裏切らない酒とフトンは永遠の友 北大路翼 NHKBSスペシャル「ラスト・トウキョウーはぐれ者たちの新宿歌舞伎町」(‘19・11/28NHK総合放送)
ウオッシュレットの設定変えた奴殺す 〃
昨年の2月から今年の春頃までの新宿歌舞伎町で、体調悪化のためグラスを持てないほどの状況下での一句。北大路さんは、グレかかっていた神奈川県立横浜高校時代に同校の国語教師で担任だった俳人今井聖(元寒雷副編集長)に出逢い、自己回復の手段として俳句に目覚めたという。卒業後、新宿歌舞伎町に住むようになり、日雇いなどで稼いだ金でギャンブル予想や風俗通いを続けるなど、裏ぶれた日々を送っていたようだ。その途上で、今井さんの「街」誌創刊に参加。30歳代に入って、初めて就職も果たしたが、相変わらず歌舞伎町でのDEEPな放蕩暮らしは止まることはなかった。同時に歌舞伎町の老朽化した雑居ビル(ゴールデン街の外れか?)の一角で【砂の城】なる俳句コミュニティ(1階はアングラバー)を結成。その仲間はB級ホスト・ホステス、ニート・引き籠りなどの若者たちで占められ、新宿歌舞伎町俳句一家【屍派】を名乗るに至る。この間、北大路の2冊の個人句集に続き、これらの仲間たちの句群を集めた『新宿アウトロー俳句』を発刊。俳句の世界では異例のベストセラーを続けている。・・・《続く》