章魚庵つれづれ通信

日ぐらし硯に向かひて、遊墨三昧、遊印三昧??

水墨 晁卿衡を哭す

2006年06月30日 | 墨彩画
晁卿衡を哭す
日本の晁卿は帝都を辞し 征帆 一片 蓬壷を遶る
明月 帰らずして 碧海に沈み 白雲 愁色 蒼梧に満つ
李白   (岩波 新唐詩選)

晁卿衡とは、遣唐使で唐に渡った安倍仲麻呂のこと。
やっと日本に帰れると月を見て詠ったのが有名な

 天の原ふりさけみれば春日なる
   三笠の山にいでし月かも

しかし、彼は日本には帰れない。船が難破してしまうんです。
それを聞いて、李白は泣いて悲しむ。そのときに作ったのがこの詩
しかし、しかし、仲麻呂は死ななかった。なんと再び唐の都
長安に戻ってくるのです。が、またまたまた運悪く安禄山の変。
船は出なくなり結局日本には帰れないまま中国で没。

李白と安倍仲麻呂は知り合いだったのか!?
コメント (3)
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墨彩 観音経

2006年06月29日 | 墨彩画


だいぶ前に描いた「観音経」の一部分。
全文書き写しましたが。長いですけっこう長いです。
「般若心経」なら全文写経しても266文字だったかな?
そんなに時間がかかりません、一枚で収まりますが。
観音経は甘くない!10枚くらいになったのかな?
その中の2枚です。ちょうど中頃の部分だと思います。
寂聴さんの「観音経」読んで描きました。

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墨彩 晩秋閑居 島

2006年06月28日 | 墨彩画
晩秋の閑居
地 僻り門深くして 送迎少なり 衣を披て閑座し 幽情を養う
秋庭掃わず 藤杖を携え 閑かに梧桐の黄葉を踏みて行く
白居易   (NHK出版 文化セミナー漢詩を読む)

我が家は田舎なので客も来ない。で、のーんびりしてる
落ち葉も掃かない。で、その上をカサコソと歩いていく。
そんな風情でしょうか? 

この島はいいです。騒々しい世間と隔離されてるようで。
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墨彩 山頭火 お月さまがお地蔵さまに

2006年06月26日 | 山頭火
「お月さまが お地蔵さまに お寒くなりました」
「もりもり もりあがる 雲へ歩む」 山頭火

ちょっと元気になったりほのぼのしたりする句をふたつ。
お月様の句は、山頭火さんたぶん酒飲んでハイになり
周りを見る余裕が出てきたのかな? 月と地蔵と山頭火!
もりもりの方はなんかさあ行くぞーという感じがする。
しかし、雲の盛り上がる尾根路はくそ暑いんだよなー!

落ち込んでる人、心に余裕の無い人(アッ俺だ!)向きの二句。
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水墨 暁に花橋に過り宣州の界に入る

2006年06月26日 | 墨彩画
暁に花橋に過り宣州の界に入る
路宣城に入れば山便ち奇なり 蒼きゅう活走して緑鸞飛ぶ
詩人の眼毒已に先ず見る 却って旋ち雲をかかげて翠幃と作す
楊万里   (NHK出版 文化セミナー漢詩を読む)

宣城に来たら 山はまるで竜や神の鳥が飛ぶかのようで
不思議なところだ。と詩人は思ったが、雲がかかってしまった
といった意味合いでしょうか。蒼きゅう活走して緑鸞飛ぶという景色を
是非見てみたいものです。
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はんこ 怒と笑門来福

2006年06月23日 | はんこ


このごろは、色々な意味でこんな気分。23×23㎜の小さい枠の中に怒りがあふれています!



なるべくなら、こんな気分で毎日すごせればいいのだけど。無理ですか!

コメント (2)
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はんこ こまいぬ達

2006年06月22日 | はんこ
こまいぬテーマのはんこです。
「阿」と言って気を発して「吽」と口の中に気を入れてる。
ずーと「仁王さん」も神社の狛犬も全部右が「阿」で左が「吽」
だと信じていたんですが、そうでもないようですよ。
まあ、そんなことはどっちでもいいわけですが、
本当は右が獅子で左が狛犬と言うのだそうです。
狛犬にはどういう訳か角があります。一角獣です。どちらも架空の動物。
考えたのは多分中国人。いい仕事してます。麒麟にしても龍にしても。
それはともかくはんこをセットで作るのもなかなか楽しいものです。
上の二組の狛犬には角があります。下は猫でなく虎です。
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墨彩 江上琴興

2006年06月21日 | 墨彩画
江の上にての琴の興み
江の上にて玉琴を調ずれば 一の弦ごとに一つの心を清む
冷冷として七つの弦遍きときは 万木幽陰澄めり
能く江の月をして白からしめ 又た江の水をして深からしむ
始めて知る梧桐の枝 以て黄金を徽とす可きことを
常建       (岩波 新唐詩選)

山の字のような山を描いてしまいました。ゆりが咲いているので夏だと思われます。
揚子江のほとりで常建が琴を弾いています。が、ここには見あたりません。
たぶん、この山の裏が揚子江だと思われます。……すべて私の妄想です。

空には「千手観音」「長楽」「居眠り観音」かってにこう名づけました。
下のほうに「雲林野思幽夢」を押しました。
コメント (2)
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水墨 廬山の瀑布

2006年06月20日 | 墨彩画
廬山の瀑布を望む
日は香炉を照らして紫煙を生ず 遥かに看る瀑布の長川を挂くるを
飛流直下三千尺 疑うらくは是れ 銀河の九天より落つるかと
李白 (学研 奔放の詩人李白)

こりゃーすごい。なんてったって三千尺だもん約900メートル
実際には香炉峰のこの滝(黄崖瀑布というらしい)は、その半分ぐらいらしい
私は見たことないのでなんともいえないんですが、
この広い国の人はとにかく表現が大袈裟である。私は嫌いじゃないけどね。
もっとも白髪三千丈という李白には倍くらいでは大袈裟でも何でもないみたい。

ちなみに世界一高い滝はギアナ高地のエンジェルフォールだそうで約900メートル
本当に三千尺。
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はんこ 雲棲

2006年06月19日 | 山頭火
「もりもりもりあがる雲へ歩む」 山頭火

ということで、雲の字のついたはんこを集めました。
右上から 「雲竜」2×2cm 「山頭火うしろ姿」1.5×1.5㎝これは雲とは関係ないか。「雲門」1.8×1.8㎝ 「雲棲」3.4×3.4cm 雲棲ってつまりは人里離れて仙人のように暮らすって事かな。これは少しあこがれる。
「景雲飛」2.4×2.4cm 景雲ってめでたいことのある前兆の雲のこと。慶雲、瑞雲
 最近は地震雲というめでたくないことの前兆の雲が出るとか出ないとか。
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