石井信平の 『オラが春』

古都鎌倉でコトにつけて記す酒・女・ブンガクのあれこれ。
「28歳、年の差結婚」が生み出す悲喜劇を軽いノリで語る。

エロ教師、鮮烈デビュー!

2008-09-26 23:03:05 | メディア
妻が昨日のMixiに、こんな告知をしてくれた。

「うちのS平が、きょうからエロ教師の鮮烈デビューだよ!」

立教大学・現代心理学科・「メディア映像論・エロスはいかに伝えられたか」授業が始まった。生徒数は約60名。過半数が女子学生。

鎌倉から埼玉県・新座キャンパスまで2時間半の旅程であった。学生食堂で「松茸丼定食」420円を食べ、教務課の先生に教室内のAV機器の扱いを教えてもらい、午後1時10分、授業開始。

「・・ここで何を見て、私が何を語ったか、教室の外では言わないで下さい。言ったら僕はクビになります」

それをホントにとったか、ジョークと取ったか、判断は生徒の自由である。

ヴァルター・ベンヤミンの自殺した日が1940年の「9月26日」ということに触れて、彼の「複製技術時代の芸術作品」を語った。私たちが触れているのは「情報とコピー」ばかりで、世界の「現実」ではないこと。

そして、2008年の仮名「吉田太郎」クンの個室と、1800年、江戸詰めの侍「吉田太助」の部屋の内部の比較論を語った。片や新聞雑誌・DVDなどコピーの山、片や狩野探幽の真筆画一枚のみ。

ベンヤミンが説いた「聖なる一回性」(アウラ)は、我らが暮らしのいずこにありや? 

ひょっとすると、エロスこそが、「自己」を呼び戻すかけがえなきものかも知れない。

満場、寂として声なし。実に真剣に聴いてくれた。

後半はヤン・シュヴァンクマイエル監督「快楽共犯者」をDVDで見せた。妻が推薦する極めつけのエロい作品だ。部屋を暗くして生徒達を作品に没入させた。

実は本作品は裸もセックスもない。しかし、何がイヤラしいかというと人物達が作る「音と視線」だ。

上映を半分で中断して紙を配り、この作品と授業全体の感想を書かせて終了。

大学図書館に移動して感想文を読み出して、オラは思わず座り直してしまった。

作品感想・例
「誰もが秘密をもっているのですね」(女性)
「エロスとは性的行為を単純に指すのではなく、個人の内面にある性壁というか、人間の内に潜む本質的なところに存在するのだと感じました」(女性)
「続きを早くみたい!」(男性)

授業感想・例
「エロスの概念が変わった」(女性)
「非常に具体的、かつ大胆なエロスに足を踏み入れている印象を受け、嬉しかった」(女性)
「声も内容も、先生の授業はエロ過ぎます!」(男性)

こんな感想文がB5判にビッチリ書いてあって60枚! 帰宅の車内でも読みふけり、着いた鎌倉駅の風景が、いつもとは別物にみえました。

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2 Comments

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Unknown (nobu)
2008-09-29 16:42:15
待ちに待った授業が始まりましたね。
是非、社会人向けにもやって欲しいものです。
鎌倉御大の社会批評・政治批評にも,色濃く宿る「大人のエロス!」。学生達には鮮烈で、激烈で、大辛柿の種を100粒一度に食べたような「記憶」が残るでしょうね。大学で教えるものに、こうした刺激がなくなって久しく、多くの学生たちは、よき羊になってしまています。いまこそ、「エロスで覚醒を!」と願うものです。
NOBU様 (石井信平)
2008-10-09 06:59:23
「エロスで覚醒」は、実にいいお言葉を頂戴しました。励まされます。ミッションスクールでいけないクスリを振りまいているようで、今度はマスクとサングラスで登校しようかと。クビになれば、即座にご提案の「大人向け」に「エロ塾」「夜の学校」「朝日カルチャーセンター」など、受け入れてくれるならどこへでも・・・

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