今、自衛隊の在り方を問う!

急ピッチで進行する南西シフト態勢、巡航ミサイルなどの導入、際限なく拡大する軍事費、そして、隊内で吹き荒れるパワハラ……

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自衛隊の中東派兵は、ジブチ基地を維持するためのリストラ対策だ!――自衛隊版「ジブチ慰安所」をいつまで維持するのか?

2020年01月26日 | 軍事・自衛隊
「戦力回復日」という特別休暇で利用される「自衛隊の慰安所」


 自衛隊の初めての海外駐留基地である、ジブチ基地が開設されてからおよそ10年。――この日本から遠く離れた自衛隊ジブチ基地の実態が、メディアなどで報道されることはほとんどない。
 陸海の自衛隊員約400人が駐留するこの基地は、ジブチ国際空港の北西地区にあり、同空港地区には、米仏軍の基地も置かれている。
 この駐留軍の位置する場所から、北へ10数キロ行ったジブチ市内の最大のリゾート地には、ジブチでもっとも高級と言われるドイツ系の「パレス・ケンピンスキー」というホテルがある。一泊4万~20万円というこのホテルには、プライベートビーチが2つあるほか、カジノまで据えつけられている。

 この超高級ホテルこそ、関係者にはよく知られている、自衛隊員の「慰安所」である。言うまでもなく、ここでは、買売春が公然と行われており、派兵部隊の幹部連ばかりだけでなく、一般隊員も利用する「慰安所」だ(事情通の証言)。
 隊員たちには、月に一度「特別休暇」が与えられ、このホテルを利用する日を、駐留部隊の隊員の間では「戦力回復日」と呼んでいる。


 問題は、この自衛隊版「慰安所」が、10年もの間、防衛省・自衛隊内で何ら問題にされることなく「運営」されていることだ。この背景にあるのは、隊員の間で昔から知られている、海外演習部隊の「慰安所」の公認である。
 知られているように、例えば陸空のミサイル部隊は、毎年交代でアメリカ本土でのミサイル実弾演習に出かける。国内では射程の長いミサイル演習場がないからだが、このアメリカの演習で隊内で上司から密かにいわれるのが、「病気をうつされないようにスキンを持って行け!」ということだ(例えば『逃げたい やめたい自衛隊』根津進司著・社会批評社刊「海外演習にはスキン必携」)。

 もちろん、これらの事実は、旧日本軍の「軍隊慰安所」の隠蔽と同様、自衛隊内でも隠されている。しかし、関係する隊員らが海外演習の実態を全て周知のように、このジブチ基地の「慰安所」問題も、世間に知られていくことは時間の問題である。
 大事なのは、旧日本軍と同じで、自衛隊が海外出動していくときに、この「慰安所」を必ず「設置」しようとすることだ。これは旧日本軍とまったく同様、自衛隊首脳は「病気対策」で行おうとしているようだが、問題はこのような旧日本軍体質の根本的な改革ではないのか。旧日本軍の性暴力問題を検証するどころか、隠蔽してきた政府・自衛隊の根本的体質がここには現れているというべきである。


 リストラ対策に他ならない自衛隊の中東派兵

 さて、この自衛隊のジブチ基地を拠点に、今年早々、海自を軸に航空・艦艇部隊が、中東ペルシャ湾周辺へ派兵されようとしている。
 ところが、メディアで語られているのは、この派兵が「調査・研究」という名の脱法行為だ、という批判だけである。もちろん、この防衛省・自衛隊のトンデモナイ「脱法行為」を許容するわけにはいかない。
 だが問題は、これら自衛隊の中東派兵が、もはや、何の意義もなくなった自衛隊ジブチ基地を維持する、「リストラ対策」であることがまったく隠されていることだ。

 別表を見てほしい。2009年の海賊対処法成立以来、自衛隊が行ってきた「海賊対処行動」は、今やほとんどなくなったに等しい。2011年に237件行われたそれは、2015年にゼロ件になり、2019年もゼロ件を記録している(アデン湾、ソマリア沖も同様に圧倒的減少)。

(2019年3月「ソマリア沖・アデン湾における海賊対処に関する関係省庁連絡会」)

 つまり、もはや、自衛隊がジブチ基地を維持する必要性が、全くなくなったということだ。

 この存在価値を完全に喪失したジブチ基地を維持するために、まさしく「リストラ対策」として、新たなジブチ基地を拠点とした中東派兵が決定された、ということである(筆者は、例えば、東京新聞・半田滋氏の「自衛隊の南西シフトは陸自のリストラ対策」という主張に真っ向から反論している。というのは、この論は、日米の対中抑止戦略下の、先島―南西諸島への自衛隊配備という大軍拡競争を徹底的に軽視し、この南西シフト態勢を許容している論に他ならないからだ)。

 言い換えると、自衛隊の中東派兵は、「アメリカの要請」という形式をとりながら、あくまで政府・自衛隊が、初めての海外駐留基地であるジブチ基地を固持するための詭弁であると言わねばならない。もちろん、この自衛隊の中東派兵が、「世界の火薬庫」になりつつある中東危機に軍事的に介入する危険な行動であることを批判しなければならない。


 安倍政権のインド太平洋戦略―砲艦外交・軍事外交政策を阻もう!

 もともと、戦後日本初の海外駐留基地であるジブチ基地は、海賊対策に名を借りた、日本の軍事外交政策の一環であった。海賊対策も、「シーレーン防衛論」も、インド太平洋戦略の口実に他ならない。
 今や、日本はアメリカとともに、インド太平洋戦略下で、アジア太平洋ばかりでなく、インド洋まで自衛隊に遊弋させている。この間のインド軍との共同演習もこの一環だ。そして、自衛隊は、オーストラリアを始めとして、インド、フランス、イギリス軍などとの、アジア太平洋ーインド洋にわたる共同演習を頻繁に繰り返している(日米ACSAに加え、ここ数年に日豪・日英・日仏・日加ACSAを締結)。

 始まっている事態は、日米の対中抑止戦略下の南西シフト態勢を突破口に、日米、とりわけ自衛隊が、東シナ海から南シナ海、そしてインド洋にまで軍事行動を広げている、軍事外交政策(砲艦外交)をとっているということだ。この日本の軍事外交政策は、繰り返すが、対中戦略を突破口に、グローバルな戦略として広がっているのである。

 自衛隊の中東派兵を阻止し、ジブチ基地を撤去せよ!

 この自衛隊のジブチ基地の設置が、初めから重大な問題を孕んでいることは、筆者もたびたび指摘してきた。この問題とは、日本政府が、ジブチ共和国との間で結んでいる地位協定が、日米地位協定よりも遥かに酷い差別的協定、植民地協定だということだ。
 知られているように、日米地位協定が、米兵の公務中の犯罪ー刑事裁判権を排除している(日本の)ことなどが、沖縄を始めとして頻繁に問題になっている。ところが、日本ージブチ地位協定では、公務中も非公務中も、全ての刑事・民事裁判権がジブチ政府は排除され、日本の一方的な司法権が行使されることになっている。つまり、自衛隊員がジブチ基地内外で、人を殺傷しようがジブチ政府には何らの裁判権もない、ということだ。
 まさしく、自衛隊は、ジブチで「治外法権」を行使していると言うべきである!
 「ジブチ共和国における日本国の自衛隊等の地位に関する日本国政府とジブチ共和国政府との間の交換公文について」
  https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/pirate/djibouti.html

 自衛隊の南西シフト態勢を突破口とする、海外派兵―軍事外交を阻もう!
 
 この自衛隊の中東派兵は、繰り返すが、自衛隊の東シナ海・南シナ海への行動の拡大の中で生じている事態である。自衛隊は、日米の対中抑止戦略―インド太平洋戦略下で、今や、アジア太平洋からインド洋にまで軍拡を広げようとしているのだ。この東シナ海を軸としたアジア太平洋での軍拡・覇権闘争という水路を抜きに、問題を見誤ってはならない。そうでない限り「本当の危機」を見失ってしまうのである。


*石垣島・宮古島のミサイル基地化、種子島ー馬毛島の要塞化!――今ならまだ、止められる、まだ、まにあう!全国から支援・連帯の声を届けよう!
 「先島―南西諸島の非武装化を求める共同声明」への賛同のお願い
(第2次〆切り、2020/1/31)
 https://ssl.form-mailer.jp/fms/d7c1aaf7649395?fbclid=IwAR0r3UjJAlGVNiuJEyjs52DfqMshYk-8IUHRnAkIiaiKQSYP6WYzJQ1-W2g

*ジブチ・メモ
ジブチ共和国の人口は、約90万人。同国の失業率は、約60%(2014年)。一人あたりのGNIは2180ドル。

*ジブチ基地の自衛官 
水上部隊は、3カ月交替。航空部隊は4カ月交替。派兵隊員は1日2千円の「特殊勤務手当」のほか、護衛艦乗組員は俸給の33%の乗務手当のほか、航海手当等が加算される。航空機乗員は1日7700円の航空機手当等が加算される。 
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自衛官の自殺ー政府答弁

2020年01月12日 | 自衛隊南西シフト
答弁本文情報

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平成二十七年六月五日受領
答弁第二四六号

  内閣衆質一八九第二四六号
  平成二十七年六月五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員阿部知子君提出自衛隊員の自殺、殉職等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



衆議院議員阿部知子君提出自衛隊員の自殺、殉職等に関する質問に対する答弁書



一について
 平成十五年度から平成二十六年度までの各年度における自衛隊員の自殺者数について、①陸上自衛官、②海上自衛官、③航空自衛官及び④事務官等(防衛省の事務次官、防衛審議官、書記官、部員、事務官、技官及び教官をいう。以下同じ。)の別にお示しすると、次のとおりである。
 平成十五年度 ①四十八人 ②十七人 ③十人 ④六人
 平成十六年度 ①六十四人 ②十六人 ③十四人 ④六人
 平成十七年度 ①六十四人 ②十五人 ③十四人 ④八人
 平成十八年度 ①六十五人 ②十九人 ③九人 ④八人
 平成十九年度 ①四十八人 ②二十三人 ③十二人 ④六人
 平成二十年度 ①五十一人 ②十六人 ③九人 ④七人
 平成二十一年度 ①五十三人 ②十五人 ③十二人 ④六人
 平成二十二年度 ①五十五人 ②十人 ③十二人 ④六人
 平成二十三年度 ①四十九人 ②十四人 ③十五人 ④八人
 平成二十四年度 ①五十二人 ②七人 ③二十人 ④四人
 平成二十五年度 ①四十七人 ②十六人 ③十三人 ④六人
 平成二十六年度 ①四十三人 ②十二人 ③十一人 ④三人
 平成十五年度から平成二十六年度までの各年度における自衛隊員の自殺者数について、①十八歳及び十九歳、②二十歳から二十四歳まで、③二十五歳から二十九歳まで、④三十歳から三十四歳まで、⑤三十五歳から三十九歳まで、⑥四十歳から四十四歳まで、⑦四十五歳から四十九歳まで、⑧五十歳から五十四歳まで、⑨五十五歳から五十九歳まで並びに⑩六十歳から六十四歳までの年齢階層の別にお示しすると、次のとおりである。
 平成十五年度 ①三人 ②八人 ③十三人 ④六人 ⑤十二人 ⑥十人 ⑦十四人 ⑧十四人 ⑨一人 ⑩零人
 平成十六年度 ①零人 ②九人 ③十九人 ④十三人 ⑤十六人 ⑥十四人 ⑦十五人 ⑧十人 ⑨四人 ⑩零人
 平成十七年度 ①二人 ②十三人 ③十五人 ④十五人 ⑤十三人 ⑥十一人 ⑦十九人 ⑧十二人 ⑨一人 ⑩零人
 平成十八年度 ①二人 ②八人 ③十二人 ④十四人 ⑤九人 ⑥二十五人 ⑦十七人 ⑧十二人 ⑨二人 ⑩零人
 平成十九年度 ①四人 ②十二人 ③十二人 ④十人 ⑤十四人 ⑥十五人 ⑦十三人 ⑧八人 ⑨一人 ⑩零人
 平成二十年度 ①一人 ②十二人 ③三人 ④十一人 ⑤十六人 ⑥十二人 ⑦十八人 ⑧九人 ⑨一人 ⑩零人
 平成二十一年度 ①一人 ②十一人 ③十二人 ④三人 ⑤十三人 ⑥十七人 ⑦十八人 ⑧十一人 ⑨零人 ⑩零人
 平成二十二年度 ①一人 ②九人 ③十人 ④八人 ⑤十七人 ⑥十四人 ⑦十二人 ⑧十一人 ⑨一人 ⑩零人
 平成二十三年度 ①零人 ②十二人 ③十六人 ④八人 ⑤十四人 ⑥十二人 ⑦十三人 ⑧十一人 ⑨零人 ⑩零人
 平成二十四年度 ①二人 ②十二人 ③十二人 ④十人 ⑤十五人 ⑥十人 ⑦十一人 ⑧十一人 ⑨零人 ⑩零人
 平成二十五年度 ①二人 ②十二人 ③十二人 ④十人 ⑤十一人 ⑥十八人 ⑦十人 ⑧六人 ⑨一人 ⑩零人
 平成二十六年度 ①一人 ②六人 ③十二人 ④十人 ⑤八人 ⑥八人 ⑦十人 ⑧十三人 ⑨零人 ⑩一人
 平成十五年度から平成二十六年度までの各年度における自衛隊員の自殺者数について、①陸将、海将、空将、陸将補、海将補又は空将補の階級にあった自衛官、②一等陸佐、一等海佐、一等空佐、二等陸佐、二等海佐、二等空佐、三等陸佐、三等海佐又は三等空佐の階級にあった自衛官、③一等陸尉、一等海尉、一等空尉、二等陸尉、二等海尉、二等空尉、三等陸尉、三等海尉又は三等空尉の階級にあった自衛官、④准陸尉、准海尉、准空尉、陸曹長、海曹長、空曹長、一等陸曹、一等海曹、一等空曹、二等陸曹、二等海曹、二等空曹、三等陸曹、三等海曹又は三等空曹の階級にあった自衛官及び⑤陸士長、海士長、空士長、一等陸士、一等海士、一等空士、二等陸士、二等海士又は二等空士の階級にあった自衛官の階級の別並びに⑥事務官等の別にお示しすると、次のとおりである。
 平成十五年度 ①零人 ②三人 ③六人 ④五十四人 ⑤十二人 ⑥六人
 平成十六年度 ①零人 ②三人 ③十一人 ④六十九人 ⑤十一人 ⑥六人
 平成十七年度 ①零人 ②七人 ③八人 ④六十五人 ⑤十三人 ⑥八人
 平成十八年度 ①零人 ②八人 ③六人 ④六十五人 ⑤十四人 ⑥八人
 平成十九年度 ①零人 ②一人 ③十三人 ④五十一人 ⑤十八人 ⑥六人
 平成二十年度 ①零人 ②三人 ③七人 ④五十四人 ⑤十二人 ⑥七人
 平成二十一年度 ①零人 ②四人 ③九人 ④五十四人 ⑤十三人 ⑥六人
 平成二十二年度 ①零人 ②五人 ③十四人 ④四十五人 ⑤十三人 ⑥六人
 平成二十三年度 ①零人 ②八人 ③十三人 ④四十一人 ⑤十六人 ⑥八人
 平成二十四年度 ①零人 ②一人 ③十人 ④四十九人 ⑤十九人 ⑥四人
 平成二十五年度 ①零人 ②四人 ③十三人 ④四十五人 ⑤十四人 ⑥六人
 平成二十六年度 ①一人 ②九人 ③八人 ④三十八人 ⑤十人 ⑥三人
 平成十五年度から平成二十六年度までの各年度における自衛隊員の自殺者数について、①病苦、②借財、③家庭、④職務、⑤精神疾患等、⑥その他及び⑦不明の自殺の原因の別にお示しすると、次のとおりである。
 平成十五年度 ①六人 ②十九人 ③四人 ④六人 ⑤十七人 ⑥六人 ⑦二十三人
 平成十六年度 ①三人 ②二十四人 ③十一人 ④十人 ⑤二十六人 ⑥七人 ⑦十九人
 平成十七年度 ①四人 ②十七人 ③十四人 ④九人 ⑤三十二人 ⑥三人 ⑦二十二人
 平成十八年度 ①零人 ②二十三人 ③十一人 ④四人 ⑤二十六人 ⑥十四人 ⑦二十三人
 平成十九年度 ①一人 ②十九人 ③九人 ④十二人 ⑤二十七人 ⑥八人 ⑦十三人
 平成二十年度 ①二人 ②十五人 ③六人 ④二十二人 ⑤二十五人 ⑥四人 ⑦九人
 平成二十一年度 ①零人 ②十六人 ③十二人 ④十八人 ⑤十六人 ⑥十三人 ⑦十一人
 平成二十二年度 ①九人 ②六人 ③十二人 ④九人 ⑤十四人 ⑥八人 ⑦二十五人
 平成二十三年度 ①二人 ②三人 ③十七人 ④十七人 ⑤十六人 ⑥十二人 ⑦十九人
 平成二十四年度 ①四人 ②八人 ③十四人 ④五人 ⑤三十二人 ⑥八人 ⑦十二人
 平成二十五年度 ①一人 ②五人 ③五人 ④八人 ⑤三十六人 ⑥七人 ⑦二十人
 平成二十六年度 ①零人 ②四人 ③三人 ④三人 ⑤二十二人 ⑥五人 ⑦三十二人
 なお、お尋ねの「陸上自衛官、海上自衛官、航空自衛官及び事務官等の別」については、自殺の原因の別に、これを明らかにすることにより、個人が特定されるおそれがあり、関係者のプライバシー保護の観点から、答弁を差し控えたい。
 防衛省としては、一般に、自殺は、様々な要因が複合的に影響し合って発生するものであり、個々の原因について特定することが困難な場合も多いと考えているが、防衛省においては、自殺の原因について可能な限り特定できるよう努めているところであり、このような観点を含め自殺防止対策については、今後とも強力に推進してまいりたい。
二について
 平成十五年度から平成二十六年度までにおける自衛隊員の自殺者のうち、防衛省の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)第二十七条第一項において準用する国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の規定に基づく公務上の災害(以下「公務災害」という。)と認められた自衛隊員は、平成二十七年三月三十一日現在、陸上自衛官が七人、航空自衛官が三人及び事務官等が一人である。
 自殺は、自衛隊員の自損行為による災害のため原則として公務災害とは認められないが、公務の負荷により精神疾患を発症し、当該疾患が原因で自殺した場合は、公務に起因して死亡したものと認めている。
三について
 お尋ねの平成十五年度から平成二十六年度までの各年度における①陸上自衛官、②海上自衛官、③航空自衛官、④自衛官全体及び⑤一般職の国家公務員の自殺による死亡率を十万人当たりでお示しすると、次のとおりである。
 平成十五年度 ①三十二・五人 ②三十七・九人 ③二十一・八人 ④三十一・四人 ⑤十七・一人
 平成十六年度 ①四十三・一人 ②三十五・七人 ③三十・四人 ④三十九・三人 ⑤十九・〇人
 平成十七年度 ①四十二・九人 ②三十三・二人 ③三十・一人 ④三十八・六人 ⑤十七・七人
 平成十八年度 ①四十三・五人 ②四十二・一人 ③十九・四人 ④三十八・六人 ⑤二十三・一人
 平成十九年度 ①三十四・四人 ②五十一・四人 ③二十六・〇人 ④三十六・〇人 ⑤二十・三人
 平成二十年度 ①三十六・一人 ②三十七・二人 ③二十・三人 ④三十三・三人 ⑤二十一・七人
 平成二十一年度 ①三十七・三人 ②三十五・〇人 ③二十七・一人 ④三十四・九人 ⑤二十三・六人
 平成二十二年度 ①三十八・八人 ②二十三・五人 ③二十七・六人 ④三十三・八人 ⑤二十二・七人
 平成二十三年度 ①三十四・八人 ②三十二・六人 ③三十四・一人 ④三十四・二人 ⑤二十・七人
 平成二十四年度 ①三十七・六人 ②十六・四人 ③四十五・九人 ④三十五・二人 ⑤十五・九人
 平成二十五年度 ①三十三・七人 ②三十七・五人 ③二十九・八人 ④三十三・七人 ⑤二十一・五人
 平成二十六年度 ①三十・八人 ②二十七・九人 ③二十五・〇人 ④二十九・一人 ⑤現在調査中
 平成十五年から平成二十六年までの各年における日本国内の成人の自殺による死亡率を十万人当たりでお示しすると、平成十五年は三十二・六人、平成十六年は三十・五人、平成十七年は三十・六人、平成十八年は三十・一人、平成十九年は三十一・〇人、平成二十年は三十・一人、平成二十一年は三十・七人、平成二十二年は二十九・四人、平成二十三年は二十八・四人、平成二十四年は二十五・八人、平成二十五年は二十五・四人、平成二十六年は二十三・七人である。
 自衛官の自殺による死亡率は、おおむね一般職の国家公務員及び日本国内の成人の自殺による死亡率より高い数値であるが、防衛省としては、一般に、自殺は、様々な要因が複合的に影響し合って発生するものであることから、自殺による死亡率の差異の要因等について一概にお答えすることは困難である。
四について
 お尋ねの「部隊別」及び「部隊の別」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成十三年法律第百十三号。以下「テロ対策特措法」という。)に基づく活動に従事した自衛隊員数は、海上自衛隊員が延べ約一万九百人及び航空自衛隊員が延べ約二千九百人の合計延べ約一万三千八百人であり、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号。以下「イラク特措法」という。)に基づく活動に従事した自衛隊員数は、陸上自衛隊員が延べ約五千六百人、海上自衛隊員が延べ約三百三十人及び航空自衛隊員が延べ約三千六百三十人の合計延べ約九千五百六十人であり、テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法(平成二十年法律第一号。以下「補給支援特措法」という。)に基づく活動に従事した自衛隊員数は、海上自衛隊員が延べ約二千四百人である。
 テロ対策特措法に基づく活動に従事し、在職中に自殺した自衛隊員数は、海上自衛隊員が二十五人及び航空自衛隊員が零人であり、イラク特措法に基づく活動に従事し、在職中に自殺した自衛隊員数は、陸上自衛隊員が二十一人、海上自衛隊員が零人及び航空自衛隊員が八人であり、補給支援特措法に基づく活動に従事し、在職中に自殺した自衛隊員数は、海上自衛隊員が四人であり、この四人の中にはテロ対策特措法に基づく活動に従事し、在職中に自殺した海上自衛隊員二人が含まれている。
 テロ対策特措法に基づく活動に従事した自衛隊員、イラク特措法に基づく活動に従事した自衛隊員又は補給支援特措法に基づく活動に従事した自衛隊員のうち、在職中に自殺した者の数について、原因の別にお示しすると、病苦を原因とする者が零人、借財を原因とする者が六人、家庭を原因とする者が七人、職務を原因とする者が三人、精神疾患等を原因とする者が十四人、その他が五人及び不明が二十一人である。
 防衛省としては、一般に、自殺は、様々な要因が複合的に影響し合って発生するものであり、個々の原因について特定することが困難な場合も多く、海外派遣との因果関係を特定することは困難な場合が多いと考えているが、防衛省においては、自殺の原因について可能な限り特定できるよう努めているところであり、このような観点を含め自殺防止対策については、今後とも強力に推進してまいりたい。
五について
 テロ対策特措法に基づく活動に従事した自衛隊員、イラク特措法に基づく活動に従事した自衛隊員又は補給支援特措法に基づく活動に従事した自衛隊員のうち、在職中に自殺した自衛隊員で公務災害と認められた自衛隊員数は、陸上自衛隊員が三人及び航空自衛隊員が一人である。
 自殺は、自衛隊員の自損行為による災害のため原則として公務災害とは認められないが、公務の負荷により精神疾患を発症し、当該疾患が原因で自殺した場合は、公務に起因して死亡したものと認めている。
六及び七について
 公務に起因して死亡した自衛隊員数は、平成二十七年三月三十一日現在で、陸上自衛隊員が千二十五人、海上自衛隊員が四百十六人、航空自衛隊員が四百九人及び内部部局等(防衛省に属する機関のうち、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊を除く。)に所属する自衛隊員が二十四人である。また、死亡の原因別でお示しすると、「車両事故」が三百五十三人、「航空機事故」が五百八十六人、「演習訓練」が三百九十四人、「艦船事故」が四十一人及び「その他」が五百人である。
 お尋ねの「自衛隊の任務及び訓練等の特性」と自衛隊員の公務に起因する死亡との関係については、自衛隊の任務及び訓練は多種多様であることから、一概にお答えすることは困難である。
 お尋ねの平成二十七年五月十四日の安倍内閣総理大臣の記者会見での発言については、自衛隊発足以来、多くの自衛隊員が任務中に公務に起因して亡くなられているとの事実を踏まえ、自衛隊員はこれまでも危険な任務に当たっているとの認識の下、行ったものである。
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