわいて
グリーン グリーン
オークラには ララ
手先が群れる
ある朝 ぼくはめざめて
そして知ったさ
日本の農業は
たったGDPの1.5%
だってことを
マイケル グリーン
軽井沢では 財界と研修
マイケル グリーン
CSISでは ララ
海坊主がさわぐ
あの時ナイ博士と
約束したことを守った
こぶしをかため
胸をはり ラララ
ぼくは立ってた
マイケル グリーン
まぶたには 涙あふれ
マイケル グリーン
ワシントンでは ララ
英語で話す
その朝 オバマは出かけた
アジアの国々へ
再び回帰(Pivot)したことが
ラララ ぼくにもわかった
マイケル グリーン
太平洋には 架け橋がかかり
マイケル グリーン
大使館には ララ
手先が出向く
やがて月日が過ぎゆき
ぼくは知るだろう
パパの言ってたことばの
ラララ ほんとの意味を
マイケル グリーン
日本では 維新が笑い
マイケル グリーン
議席では ララ
細野が吠える
いつかぼくも日経で
暴露するだろう
アメリカと生きる歓び
そして 悲しみのことを
マイケル グリーン
青空には 星条旗たなびき
マイケル グリーン
メディアでは ララ
平蔵が笑う
グリーン グリーン
日本では
貧富がひろがる
貧富がひろがる

(田中安彦)
http://amesei.exblog.jp/17477761/

同行記者が内幕暴露 “やらせ”だった拉致再調査「電撃会見」

2014年06月03日 | 国内政治
 政権浮揚のためなら拉致被害者さえ“利用”する――。
 薄汚い安倍政権の正体見たりだ。先週5月29日夕、安倍首相が突然、「北朝鮮の拉致被害者再調査」の日朝合意を公表した、ぶら下がり会見。記者に囲まれた安倍は「拉致問題の全面解決は最重要課題のひとつ。全面解決へ向けて第一歩となることを期待している」と得意満面だったが、この電撃会見、実は安倍のパフォーマンスのために用意周到に仕組まれた“デキレース”だった。

“デキレース会見”の内幕を明らかにしたのは5月31日のTBSの「報道特集」。26~28日にスウェーデン・ストックホルムで開かれた日朝外務省局長級協議を取材した政治部の法亢順記者が登場し、「3日目(の協議)は(日本側は)さっさと終わらせて帰る予定だった。安倍首相がシンガポールに外遊に行く前に(内容を判断して)発表する時間をつくるため」などと発言したのだ。

 さらに法亢記者は、安倍政権は当初、合意内容について「総理が大々的に会見を開く」と決めていたものの、「ランクを落としてぶら下がり会見」になり、最終的に「官房長官会見に変えた」と暴露。協議終了直後、外務省の伊原純一・アジア大洋州局長が現地で記者団に「北朝鮮は拉致問題の議論を拒否する姿勢ではない」とのコメントにとどめたのも、「控えているな」と感じたという。

■大マスコミがグル

 この発言が事実であれば驚きだ。法亢記者の解説通りなら、大新聞・テレビの同行記者は、日朝両政府の協議はとっくに「合意」に至り、安倍政権の公表のタイミングも把握していたことになる。

 ところが、安倍会見の直前まで、大新聞・テレビは、日朝協議について「再調査合意せず」「交渉決裂」と連日報道。協議が決裂したように見せかけながら、29日夕の臨時会見も「突然」決まったように報じ、「日朝協議に進展か」「交渉の扉が開く」などと盛り上げ役に徹したわけだ。報道機関が安倍のサプライズ演出に一役買っていたことになる。「やらせ」のような会見だ。

 そもそも安倍は今回の拉致被害者再調査を大手柄のように喧伝(けんでん)しているが、内容は08年に福田政権下で北と合意し、あっさりホゴにされた「日朝実務者協議合意」とほぼ同じ。しかも、安倍は04年の自民党幹事長時代、北朝鮮の拉致再調査について、「(北が)知らないふりをして(日本と)一緒に調査するというのは、時間延ばし以外の何物でもない。拉致問題は金(正日)総書記がすべてを話せば一秒で解決する」と断じていた。安倍自身が金正恩第1書記に直談判したならともかく、かつて自ら茶番だと批判した再調査を大げさに発表するなんて、まさに茶番だ。

「拉致事件は北朝鮮による国家的犯罪です。ですから本気で向き合わなければ解決しません。ところが、今の安倍政権を見る限り、政権浮揚に利用したいという動きにしか見えません。メディアは安倍政権に取り込まれ、政権のヨイショばかりしている。どうしようもありません」(元外交官の天木直人氏)

 メディアが政権にゴマをする姿は北朝鮮と同じ。何だか日本はかの国とソックリになってきた。

(日刊ゲンダイ)http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/150661

「美味しんぼ 福島の真実篇」

2014年05月17日 | 国内政治
私は自分が福島を2年かけて取材をして、しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない。

真実には目をつぶり、誰かさんたちに都合の良い嘘を書けというのだろうか。

「福島は安全」「福島は大丈夫」「福島の復興は前進している」などと書けばみんな喜んだのかも知れない。

今度の「美味しんぼ」の副題は「福島の真実」である。

私は真実しか書けない。

自己欺瞞は私の一番嫌う物である。

きれい事、耳にあたりの良い言葉を読み、聞きたければ、他のメディアでいくらでも流されている。
今の日本の社会は「自分たちに不都合な真実を嫌い」「心地の良い嘘を求める」空気に包まれている。

「美味しんぼ」が気にいらなければ、そのような「心地の良い」話を読むことをおすすめする。

(雁屋哲)http://kariyatetsu.com/blog/1685.php

命の源、水道水の問題

2014年05月17日 | 国内政治
関山演習場での、海兵隊の宿泊地区等の現地調整も終わって、電気や水道の細部の調整の時でした。唐突に、私のカウンターパートナーである海兵隊キーン少佐が発言しました。

「われわれは、日本の水道水をこのままでは使えない」

まさか、世界一安全な日本の水道水を使えないと言っているわけない。俺の語学能力から、聞き間違いだと思い、再確認すると、

「日本の水道には、毒(ポイズン)が入っているから飲用に使えない」

「毒??」

「そう。塩素が入っている。われわれは、とても口に入れることはできない」

思わず、「塩素って、確か、マッカーサー元帥が入れたのだよ・・・」

結局、日本側が、塩素を除去するための浄化装置を取り付けることで合意しました。その経費約4億円。勿論、全額日本の負担です。

●水道水の塩素はマッカーサーの指示 

日本では、昭和32年制定の水道法で、蛇口で0.1ppm以上の塩素濃度が義務づけられています。「最低限」を決めているもので、上限はいくらでもいいのです。

民間調査によると、全国の家庭の蛇口での塩素濃度は、東京の1.5ppmを筆頭に、全国軒並み1ppm以上でした。

問題は、日本人のほとんどの人が、塩素の危険性など全く気にかけてないことです。これも、戦後の日本のアメリカナイズの一環の悪しき影響と言えます。

塩素は、「劇薬」です。塩素ガスは、ドイツが世界で初めて戦争で使った毒ガスでした。

GHO・マッカーサー司令の日本統治が始まった1945年9月当時、実は米国でも塩素添加が常識で義務化されていました。

但し、ヨーロッパは、塩素注入を義務化していませんでした。仮定の話ですが、もし英国が統治していたら、日本の水道水には今も塩素は入っていないでしょう。

●日本社会はアメリカ社会の縮図

社会現象を見ていると、米国社会で起こった問題点は、やがて日本に飛び火します。アメリカ社会の中で、同じ米国民を病気にしながらお金儲けする一部の寡占者が、食品の化学物質や水道の塩素等を自国民に使っているとすれば、完全に支配下に納めた日本社会でも、同様の「仕掛け」をするはずです。

この際、寡占者たち自身は、真に健康なものしか使いません。例えば、ロックフェラーや英国王室の主治医がホメオパスであることは有名です。

他人には自分たちの作った石油由来の薬という劇薬を使ってお金儲けしながら、自分たちは安全で真に病気を治すホメオパシー等を活用する。

そのホメオパシー等を、彼らのメディアを使って、ペテンとばかりにダメージ報道をして、日本などの大衆には使わせないようにする。

大衆には、本当は毒薬の薬をメディアコントロールで使わせる。まさに、エゴの極地で、現代文明社会の縮図を見るようです。

着任したマッカーサーの指示のもと、GHQは、「東京、川崎、横浜、横須賀水道」に対し塩素2ppm注入して塩素消毒の強化を図ることや、飲料水の供給は進駐軍の命令に基づいた水圧、水量、水質とするよう、昭和21年1月、2月に指令を出しました。

厚生省は、昭和21年5月16日付け衛生局長通知で「給水栓において残留塩素が百万分中0.1~0.4になるよう注入消毒すること」と行政指導しました。

昭和32年に公布された水道法は、度重なる改正がなされていますが、水道水の消毒についてはこの通知が踏襲され、2014年(平成26年)の現在も給水末端の残留塩素濃度0.1ppm以上が水道水質基準として堅持されています。

●問題は、複合化学汚染

さて、問題はここからです。戦前の日本の国土は、化学物質には汚染されていませんでした。

これまで見てきたように、農薬と化学肥料で農地等が汚染されだしたのは、戦後の米国統治以降です。特に東京オリンピックあたりから経済成長に比例するように、化学物質の使用量が増えました。

水源の近くのゴルフ場や果樹園、工場から、あるいは現在では、タミフル、リベンザ等医薬品の化学物質が体内で消化されずにそのまま排泄されて河川に流れることまで起こっています。

つまり、家庭の排水口から約2万種、その他工場や田畑、ゴルフ場等から約3万種、併せて5万種の化学物質が河川に流れ込んでいます。

因みに、地下水の湧き水も今では全て化学物質で汚染されているのです。ペットボトルも安全ではないということです。また、米国同様、農薬は、メタン系の化学物質で作られています。

これら5万種の化学物質が、浄水場で出合うのが上述の塩素です。家庭等の蛇口から出てくる水道水は、5万種の化学物質と塩素の混合水なのです。

これが、100度に沸騰することにより、化学反応が促進され、猛毒のトリハロメタンやダイオキシン、MXなどの発ガン性物質が生成されます。単純に、塩素は沸かして飛ばせる、という時代は終わっているのです。
 
米国でも、1974年「飲み水は安全か」と問いかけたコンシューマー・レポートが水道界に衝撃を与えました。

殺菌処理に使っていた塩素が、発ガン性物質をつくることへの警告がなされたからです。

これらトリハロメタン等の生成は、煮沸を開始してから15分ぐらいでピークとなります。つまり、大事な家族へのお茶やコーヒーや煮込み、さらには赤ちゃんのミルクの中にたっぷり含まれることになります。

もっとも30分も煮沸すれば、無くなると言われます。但し、その時はお湯もなくなって、全て部屋の空気中に拡散しているわけです。

このような経緯で、いまや世界中の国々の中で、塩素処理をしている水道水は日本だけとなったのです。今では、古くて新しい技術の微生物活用の処理方法が世界の主流となっています。

●世界唯一のバイオ家庭浄水装置「あ・うん」

日本でも、高島康豪博士開発の複合発酵菌を利用したコンパクトな下水浄化装置「あ・うん」は、トイレの排水を、トイレットペーパーまで一切の固形物を残さずバイオ・エナジー水に変えてくれます。

家庭で江戸型完全循環エコ農業が可能となるわけです。

因みに、この「あ・うん」の開発者の柳田氏は、もともとが養豚農家です。柳田ファームにいくと、豚の屎尿をこの複合発酵で浄水しています。

まるでミニ浄水場の感じです。但し、農場に一切の臭いがなく、かつこの浄水を敷地内の野菜栽培や土地の浄化に使っていますから、素晴らしい波動の高いいやしろ地になっています。

また、浄水後の水をバイオ・エナジー水として飲むことができるのです。3.11フクシマ以降、情報通のひとの間では、この水を求める人が多くなっています。

日本には、このような素晴らしい本物技術があるのです。但し、公的メディアでは流れません。

真実は、足で自ら動いて確認する時代です。是非、実物を柳田ファームでご確認ください。
http://yanagida-farm.com/edo/ (柳田ファーム 複合発酵あ・うんユニット)

●水は命の源

水は全ての命の源です。人も体重の60~70%が水でできています。

体重50kgの人なら約30kgが水です。口から取り込んだ水が、血液となり全身の60兆の細胞に栄養と酸素を運び、細胞から老廃物と二酸化炭素を受け取って腎臓に運んで尿として体外に排出されます。

但し、上の口から入った量の水しか下の尿としてでません。毎日一リットル飲むとして、完全に入れ替わるのに30日もかかるわけです。

健康上、特に朝に安全な水をたくさん飲むことの大切さはここにあります。交替の水が入らない限り、体内を駆けめぐった老廃物だらけの血液が、また循環して使われます。

これらの老廃物が血管壁に付着して、毛細血管を詰まらせると、心不全やくも膜下出血の死亡原因となります。

あるいは癌等の原因になるのです。健康維持には、新陳代謝が不可欠ですが、毎日きちんと安全な水を補給することが、その第一歩なのです。

このように生命活動に極めて大切となる水の唯一の供給源となる水道水が汚染されていることがわかれば、常識ある国家ならすぐに改善します。米国でさえも、塩素処理はやめたのです。

何故、日本だけが、未だ塩素処理を継続「させられて」いるのでしょうか。

ここから、日本をコントロールする真の支配者の姿が浮かび上がってきます。水道を管理する水道局、規制する官庁、水道事業に関わる企業等が、塩素処理を続けさせたいモノたちの支配下にあると言うことです。

また、真実を報道すべき日本のメディアも、社会の木鐸の任務を放棄して、彼らにコントロールされていることがわかります。

いえ、この国家そのものが、戦後のGHQからの植民地的支配を継続させられている、ということなのです。

日本を真に支配するもの。それは、日本人を病弱化しながら、あるいは人口削減しながらお金を巻き上げるものたち、即ち世界金融支配体制なのです。支配の最大の手段が、情報によるマインドコントロールにあることが、水道水の塩素問題から理解できると思います。

●当面の解決は、高性能活性炭フィルター付浄水器

では、家族の健康のための対策は?日本社会そのものが、目覚めなければなりません。

勿論、メディアはすでに彼らの傘下にあって活用できません。下からの地道な真実情報の拡散しかありません。

仮に、国が目覚めて水道水を改善しても、日本中に張り巡らされた鉛管やアスベスト管を物理的に交換するには長時日がかかります。

しかも、これからTPP等が締結されると、残念ながら水道水の化学物質はさらに増えます。しかも、放射能汚染もあります。

やはり、各家庭の蛇口に化学物質まで除去できる高性能の活性炭を利用した浄水器を取り付けことしかありません。その時は、交換時のフィルターでどれだけ化学物質等を除去できるかの科学的データを確認して選ぶことです。

(池田整治)http://ikedaseiji.info/2014/05/post-265.html    

「第3の健康食品」解禁 安倍政権が米国に貢ぐ4兆円市場

2014年05月13日 | 国内政治
 血圧を下げたり、コレステロール値を抑えたりする効果をPRするサプリやトクホ(特定保健用食品)が売れている。これらは人工的に作られたものだが、安倍政権は世界で初めて野菜や肉、魚など生鮮食品の機能表示を認める新制度を導入しようとしている。

 5回開かれた消費者庁の専門家検討会を受け、6月にまとめる成長戦略に盛り込み、来春のスタートを目指すという。実現したら、「温州ミカンは、骨の健康を保つβ―クリプトキサンチンを多く含み、(骨粗鬆症(こつそしようしよう)になりやすい)更年期以降の女性に適しています」なんてコピーが付けられたミカンが店頭に並ぶようになるのだ。

 大企業が莫大なカネをかけて開発した「高リコピントマト」(カゴメ)、「抗酸化作用3倍の機能性ブロッコリー」(ドール)といった機能性生鮮品はなくもない。しかし、食品に含まれる成分のひとつを抜き出して機能を調べたら、何でもうたえるようになるというのだから、どうも変だ。

■科学的根拠あいまい

「トクホは人での臨床試験が義務づけられていますが、新制度では必要ありません。もっともらしい論文を見つければ、企業は自己責任で生鮮食品の機能性をアピールできるわけです。しかも対象は生鮮品だけでなく、サプリや加工食品など食品全般。なぜそんないい加減な制度が議論されているのかというと、米国の突き上げがあるのです」(永田町関係者)

 安倍首相は、先月のシンポジウムで「健康食品の機能性表示を解禁します」とぶちあげた。その主催者のひとつが在日米国商工会議所。シンポ当日は、オバマ大統領が来日していて、在日米大使館からの歓迎メッセージが読み上げられた。要するに、サプリ大国の米国にスリ寄って、潜在市場規模4兆円といわれる健康食品市場を開放しようとしているのである。

「臨床試験をしているトクホでさえ、大豆イソフラボンみたいに有害事例が報告され、商品の含有量が見直されました。新制度は科学的根拠がさらにあいまい。生鮮品を隠れみのにして食品全般の安易な機能表示を認めたら、怪しい商品があふれ返るでしょう。実際、サプリ先進国の米国では、そうなっています。新制度で得をするのは米国の関連企業なのは明らかです」(横浜創英大名誉教授・則岡孝子氏=栄養学)

 国民の健康を犠牲にして、米国に恩を売る。それが安倍の正体だ。

(日刊ゲンダイ)http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/150113/1?pc=true