今、自衛隊の在り方を問う!

急ピッチで進行する南西シフト態勢、巡航ミサイルなどの導入、際限なく拡大する軍事費、そして、隊内で吹き荒れるパワハラ……

ジャーナリスト・望月衣塑子さんへの苦言と提案ー先島・南西諸島への自衛隊配備を巡って

2018年10月10日 | 主張
 望月衣塑子さんは、日本ではもはや、数少なくなったマスメディア系の本物のジャーナリストのひとりだ。菅官房長官への鋭い追及をはじめ、政府・自衛隊の拡大する武器輸出などにも、鋭く批判をされている。

 本物のジャーナリストであると思うからこそ、下記のような不注意な、事実に即していない発言は、残念でならない。東京新聞が、すでに自衛隊批判タブーに陥っているとしても、望月さんだけは、ジャーナリストとしての矜持を維持してほしいのだ。
#自衛隊 #南西シフト #沖縄 #宮古島 #石垣島 #奄美大島

「今起こっている事態——宮古島などの南西諸島に自衛隊のミサイル部隊の配備がすすんでいること」「南西諸島では、移動式ミサイルの配備が始まっています」

 これは、シネ・フロント401号(9月10日発行)に掲載された「望月衣塑子さん、『沖縄スパイ戦史』を語る」という、三上監督との対談の一部である。おそらく、この記事は、『沖縄スパイ戦史』を観た人々の中の、数千人は読まれるであろう。

 この望月さんの「南西諸島に自衛隊のミサイル部隊の配備がすすんでいる」「南西諸島では、移動式ミサイルの配備が始まっています」という記述を、読者はどう受け取るだろうか?

 自衛隊の先島―南西諸島での自衛隊配備の現段階の実態を全く知らない人々は、「すでに、ミサイル部隊の配備が進んでいるのか、もはや、反対するすべはないのか」「メディアが報じない『秘密のミサイル基地がすでに造られているのか』等々と、受け取るだろう!

 率直に言って、昔の言葉で言うと「敗北主義を吹聴」していることになる。本人の主観的意図とは裏腹に。

 実際、先島―南西諸島で、この自衛隊ミサイル部隊の配備を、〝必死に食い止めている〟住民たちの立場に立ってみてほしい。基地建設は一部で〝進んでいる〟が、ミサイル部隊の配備は、必死になって阻んでいるのだ。事実を観てみよう。


*石垣島では、自衛隊ミサイル部隊などの配備は、大幅に遅れているだけでなく、配備予定地に〝一鍬〟も入れさせていない。自衛隊は2018年度内の「工事着工」を目指しているが、住民の激しいたたかいがそれを阻んでいる。写真は石垣島の配備予定地、未だ建設工事のめども立っていない。



*宮古島では、千代田地区に自衛隊基地建設の「造成工事が終わり、建物が造られつつある」が、同島・保良地区に造られる予定のミサイル部隊の弾薬庫は、工事着工が食い止められ、「警備部隊の配備は2018年末、ミサイル部隊の配備は2019年末」と、防衛省は計画を大きくずらしている。住民の必死の抵抗が、防衛省の計画を遅らせているのだ(同島の大福牧場地域へのミサイル部隊などの配備は、建設中止に追い込んだ。写真は千代田地区の基地建設現場)



*奄美大島では、ミサイル部隊などの造成工事・基地建物建設が進み、2018年度末の配備が予定されているが、未だに〝ミサイル部隊の配備〟は行われていない。写真は奄美市大熊地区の基地建設現場、この他に瀬戸内町に対艦ミサイル部隊などの基地建設が進行中。



*種子島ー馬毛島では、住民のたたかいで、未だに馬毛島(種子島)の基地化のメドさえたっていない!



 結論は、与那国島・石垣島・宮古島・奄美大島・種子島ー馬毛島への自衛隊の新配備、沖縄本島・九州佐世保への増強、つまり、自衛隊の南西シフト態勢とのたたかいは、今本格的に始まったばかりであり、自衛隊の基地化ー要塞化阻止の運動は、これからが正念場だ。確かに、先島―南西諸島の住民たちのたたかいは、とても厳しい状況におかれている。しかし、その原因は、「本土」の側のマスメディア(報道規制)や反戦平和運動の無関心・無知にある。

 だからこそ、望月さんに提案したい。至急、ぜひとも、この先島―南西諸島の自衛隊配備の現状・実態を見てほしい。住民らの抵抗をみてほしい。本物のジャーナリストであるあなたなら、この現状に痛みを覚え、〝一個人〟としてでも報じるはずだ。


望月衣塑子さん、『沖縄スパイ戦史』を語る

三上智恵監督との対談より。
シネ・フロント401号(9月10日発行)に掲載

<望月衣塑子>

まだ幼さの残る10代そこそこの少年兵たちで構成された「護郷隊」に注目して、マラリア有病地帯への強制移住、最終的には「こいつがスパイではないか」と身内同士が密告したり、それを敗残兵によって処刑されたりという、私がこれまで教科書では知りえなかった沖縄の史実を、今回の作品でも突きつけられ、言葉がありませんでした。

丹念に生きている人々を手繰り取材を重ね、膨大な史料を見つけだし、読み解き、沖縄の歴史を追っています。私も含め事実を知らない人があまりにも多いと思います。とにかく、まず見てほしいですね。

沖縄戦とはどういうものだったのか、この映画を通して知ると、今起こっている事態——宮古島などの南西諸島に自衛隊のミサイル部隊の配備がすすんでいるということは、どういう結果をもたらすのかが想像できます。

南西諸島では、移動式ミサイルの配備が始まっています。沖縄にあれだけのミサイルを配備しようとする流れが何故あるのか。人々は島民の4人に1人が亡くなったと言われる沖縄戦の悲惨な歴史を忘れてしまったのでしょうか。
映画を見ながら、私はかつての沖縄戦を現在の政治が再現しようとしているように思えてなりませんでした。




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