社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

機本伸司『神様のパズル』

2009-02-12 12:48:26 | 趣味(読書)

この作品も先日図書館に行った時にまとめて色々あさった中で、借りて読み始めた作品ですが、この氏の作品を読むのははじめてです。名前すらも知らない作者ながら(私はですが・・・)、小松左京賞受賞作に 引かれて借りた作品です

しかしながら、最初は中々面白い予感をさせてくれる作品であり、一方で難解な物理学(本当に正しいのか創作なのかはわからないが、素粒子物理と言う昨年のノーブル賞を受賞された方々に思いを寄せるが)の難しい話がありながら、その難しいところをカットして、ストーリーを読むと面白い作品ではないかと思う。要はかなり変わった作品ではあるが、難しく考えずに読むと面白い作品と言える。

神様のパズル.jpg      かみさま
書 籍:『神様のパズル』
著 者:機本伸司(きもと しんじ)
発行年:2002年11月28日初版発行
発行所:株式会社 角川春樹事務所
価 格:1,700円(税別) 縦1段組み304ページ+著者あとがき3頁

《ハードカバー帯の紹介》

存在感あるいきいきとした人物像、カミオカンデを思わせる研究施設の緻密な描写・・・・壮大なテーマに真っ向から挑み、見事に寄り切った作品。---選考委員・小松左京氏絶賛!

第3回小松左京賞受賞作!

『宇宙方、分かりますか?』

究極の問題に、天才女子学生&おちこぼれ学生のコンビが出す答えとは?

卒業ゼミに素粒子物理研究室を選択した留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題。なにしろ穂瑞ときたら、精子バンクを利用して生まれた天才児で、建設中の巨大加速器「むげん」の発案者でありながら、その天才ゆえ大学側でももてあまし気味と言う問題児なのだらか。 案の定、僕を鼻であしらう穂瑞だったが、一人の老聴講生・橋詰さんの発した究極の疑問「宇宙を作る事はできるのか?」をぶつけてみたところ、なんとそれを討論テーマとしてゼミに現れたのだ! 僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが・・・。 「宇宙の作り方」という壮大なテーマを、みずみずしく軽やかに描ききった大型SF!

-------------------------------------------

<著者略歴> 機本伸司(きもと・しんじ) 1956年兵庫県宝塚市に生まれる。甲南大学心理学部応用物理学学科卒業。出版社、映像製作会社を経て、1993年、フリーランスのPR映画ディレクターに。2002年、本作品で第三回小松左京賞を受賞。現在宝塚市在住。

<主な登場人物紹介>

  • 綿貫基一 :大学4年。卒業も就職も危ない主人公だが、穂積さんを追って素粒子物理研究室(鳩村ゼミ)を選択する。著名で厳しい鳩村教授から大学不登校の天才児、穂瑞沙羅華をゼミに参加させる事を条件に、鳩村ゼミに参加する事になる。
  • 穂瑞沙羅華:遺伝子操作で生まれた天才少女。16歳ながら綿貫のK大学部に飛び入学したアイドル的存在だったが・・・。「むげん」の「クロストロン方式」を9歳の時に発案した。行き詰っていた現代物理で、それを利用してむげんを積極的に推進したのが、K大学を含む鳩村教授グループだった  
  • 鳩村教授 :女性の物理学者と言う事でも有名であり、TVの科学番組やニュースショー等でのコメンテータとしても出演している著名教授。学生の評判も高く、穂瑞の理論を採用し、巨大加速炉「むげん」建設の実質責任者・プレゼンターとなっていた。
  • 森屋助教授:異例の若さで国立大学の時代に助教授として引き抜かれ、ここの大学の理事長の娘との婚約しているとの話らしいが、教授昇進に鳩村教授が反対しているらしく、二人は不仲とも噂されていた。
  • 相理助手 :ハンサムで切れる鳩村ゼミの助手。穂瑞も過去曰く有りで好きだったようだが、綿貫が好きな穂積もこの助手を好きな様な振る舞い(巨大加速器むげんの中で、夜中に二人でキスし合っていた)・・・。最後は何事も無かったようになるが、女の方が不思議な感じがする・・・。
  • 穂積蛍  :綿貫が思いを寄せるが、彼女は全く意に介せず上記の様に、勝手気ままに行動する。 
  • 橋爪老人 :K大学の聴講生のご老人。綿貫に「宇宙はどうしてできたのか?」と言う質問をする。答えられない綿貫は穂瑞の所につれて行くが、穂積も答えられない。宇宙は無から出来たというがそれは本当なのか?ボケていく年齢の中で、この謎をボケる前に知りたいと言う老人の意思は強く・・・。 
  • その他綿貫と穂積の友人:紹介は割愛

<超概要>

綿貫と穂瑞は橋爪老人の素朴な疑問から、「宇宙を創生する」と言うシュミレーションが可能であるとの結論を出し、ゼミで一緒の反対派の意見の仲間と勝負する事、要はディベートの論理的展開で勝つ事が主目的であり、実現出来るかどうかは別問題であったが・・・。

一方で、国の税金を沢山投資して、巨大加速機むげんを立ち上げたが、実験開始する計画が遅れ、苦境に立たされている鳩村教授と穂瑞は、そのむげんの対応もしながら、瑞穂はこの宇宙創成のシュミレーションに没頭する。

結果、穂瑞はむげんのシステムを乗っ取り、宇宙創成のシュミレーションを何回も実行するが、結局最後は宇宙がなくなる結果となってしまう。この最後のシュミレーション決行の過程で、穂瑞のむげんの破壊で大惨事になる計画が失敗するが、その失敗した原因を利用する事で、新たにむげんの計画が成功へと向かい始める。

しかし、この計画で穂瑞は、濁流に飛び込み行方が分からなくなる。実の父親つまり精子提供の森屋助教授の必死の、川へ飛び込み、森屋助教授も・・・。奇跡的に助かるが。

人工授精で生まれた穂瑞と、実の父親(つまり森屋助教授)は、お互いがその関係を実際は知っており、穂瑞幸せの為に、穂瑞の母親と、森屋助教授は、K大学の理事長の娘との婚約の話を断わり、結婚する。両親となって本来の年齢となる高校に転入した穂積。綿貫は、偶然父親を知る地元の出版社に就職が決まり、4年間の下宿を後にする。

橋爪老人の疑問への答え、「宇宙は無からどうして創設されたのか?その結果は?」は、穂瑞が既にシミュレーションの何回もの結果で出ていたが、穂瑞が公表しないなら、綿貫も公表する事はないと思った。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿