*映画もらとりあむタマ子付
前田敦子の死ぬほどの青飛蝗とぶ まほろば 旧作
私たち1970年代世代にとって、来る80年代とはどのような時代だったのだろうか。私は、1979年に音楽業界への参入を諦めると同時に、中央線文化の中心地であり続けた【吉祥寺】に舞い戻った。長兄が同地の大学出身で、団塊の世代の、彼の70年代前半の2留を経ての就職後に、そのアパートを引き継いで住んでいたのが最大の理由だが、1979年の終りに、今度は吉祥寺の北の端の別のアパートに住むことにした。ロックやフォークが衰退し、ニューウェイブやテクノポップの【無機質】な騒音が溢れ始めても、吉祥寺という街は、80年代に入っても70年代の若者文化の匂いがし続けていたのが良かった。20歳代後半に入っても、まだ若者でいるしかなかったのだ。当時、モラトリアム世代という言葉が流行していたが、まさに私のことを言った言葉だった。結局、ここに4年ほど居ることになったが、途中、別の大学の通信制に編入した。大学卒という肩書きも欲しかったが、モラトアリアムに身を置き続けるための理由が欲しかったのかもしれない。ちょうど1979年に遭遇した、俳句の世界への耽溺も同じ理由からだった。・・・《続く》
もらとりあむタマ子(主演 前田敦子) 2013