戻り梅雨麻原彰晃は見えていた 何もかも失くすといふこと盆用意 夏深しカルメン・マキは生きていた(『時には母の無い子のように』1969) 夏終る棒切れのような人生 ストレンジタワー揺れて夏野を消してゆく ロス帰りの男しばらく月を見ず アメリカン・グラフィティ沖縄の月白し ヒューヒューと人吹かれゆく終戦忌 八月十五日の私の人体解剖図 HYのNAOという曲終戦日 終戦の日の暗澹誰もが鳥になる 生きていると原爆の日の風は冷たい 終戦日これから公園のミュージシャン
カルメン・マキ 『時には母のない子のように』