今、自衛隊の在り方を問う!

急ピッチで進行する南西シフト態勢、巡航ミサイルなどの導入、際限なく拡大する軍事費、そして、隊内で吹き荒れるパワハラ……

「台湾有事」キャンペーを糺す!

2022年01月03日 | 軍事・自衛隊


注 本論文は、21/12/8発行の拙著『ミサイル攻撃基地化する琉球列島―日米共同作戦下の南西シフト』の「序論」である。アジア太平洋地域の情勢が緊迫している中、これを公開したい。

序論 煽られる「台湾有事」論

サイル軍拡競争が始まった琉球列島
 2021年3月9日、米インド太平洋軍のデービッドソン司令官(当時)は、米上院軍事委員会で「今後6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性がある」と証言。これを契機に日本のメディアは、一斉に「台湾有事」キャンペーンを始めた。メディアだけではない。名だたる識者や軍事評論家らも、この喧伝に飛びつき、唱和している。

 だが、デービッドソンの上官、ミリー米統合参謀本部議長が、米上院歳出委員会で「中国には現時点で武力統一するという意図も動機もほとんどないし、理由もない」と証言(21年6月19日付朝日新聞)したのだが、ほとんどのメディアはこれを無視した。

 また、同年7月5日、麻生副総理(当時)が都内の会合で「台湾海峡は石油に限らず日本の多くの輸出入物資が通る」とし、「台湾有事」を念頭に「日本にとって存立危機事態に関係」(同日付沖縄タイムス)と発言すると、メディアは一斉にこれに呼応し、さらに「台湾有事」を鼓吹するという状況である。

 だが、この麻生発言は、完全なフェイクである。「台湾海峡は……日本の多くの輸出入物資が通る」と? 台湾海峡はどこだ! 中国大陸と台湾の間だ。この中国大陸に沿う海峡を通る、日本の船舶はほとんどない(「日本の海運SHIPPINGNOW2020―2021」日本船主協会作成)。

 日本の実際の「シーレーン」は、台湾とフィリピンの間のルソン海峡、バシー海峡だ。台湾海峡という「危険地帯」を通過する必要は全くない。
 こんな麻生のフェイクを真に受け「台湾有事が切迫」と、危機アジりに唱和してはならない。現在、いかなる危機が生じているのか? この実態は、正確に見据えねばならない。

進行する琉球列島のミサイル基地化
 現在、急ピッチで進んでいるのは、九州から与那国島に至る、琉球列島=第1列島線に沿う、ミサイル部隊を軸とした大がかりな自衛隊の新配備計画だ。この事実をメディアは、ほとんど報じない。

 これらの琉球列島の基地建設の中で、いち早く自衛隊が配備されたのは、日本の最西端・与那国島だ。台湾まで約110キロという距離にある同島と台湾との間の海峡は、頻繁に中国の軍民艦船が行き来する。

 この与那国島の山頂に5基、異様な形で聳え、配備されているのが、陸自(陸上自衛隊、以下陸自・海自・空自という)沿岸監視隊160人の部隊だ(2016年3月配備)。沿岸監視レーダーは、与那国西水道を通過する中国軍艦を常時監視する。また、与那国駐屯地東側の一段と高い場所には、対空レーダーも設置。同島には、今後、空自移動警戒隊、陸自電子戦部隊も配備される予定だ(与那国と台湾間の海峡の公式名称はない。便宜的に筆者は「与那国西水道」とした)。


 与那国島の東に位置する石垣島には、陸自の対艦・対空ミサイル部隊、警備部隊(普通科部隊)計約600人が配備される予定だ。この石垣島では、宮古島、奄美大島よりも遥かに遅れて、2019年3月、基地造成工事が始まった。そして現在は、コロナ禍でもほとんど休止することなく、本格的なミサイル基地造成工事が続いている。


 しかし、石垣島でも、与那国島と同様、激しい基地建設への抵抗が起きている。基地建設の発表以来、予定地である平得大俣地区の農民らを中心にして、石垣市民の間にも根強く運動は広がっていく。平得大俣地区は、島への食糧を供給するもっとも豊かな農村地帯であり、戦後沖縄本島から移住してきた農民たちが、厳しい環境下で切り開いてきた開拓農地だ。しかもこの地帯は、沖縄においても最高峰を誇る於茂登岳から湧き出してきた豊かな水源地帯である。

 この地にミサイル基地を造るという自衛隊の横暴に、農村の青年たちが起ち上がった。この運動は、基地建設の是非を問う、住民投票を求める闘いへと発展する。この住民投票署名は、わずか1カ月の期間に石垣市有権者の4割を超える、1万4844筆の署名を達成。しかし、この状況に驚いた石垣市長らは、この「市条例に基づく住民投票実施」を拒否するという暴挙に出たのだ。これに対し、住民投票の実施を求めて石垣市を訴えた裁判が、今なお続いている。
(注 市長に住民投票実施を義務付ける「義務付け訴訟」は、1審、2審、最高裁とも却下されたが、2021年10月、市民たちは「石垣市平得大俣地域への陸自配備計画の賛否を問う住民投票において投票することができる地位にあることの確認請求」という新たな訴訟を提起。)

 石垣島とともに、今なおミサイル基地を阻む激しい運動が続いているのが宮古島だ。2019年3月、ここには陸自の警備部隊が配備。また地対艦・地対空ミサイル部隊も、1年遅れの2020年3月に配備された(約800人)。こうして宮古島には、ミサイル部隊が配備されたのだが、この部隊は未だ「ミサイルなし」(弾なし)の部隊(2021年11月10日現在)。同駐屯地には、対艦・対空ミサイル部隊の車両多数が配備されたが、これらの「ミサイル搭載車両」は、キャニスター(発射筒)だけを搭載したものだ。
 
 というのは、ミサイルを保管する弾薬庫は、21年4月に同島南東の保良地区にようやく一部開設したが、肝心のミサイル弾体が未だに搬入されていない(写真上、宮古島・保良ミサイル弾薬庫)。この理由は、保良の居住地区のすぐ側(200㍍)に造られているミサイル弾薬庫に抗し、住民たちは2年以上にわたって工事現場に座り込み、弾薬庫反対の行動を続けているからである。そして、4月から現在まで、この住民の行動に、沖縄の海運業界が共鳴し、今なおミサイル弾薬の輸送を拒んでいるのだ。もちろん、この保良を始め宮古島では、千代田地区の宮古駐屯地に対しても、反対の闘いが粘り強く続けられていることは付言しておかねばならない。


南西シフトの機動展開基地となる奄美大島・馬毛島
 奄美大島のミサイル基地開設は、宮古島と同じ2019年3月だ。奄美大島では、警備部隊と地対艦・地対空ミサイル部隊が、島の3カ所、計550人規模で配備された。さらに、今後、空自の移動警戒隊(大熊駐屯地内)・通信基地(湯湾岳)、陸自電子戦部隊が配備される予定だ。

 奄美大島で驚くのは、これらの基地の規模である。奄美駐屯地(大熊地区)の敷地面積は、約51㌶、瀬戸内分屯地(瀬戸内町)は、約48㌶(石垣基地の約2倍・宮古基地の約2・5倍)。瀬戸内分屯地には、巨大弾薬庫(約31㌶)が今なお建設中だ。山中にトンネル5本を掘るミサイル弾薬庫は、それぞれが約250㍍の長さの地中式弾薬庫である。弾薬庫は、現在2本目が完成しているが、情報公開文書によると全ての完成は2024年だ。

 この奄美大島のミサイル弾薬庫には、作戦運用上の目的もある。奄美大島―馬毛島は、先島諸島有事への、兵站・機動展開・訓練拠点として位置付けられている。つまり、この瀬戸内弾薬庫は、南西諸島有事へのミサイル弾薬の兵站(補給)拠点である。問題は、これら奄美大島の基地建設について、本土のメディアが全く報道しないことだ

 種子島―馬毛島の基地化が、自衛隊の南西シフトの一環であることは、以前から防衛省サイトでは公開されている(「国を守る」)。
 このサイトでは「他の地域から南西地域への展開訓練施設、大規模災害・島嶼部攻撃等に際しては、人員・装備の集結・展開拠点として活用、島嶼部への上陸・対処訓練施設」などを明記。

 馬毛島基地(仮)について、ようやく用地買収のメドがたった2019年12月、防衛副大臣が種子島を訪れ「自衛隊馬毛島基地」(陸海空の統合基地)建設を市に要請。つまり、馬毛島は、自衛隊の南西シフトの兵站・機動展開・訓練拠点として公に位置付けられたのである。

 これは、以前から筆者請求の情報公開文書でも裏付けられている。2012年、防衛省文書「奄美大島等の薩南諸島の防衛上の意義について」は、「南西地域における事態生起時、後方支援物資の南西地域への輸送所要は莫大になることが予想→薩南諸島は自衛隊運用上の重大な後方支援拠点」、また情報公開文書「自衛隊施設所要」(2012年統幕計画班)でも「統合運用上の馬毛島の価値」として、「南西諸島防衛の後方拠点(中継基地)」であること、「島嶼部侵攻対処を想定した訓練施設」であると明記。こうして、2本以上の滑走路建設予定の馬毛島は、自衛隊史上最大の航空基地、そして軍港(後述)として、まさに「要塞島」が造られるのだ。


沖縄本島の増強とミサイル要塞と化す琉球列島
 以上の先島などと同時進行しているのが、沖縄本島での全自衛隊の大増強だ。すでに2010年、那覇の陸自第15混成団は旅団へ昇格、空自も2017年、南西航空混成団から南西航空方面隊に昇格。那覇基地のF15戦闘機は、2倍の40機へ増強された。

 そして、沖縄本島の全自衛隊は、2020年には、約9000人に増大(2010年約6300人)、陸自・沖縄部隊は、最大勢力の約5100人に増強された。
 問題は、この中で沖縄本島へ地対艦ミサイル部隊の配備が決定されたことだ。新中期防衛力整備計画(2018年~)では、宮古島・石垣島を含む3個中隊の追加配備が決定されたが、このミサイル1個中隊の陸自・勝連分屯基地への2023年度の配備が通告された(21年8月21日)。しかし、勝連への配備は、ミサイル中隊だけではなく、石垣島・宮古島、奄美大島の地対艦ミサイル部隊を隷下におく、地対艦ミサイル連隊本部の配備(約180人)と発表されている。この配備で琉球列島では、地対艦ミサイル1個連隊「4個中隊」が編成・完結される。



  2023年、地対艦ミサイル配備予定の陸自・勝連分屯基地
 海自(空自)でも、「いずも」型護衛艦の空母への改修工事が完了しつつあり、すでに海自・空母と米強襲揚陸艦との共同運用が行われ始めている。
 その他、南西シフト下で「島嶼奪回」部隊として、華々しく喧伝されているのが、佐世保市で編成された水陸機動団だ。これは現在、2個水陸機動連隊が編成され、新たに1個連隊が増強予定だ。この他、南西シフト下では、九州の空自増強と日米共同基地化が進行、新田原基地では、2021年7月、F35B配備・基地化が通告された。

 以上の宮古・奄美・沖縄本島などへの地対艦・地対空ミサイル配備を皮切りに急ピッチで進んでいるのが、さらなる琉球列島全体のミサイル要塞化計画だ。
 2018年防衛大綱では、「島嶼防衛用高速滑空弾部隊・2個高速滑空弾大隊」の新設が発表された。高速滑空弾とは、現在、日米中露が激しい開発競争をしている新型のミサイルであり、迎撃不可能であるといわれる。チョークポイント・宮古海峡封鎖のための配備が推定される。

 自衛隊は、この他、中国大陸まで射程に収める12式地対艦ミサイルの約900キロの射程延伸を計画し、自衛隊初のトマホーク型巡航ミサイルの開発などを含む、凄まじいミサイル戦争態勢づくりを推し進めている。

 そして、2019年8月2日、トランプ政権は、中距離核戦力(INF)全廃条約からの脱退を決定したが、この目的は米軍の琉球列島を中心としたミサイル軍拡を押し進めるためである。条約脱退発表の直後に米軍は、沖縄―九州などへの中距離弾道ミサイルの配備(非核戦力)を発表したのである。一部の御用評論家などは、米中の中距離ミサイルの戦力比が「米ゼロ対中国1250発」とフェイクを流し、中国の多数の中距離ミサイルに対抗するには、米軍の中距離ミサイルの日本配備が必要だと吹聴している。

 しかし、米軍は、SLCM(潜水艦発射巡行ミサイル)を始め、すでに艦艇などに多数のトマホークなどの中距離ミサイルを配備している。SLCMは、1隻に154発のトマホークを装備している(搭載潜水艦4隻保有)。明らかに、米軍が目論むのは、地上発射のトマホークや中距離弾道ミサイルの日本配備によって、ミサイル軍拡競争において中国に対し圧倒的優位に立つということだ。

 さらに、急ピッチで進みつつある米海兵隊・陸軍の「第1列島線シフト」でも、地対艦・空ミサイル部隊の配備計画が明らかになっている。つまり、日米の双方による、琉球列島への凄まじいミサイル配備計画が押し進められており、対中国の激しいミサイル軍拡競争が、すでに始まっているということだ。

対中国の日米共同作戦
 自衛隊の南西シフトの初めての策定は、2010年の新防衛大綱だ。この南西シフトは、米軍のエアーシーバトル(2010年QDR)のもとで決定された。この具体的な運用計画が示されたのが「沖縄本島における恒常的な共同使用に係わる新たな陸上部隊の配置」(2012年統合幕僚監部)という文書である。

 この文書では、驚いたことに在沖米軍基地―嘉手納・伊江島航空基地等を含む在沖全米軍基地の、自衛隊との共同使用、さらにこの後編成予定の陸自1個連隊のキャンプ・ハンセンへの配備も記されている。つまり、このハンセン配備予定の水陸機動団が、辺野古新基地をも使用し、日米共同基地にするということだ(21年1月28日付沖縄タイムスは、これを裏付ける辺野古新基地の水陸機動団との共同使用密約を報道)。

 こうしてみると、自衛隊の南西シフトは、初めからエアーシーバトル下の日米共同作戦として決定されたといえる。
 この作戦の特徴は、在沖・在日米軍は中国軍のミサイルの飽和攻撃を逃れ、あらかじめ空母機動部隊のグアム以遠への一時的撤退を予定していたことだ。そして、中国軍のミサイル飽和攻撃が終了した後、米空母機動部隊などは、第1列島線に参上し参戦する。


 すなわち米軍は、対中戦略では自衛隊の南西シフトに依拠する。つまり、第1列島線沿いに配備された、自衛隊の対艦・対空ミサイル部隊が、初期の対中戦闘の主力となる。米軍の初期構想では、これら琉球列島に配置されたミサイル部隊の任務は、中国軍を東シナ海に封じ込め、「琉球列島を万里の長城、天然の要塞」にするとしている。これはまた、中国の軍民艦船を東シナ海へ封鎖する態勢であり、中国の海外貿易を遮断する態勢づくりだ。

 だが、このエアーシーバトルという戦略は、一時的であれ、米海軍の西太平洋の制海権を放棄する態勢である。これは米海軍においては「制海権放棄」という第2次大戦後の初めての事態となる。

 こうして、これを全面的に修正する戦略が、「海洋プレッシャー戦略」として米軍に対して提言された(戦略予算評価センター[CABA]、2019年5月)。「海洋プレッシャー戦略」とは、端的にいうと、中国の初期ミサイル飽和攻撃に対処する「撤退戦略」を修正し、「対中・前方縦深防衛ライン」を構築し、戦争の初期から西太平洋の制海権を確保する戦略だ。


 作戦の中心は、第1列島線沿いに分散配置された対艦巡航ミサイル、対空ミサイルなどを装備した地上部隊が、中国の水上艦艇を戦闘初期で無力化する。つまり、琉球列島に配備された自衛隊の対艦・対空ミサイルと、米軍の新たな対艦・対空ミサイルとの共同作戦である。


 この戦略下、海兵隊も「フォース・デザイン2030」を提唱し、その構想が「紛争環境における沿海域作戦」(LOCE)、「遠征前方基地作戦」(EABO)としてすでに具体化している。第1列島線上で海兵隊が、地対艦ミサイルなどで武装することが最大の核心だ。2027年までにそれを担う「沿岸連隊」を沖縄に配備するという方針である。

 問題は、米海兵隊のミサイル部隊配備だけではない。この海兵隊に加えて、米陸軍もまた、マルチ・ドメイン・オペレーション(MDO)という運用構想の中、第1列島線に地対艦ミサイル部隊などを配備することを決定しているのだ。詳細は本文で述べるが、実際は米海兵隊よりもこの陸軍のミサイル部隊配備が先行するという状況だ。

「台湾有事」論の実態
 このような日米の南西シフト下の、対艦・対空ミサイル配備、そしてトマホークを始めとする中距離ミサイル配備計画が急ピッチに進行する中、東シナ海・南シナ海とも、軍事衝突の緊張が一段と高まっている。

 しかし、冒頭に述べてきた「台湾有事」論の本当の狙いは、米軍による第1列島線の完結・完成、つまり、台湾を対中戦略に動員し、台湾とフィリピンとの間の、ルソン――バシー海峡の封鎖態勢を完成させることである(中国海軍―海南島に配備された原潜の太平洋への出口を遮断)。そして、「台湾有事」論のもう1つの重大な狙いは、中距離ミサイルの日本配備のための、一大キャンペーンでもあるのだ。

 現在、これら日米中露のミサイル軍拡競争は、熾烈な段階に入りつつある。この事態を放置したとすれば、アジア太平洋は「キューバ危機」以上の危機に突入する。極超高速滑空弾、中距離弾道ミサイルは、中国におよそ10分前後で着弾する。

 だが、迫りつつあるこの戦争の危機を、逆にアジア太平洋の軍縮に転化すること、日米の南西シフトを中止に追い込むこと、琉球列島へのミサイル基地建設を凍結し、基地の廃止に追い込むこと――これらが今緊急に必要である。私たちは、再び沖縄を最前線とするこの戦争態勢づくりに、黙してはならない。
(注 「序章」については、雑誌『アジェダ』2021年9月号発表の論文に加筆。


『ミサイル攻撃基地化する琉球列島』目 次
序 章 煽られる「台湾有事」 9  
    ミサイル軍拡競争が始まった琉球列島 9 
    進行する琉球列島のミサイル基地化 11
    南西シフトの機動展開基地となる奄美大島・馬毛島 14
    沖縄本島の増強とミサイル要塞と化す琉球列島 16
    対中国の日米共同作戦 18
    「台湾有事」論の実態 21

第1章 アメリカの「島嶼戦争」論  25
    クレピネビッチの「群島防衛」論  25
    「台湾問題」を全面化したクレピネビッチ論文 30
    トシ・ヨシハラらの「島嶼戦争」論 35
    対ソ抑止戦略下の「三海峡防衛」と第1列島線防衛 38
    海峡防衛論=島嶼防衛論の虚構 42
    「台湾有事」論による中国南海艦隊の封じ込め 43
    海峡防衛をめぐる(対)着上陸作戦 45
    チョークポイント・宮古海峡の要塞化 47

第2章 エアーシーバトルから海洋プレッシャー戦略へ  51
    エアーシーバトルの限界 51
    中国本土攻撃を想定するエアーシーバトル 54
    オフショア・コントロールと「海洋拒否戦略」 58
    「制限海洋」作戦による「海洋限定戦争」論 63
    海洋プレッシャー戦略とは 66
    「インサイド・アウト防衛」部隊の運用構想 70
    海洋プレッシャー戦略が想定する戦場 75
    第1列島線構成国によるA2/ADの完結 77

第3章 米海兵隊・陸軍の第1列島線へのミサイル配備 81
    海兵隊作戦コンセプト(2016年) 81
    「紛争環境における沿海域作戦」(LOCE)構想の策定 85
    「フォース・デザイン2030」による米海兵隊の大再編 89
    海兵沿岸連隊へのトマホーク配備 93
    米陸軍ミサイル部隊の第1列島線配備 98
   
第4章 自衛隊の南西シフトの始動と態勢 105
    南西シフトの始動 105
    陸自『野外令』の大改訂 114
    「日米の『動的防衛協力』」による南西シフト 117
    「日米の『動的防衛協力』」による琉球列島の部隊配備 123
    宮古島などのミサイル配備はいつ決定されたのか? 125
    自衛隊の南西シフトの運用 127
    南西シフト態勢下の統合機動防衛力 131
    10万人を動員した機動展開演習「陸演」 132
    陸上総隊の創設―軍令の独立化 134
    2018年防衛大綱・中期防の策定 135
    多次元横断的(クロス・ドメイン)防衛力構想 137
    南西シフト下の空自の大増強 141
    南西シフト下の海自の大増強 143

第5章 琉球列島のミサイル戦場化 149
    地対艦・地対空ミサイルの運用 149
    対艦ミサイルを守る対空ミサイル 152
    ミサイル部隊の空自・海自との統合運用 153
    陸自教範『地対艦ミサイル連隊』では 154
    敵基地攻撃能力を有するミサイルの配備 158
    極超高速滑空弾の開発・配備 161
    中距離ミサイルの琉球列島――九州配備 165
    中距離ミサイルは核搭載か? 169
    ミサイル攻撃基地となる琉球列島 172

第6章 無用の長物と化した水陸機動団 177
    水陸機動団の編成 177
    水陸機動団の作戦運用 179
    自衛隊の水陸両用作戦とは 182
    陳腐化した水陸機動団の強襲上陸 188
    水陸機動団の装備 192
第7章 機動展開・演習拠点としての奄美大島・馬毛島の要塞化 195
    明らかになった南西シフト下の馬毛島要塞 195
    統合演習場・機動展開拠点としての馬毛島 196
    空母も寄港できる巨大港湾設備 201
    馬毛島配置人員のウソ 203
    南西シフト下の演習拠点となった種子島 204
    機動展開拠点としての馬毛島・奄美大島 206
    奄美大島・瀬戸内分屯地の巨大ミサイル弾薬庫 208
    南西シフトの軍事拠点としての馬毛島 211
    種子島―薩南諸島の演習場化 214
    臥蛇島のミサイル実弾演習場化と新島闘争 217
    「南西有事」への民間船舶の動員 223
    「統合衛生」という戦時治療態勢 226

第8章  アメリカのアジア戦略と日米安保 229
    「太平洋抑止イニシアティブ」(PDI) 229
    アメリカの西太平洋へのリバランス 232
    アメリカの「国家安全保障戦略」(NSS) 237
    「インド太平洋戦略報告」による対中国・台湾戦略の始動 240
    急激に進むアメリカの台湾への武器売却 244
    安保法制定の目的とは 246
    日本の「インド太平洋戦略」 251
    激化する対中演習と新冷戦態勢 253

結 語 アジア太平洋の軍拡競争の停止へ 257
    メディアの「台湾有事」キャンペーン 257
    日米中の経済的相互依存と戦争 259
    沖縄を再び戦争の最前線にするのか? 261
    ワシントン海軍軍縮条約による島嶼要塞化の禁止 264
    琉球列島の「非武装地域宣言」 266
    日中平和友好条約に立ち返れ 267


●本書の「結語」は「note」からhttps://note.com/makoto03/n/n34aad4e72be7

●本文は以下のアドレス https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784907127282
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オンライン「島々シンポジウム―要塞化する琉球弧の今」

2021年02月09日 | 軍事・自衛隊

オンライン「島々シンポジウム―要塞化する琉球弧の今」
*第1回「宮古島・保良ミサイル弾薬庫の住民、そして市民運動の現場から!」
・日時 2021年3月7日(日) 14:00~16:00
 ZOOM ビデオウェビナーによるシンポジウム      
 (入場無料・カンパ歓迎。先着500人の事前登録制、下記メールへ申し込み。詳細は本文案内参照)


出演
下地博盛さん(「ミサイル・弾薬庫反対!住民の会」共同代表)
下地 茜さん(同住民の会・宮古島市議)
石嶺香織さん(「てぃだぬふぁ島の子の平和な未来をつくる会」)
楚南有香子さん(同)
軍事アドバイザー・小西 誠さん(軍事ジャーナリスト)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
司会・三上智恵さん(映画監督・ジャーナリスト)

(先島の自衛隊問題に早くから取り組んできたジャーナリストであり、ドキュメンタリー映画「標的の島 風かたか」を2017年に公開)

*ミサイル弾薬庫着工以来、およそ500日、座り込みを続ける保良ミサイル弾薬庫の「住民の会」共同代表・下地博盛さんらの、防衛省を相手にして、決して諦めないその行動の背景はー。

*市行政に風穴を開ける「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」の、宮古島の地下水問題、沖縄県の環境アセスへの提言、そして最近の新市長への質問状など、宮古島のママたちの平和を求める様々な取り組み

*zoomビデオウェビナーは、事前登録制です。視聴者の氏名等は表示されません。先着定員500人で〆切り(3月5日〆切り厳守)
・申し込み用 E:mail shakai@mail3.alpha-net.ne.jp

*〆切り後は、YouTubでLive視聴できます(zoomはパネラーへの質問が可能ですが、こちらは視聴のみ。後日YouTubeのURLをお知らせします)

●主催「島々シンポジウム」実行委員会
連絡先 東京都中野区大和町1-12-10 社会批評社気付
E:mail shakai@mail3.alpha-net.ne.jp

カンパ振込先  郵便振替 00160-0-161276(名義・社会批評社)(「島々基金」とお書き下さい)
*現地の運動支援のためのカンパを、ぜひともお願いします!
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東アジア共同体研究所の東京シンポジウムでアジアでのミサイル軍縮を緊急提案

2020年07月04日 | 軍事・自衛隊
*日米中の、アジアでのミサイル軍拡競争を直ちに停止し、軍縮交渉へ(6/29付琉球新報報道)
 ――東アジア共同体研究所の東京シンポジウムで提案!
  日米の南西シフト態勢ー南西諸島へのミサイル配備を停止へ



*中距離核戦力全廃条約(INF)の廃棄で、東アジアは激しいミサイル軍拡競争が始まろうとしている。
 今なら、まだ止められる‼ このミサイル軍拡競争ー新冷戦体制の始まりを‼





●イージス・アショア中止と連携した、この凄まじい琉球弧のミサイル戦争の実態を、初めて追及!
 ――米海兵隊・陸軍が、「島嶼戦争」ー南西諸島へのミサイル戦争態勢をつくり出しつつある!


*軍事ジャーナリスト・小西 誠が暴く南西シフト態勢
 ―アメリカのアジア戦略と日米軍の「島嶼戦争(part6・10分)

https://youtu.be/03lPJJn0QzE

*以下のシリーズもご覧下さい!
*part1、与那国島・石垣島編
https://youtu.be/2RqdmGT-lr4

*part2、宮古島編
https://youtu.be/KzVQZZq06Lo

*part3、奄美大島・馬毛島(種子島)編
https://youtu.be/IjONW-VsnrI

*part4、沖縄本島編
https://youtu.be/0tFM_UHIhHI

*part5 水陸機動団・陸自の南西諸島動員態勢編
https://youtu.be/9y7anqhoIXE
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自衛隊の中東派兵は、ジブチ基地を維持するためのリストラ対策だ!――自衛隊版「ジブチ慰安所」をいつまで維持するのか?

2020年01月26日 | 軍事・自衛隊
「戦力回復日」という特別休暇で利用される「自衛隊の慰安所」


 自衛隊の初めての海外駐留基地である、ジブチ基地が開設されてからおよそ10年。――この日本から遠く離れた自衛隊ジブチ基地の実態が、メディアなどで報道されることはほとんどない。
 陸海の自衛隊員約400人が駐留するこの基地は、ジブチ国際空港の北西地区にあり、同空港地区には、米仏軍の基地も置かれている。
 この駐留軍の位置する場所から、北へ10数キロ行ったジブチ市内の最大のリゾート地には、ジブチでもっとも高級と言われるドイツ系の「パレス・ケンピンスキー」というホテルがある。一泊4万~20万円というこのホテルには、プライベートビーチが2つあるほか、カジノまで据えつけられている。

 この超高級ホテルこそ、関係者にはよく知られている、自衛隊員の「慰安所」である。言うまでもなく、ここでは、買売春が公然と行われており、派兵部隊の幹部連ばかりだけでなく、一般隊員も利用する「慰安所」だ(事情通の証言)。
 隊員たちには、月に一度「特別休暇」が与えられ、このホテルを利用する日を、駐留部隊の隊員の間では「戦力回復日」と呼んでいる。


 問題は、この自衛隊版「慰安所」が、10年もの間、防衛省・自衛隊内で何ら問題にされることなく「運営」されていることだ。この背景にあるのは、隊員の間で昔から知られている、海外演習部隊の「慰安所」の公認である。
 知られているように、例えば陸空のミサイル部隊は、毎年交代でアメリカ本土でのミサイル実弾演習に出かける。国内では射程の長いミサイル演習場がないからだが、このアメリカの演習で隊内で上司から密かにいわれるのが、「病気をうつされないようにスキンを持って行け!」ということだ(例えば『逃げたい やめたい自衛隊』根津進司著・社会批評社刊「海外演習にはスキン必携」)。

 もちろん、これらの事実は、旧日本軍の「軍隊慰安所」の隠蔽と同様、自衛隊内でも隠されている。しかし、関係する隊員らが海外演習の実態を全て周知のように、このジブチ基地の「慰安所」問題も、世間に知られていくことは時間の問題である。
 大事なのは、旧日本軍と同じで、自衛隊が海外出動していくときに、この「慰安所」を必ず「設置」しようとすることだ。これは旧日本軍とまったく同様、自衛隊首脳は「病気対策」で行おうとしているようだが、問題はこのような旧日本軍体質の根本的な改革ではないのか。旧日本軍の性暴力問題を検証するどころか、隠蔽してきた政府・自衛隊の根本的体質がここには現れているというべきである。


 リストラ対策に他ならない自衛隊の中東派兵

 さて、この自衛隊のジブチ基地を拠点に、今年早々、海自を軸に航空・艦艇部隊が、中東ペルシャ湾周辺へ派兵されようとしている。
 ところが、メディアで語られているのは、この派兵が「調査・研究」という名の脱法行為だ、という批判だけである。もちろん、この防衛省・自衛隊のトンデモナイ「脱法行為」を許容するわけにはいかない。
 だが問題は、これら自衛隊の中東派兵が、もはや、何の意義もなくなった自衛隊ジブチ基地を維持する、「リストラ対策」であることがまったく隠されていることだ。

 別表を見てほしい。2009年の海賊対処法成立以来、自衛隊が行ってきた「海賊対処行動」は、今やほとんどなくなったに等しい。2011年に237件行われたそれは、2015年にゼロ件になり、2019年もゼロ件を記録している(アデン湾、ソマリア沖も同様に圧倒的減少)。

(2019年3月「ソマリア沖・アデン湾における海賊対処に関する関係省庁連絡会」)

 つまり、もはや、自衛隊がジブチ基地を維持する必要性が、全くなくなったということだ。

 この存在価値を完全に喪失したジブチ基地を維持するために、まさしく「リストラ対策」として、新たなジブチ基地を拠点とした中東派兵が決定された、ということである(筆者は、例えば、東京新聞・半田滋氏の「自衛隊の南西シフトは陸自のリストラ対策」という主張に真っ向から反論している。というのは、この論は、日米の対中抑止戦略下の、先島―南西諸島への自衛隊配備という大軍拡競争を徹底的に軽視し、この南西シフト態勢を許容している論に他ならないからだ)。

 言い換えると、自衛隊の中東派兵は、「アメリカの要請」という形式をとりながら、あくまで政府・自衛隊が、初めての海外駐留基地であるジブチ基地を固持するための詭弁であると言わねばならない。もちろん、この自衛隊の中東派兵が、「世界の火薬庫」になりつつある中東危機に軍事的に介入する危険な行動であることを批判しなければならない。


 安倍政権のインド太平洋戦略―砲艦外交・軍事外交政策を阻もう!

 もともと、戦後日本初の海外駐留基地であるジブチ基地は、海賊対策に名を借りた、日本の軍事外交政策の一環であった。海賊対策も、「シーレーン防衛論」も、インド太平洋戦略の口実に他ならない。
 今や、日本はアメリカとともに、インド太平洋戦略下で、アジア太平洋ばかりでなく、インド洋まで自衛隊に遊弋させている。この間のインド軍との共同演習もこの一環だ。そして、自衛隊は、オーストラリアを始めとして、インド、フランス、イギリス軍などとの、アジア太平洋ーインド洋にわたる共同演習を頻繁に繰り返している(日米ACSAに加え、ここ数年に日豪・日英・日仏・日加ACSAを締結)。

 始まっている事態は、日米の対中抑止戦略下の南西シフト態勢を突破口に、日米、とりわけ自衛隊が、東シナ海から南シナ海、そしてインド洋にまで軍事行動を広げている、軍事外交政策(砲艦外交)をとっているということだ。この日本の軍事外交政策は、繰り返すが、対中戦略を突破口に、グローバルな戦略として広がっているのである。

 自衛隊の中東派兵を阻止し、ジブチ基地を撤去せよ!

 この自衛隊のジブチ基地の設置が、初めから重大な問題を孕んでいることは、筆者もたびたび指摘してきた。この問題とは、日本政府が、ジブチ共和国との間で結んでいる地位協定が、日米地位協定よりも遥かに酷い差別的協定、植民地協定だということだ。
 知られているように、日米地位協定が、米兵の公務中の犯罪ー刑事裁判権を排除している(日本の)ことなどが、沖縄を始めとして頻繁に問題になっている。ところが、日本ージブチ地位協定では、公務中も非公務中も、全ての刑事・民事裁判権がジブチ政府は排除され、日本の一方的な司法権が行使されることになっている。つまり、自衛隊員がジブチ基地内外で、人を殺傷しようがジブチ政府には何らの裁判権もない、ということだ。
 まさしく、自衛隊は、ジブチで「治外法権」を行使していると言うべきである!
 「ジブチ共和国における日本国の自衛隊等の地位に関する日本国政府とジブチ共和国政府との間の交換公文について」
  https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/pirate/djibouti.html

 自衛隊の南西シフト態勢を突破口とする、海外派兵―軍事外交を阻もう!
 
 この自衛隊の中東派兵は、繰り返すが、自衛隊の東シナ海・南シナ海への行動の拡大の中で生じている事態である。自衛隊は、日米の対中抑止戦略―インド太平洋戦略下で、今や、アジア太平洋からインド洋にまで軍拡を広げようとしているのだ。この東シナ海を軸としたアジア太平洋での軍拡・覇権闘争という水路を抜きに、問題を見誤ってはならない。そうでない限り「本当の危機」を見失ってしまうのである。


*石垣島・宮古島のミサイル基地化、種子島ー馬毛島の要塞化!――今ならまだ、止められる、まだ、まにあう!全国から支援・連帯の声を届けよう!
 「先島―南西諸島の非武装化を求める共同声明」への賛同のお願い
(第2次〆切り、2020/1/31)
 https://ssl.form-mailer.jp/fms/d7c1aaf7649395?fbclid=IwAR0r3UjJAlGVNiuJEyjs52DfqMshYk-8IUHRnAkIiaiKQSYP6WYzJQ1-W2g

*ジブチ・メモ
ジブチ共和国の人口は、約90万人。同国の失業率は、約60%(2014年)。一人あたりのGNIは2180ドル。

*ジブチ基地の自衛官 
水上部隊は、3カ月交替。航空部隊は4カ月交替。派兵隊員は1日2千円の「特殊勤務手当」のほか、護衛艦乗組員は俸給の33%の乗務手当のほか、航海手当等が加算される。航空機乗員は1日7700円の航空機手当等が加算される。 
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「先島―南西諸島の軍事化・要塞化に抗し、同地域の非武装化を求める共同声明」のご賛同のお願い

2019年12月03日 | 軍事・自衛隊

 「先島―南西諸島の軍事化・要塞化に抗し、同地域の非武装化を求める共同声明」のご賛同のお願い
――私たち「本土」の市民は、先島―南西諸島のミサイル基地化を、自分たちの生存に関わる問題として捉え、ともにこの地域の軍事化を阻む、重大なときにあります!



 現在、石垣島・宮古島を始め、先島―南西諸島の基地化=軍事化が、急ピッチで進行しています。
 2016年与那国島には、陸自沿岸監視隊が開設、続いて2019年3月宮古島駐屯地、奄美大島駐屯地・奄美瀬戸内分屯地が開設。また今年3月石垣島では、駐屯地の造成工事が始まり、さらに種子島―馬毛島では、日米共同基地化の動きが強まっています。
 特に、この3月石垣島駐屯地着工、10月宮古島・保良ミサイル弾薬庫着工は、いよいよこの地域のミサイル基地建設=琉球弧ミサイル要塞化への、重大な段階がきていることを現しています。

 しかし、この厳しい局面の中でも石垣島では、多くの人々の住民投票を求める運動とそれを拒否する市当局に対する裁判が始まり、宮古島ではミサイル弾薬庫建設を阻む地域住民の抵抗が連日、工事現場で行われています。


 これら先島―南西諸島へのミサイル部隊配備―ミサイル戦場化の動きは、メディアの報道自粛の中で、全国の市民に事実自体が伝わっていません。そして、政府・自衛隊は、それを奇貨として、先島・奄美・種子島だけでなく、沖縄島への地対艦ミサイル部隊配備、陸海空自衛隊の増強を一段と進めています。しかも自衛隊は、2025年までに、現在の南西諸島への対艦・対空ミサイル部隊配備に加え、「島嶼防衛用高速滑空弾部隊・2個高速滑空弾大隊」の南西諸島配備も決定しています(2018年防衛計画大綱)。南西諸島を「ミサイル戦争の実験場」にしようとしているのです。

 辺野古新基地の建設と沖縄全島の「日米共同基地化」も、その一環です。昨年暴露された2012年統合幕僚監部の「動的防衛協力」においては、全沖縄米軍基地の日米共同使用が実際に計画されていることが明らかになりました。
 私たちは、このような辺野古新基地を阻む世論の広がりとともに、現在、凄まじい勢いで進行する自衛隊の先島―南西諸島配備を阻む、大きな世論が求められていると思います。

 2018年『琉球新報』のインタビューで岩屋防衛大臣(当時)は、「南西諸島は日本防衛の最前線」と言明(2018/11/11)。まさしく政府・自衛隊は、10万人以上の先島住民の犠牲の上に、再び沖縄―南西諸島を戦場とする「対中国の島嶼戦争=海峡戦争」を構えているのです。宮古島・保良、石垣島・平得大俣で建設予定の、破壊力の凄まじいミサイル弾薬庫建設こそ、この住民の命を軽んずる日本軍以来の軍隊の横暴に他なりません(両地域とも住宅地の約200㍍にミサイル弾薬庫設置)

 沖縄は、かつて非武装の島でした。1944年日本軍の沖縄上陸以前、軍事基地はもとより一兵たりとも軍隊は存在しません。与那国・石垣は、戦後完全に「非武の島」。自衛隊は、今この地域を「防衛の空白地帯」とし軍事化を進めようとしますが、戦後74年間非武装の島に、軍隊は必要ありません。
 この沖縄(奄美)の再戦場化という凄まじい事態に、私たち「本土」の市民は、自分たちの生存に関わる問題として捉え、ともにこの地域の軍事化を阻む世論を創りだすべきだと思います。
 どうぞ、先島―南西諸島の人々の平和を求める声に応える、全国の良識ある人々への「非武装を求める共同声明」へのご賛同をお願い致します。
                                                      2019年12月1日

発起人(敬称略)
蟻塚亮二(精神科医)、石川逸子(詩人)、岩崎眞美子(フリーランスライター)、植松青児(雑誌編集者)、石原真樹(ジャーナリスト)、大内要三(ジャーナリスト)、大竹秀子(Stand With Okinawa NYコーディネイター)、川口真由美(シンガーソングライター)、木村紅美(作家)、栗原佳子(ジャーナリスト)、小西 誠(軍事ジャーナリスト)、坂手洋二(劇作家・演出家)、坂内宗男(キリスト者政治連盟委員長)、家)、阪上 武(沖縄と千葉を結ぶ会)、佐藤 泉(青山学院大学教員)、新藤健一(フォトジャーナリスト)、丹下紘希(人間/映像作家)、出口綾子(編集者)、DELI(松戸市議会議員・ラッパー)、豊島耕一(佐賀大学名誉教授)、富田英司(「静岡▪沖縄を語る会」共同代表)、辻村千尋(自然保護アナリスト)、永田浩三(ジャーナリスト)、中川 敬(ソウル・フラワー・ユニオン)、浜野佐知(映画監督)、彦坂諦(無銘作家)、福島みずほ(参議院議員)、増田都子(元社会科教師)、増田 薫(松戸市議会議員)、森 正孝(戦争をさせない1000人委員会静岡・共同代表)、森口 豁(フリージャーナリスト)、森口ゆうな(高江の森を守り隊)、よしむらしゅういち(自営業)

*事務連絡先 東京都中野区大和町1-12-10 小西誠気付・090-6000-6952 FAX03-3310-6561  shakai@mail3.alpha-net.ne.jp

*ご賛同はファクスか、電子メール、郵送でお送り下さい。

●私は「先島―南西諸島の軍事化・要塞化に抗し、同地域の非武装化を求める共同声明」に賛同します。

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「即位の礼」における自衛隊の「礼砲」などの違憲・違法行為を糺す―これは「天皇の軍隊」への変節だ!

2019年10月08日 | 軍事・自衛隊
 天皇の「即位の礼」における、自衛隊の「礼砲」(21発)の発射は、自衛隊諸法令違反であり、憲法第1条違反だ!



 政府・自衛隊は、10月22日の天皇の即位式行事である「儀じょう、礼砲、奏楽及びと列の実施要綱(案)」において、自衛隊による「礼砲」を行うことを決定している。
 以下の通りである。
「自衛隊による礼砲 天皇陛下に対し祝意を表するため、万歳三唱時に、皇居外苑北の丸地区内(北の丸公園第2駐車場)において、陸上自衛隊による礼砲を行う。」

 

 この今回の即位の礼の「礼砲」発射は、1990年11月の明仁天皇の即位の礼の「礼砲」(21発)を踏襲したものだ。1991年防衛白書は以下のようにいう。
 「皇位の継承に伴い平成2年11月に行われた「即位礼正殿の儀」において、礼砲を実施したほか、「祝賀御列の儀」においては、皇居正門前および赤坂御所正門前で儀じょうを実施するとともに、赤坂御所までの途上でと列および奏楽を行った。当日、これらの任務に就いた者は、陸・海・空各自衛隊員、防衛大学校・防衛医科大学校学生約1,250名にのぼった。」(なお、1989年の裕仁天皇の「大喪の礼」でも「礼砲」21発の発射)


 自衛隊の「礼砲」発射(21発)は、自衛隊諸法令違反

 自衛隊施行規則第14条の3は、「礼砲は、大臣が公式に招待した外国の賓客が日本国に到着し及び日本国を離去する場合並びにその他大臣が国際儀礼上必要があると認めた場合に際し、国際慣行に従って行う」
 また、「自衛隊の礼式に関する訓令」は、「(礼砲を行なう場合)として、「第90条 礼砲は、次の各号に掲げる場合において、防衛大臣の定めるところにより行なう。
(1) 防衛大臣が公式に招待した外国の賓客が日本国に到着し及び日本国を離去する場合 (2) 防衛大臣が国際儀礼上必要があると認める場合」と明記する。

 さらに、「栄誉礼等及び礼砲の実施要綱について(通達)」(2014/7/24)は、「第1 国賓等に対する栄誉礼等及び礼砲の実施」として、「外国の元首、首相その他の要人が、国賓又はこれに準ずる賓客として公式に日本国を訪問する場合であって国際儀礼上必要があるときは、自衛隊は、外務大臣の要請により、当該要人の到着時及び離去時、東京国際空港等において、栄誉礼等(栄誉礼及び儀じょうをいう。以下同じ。)及び礼砲の全部又は一部を行なうものとする。」としている。

 見ての通り、自衛隊での「礼砲」の実施は、「大臣が公式に招待した外国の賓客が日本国に到着し及び日本国を離去する場合」(施行規則)「外国の元首、首相その他の要人が、国賓又はこれに準ずる賓客として公式に日本国を訪問する場合」(通達)の規定であり、天皇の即位式などの規定はどこにも見当たらない。
 このように、自衛隊の諸法規にない「即位の礼」における「礼砲」発射・実施は、明確に法令違反である。このような違法行為が、「天皇儀式」の名の下にまかり通ろうとしているのだ。

 自衛隊の「礼砲」発射(21発)は、憲法第1条違反だ

 しかも、即位の礼における「礼砲」発射(21発)は、明らかに憲法第1条違反である。先の通達は「礼砲の実施」について以下のように定めている。
 「礼砲の実施は、次によるものとする。」
1 外国の賓客に対する礼砲
(1) 防衛大臣が公式に招待した外国の賓客(以下「外国の賓客」という。)に対する礼砲は、外国の賓客が日本国に到着し及び離去するときに、東京国際空港等の適当な場所で、次号によって定める礼砲数を3秒ないし5秒間隔で発射して行うものとする。
(2) 礼砲数は、次に掲げるものの区分に応ずる礼砲数を基準として、国際慣行を尊重し、その都度定めることとする。
ア 国旗、元首 21発
イ 首相その他の国賓 19発

ウ 閣僚、陸海空軍大将 17発
エ 陸海空軍中将 15発
オ 陸海空軍少将 13発
カ 陸海空軍准将 11発
 
 見ての通り、自衛隊の諸規則では、「礼砲21発」は「国旗、元首」だけであり、「首相其の他の国賓」は「礼砲19発」なのである。つまり、かつての即位の礼にしても、今回の即位の礼の「礼砲21発」(政府は前回踏襲と)についても、天皇は「元首」として扱われている、ということだ。これは一体、なにを意味しているのか? 結論から言えば、政府・自衛隊が、こういう天皇式典を介して、明らかに皇の元首化――「名誉的統帥権者としての天皇の復活」を企んでいるということだ。
*注 この自衛隊の礼式は、旧日本海軍の「海軍禮砲礼」を引き継いでいる。それによれば「天皇皇后太皇太后皇太后ニ対シテハ皇禮砲ヲ行ウ」(第2章第21條)、「皇禮砲ノ数ハ二十一発トス」(同第22條)と明記されている。 http://navgunschl2.sakura.ne.jp/IJN_houki/PDF/T030131_kaigunreihourei_S2002mod.pdf

 自民党改憲案の「天皇の元首化」と自衛隊

 2012年(2014年)に発表された自民党改憲案第1条は、以下のように明記している。
 「第1条  天 皇 は 、 日 本 国 の 元 首 で あ り 、 日 本 国 及 び 日 本 国 民 統 合 の 象 徴 であ っ て 、 そ の 地 位 は 、 主 権 の 存 す る 日 本 国 民 の 総 意 に 基 づ く」(「日 本 国 の 元 首 で あ り 」のみ追加)

 多数の憲法学者は、日本国の元首は、内閣総理大臣であり、天皇は元首ではないとしている。これに対し、歴代の自民党政府は、天皇が対外的に元首とされていることを唱えているが、自民改憲案に「天皇の元首化」の明記を求めているのは、この元首天皇制(象徴天皇制の否認)へ回帰しようという意図である。
 自衛隊制服組は、創設時から一貫して「自衛隊の精神的支柱としての天皇」、そして「天皇の名誉的統帥権の確立」が必要と主張してきている。
 1970年代から本格化した、毎年の高級幹部会同後の「天皇への拝謁」(や堵列)もまた、こういう制服組の企みの中で、着々と実現されてきたのだ。

 問題は、この天皇と自衛隊の結びつき――「天皇の名誉的統帥権」という「戦前回帰」の反憲法的事態が、即位の礼での「礼砲発射」という形で、実現されようとしていることだ。そしてこれは、明らかに憲法第1条違反(象徴天皇制の否定)なのである。
 重要なことは、このような重大な事態が、一連の天皇行事というキャンペーンの中で、有無を言わせず進行していることだ。

 即位の礼の自衛隊の「儀仗隊」も「堵列」も、自衛隊諸規則違反だ


 先の政府の「実施要綱」は、自衛隊の儀仗につい以下のように言う。
「自衛隊による儀じょう 天皇陛下を警衛し、及び天皇陛下に敬意を表するため、天皇陛下が皇居正門を御出門される際、陸上自衛隊による儀じょうを行う。また、天皇陛下が赤坂御所正門に御入門される際、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊による儀じょうを行う。」
 まさしく、自衛隊の「儀仗」は、「天皇陛下を警衛」するために行う、と明らかに明記されている。これほどの露骨な「天皇の軍隊化」があるだろうか?
 そして「天皇の警衛」(警護)というのは、自衛隊法第3条をはじめとする自衛隊のいかなる任務にも定めていない、まさしく完全な違法行為であり、違法出動である。こんな重大な、日本の法体系を破壊する違法行為が、「即位の礼」という天皇儀式の下にまかり通ろうとしているのだ。

 さらに「堵列」については、
 「自衛隊によると列 天皇陛下を奉送迎し、及び天皇陛下に敬意を表するため、天皇陛下が赤坂御所正門に御入門される際、権田原交差点から赤坂御所正門までの間の一定の場所において、自衛隊と列部隊によると列を行う。」
 
 いつから自衛隊は「天皇の軍隊」なったのか? 「天皇陛下を警衛」するために即位の礼のパレードで皇居から出発する天皇を自衛隊儀仗隊が護衛する、と。「堵列」もまた「天皇の護衛」である。「堵列」とは、「垣根を作って警護すること」をいう。
 「自衛隊の礼式に関する訓令」は、「と列」について以下のように定めている。

 「第84条 と列は、次の各号に掲げる場合に行なう。
(1) 天皇又は皇族が自衛隊を公式に訪問する場合
(2) 天皇が、地方を公式に視察する場合又は国若しくは地方公共団体の公式の行事に出席する場合で、自衛隊の部隊等の所在する市町村又はその近傍を通過するとき

(3) 皇族が、地方を公式に視察する場合又は国若しくは地方公共団体の公式の行事に出席する場合でかつ、自衛隊の部隊等の所在する市町村又はその近傍を通過する場合において、特にと列をもつて送迎することが適当であると幕僚長が認めるとき

 見て明らかなように「と列」は、天皇などが「自衛隊を公式に訪問する場合」と、天皇などが「自衛隊の部隊等の所在する市町村又はその近傍を通過するとき」だけである。前回・今回の即位の礼で行われる、「赤坂御所正門に御入門される際、権田原交差点から赤坂御所正門までの間」が、なぜ「部隊の所在する近傍」といえるのか? しかも、前回のケースで明確なように、神奈川県の防衛大学校学生を中心に、関東・全国から動員した「堵列」部隊だ。
 これは、明らかに、自衛隊の訓令にさえ違反した、見え見えの違法行為であり、「天皇の軍隊」への必死の動員態勢である。

 南西シフト態勢下の、「島嶼戦争」下の有事動員態勢と天皇の軍隊化


 今、自衛隊は、日米共同作戦態勢下に、急ピッチで南西シフト態勢をつくり上げ、先島―南西諸島へのミサイル部隊配備ーミサイル戦争態勢を形成しつつある。琉球弧全体が軍事要塞と化そうとしているのだ。この中で、まさしくシームレスに平時から有事事態が始まろうとしている。
 ここでは、自衛隊員らの生死が問われる事態が、少なからずおとずれる。このとき、制服組が一貫して主張しているのが、「天皇の名誉的統帥権」、つまり、「天皇の命令による戦死」ということなのである。アベ氏のような「腐敗した政治家の命令」(自衛隊の最高指揮官・元首は首相)では、命は賭けられない、ということである。
 だが、こういう天皇と軍隊の結びつき・一体化こそ、かつてのような侵略戦争に、自衛隊が「軍部」として突き進んでいく事態をつくり出していくのだ。
 自衛隊の「天皇の軍隊」としてのなし崩し的な登場を決して許容してはならない。即位の礼という天皇キャンペーン下で行われつつある、この違法・違憲状態(礼砲・儀仗・堵列実施)を徹底して糺さねばならない! 
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深刻化する南西シフト態勢を水路とする日中の軍拡競争(「島嶼戦争」の危機)に対し、全野党・平和勢力は、直ちに軍拡停止ー軍縮を要求しよう!

2018年11月29日 | 軍事・自衛隊
 日中の軍拡競争(「島嶼戦争」の危機)に対し、全野党・平和勢力は、直ちに安倍内閣に軍拡停止ー軍縮を呼びかけよう!


 (ヘリ護衛艦「いずも」、もともとは「改修空母」の予定として建造)

 安倍政権・自衛隊は、年末に予定する「新防衛計画の大綱」策定をめぐって、凄まじい軍拡キャンペーンを始めた。
 F35Bの導入ー「いずも型」ヘリ護衛艦の空母への改造、F35(A・B)の100機購入(1兆円規模)、敵基地攻撃能力を有する巡航ミサイル、スタンド・オフ・ミサイル、そしてイージス・アショアの強硬的導入、宇宙への軍拡……。――自民党・自衛隊は、このために「防衛費2倍化」を要求している(現在、国際基準でGNP1・3%と公表)。
 
 この大軍拡の口実が「安全保障環境の変化」と称する、中国との対抗的軍拡だ(煽りに煽った「朝鮮半島の危機」は消えつつある!)。これは、すでに東西冷戦後の南西シフトとして始まっていたが、2010年のアメリカのエアシーバトル構想ー新防衛計画の大綱で一挙に具体化し、2017年、トランプ政権の「国家安全保障戦略」(NSS)」、米国防省の「国家防衛戦略(NDS)」で、全面化ー対中・対ロ競争戦略=対中抑止戦略として本格化している(新冷戦の始まり)。

 「島嶼防衛戦」と言えば、全ての軍拡が許容されるのか?

 そして、このアメリカの対中抑止戦略下の、日米共同作戦態勢として始まっているのが、自衛隊の「島嶼戦争」=東シナ海戦争(琉球列島弧封鎖態勢)なのだ。今や、このような日米の共同作戦態勢下の戦争態勢作りが、先島―南西諸島において急ピッチで始まっている。

 2016年、与那国島では、新基地が完成し、宮古島・奄美大島では、2018年度末に向け、新基地開設への突貫工事が行われており、石垣島では、来年2月の着工態勢が始まっている。さらに、種子島ー馬毛島には、米軍FCLP(空母艦載機着陸訓練)基地だけでなく、自衛隊の事前集積・機動展開・上陸演習拠点として、またF35B、対潜哨戒機(P3C)の新基地としての、文字通りの要塞化が発表され、動き出しつつある。
 つまり、「中国の脅威」、「島嶼防衛戦」と言えば、全ての軍拡が許容されるとする、とんでもない風潮が生じているのだ(特にマスメディアの沈黙の中で)。

 (宮古島・石垣島・奄美大島、沖縄本島などに配備予定の12式地対艦ミサイル)

 日中の「小衝突」ー「島嶼戦争」が不可避の情勢に!

 この情勢が進めば、日中の一触触発――島嶼戦争は不可避である。自衛隊の南西シフト態勢は、あらかじめ「島嶼防衛戦」がシームレスに発展することを予測している。このために、自衛隊はすでに統合幕僚監部による「対中・統合防衛計画」の策定、米軍との「対中・日米共同作戦計画」の策定を発表した。
 事態は、恐るべき危機的情勢へと突き進みつつある。――日中の軍事的小衝突、その繰り返し→「島嶼戦争」→日米の通常戦型の「太平洋戦争」勃発という事態へである。
 (参照「遂に自衛隊が「対中国・日米共同作戦計画」の策定開始―急ピッチで進行する東シナ海戦争計画)
  https://blog.goo.ne.jp/shakai0427/e/d39a4e689cb8bb7217d0d40a49304309

 日本と中国の軍拡停止―軍縮へ――東シナ海の「非武装地帯宣言」へ

 この着々と進む、深刻な戦争の危機を打開するためには、今、何が必要なのか? 
 結論から言えば、全野党・平和勢力が一致して、日本と中国の軍拡の即時停止→軍縮交渉に直ちに入るべきことを、安倍政権に強力に要求することである。トランプ政権は、もちろん反対するだろう。だが、アジアの平和は、アジアの民衆が主導することなしには実現しない。「アメリカ帝国」の「アジア太平洋の覇権の独占」をいつまでも、野放しにしておく訳にはいかない。

 1922年締結のワシントン海軍軍縮条約による島嶼要塞化の禁止  

 現在、アジア太平洋地域の軍拡競争の始まりは、1920~30年代の軍拡競争に類似しているが、このような、アジア太平洋地域の軍拡を阻み、軍縮へと導いた貴重な経験を、日本はもっている。
 第1次世界大戦直後、アジア太平洋は、凄まじい軍拡競争へとたたき込まれたが、この大軍拡の時代において、1922年、ワシントン海軍軍縮条約による島嶼要塞化の禁止が締結され、実行された歴史があるのだ。
 この年、米・英・日は、軍艦の保有数を制限した軍縮条約を締結(主力艦の対英米比6割、いわゆる5:5:3への制限)したが、この中では、アジア太平洋地域の「要塞化禁止条項」も結んだのだ。

 それによると、なんと日本政府の提案によって、太平洋の各国の本土、および本土にごく近接した島嶼以外の領土について、現在存在する以上の「軍事施設の要塞化」が禁止されたのである。
 日本に対しては、千島諸島・小笠原諸島・奄美大島・琉球諸島・台湾・澎湖諸島、サイパン・テニアンなどの南洋諸島の要塞化を禁止した。アメリカに対しては、フィリピン・グアム・サモア・アリューシャン諸島の要塞化禁止した。
 だが、1930年代において、戦争の危機が深まってくると、例えば日本の場合、サイパンのアスリート飛行場(現サイパン国際空港)を始め、秘密裡の軍事化が始められた。重要なことは、この時代でさえもアジア太平洋地域の急速な軍拡の危機に対して、各国の島嶼の非軍事化が推し進められたということだ。
(1921年12月13日、日本・アメリカ・イギリス・フランスによって調印、1922年8月5日批准、1923年8月17日公布の4箇国条約。正式には「太平洋方面に於ける島嶼たる属地及島嶼たる領地に関する四国条約」。この条約では、太平洋諸島の締約国相互の権利の尊重と紛争の平和的解決が謳われ、条約の締結により日英同盟は廃棄)。

 しかし、こうした努力にも拘わらず、日本は1934年12月、単独でワシントン海軍軍縮条約を破棄を決定し、アメリカに通告した。1936年、ロンドン軍縮会議からの脱退も通告。こうして軍縮条約は実行力を失い、第二次世界大戦に向ったのだ(この直後から、サイパン・テニアンなどの軍事化が始まり、続いて1944年には沖縄・宮古島などの先島諸島で基地建設が始まる)。

 だが、あのアジア太平洋戦争の時代の軍縮の努力は、決して無駄だったとは言えない。私たちに、歴史の教訓をリアルに残している。翻って、私たちは、あの時代ほどの努力をしているのだろうか? 今進行している事態――南西シフトを水路とした日中の軍拡競争の始まりを、ただただ見過ごしているだけではないのか? SNSには、日中の相互依存関係の中で、戦争が起きるわけがない、だとか、核戦争の時代に「島嶼占領・奪還」とか、あり得ない、だとか、「大国・中国を敵にして地対艦・空ミサイル配備」など空論だ、とか、などの軍事的現実(無知)を見ようとしない主張が溢れている。

 (おおすみ型輸送艦に乗船する水陸機動団[ホバークラフト])

 しかし、なんども繰り返すが、「島嶼戦争」はシームレスに、一発の銃声から始まるのだ(日中間にはホットラインが確立していない)。この小衝突の繰り返し、「力による外交」、つまり、日米の「インド太平洋戦略」(姑息にも「構想」に名称替え)のもとの、「力による、軍事力による外交」(砲艦外交)、つまり、中国(軍)の琉球列島弧(第1列島線、実際は中国沿岸へ)への封じ込め態勢づくりが推し進められているのである(宮古海峡などの封鎖)。この政治的目的は、日米によるアジア太平洋の覇権の絶対的確保ということだ。

 まさしく、このような内容と目的をもって、安倍政権による年末の「新防衛計画の大綱」の策定が推し進められようとしている。
 しかし、本当に日本(と中国、アジア)の民衆は、こんな中国との対決を望んでいるのか? 再びアジア太平洋で戦争が始まることを望んでいるのか?
 そうではない。マスメディアの、この南西シフト態勢の隠蔽(報道規制)の中で、先島―南西諸島への基地建設の事実さえ知らされていないのだ。いわんや、この南西シフトが何を意味するのか、という軍事的解説など皆無だ。
 
 だから、この急ピッチで進行する先島―南西諸島への新基地建設の事実ー南西シフト態勢の意味、「島嶼防衛戦」のもとに進む「東シナ海戦争」の現実を、広く知らせねばならない。
 この事実の認識によって、日中の軍拡停止ー軍縮(そして最終的には、南西諸島の「非武装地帯宣言」)を民衆の手で勝ち取ることができるだろう。

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*要点ー要塞化禁止条項
・日本の提案により、太平洋における各国の本土並びに本土にごく近接した島嶼以外の領土について、現在ある以上の軍事施設の要塞化が禁止された。
・日本ー千島諸島・小笠原諸島・奄美大島・琉球諸島・台湾・澎湖諸島、そして将来取得する新たな領土(内南洋のこと)の要塞化禁止、奄美大島以外の奄美群島は対象外、対馬は太平洋に面していないので条項の対象外
・アメリカーフィリピン・グアム・サモア・アリューシャン諸島の要塞化禁止、アラスカ・パナマ運河・ハワイ諸島は対象外
・イギリスー香港並びに東経110度以東に存在する、あるいは新たに取得する島嶼の要塞化禁止、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドは対象外、東経110度以東なので、シンガポール(東経103度)は条項の対象外


*ワシントン四箇国条約本文
太平洋方面に於ける島嶼たる屬地及島嶼たる領地に關する四國條約(ワシントン・1921年12月13日、日本外交年表竝主要文書上巻,外務省,536-539頁)
亞米利加合衆國、英帝國、佛蘭西國及日本國ハ

一般ノ平和ヲ確保シ且太平洋方面ニ於ケル其ノ島嶼タル屬地及島嶼タル領地ニ關スル其ノ權利ヲ維持スルノ目的ヲ以テ之カ爲條約ヲ締結スルコトニ決シ左ノ如ク其ノ全權委員ヲ任命セリ(人名略)

第一條 締約國ハ互ニ太平洋方面ニ於ケル其ノ島嶼タル屬地及島嶼タル領地ニ關スル其ノ權利ヲ尊重スヘキコトヲ約ス締約國ノ何レカノ間ニ太平洋問題ニ起因シ且前記ノ權利ニ關スル爭議ヲ生シ外交手段ニ依リテ滿足ナル解決ヲ得ルコト能ハス且其ノ間ニ幸ニ現存スル圓滿ナル強調ニ影響ヲ及ホスノ虞アル場合ニ於テハ右締約國ハ共同會議ノ爲他ノ締約國ヲ招請シ當該事件全部ヲ考量調整ノ目的ヲ以テ其ノ議ニ付スヘシ
第二條 前記ノ權利カ別國ノ侵略的行爲ニ依リ脅威セラルルニ於テハ締約國ハ右特殊事態ノ急ニ應スル爲共同ニ又ハ各別ニ執ルヘキ最有效ナル措置ニ關シ了解ヲ遂ケムカ爲充分ニ且隔意ナク互ニ交渉スヘシ
第三條 本條約ハ實施ノ時ヨリ十年間效力ヲ有シ且右期間滿了後ハ十二月前ノ豫告ヲ以テ之ヲ終了セシムル各締約國ノ權利ノ留保ノ下ニ引続キ其ノ效力ヲ有ス
第四條 本條約ハ締約國ノ憲法上ノ手続ニ從ヒ成ルヘク速ニ批准セラルヘク且華盛頓ニ於テ行ハルヘキ批准書寄託ノ時ヨリ實施セラルヘシ千九百十一年七月十三日倫敦ニ於テ締結セラレタル大不列顛國及日本國間ノ協約ハ之ト同時ニ終了スルモノトス合衆國政府ハ批准書寄託ノ調書ノ認證謄本ヲ各署名國ニ送付スヘシ
本條約ハ佛蘭西語及英吉利語ヲ以テ本文トシ合衆國政府ノ記録ニ寄託保存セラルヘク其ノ認證謄本ハ同政府之ヲ各署名國ニ送付スヘシ

太平洋方面に於ける島嶼たる屬地及島嶼たる領地に關する四國條約所屬聲明
大正一〇年(一九二一年)一二月一三日華盛頓ニ於テ署名調印 大正一二年(一九二三年)八月一七日告示
http://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/pw/19211213.T1J.html

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参考文献『自衛隊の南西シフト―戦慄の対中国・日米共同作戦の実態』(第19章 先島―南西諸島の「非武装地域宣言」―かつて南西諸島は非武装地域だった――木一草も生えなくなる「島嶼防衛戦」)からの引用
 
 自衛隊の想定する「島嶼防衛戦」は、平時から有事へとシームレスに発展することが予想されるとしている。このシームレスという表現は、自衛隊の全ての文書に出てくる。
 これは何を意味するのか? 結論を言えば、島民・住民たちが、この戦争を避けて島外へ避難する時間的余裕が全くない、ということである。
 なるほど、国民保護法(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律)によれば、住民避難が定められている。だが、この場合、政府が「武力攻撃事態」「武力攻撃予測事態」などを認定することが必要であるが、平時から緊急事態へ、有事事態へと切れ目なく移行するこの戦争では、住民避難は不可能だ。
 実際に、自衛隊制服組の島嶼防衛研究では、「島嶼防衛戦は軍民混在の戦争」になり、「避難は困難」とする結果が明記されている。研究の中では、その困難の中で、イスラエルのように各家に地下サイロを造るべき、という見解も出されている。

 実際の「島嶼防衛」の作戦面からも、住民避難は困難だ。この戦争の初期戦闘では、自衛隊が宮古海峡などの主要なチョーク・ポイントに機雷をばらまくことが、作戦上決定的である。つまり、先島諸島だけで10万人を超える住民たちを避難させる輸送手段は、ないということだ。
 実際にも、この住民避難の法律上の実施責任は、自治体であり、自衛隊はそれに「作戦上支障ない限り協力する」というものだ。
 このような、島民・住民の避難が不可能という状況下で、見てきたように「島嶼防衛戦」は、対艦・対空ミサイル部隊が島中を移動し、戦場化する。また、島嶼間の高速滑空弾や、島嶼間の巡航ミサイルなども、雨霰のごとく降り注ぐのだ。
 まさしく、先島諸島などの小さな島々は、一木一草残らず焼き尽くされ、破壊尽くされるだろう。

 南西諸島の「非武装地域宣言」を!

 このような、すさまじい戦争の中で、島々はどうすればいいのか? 結論から言えば、先島―南西諸島は、政府・自衛隊が行おうとするこの「島嶼防衛戦」に対し、世界に向かって「非武装地域宣言」を行い、一切の軍隊の駐留を阻むことだ。
 この宣言は、ハーグ陸戦条約第25条に定められた「無防守都市」であることを、紛争当事者に対して宣言することであり、国際的にも認められたものだ。かつて、フィリピンのマニラをはじめ、この宣言を行った都市も数多くある。

 あまり知られていないが、戦前の沖縄は、国際法上の「無防備地域」であった。これは、1922年、ワシントン条約(米英日仏)で締結された、「島嶼の要塞化禁止」に基づくものである。この条約(ワシントン体制)のもとで、奄美、沖縄本島、先島諸島(そしてサイパン、テニアン、グアムなど)は、1944年3月、沖縄本島、先島諸島への日本軍上陸までは、軍隊・基地は置かれなかったのだ(1930年代半ばからサイパンなどでは、秘密裡に基地建設)。
 この中でも、石垣島は、戦中の1年半という時期を除いて、明治以来およそ150年の間、完全な非武装地域であった。この事実の前に、自衛隊の言う「防衛の空白地帯」などは、単なる屁理屈にしかならない。

[参考条約の要約]
*ジュネーヴ条約追加第1議定書第 59条「無防備地区」……紛争当事国が無防備地区を攻撃することは、手段のいかんを問わず禁止する。紛争当事国の適当な当局は、軍隊が接触している地帯の付近またはその中にある居住地で、敵対する紛争当事国による占領のために開放されているものを無防備地区と宣言することができる。無防備地区は、次のすべての条件を満たさなければならない。
(a) すべての戦闘員ならびに移動兵器及び移動軍用設備が撤去されていること、
(b) 固定した軍用の施設または営造物が敵対的目的に使用されていないこと、
(c) 当局または住民により敵対行為が行われていないこと、
(d) 軍事行動を支援する活動が行われていないこと。

*ハーグ陸戦条約の第 25条「無防備都市、集落、住宅、建物はいかなる手段をもってしても、これを攻撃、砲撃することを禁ず」と定められている。

*日中平和友好条約による「武力による威嚇および覇権を確立」の禁止(1978年)
第一条 1 両締約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。
2 両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。
第二条 両締約国は、そのいずれも、アジア・太平洋地域においても又は他のいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。

*参考資料 ワシントン会議と太平洋防備問題
http://www.nids.mod.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j1-2_7.pdf
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自衛隊施設外の陸上での史上発の日米共同訓練反対!ー種子島から

2018年09月11日 | 軍事・自衛隊
日米共同訓練反対!(種子島)
自衛隊施設外の陸上での史上発の日米共同訓練反対!
<抗議集会>
1.日時 2018年9月14日(金) 18時~集会とデモ
2.集会会場 中種子島中央公民館
http://syamin.chesuto.jp/c43609.html
#自衛隊 #南西シフト #沖縄 #宮古島 #石垣島 #奄美大島

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水陸機動団と米海兵隊ーフィリピン軍との共同演習を批判する

2018年09月11日 | 軍事・自衛隊
水陸機動団と米海兵隊の「災害派遣」訓練というのは嗤ってしまいますが(水陸機動団の「国民的認知」のため)、場所がフィリピンであり、目的が書かれているように「日米及び日比防衛協力の強化」というのが重大です。

つまり、フィリピンを対中国包囲網態勢に、訓練・武器援助(既に中古品武器を援助)を通じて、とりこもうという魂胆です(中国もフィリピンに対抗的援助)。安倍政権(=アメリカ)の、東シナ海から南シナ海への介入、「インド太平洋戦略」に厳しい批判が必要です。

ーーなお、米軍はすでにフィリピンへ再登場し、クラーク基地を復活させ、スピッツ海軍基地の再強化へも乗り出しています。
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