センター試験のページに、
試験問題評価委員会報告書って言うのが掲載されている。
これは、実施したセンター試験の内容について、高校の先生と学会・塾などの教育関係者が吟味・要望・提案をし、作問者が試験の内容を平均点などから反省するというもの。
読んでみるとなかなか面白く、予想外の点数だった問題とか、来年度は今年より難しくなるかどうかが予想できると思う。
★数学IIBについて
2009年度の数学IIBは時間が足りなく、特に難しかった。
その中でも、第4問のベクトルの計算量が多く、俺も試験場で「・・・無理」と思って統計に逃げた。
こうした難易度について、作問者は傾向を変えるつもりがないようだ。
>今年度の問題に対しては、「数学Ⅱ・数学B」の平均点は昨年度よりわずかに低かったが、50 点台は何とか維持することができた。
>難易度は昨年度と同じと思われる。
>平均点を 60 点に近づける目的のためだけに、問題を易しくすればよいという考え方は適切ではない。
とのこと。
来年も平均点は50点前後になりそうだ。
誘導を増やしたり図をあらかじめ提示したりで解きやすくする工夫をしたいとは書いてある。
60分の限界も感じていて、試験時間を増やすことへの含みも持たしている。
★理科について
理科は平均点や受験者がまちまちであり、それに対してどう考えているのか興味深い。
化学Iは選択者が最も多く、平均点も最も高い(70点弱)。
報告書の内容も自画自賛に終始しており、この調子を続けていくつもりらしいので、
来年いきなり難しくはならなさそう。
この平均点の扱い方は注意が必要で、高い=問題が簡単とは言えても、低い=問題が難しい、とは限らない。
生物Iは平均点が低い(56点)けど、標準偏差も小さい(化学22に比べて、生物19)。
つまり、平均点に近いところに人が集まっていると言える。
おそらく、文系選択者で「理科、力入れて勉強してないけど、とりあえず受けてみっか。」という人が選択しがちな科目で、選択肢が4-5択がメインなので、直感と山勘を駆使してある程度点が取れる結果、平均点が下がっていると思われる。
地学Iもある程度同じ傾向にあると思う(平均52点、標準偏差19.5)。
で、その生物Iの作問者は、
>時間的な余裕を持って取り組める問題量のバランスを考えていきたい。
>センター試験の性格上、理科各科目の平均点は近接したものが望ましいことは言うまでもない。
>一度それぞれの問題作成部会の方針・見解等のすり合わせを行い、科目間の平均点の較差を是正していく道をつける必要があろう。
2009年の生物の問題は、即答可能な知識問題が少なく、実験考察問題が多くて時間がかかり、大変。
ひとつ目のは、そのことへの指摘を受けての回答。
また、他の理科科目と比べて平均点が低いことは気にしているようだ。
平均点が低いと、結構辛辣なことになるのかもしれない。
実際対策がなされるかは、疑問だ。
物理Iは、何か独特。
>平均点を 60 点以下にはしないようにする。
>平均点が 65 点程度になるよう配慮する。
って書いてあるし。
来年も今年と同レベルだろう。
あと気になる点は、
>いわゆる連動問題を作る必要がある場合は、一つの誤答が他に大きく波及しないよう配慮する。
というところ。
数学は、途中が分からなかったらあとは解けない、という傾向が強く、数学IIBの数列、ベクトルで初めの1問目が詰まったらあとはアウト、というのはありがち。
それに比べて、同じ計算科目でも物理は配慮されているとは感じていた。
意外と、文系の人でも点が取りやすいと思えるけど、どうだろう?
俺はなかなか無理だけど