今、自衛隊の在り方を問う!

急ピッチで進行する南西シフト態勢、巡航ミサイルなどの導入、際限なく拡大する軍事費、そして、隊内で吹き荒れるパワハラ……

陸自教範「野外令」による「離島=島嶼など防衛作戦」全文を暴く!

2018年10月18日 | 主張
新「日米ガイドライン」で新たに決定されたのが、「離島防衛」=「尖閣防衛」の日米共同作戦

新ガイドラインは、国会と憲法を無視し、日米の官僚どもの独断でクーデタ的に決定されたが、これは「日米制服組」の長年の策謀の実現である。この意味で安倍内閣は、この制服組の策謀で踊っているに過ぎない(民主党政権も同様だった)。

以下は、2000年1月に策定された、陸自最高教範『野外令』の「離島防衛」に関する全文である(冷戦後初の大改訂)。つまり、日米制服組は、すでに15年前から、「南西重視戦略=中国脅威論」のもと、戦争態勢作りを始めたということだ(与那国・宮古島など新基地建設・沖縄の自衛隊強化、奄美島への新基地建設などもその一環)

新日米ガイドラインでは「離島防衛」を以下のように明記。

「ⅳ.陸上攻撃に対処するための作戦

自衛隊及び米軍は、日本に対する陸上攻撃に対処するため、陸、海、空又は水陸両用 部隊を用いて、共同作戦を実施する。

自衛隊は、島嶼に対するものを含む陸上攻撃を阻止し、排除するための作戦を主体的 に実施する。

必要が生じた場合、自衛隊は島嶼を奪回するための作戦を実施する。

この ため、自衛隊は、着上陸侵攻を阻止し排除するための作戦、水陸両用作戦及び迅速な部 隊展開を含むが、これに限られない必要な行動をとる。 自衛隊はまた、関係機関と協力しつつ、潜入を伴うものを含め、日本における特殊作戦部隊による攻撃等の不正規型の攻撃を主体的に撃破する。

米軍は、自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する。」

*陸自教範『野外令』の「離島の防衛」に基づく、陸自教範「離島の作戦」全文を収録した『自衛隊の島嶼防衛戦』(小西誠編著・社会批評社刊)発売中


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陸自教範1-00-01-11-2

野外令

陸上幕僚監部 平成12年1月

陸上自衛隊教範第1-00-01-11-2号

陸自教範野外令を次のように定め、平成12年4月1日から使用する。陸自教範1-00-01-60-1野外令は、平成12年3月31日限り廃止する。

平成12年1月21日                            陸上幕僚長 陸将 磯島恒夫

はしがき

第1 目的及び記述範囲 本書は、方面隊及び師団・旅団に焦点を当てて国土防衛戦における陸上自衛隊の作戦・戦闘に関する基本的原則を記述し、教育訓練の一般的準拠を与えることを目的とする。

第2 使用上の注意事項

本書は、統合幕僚会議教範、「野外幕僚勤務」、「用語集」、関係法規等と関連して使用することが必要である。

第3 改正意見の提出

本書の改正に関する意見は、陸上幕僚長(教育訓練部長気付)に提出するとともに、陸上自衛隊幹部学校長に通知するものとする。

第4 本書は、部内専用であるので次の点に注意する。

1 教育訓練の準拠としての目的以外には使用しない。

2 用済み後は、確実に焼却する。



目次

はしがき

巻頭 綱領及び戦いの原則綱領戦いの原則

第1編 国家安全保障と陸上自衛隊

第1章 総説 第1節 安全保障と防衛・・・・・・・・・・・・・・・・・1

第2節 我が国の防衛・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

第2章 防衛力と自衛隊・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第3章 国土防衛戦 第1節 概説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

第2節 日米共同作戦・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

第3節 統合作戦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

第4節 陸上防衛戦略・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

第4章 陸上自衛隊の構成

第1節 陸上幕僚監部・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

第2節 部隊  第1款 部隊の編成・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

第2款 編制部隊及び編合部隊・・・・・・・・・・・・・14

第3款 編組部隊・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

第4款 職種部隊等・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

第3節 機関・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25

第2編 指揮第1章 総説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27

第2章 指揮官・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

第3章 指揮の実行 第1節 状況判断及び決心・・・・・・・・・・・・・・・・32

第2節 計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34

第3節 命令・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35

第4節 実行の監督・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36

第5節 報告・通報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37

第4章 指揮所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39

第3編 作戦・戦闘の基盤的機能

(以下略)

第3章 防衛作戦の実施

第1節 概説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・363

第2節 対着上陸作戦 第1款 要説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・363

第2款 計画の策定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・366

第3款 作戦指導 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・373

第4款 後方支援 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・379

第3節 内陸部の作戦  第1款 要説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・382

第2款 計画の策定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・385

第3款 作戦指導 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・386

第4款 後方支援 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・389

第4節 離島の作戦 第1款 要説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・391

第2款 計画の策定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・393

第3款 作戦指導 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・400

第4款 後方支援 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・403

第5節 対ゲリラ・コマンドウ作戦

第1款 要説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・405

第2款 計画の策定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・408

第3款 作戦指導 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・410

第4款 後方支援 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・411

第6節 対経空作戦  第1款 要説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・413

第1款 要説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・413
  第2款 計画の策定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・414
  第3款 作戦指導 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・417
  第4款 後方支援 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・418

第7節 警備
  第1款 要説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・419
  第2款 計画の策定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・421
  第3款 対処指導 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・422

(以下、付録は略)


戦いの原則

戦いの原則は、戦勝を獲得するための基本となる原則である。

この原則の適用に当たっては、「之が運用の妙は、一の其の人に存す。」と言われるように、いたずらに形式に陥ることを戒め、よくその本質を理解し、戦いの特性及び千変万化する状況に応じて総合的に運用し、常に創意を凝らし、もって戦勝の方途を求めなければならない。



目標 戦いの究極の目的は、敵の戦意を破砕して戦勝を獲得するにある。
戦いにおいては、目的に対して決定的な意義を有し、かつ、達成可能な目標を確立し、その達成を追求しなければならない。
主動 主動性の保持は、戦勢を支配して戦勝を獲得するため、極めて重要である。
攻勢は、主動性を確保して決定的成果を収め得る最良の方策である。やむを得ず受動に陥った場合においても、あらゆる手段を尽くして、早期に主動性を奪回しなければならない。
集中 有形・無形の各種戦闘力を総合して、敵に勝る威力を緊要な時期と場所に集中発揮することは、戦勝を獲得するため、極めて重要である。 全般において劣勢であっても、情勢の推移を的確に予測し、手段を尽くして決勝点において優勢を占めなければならない。
経済 限られた力で戦勝を獲得するためには、あらゆる戦闘力を有効に活用しなければならない。このため、目的を効率的に達成する方策を追求するとともに、決勝点以外に使用する戦闘力を必要最小限にとどめることが特に重要である。
統一 統一は、すべての努力を総合して共通の目標に指向するため、極めて重要である。統一は、権限を一人の指揮官に付与した場合に最も確実となる。また、関係部隊間の緊密な調整と積極的な協力は、統一を助長する。
機動 機動は、所望の時期と場所に、所要の戦闘力を集中又は分散して有利な態勢を確立するため、極めて重要である。機動は、運動力の発揮、地形・気象の克服、火力の発揚、適切な兵站支援等により発揮される。
奇襲 奇襲は、敵の意表に出てその均衡を崩し、戦勝を獲得するため、極めて重要である。敵の予期しない時期・場所・方法等で打撃すること及び敵に対応のいとまを与えないことは、奇襲成功の要件である。奇襲は、適切な情報活動、秘匿・欺騙、戦略・戦術の創造、迅速機敏な行動、地形・気象の克服等により達成される。
保全 保全は、脅威に対して我が部隊等の安全と行動の自由を確保するため、極めて重要である。適切な情報、警戒及び防護は、保全のための基本的な手段である。保全においては、敵の奇襲を防止するための方策が重要である。
簡明 戦いは、錯誤と混乱を伴うのが常態である。このため、戦いにおいては、すべて簡明を基調としなければならない。明確な目標の確立は、簡明の基本である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第4節 離島の作戦

第1款 要説

離島の作戦の目的

離島の作戦の目的は、海上・航空部隊と協同し、侵攻する敵を速やかに撃破して離島を確保するにある。

離島の作戦の特性

1 離隔した作戦地域  離島は海により本土と離隔しており、その特性は、離隔距離、港湾・空港施設の有無、住民の存否等により大きく異なる。また、離島の作戦は、気象・海象に大きく制約を受ける。

2 不意急襲的な侵攻

敵は、離島を占領するため、通常、上陸侵攻と降着侵攻を併用して主動的かつ不意急襲的に侵攻する。

したがって、我の作戦準備に大きな制約を受ける。

3 統合的かつ多様な作戦

離島の作戦は、離島への機動、離島における戦闘、住民への対応等から、海上・航空部隊等と連携した輸送・着上陸、又は対着上陸等の作戦、部外支援等、統合的かつ多様な作戦となる。



離島の作戦の重視事項

1 情報の獲得  敵の離島侵攻の機先を制する事前配置の処置及び奪回を含む多様な作戦からなる離島の作戦を整斉と遂行するためには、離島の地形、気象・海象、敵情等に関する確実かつ早期からの情報の獲得が重要である。  このため、経空・経海による地上偵察、航空偵察、関係部外機関等・島民の協力等あらゆる手段を活用することが必要である。

2 迅速な作戦準備  侵攻する敵を速やかに撃破するためには、状況の緊迫に即応して、適切かつ迅速に作戦準備を実施することが重要である。  このため、陸上最高司令部、海上・航空部隊等と緊密な連携を図るとともに、関係部隊等に対して早期に企図を明示し、準備の余裕を与えることが必要である。

3 緊密な統合作戦の遂行

(1) 指揮・統制組織の確立

陸上・海上・航空部隊の戦闘力等を統合発揮するためには、指揮・統制組織を確立することが重要である。

このため、作戦準備段階の当初から、指揮・統制組織を確立するとともに、作戦、情報、通信、兵站等の各分野にわたり、責任及び権限を明確にして統制及び調整を適切にし、海上・航空部隊と緊密な連携を保持することが必要である。

(2) 海上・航空優勢の確保

離島の作戦においては、海上・航空部隊と緊密に連携し、適時に海上・航空優勢を確保することが重要である。

このため、作戦の各段階における海上・航空優勢の確保の時期、地域等について密接に調整し、作戦の遂行を確実にすることが必要である。

4 柔軟性の保持

敵の侵攻の時期・場所・要領の不明、気象・海象の不確実性等、あらゆる状況に対応するためには、作戦の全般にわたり柔軟性を保持することが重要である。

このため、複数の機動手段の準備、予備隊の保持、迅速な部隊の転用等に努めることが必要である。

5 強靭な作戦基盤の確立

(1) 離島の作戦においては、情報収集、離島への機動、離島における作戦及び海上・航空部隊等との連携のため、確実な通信の確保が重要である。

このため、基地通信組織に野外通信組織を連接し、海上・航空部隊等と統合一貫した通信組織を構成することが必要である。

この際、無線通信、衛星通信及び部外通信を活用した迅速な通信確保に留意する。

(2) 作戦を密接に支援するためには、兵站支援地域、後方連絡線等作戦支援基盤を、状況に即応して、迅速に設定することが重要である。

このため、既存の施設の活用に努めるとともに、航空科部隊、兵站部隊等の展開のための十分な地積を確保することが必要である。

6 関係部外機関との連携

侵攻に伴う被害等から住民の安全を確保するためには、関係部外機関との連携が重要である。

このため、早期から関係部外機関と密接に連携し、情勢の推移に即応した住民避難等の部外支援について、十分な調整を実施することが必要である。

第2款 計画の策定

要旨

計画の策定に当たっては、任務、海上・航空部隊等との協同要領等に基づき、離島の特性、敵の可能行動、我が部隊の状況、海上・航空部隊等の能力、関係部外機関等の状況等を考慮して対処要領を決定し、関係部隊等に対して必要な行動の準拠を明らかにする。

2 離島を防衛するための基本的な対処要領には、所要の部隊を事前に配置して確保する要領(以下「事前配置による要領」という。)と奪回により確保する要領(以下「奪回による要領」という。)がある。

対処に当たっては、努めて事前配置による要領を追求するが、やむを得ず敵に占領された場合は、奪回による要領により離島を確保する。


事前配置による要領

1 対処要領

任務に基づき、所要の部隊を敵の侵攻に先んじて、速やかに離島に配置して作戦準備を整え、侵攻する敵を対着上陸作戦により早期に撃破する。

この際、海上・航空部隊等と協同して、海上及び空中における早期撃破に努めるとともに、状況により、予備隊等の増援により離島配置部隊を強化する。

2 計画の主要事項

計画には、作戦のための編成、離島への機動、対着上陸作戦、通信、作戦支援基盤の設定、海上・航空部隊等との協同等の必要な事項を含める。 3 作戦のための編成

作戦のための編成においては、対着上陸作戦を基礎とし、離島配置部隊、戦闘支援部隊、予備隊及び後方支援部隊に区分して編成するとともに、統合通信組織等の指揮・統制組織を構成する。

この際、離島配置部隊には独立戦闘能力の付与に努めるとともに、離島の特性、予想される敵の侵攻規模・要領、使用できる部隊、作戦準備期間等を考慮して編成する。

4 離島への機動

(1) 離島への機動においては、離島における対着上陸作戦準備の促進を重視して、所要の部隊を努めて早期に離島に展開する。

この際、膨大な移動所要を短期間に充足するため、十分な輸送力を確保するとともに、一元的な統制により効率的な輸送を実施する。

(2) 機動の要領は、離島の港湾・空港施設、侵攻の脅威の度、部隊の特性、利用できる輸送手段等を考慮して、海上輸送、航空輸送、これらの掩護態勢等について定める。

この際、侵攻の脅威の度に応じ、移動の効率性を重視するか、機動梯隊ごとに独立戦闘能力を付与して、離島における戦闘力発揮の容易性を重視するかを適切に定める。


5 対着上陸作戦

(1) 対着上陸作戦においては、各離島配置部隊ごとの独立戦闘能力の付与及び全周の防御を重視して、部隊を配置するとともに、海上・航空部隊等と協同して、敵の着上陸部隊を撃破する。

この際、対海上・海上・航空等火力による早期からの敵戦力の減殺及び敵の侵攻正面に対する予備隊の増強を重視する。

(2) 予備隊は、離島の特性、気象・海象、敵情、我が配置、利用できる機動手段等を考慮して配置する。

この際、海上・航空部隊との連携及び航空科部隊の配置を適切にして、状況に即応した予備隊の展開ができるようにする。

(3) 航空科部隊の展開地は、離島との離隔度、気象、敵情、我が配置等を考慮して設定し、ヘリコプター火力・空中機動力の柔軟な指向及び部隊の根拠地としての機能を確保する。

6 通信  無線通信、衛星通信及び部外通信を主体として、離島配置部隊との通信の確保及び対着上陸作戦における海上・航空部隊等との統合一貫した通信組織を計画する。

この際、離島配置部隊の通信力を強化して、通信の独立性を保持させるとともに、作戦準備間に努めて強固な通信を構成させる。

7 作戦支援基盤の設定

(1) 作戦支援基盤は、離島との離隔度、港湾・空港施設の有無、敵の脅威の度、離島配置部隊の規模・種類、使用できる後方支援部隊、期待できる海上・航空部隊等の支援等を考慮して設定する。状況に応じ、前方作戦支援基盤を設ける。

この際、離島配置部隊には、事前集積による支援を努める。

(2) 作戦支援基盤地域においては、前方支援地域、端末地等を構成する。

この際、作戦支援基盤の設定の当初から、対空掩護の態勢を確立する。

8 海上・航空部隊との協同

海上・航空部隊との協同においては、海上・航空優勢の確保、敵の増援等に対する海上・航空阻止、火力支援、情報、離島への機動・兵站支援・住民避難等のための輸送、救難等について明らかにする。


奪回による要領

1 対処要領  敵の侵攻直後の防御態勢未完に乗じた継続的な航空・艦砲等の火力による敵の制圧に引き続き、空中機動作戦及び海上作戦輸送による上陸作戦を遂行し、海岸堡を占領する。

じ後、後続部隊を戦闘加入させて、速やかに敵部隊を撃破する。

状況により、空中機動作戦を主体として、海岸堡を占領することなく速やかに敵部隊を撃破する場合がある。

2 計画の主要事項  計画には、作戦のための編成、着上陸作戦、後続部隊の攻撃、通信、作戦支援基盤の設定、海上・航空部隊等との協同等必要な事項を含める。

3 作戦のための編成  作戦のための編成においては、離島に対する空中機動作戦及び海上作戦輸送による上陸作戦を基礎とし、着上陸部隊、戦闘支援部隊、予備隊及び後方支援部隊に区分して編成するとともに、統合通信組織等の指揮・統制組織を編成する。  この際、離島の特性、敵の勢力・編組・配置、使用できる部隊、作戦準備期間等を考慮する。

4 予行  着上陸段階を重視するとともに、着上陸の時期・場所・要領、海象・気象、敵情、海上・航空支援火力等を考慮して、計画の適否、各部隊に対する計画の徹底、通信の確認等に関する予行を計画し、作戦の遂行を確実にする。  この際、対情報処置を適切にする。


5 着上陸作戦

(1) 基本的要領

海上・航空優勢の獲得の下、増援部隊を阻止して敵部隊を孤立化させるとともに、航空・艦砲等の火力による敵の制圧に引き続き、空中機動作戦及び海上作戦輸送による上陸作戦を遂行し、海岸堡を占領する。

この際、侵攻着後からの継続的な敵部隊の制圧、増援部隊の阻止による孤立化及び離島への戦闘力の推進を迅速にするための港湾・空港等の早期奪取が重要である。

(2) 指揮・統制の責任区分

着上陸部隊は、海上・空中機動間においては、通常、海上・航空部隊の統制を受ける。

(3) 情報

ア 情報活動に当たっては、離島に侵攻した敵の勢力・編組・配置、増援部隊、着上陸のための港湾・空港・ヘリポート等の状況の解明を重視する。

イ 地上偵察においては、偵察部隊を直接離島に配置して敵情等の解明を行う。

偵察部隊の運用に当たっては、情勢の緊迫に応じて、努めて敵の侵攻前に配置する。やむを得ず敵の侵攻後に配置する場合には、経海・経空のあらゆる手段を用いて隠密に離島に潜入させる。

この際、関係部外機関等及び島民との連携に努める。

ウ 海上・航空偵察においては、離島の状況、敵の増援部隊等の解明を重視する。

(4) 搭載

ア 搭載は、離島への着上陸後の戦闘計画を基準として計画する。

イ 海上作戦輸送による上陸作戦においては、上陸後の戦闘及び主力の攻撃を考慮し、海上部隊の定める搭載全般予定を基準として、乗船部隊の部隊区分、乗船艦船の割当て、搭載区域、搭載予定等を明らかにする。

ウ 空中機動作戦の搭載計画については、「第4編第7章第4節 空中機動作戦」を適用する。

(5) 離島への機動

空中機動作戦及び海上作戦輸送による上陸作戦における機動梯隊は、離島における戦闘力発揮の容易性を重視して、機動梯隊ごとに独立戦闘能力を付与する。

この際、海上・航空部隊等と連携して、作戦実施間の海上・航空優勢を獲得し機動の安全を図る。

(6) 着上陸戦闘

ア 着上陸の実施時期・場所は、港湾・空港等の早期奪取を重視するとともに、離島の地形、気象・海象、敵部隊の制圧状況、海上・航空支援火力、揚陸能力等を考慮して定める。

イ 空中機動作戦及び海上作戦輸送による上陸作戦は、状況に応じて、同時又は逐次に実施して海岸堡を占領する。

ウ 海岸堡の確保においては、離島の地形、港湾・空港等の位置、敵主火力の射程、後続部隊の収容等を考慮し、空中機動作戦と海上作戦輸送による上陸作戦を連携して、所要の地域を確保する。

エ 火力運用

(ア)着上陸前においては、敵の侵攻直後の防御態勢未完の脆弱な時期から着上陸の開始まで、継続的に航空・艦砲等の火力を敵部隊に集中して制圧し、孤立した敵部隊の戦闘意志を喪失させる。

(イ)着上陸直前においては、着上陸のための港湾・海岸・空港・ヘリポート等周辺の敵部隊の制圧を重視する。

(ウ)着上陸直後においては、当初野戦特科火力の発揮が制約されるため、ヘリコプター・航空・艦砲等の火力により密接に支援する。

(エ)火力の統制・調整においては、着上陸前後の時期を重視し、野戦特科・ヘリコプター・航空・艦砲等の火力を適切に統制・調整する。     この際、統制権者、統制の時期・場所・要領等を明確にする必要がある。

オ 空域の統制においては、空中機動作戦実施時期を重視し、高射特科部隊、航空科部隊等を適切に統制・調整して、空中機動作戦等の円滑な遂行を図る。



6 後続部隊の攻撃

(1) 後続部隊の推進

確保した海岸堡の港湾・空港等を活用して、海上作戦輸送及び航空輸送により戦闘力の推進を図る。

この際、戦車・野戦特科部隊等の揚陸支援態勢の設定及び後続部隊の海上配置又は作戦支援基盤地域等における前方配置を重視して迅速な推進を図る。

(2) じ後の攻撃

着上陸部隊の海岸堡の占領に引き続き、敵に対応のいとまを与えないように後続部隊を迅速に戦闘加入させ、速やかに敵を撃破する。

7 通信  無線通信及び衛星通信を主体として、着上陸部隊との通信の確保及び着上陸作戦における海上・航空部隊等との統合一貫した通信組織を計画する。

この際、着上陸部隊の戦闘のための編成に応じて、通信力を強化するとともに、企図秘匿のため、通信に関する統制を適切に計画する。

8 作戦支援基盤の設定

着上陸作戦における作戦支援基盤は、作戦部隊を密接に支援するため、努めて前方において支援できるように配置を適切にする。  この際、航空科部隊の離島における火力支援、輸送、補給等の行動の容易性、対空戦闘部隊・航空部隊等による対空掩護及び後方連絡線の確保を重視する。


第3款 作戦指導

対処の基本

情勢の緊迫に応じて、先行的に作戦準備を実施する。 敵の離島侵攻に先んじて、所要部隊の事前配置又は情報収集部隊の展開を実施する。 敵の侵攻に際しては、対着上陸作戦により早期に侵攻する敵を撃破する。

やむを得ず敵に占領された場合は、着上陸作戦により海岸堡を確保し、じ後、後続部隊の攻撃により速やかに敵部隊を撃破し、離島を奪回する。 いずれの場合にあっても、敵の侵攻に迅速に対応し、占領の既成事実化を阻止する。 この際、住民の事前避難のための部外支援に留意する。


事前配置による要領の場合

1 要旨  敵の侵攻に際しては、侵攻正面を早期に解明して、侵攻する離島に対する配備変更、予備隊の増援、航空等火力の重点指向等を状況に即応して柔軟に行い、侵攻する敵を早期に撃破する。

2 作戦準備の実施

(1) 作戦準備に当たっては、敵の離島侵攻に先んじて所要の部隊を事前配置するため、早期から作戦準備に着手するとともに、陸上最高司令部、海上・航空部隊等と密接な連携を保持して敵の侵攻兆候の察知に努める。

(2) 離島への機動は、海上・航空部隊と緊密に連携して実施し、迅速に部隊を展開させる。   この際、海上・航空優勢の確保により機動間の安全を図る。

(3) 作戦支援基盤の設定は、努めて早期から実施し、配置部隊の作戦準備を促進する。

3 対着上陸作戦の実施  対着上陸作戦に当たっては、ヘリコプター・航空・艦砲等火力の迅速な重点指向と離島配置部隊の強靭な戦闘により、敵部隊の着上陸前後の弱点を捕捉して撃破する。

状況に応じて、侵攻のない離島の配置部隊の転用及び予備隊の増援により、敵が侵攻する離島の配置部隊を強化し、柔軟な作戦を遂行する。  この際、気象・海象、彼我の状況、機動手段等を考慮して、配備変更及び増援の実施時期・要領を適切にする。

4 事前配置部隊での撃破が困難な場合  事前配置部隊での撃破が困難な状況においても、じ後の奪回行動に必要な最小限度の要域を確保させるとともに、港湾・空港等の利用を妨害し奪回を容易にする。


奪回による要領の場合

1 要旨  敵の侵攻に際しては、事態に即応して作戦準備を促進するとともに、侵攻直後の防御態勢未完の時期から、航空・艦砲等の火力により継続的に敵の制圧を実施する。

着上陸作戦の実施に当たっては、空中機動作戦及び海上作戦輸送による上陸作戦により、迅速に離島に海岸堡を占領する。

じ後、後続部隊を戦闘加入させて速やかに敵部隊を撃破する。

この際、事前の綿密な調整及び実施の確実な統制に留意する。

2 作戦準備の実施

(1) 作戦準備に当たっては、敵の離島侵攻に先んじて、努めて情報収集部隊を配置するとともに、奪回のため早期から作戦準備に着手する。   この際、侵攻正面・時期、敵の勢力・編組及び陣地・障害の程度の解明を重視する。

(2) 着上陸作戦の開始時期の決定においては、着上陸時期を基準とし、気象・海象、敵侵攻部隊の状況、海上・航空優勢の獲得、空中機動作戦及び海上作戦輸送による上陸作戦の準備等を考慮して、好機を捕捉するように決定する。   この際、陸上最高司令部、海上・航空部隊等と緊密に調整する。

(3) 予行は、作戦の特性、使用可能な時間、訓練の練度等を考慮し、時期・場所・要領を適切にして実施する。

この際、目的を明確にするとともに、企図の秘匿に留意する。

(4) 搭載においては、着上陸作戦の開始に伴い、着上陸部隊は速やかに搭載地域に移動し、所定の時期までに搭載を完了する。

この際、輸送部隊の統制の下、着上陸時において迅速に戦闘力の発揮ができるように搭載するとともに、企図の秘匿に留意する。

3 着上陸作戦の実施

(1) 敵部隊の制圧等

ア 敵の侵攻に当たっては、侵攻着後の敵の防御態勢未完に乗じて減殺を図るため、海上・航空部隊等と緊密に連携して、努めて早期から敵部隊を制圧する。

敵の制圧効果は着上陸の成否を左右するため、制圧の徹底を図るとともに、着上陸前における着上陸地域の制圧状況の把握を確実にする。   イ 敵部隊の増援に対しては、海上・航空部隊等と連携して、海上及び空中において阻止し、離島に侵攻した敵部隊の孤立化を図る。

(2) 着上陸戦闘

ア 空中機動作戦と海上作戦輸送による上陸作戦を同時に実施する場合は、各着上陸正面に対する十分な火力支援を確保するとともに、空中機動作戦部隊と海上作戦輸送による上陸作戦部隊を密接に連携させる。

イ 海岸堡の確保において状況有利な場合は、海岸堡を占領することなく、一挙に敵部隊を撃破する。

ウ 着上陸時の火力支援においては、海上・航空部隊等と緊密に連携するとともに、ヘリコプター火力を最大限に発揮して敵部隊の制圧を実施する。

後続部隊の攻撃  後続部隊の攻撃については、「第4編第3章 攻撃」を適用する。

5 離島奪回後の行動  陸上最高司令部と緊密な連携を図るとともに、敵の可能行動、部隊の状況等を考慮して、離島への配置、部隊交代、撤収等について、じ後の行動を明らかにする。


第4款 後方支援

兵站

1 兵站支援要領

先行的な準備による所要の補給品の確保及び事前集積、後方連絡線の維持、あるいは兵站組織の前方推進等により作戦を継続的に支援する。 2

事前配置による要領の場合  作戦構想に応じ、事前配置部隊に対し、補給、整備、衛生等の兵站部隊を配属するとともに、補給品の事前集積、必要に応じ一括割当補給を実施して、長期間にわたる独立作戦能力を付与する。  併せて海上・航空部隊及び関係部外機関等と緊密に連携して、努めて後方連絡線を維持し、緊要な補給品の補給及び傷病者の後送を行うとともに、あらかじめ空輸等の強行手段を準備する。  また、離島における現地調達は、民需を考慮し、慎重に行う。

3 奪回による要領に場合  通常、作戦準備期間が限定されるため、先行的に海上・航空部隊及び関係部外機関等と輸送手段の確保、端末地設定等に関する調整を実施するとともに、弾薬・燃料等所要の補給品を確保し、作戦正面に集中できるように準備する。

この際、離島作戦に伴う特殊所要特に航空燃料・搭載弾薬、空中投下器材、輸送資材、水等の補給に留意する。  作戦構想の具体化に伴い、速やかに着上陸作戦支援のための兵站組織の構成に着手し、作戦支援基盤地域に前方支援地域を推進するとともに、所要の地域に方面前進兵站基地、端末地等を設定する。

この際、前方支援地域は、ヘリコプターの行動範囲内で、かつ、着上陸部隊の発進基地の近傍に設定する。また、端末地及び発進基地には、必要に応じ、海上・航空部隊と調整し、補給品等の梱包・搭載を統制する端末地業務専門部隊を編成・配置し、あるいは海上輸送の端末地には、所要の船舶をもって補給品の海上集積ができれば有利である。

着上陸作戦開始後は、当初、着上陸部隊に増強した兵站部隊・補給品により支援し、海岸堡の占領に伴い、逐次、所要の兵站部隊を推進するとともに補給品を追送し、継続的に支援する。

この際、傷病者の後送を含み、あらかじめ強行支援を準備する。

人事

1 人事支援要領

援基盤の早期確立及び独立作戦能力の付与により、作戦間における支援を確保する。

この際、作戦の特性から、指揮官の卓越した統御と適切な指揮により隊員に国土防衛の信念を堅持させ、規律の維持及び士気の高揚を図ることが必要である。

2 事前配置による要領の場合

作戦構想に基づき、事前配置部隊に対して所要の要員を事前補充するとともに、人事部隊を配属して独立作戦能力を付与する。

作戦間は、必要に応じ、指揮官・重要特技者等の補充のため、空輸等の強行手段を準備する。

3 奪回による要領の場合  作戦構想に基づき、作戦支援基盤地域に速やかに人事支援基盤を構成する。

着上陸作戦開始後、海岸堡の占領に伴い、逐次人事部隊を推進し、支援を継続する。

この際、あらかじめ空輸等による指揮官、重要特技者等の補充及び戦没者の後送を準備する。

部外連絡協力及び広報 敵の離島侵攻に先んじて、適時に必要な情報を関係部外機関に通報して、先行的な住民避難等ができるように支援する。 やむを得ず敵に占領された場合は、住民の島内等避難に努め、作戦行動に伴う被害及び部隊行動への影響を局限する。 また、地方公共団体等と連携した適切な広報により、住民に必要な事項を周知させ、住民の安全及び作戦への信頼を確保する。
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浅田次郎さん「Yは反戦自衛官ですが、それを言うなら自分も反戦自衛官です。自衛官は全員反戦自衛官ではないのですか」

2018年10月18日 | 主張
浅田次郎さん「Yは反戦自衛官ですが、それを言うなら自分も反戦自衛官です。自衛官は全員反戦自衛官ではないのですか」


浅田次郎著『勇気凜々ルリの色  四十肩と恋愛・鉄血についてより抜粋/講談社文庫)より紹介

浅田さん曰く「私は四半世紀前のあのとき、なぜYの言わんとするところを真剣に聞かなかったのだろうと、今にして悔いている。耳に残るものが彼の主張ではなく、隊舎の非常階段で彼の吹いていたハモニカの音色だけであることを、深く恥じている。」

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「鉄血について」

先週に引き続き、沖縄について書こうと思う。



現在の沖縄をめぐる諸問題について、まず「沖縄戦」から語ろうとする私は、むしろ反動的であろう。昭和26年生まれという年齢からしても、物語を捏造する小説家という職業からしても、また自衛隊出身者という履歴からしても、沖縄戦を語る資格はないかもしれない。そうしたそしりを承知の上で、あえて再び書かせていただく。



私と沖縄との出会いは、昭和46年の春19歳のときであった。不良文学少年であった私はその年、なかば食いつめ、なかば三島事件の惑乱のうちに、陸上自衛隊に志願したのであった。



後期教育隊の隣のベッドに、Yという沖縄県出身の隊員がいた。無口で偏屈で、そのくせ妙に理屈っぽい男であった。年齢は私よりいくつか上であったと思う。物理的にも精神的にも極めて閉塞的な男の世界では、当然のごとくこうしたタイプは嫌われる。もっとも小説家になる予定のまま自衛隊に入った私は、おそらく彼に輪をかけた偏屈者であったはずであるが。



彼がどういう経緯で入隊したのかは知らない。高度成長まっただなかの、しかも学生運動もベトナム戦争もたけなわのあのころ、自衛隊に入隊するなどとはほとんど狂気の沙汰であり、したがっておたがいの「事情」を詮索することは一種のタブーであった。「沖縄を独立国家にする」と、Yは言っていた。なぜかと訊ねると、「君にはわからん」と答えた。市ヶ谷駐屯地の西のはずれにある隊舎の非常階段で、ただれ落ちる夕日を見つめながら、Yは言葉のかわりにハモニカを吹いた。



やがて私たちは同じ連隊に配属されたが、生活の単位である中隊は別であったので、自然と交誼は絶えた。いちど外出先でバッタリと出会い、喫茶店に入ったことがある。神保町の古本屋街で、しかも戦史書専門の書店の棚の前で出くわしたのである。貴重な外出時間を費やすにはたいそう場違いであったから、何となくおたがいの正体を見てしまったような、ふしぎな気分であった。



いまふと書斎を見渡して、そのとき買った本は何であったかと考えた。コーヒーを飲みながらおたがいが購入した書物を見せ合い、内容を論じ合った記憶がある。だとすると沖縄戦に関する私の蔵書のうちの最も古いものであろうから、防衛庁戦史室の編纂になる戦史叢書か、八原博通著の「沖縄決戦」、もしくは大田昌秀現知事の著書のうちの何かであったろうと思う。



いずれにしろはっきりと記憶に残るのは、私が沖縄戦に興味を持っていると知ったYの、熱っぽい表情と弁舌である。彼は私が同志であるかのように語り、私はそういうつもりではないと抗い、しまいには論争になって別れた。内容は記憶にないが、たぶん彼は相当に過激な主張をし、私はそれを忌避したのだと思う。 Yはその後ほどなく、外部の反戦活動家と結びつき、防衛庁の正門前で制服姿のまま抗議文を読み上げて懲戒免職となった。以後の消息は知らない。



事件の後、私も連隊の情報幹部に呼び出されて訊問を受けたが、教育隊で語り合ったことや神保町の喫茶店で論じ合ったことについては、何も口にしなかった。関りを避けたわけではない。彼の純粋な人となりを知る私にとってYが自衛隊からあしざまに言われるほど罪深い人間であったとは、どうしても思えなかったからである。



ウェスト・ポイントに留学していたというエリートの情報将校は部隊の名物で、いつもこれ見よがしのグリーン・ベレーをかぶり、レイバンのサングラスをかけていた。こんなやつにYが罵られるいわれはないと思った。訊問の途中で「反戦自衛官」という言葉がさかんに彼の口から出たので、「Yは反戦自衛官ですが、それを言うなら自分も反戦自衛官です。自衛官は全員反戦自衛官ではないのですか」、と言ってやった。以来私は、この幹部にだけはどこですれちがってもことごとく欠礼をした。もし咎められたらたちどころに言い返してやろうと考えていたが、幸か不幸かその機会はなかった。安保の是非は別としても、私は自衛官の名誉と日本男子の矜りにかけて、グリーン・ベレーに敬礼をする理由を持たなかった。(中略)



私は四半世紀前のあのとき、なぜYの言わんとするところを真剣に聞かなかったのだろうと、今にして悔いている。耳に残るものが彼の主張ではなく、隊舎の非常階段で彼の吹いていたハモニカの音色だけであることを、深く恥じている。

この先も、生涯の悔いとして残ると思う。正当な主張を誰にも聞いてもらえなかったYは、ハモニカのメロディにやり場のない怒りと悲しみをたくするほかはなかったのであろう。 県知事の温厚な表情のうちには、50年間少しも変わらぬ鉄血の流れていることを、われわれは知らねばならない。



少なくとも私は、古今東西のどのような偉人にも増して、大田昌秀知事を尊敬している。氏は、目に見える正義そのものである。正義を看過する悪魔の所業を、われわれは二度とくり返してはならない。(講談社文庫 初出誌 「週刊現代」1995年10月7日号より1996年10月12日号連載)



*小西注 1970年代までは、浅田さんが言うように「自衛官は全員反戦自衛官」と言える状況にもあったが、80年代以後、徐々に変質し、タモガミやヒゲ佐藤のような「戦争屋」が主流を占めるようになった。



*1972年の自衛隊の「沖縄派兵」に対し、私たちは沖縄での「自衛隊派兵反対=日本軍の再上陸反対」の運動に呼応して、逮捕投獄を覚悟して自衛隊内から決起したが(全員懲戒免職)、自衛隊はその後「沖縄宣撫工作」を成功させ、着々と自衛隊の強化を図った。その上に今や、南西重視戦略=沖縄重視戦略の下、自衛隊の本格的な増強・配備を行うおうとしている。これに反対する闘いは、安保法案=戦争法案の中心的課題である。



写真は、自衛隊の沖縄派兵に反対し、命令拒否権などの「自衛官の10項目の権利を要求」して起ち上がった「反戦6自衛官」(1972年4月27日。写真左の左から3人目が与那嶺1士、右端が筆者)
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*東・南シナ海をめぐる日中の「島嶼防衛戦争」ー軍拡競争、潜水艦の増強競争が拡大!

2018年10月18日 | 主張
*東・南シナ海をめぐる日中の「島嶼防衛戦争」ー軍拡競争、潜水艦の増強競争が拡大!
(「島嶼防衛戦」では、中国軍潜水艦を東シナ海=琉球列島弧に封じ込める態勢づくりが、海自潜水艦隊の役割とされる)

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*日経新聞から

日中、潜水艦競争が激化 質量両面でにらみ合い

日本と中国の「潜水艦競争」が熾烈(しれつ)になってきた。日本政府はこのほど中国が領海化を主張する南シナ海に護衛艦と潜水艦を派遣し、対潜水艦戦の訓練を続けてきたことを初公表。中国はロシア軍の指導を受けながら潜水艦戦力の強化を急ぐ。戦闘機や空母に比べ潜水艦の存在は目につきにくいが、この分野での競争には日中や米中の軍事バランスを左右する意味合いが潜む。

ロシア軍は9月半ば、ソ連崩壊後としては最大規模となる軍事演習「ボストーク2018」を実施した。主な演習地となったシベリアに中国軍が兵員約3000人、車両900両などを参加させていた時、一部の日本の安全保障関係者たちの目はもう一つの演習地、日本海に向いていた。

演習に先立つ9月初め、ロシア海軍の水上艦の大群がオホーツク海から宗谷海峡を抜けて日本海に入った。ミサイル巡洋艦、駆逐艦、戦車揚陸艦など、その数実に28隻。演習は終了したが、一部の艦艇はいまだ日本海にいる。これについて、日本のある安保関係者は「中国軍は潜水艦を日本海に入れ、既にロシア軍と演習をしたか、近くする可能性がある」とみる。

根拠の一つは、ロシア海軍が演習に投入した水上艦に、イゴリ・ベロウソフ級潜水艦救難艦1隻が入っていたことだ。

中国軍は近年、潜水艦部隊を急速に増強しているが、高度な技が要求される潜水艦救難作戦では米軍や海上自衛隊に大きく後れをとる。米軍主催の環太平洋合同演習(リムパック)には18年から参加を拒否され、米軍や海自の技を見て学ぶこともできなくなった。

そこで中国軍が頼るのがロシア軍だ。既に17年9月にロシアが日本海などで実施した演習には、中国海軍は潜水艦救難艦を派遣。今後も潜水艦を派遣して日本海などでロシア軍から教えを請う可能性があるのだ。

自衛隊は、対馬海峡や津軽海峡などを外国潜水艦が潜航したまま通過しても、ほぼ確実に探知できる態勢をとっている。ただ、探知能力を相手に知られないよう、通過を探知した事実を、政治的圧力などが加わらない限り公表しない。

中国軍は、米軍に対抗しうる軍隊の「象徴」として空母部隊の建設を進めているが、空母を実際に作戦展開させるには、米軍がするように護衛役の潜水艦をつける必要がある。中国軍はまた、米本土を直撃しうる潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載した戦略原子力潜水艦「晋級」を南シナ海に配備し、先々はその後継艦「唐級」を日本海に配備する公算が大きいが、ここでも護衛役の潜水艦が不可欠だ。

空母、SLBMどちらも、潜水艦部隊の能力を高めないことには前に進めない。ロシア軍に必死で学ぼうとしているのはこのためだ。

そんな中で、日本が南シナ海に訓練という名目で潜水艦を派遣してきたことは、中国には「不愉快な現実」に他ならない。中国海軍の潜水艦部隊は隻数こそ約60隻と自衛隊の22隻を大幅に上回ったものの、潜水艦にとって肝の技術である「静粛性」や運用実績では日本が大きく先行している。

日本は今回、中国軍に対し南シナ海への潜水艦派遣を公表したことで「仮に有事になれば、中国が南シナ海に配備した虎の子の潜水艦部隊も無事ではいられない」とのメッセ―ジを周辺国にもわかる形で送ったのだ。

同時に日本は、南シナ海で米軍が果たしてきた「中国潜水艦封じ」の役割を一部肩代わりできるようになっている、と米トランプ政権に強調しておく意味合いも込めたようだ。

中国軍には「質の劣勢」を「量」で挽回しようとする習性のようなものがあり、潜水艦部隊の増強は今後も続きそうだ。新型の無人潜水艇の大量配備という「非対称戦術」を繰り出そうともしている。日本としては、潜水艦作戦という自らのお家芸を質量両面で一層磨いていく必要がある。

安倍晋三首相と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は26日の北京での首脳会談で関係改善を確認する。だが、南シナ海の水面下での駆け引きは熱を帯びていく。
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『自衛隊の南西シフト―戦慄の対中国・日米共同作戦の実態』

2018年10月18日 | 書評
『自衛隊の南西シフト―戦慄の対中国・日米共同作戦の実態』


「立ち読み」ができます。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784907127251
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10月17日(水)のつぶやき

2018年10月18日 | 書評
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10月16日(火)のつぶやき

2018年10月17日 | 書評
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種子島での日米海兵隊共同演習に続き、種子島・奄美大島などで行われる生地訓練=市街地演習に抗議を!

2018年10月16日 | 主張
 種子島での日米海兵隊共同演習に続き、種子島・奄美大島などで行われる生地訓練=市街地演習

 南種子島・前之浜海浜公園に展開する海自揚陸艇LCAC(ホバークラフト)、[自衛隊統合演習2017年11月]
#自衛隊 #南西シフト #沖縄 #宮古島 #石垣島 #奄美大島 #種子島

 現在進行中の中種子町での日米海兵隊の共同演習は、地元でのたたかいの広がりもあって、マスメディアにも大きく取り上げられた。問題は、今回の日米軍の目的である、恒常的な中種子町ー種子島の日米海兵隊の共同演習ー軍事基地化を絶対許さないことだ。

 しかし、このためには、今この地で進行している事態を正確に捉えることだ。すなわち、今回の中種子町での日米共同演習は、すでに進行している種子島での自衛隊・米軍の共同演習の延長線上にあるからだ(詳細は、下記に引用する拙著を読んでいただきたい)。
 つまり、この種子島における演習ー市街地訓練は、種子島ー奄美大島の「薩南諸島」を訓練基地・機動展開基地(事前集積拠点)とする、自衛隊の南西シフト態勢の推進の戦略的観点から、猛然と推し進められてきている、ということだ。

 この演習の中心が、下記資料にもある西部方面隊の「鎮西演習」なのだ。この演習は、すでに5年ほど前から始まり、毎年演習を拡大し、種子島・奄美大島などの市街地を蹂躙して広がっている。種子島南部の前之浜海浜公園や奄美大島の江仁屋離島(えにやばなれじま)などは、明確に自衛隊の恒常的訓練場と化している(江仁屋離島は、防衛省の奄美大島配備図に「統合訓練場」として明記)。

(防衛省の情報公開請求提出文書)


 そして、今年も10月22日から始まる「鎮西30」は、「本土」以外では、「奄美市(奄美大島)、鹿児島郡(臥蛇島)、熊毛郡中種子町・南種子町(種子島)、大島郡徳之島町・天城町(徳之島)、沖縄県 : 国頭郡国頭村・本部町、うるま市」(陸幕発表)で行われようとしている。この演習場所は、なんと、ほとんどが沖縄を除いて民間地・市街地なのだ。

 このような、市街地での演習を大々的に行う場所が、「本土」では存在するだろうか。「本土」では、言うまでもなく自衛隊・米軍の演習場所は、専用の演習場で行われており、しかも、その演習場さえも、北・東富士演習場にみるように、地権者、周辺自治体との「使用協定」を締結するなど、使用が制約されているのだ。
 そうであるにも拘わらず、この奄美大島・種子島ー薩南諸島では、堂々と市街地、民間地での演習がまかり通っているのである。この演習の市街地での恒常化は、間違いなく住民への犠牲を伴う。これは沖縄をはじめ、全国の演習場内外の事故が示している(ヘリの墜落、実弾の誤射、兵士らの犯罪などなど)。
 この戦前を思わせるような、「軍隊の市街地への進出」(旧日本軍の市街地演習には、民間の炊き出し、民泊が要求された)を、決して許してはならない。
 奄美大島ー種子島の市街地での演習の常態化を阻もう! 
 奄美大島ー種子島(ー馬毛島)の軍事要塞化を、全国の力で阻もう!

 奄美大島の運動公園に機動展開する陸自部隊(偽装)


 奄美大島・名瀬港で「生地訓練」で武装警備に付く陸自


 奄美大島・瀬戸内町古仁屋港で展開する陸自「94式水際地雷施設装置」


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拙著『自衛隊の南西シフト―戦慄の対中国・日米共同作戦の実態』、第4章「軍事要塞に変貌する奄美大島」から引用


奄美大島を蹂躙する「生地訓練」という市街地訓練

 江仁屋離島について、住民の同意も得ず、勝手に演習場に組み込み、すでに演習が行われている状況を記述したが、さらに驚くべきことは、奄美大島では遙か以前から市街地での演習が常態化していることだ。

 筆者は、2017年11月、奄美大島を視察し、地元の関係者らと交流する機会を得た。その最初の日に案内されたのが、左頁の「奄美市太陽が丘総合運動公園」であった。モノクロ写真では判明しにくいが、この公園の一角には、陸自の特科部隊が偽装して展開していた。周辺には、車両の大部隊も公園を占拠するかのように展開。
 いや、島の至るところに自衛隊部隊が展開し演習を行っていたのだ。下の写真は、瀬戸内町古仁屋港に展開し、訓練を行っている94式水際地雷施設装置だ。要するに、敵の上陸に備えて、水際に機雷をばらまく水陸両用車である。

 この奄美大島での演習は、陸自西部方面隊が、数年前から行っている「鎮西演習」の一環である。この演習では、先島―南西諸島への機動展開のために、北海道や本州・九州から、戦車・対艦・対空ミサイル部隊などの大部隊が動員されるのだ。「鎮西29」では、約1万4千人、戦車を含む車両3千800両、航空機約60機が動員されている(陸上幕僚監部発表)。

 もちろん、機動展開演習ばかりだけでなく、奄美周辺では実際の島嶼上陸訓練、艦砲射撃を含む着上陸演習も行われているのだ(2013年「自衛隊統合演習」、2014年「平成28年度自衛隊統合演習・島嶼防衛演習」など)。

 ゲリラ対処による市街地の検問

 「生地訓練」とは、陸自教範の『対ゲリラ・コマンドウ作戦』で初めて規定された市街地訓練のことである。自衛隊独特の用語だ。
 自衛隊の市街地への展開は、市の運動公園、港に展開した部隊だけではなかった。次頁写真に見るように、名瀬港には、陸自の検問所が設置され、そこの部隊車両には、「近接戦闘隊形」をとった隊員らの警戒態勢がとられていた。 「本土」では考えられない軍事態勢が、当然のように敷かれているのだ。これが、自衛隊配備を受け入れた島の現実だ(先の政府交渉で防衛省は生地訓練も知らなかった)。 

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平成30年度方面隊実動演習(西部方面隊)の概要について
http://www.mod.go.jp/gsdf/news/press/2018/pdf/20181012tinzei.pdf

陸上自衛隊は、以下のとおり平成30年度方面隊実動演習(西部方面隊)を実施いた
します。
1 目 的
方面隊による島嶼侵攻事態の対処に係る演練を実施し、陸上自衛隊として、各種事態
の対処能力の向上に資する。
2 期 間
平成30年10月22日(月)~11月24日(土)
3 使用予定地域
西部方面区域内 各駐屯地・基地・演習場等
【公有地等】
長崎県 : 南島原市、佐世保市、五島市
福岡県 : 糸島市、北九州市
熊本県 : 熊本市、葦北郡
宮崎県 : 串間市大納
鹿児島県 : 鹿児島市、南さつま市、志布志市、阿久根市、肝属郡南大隅町
奄美市(奄美大島)、鹿児島郡(臥蛇島)、熊毛郡中種子町・南種子
町(種子島)、大島郡徳之島町・天城町(徳之島)
沖縄県 : 国頭郡国頭村・本部町、うるま市
4 担任官
西部方面総監 陸将 湯浅 悟郎
5 訓練部隊
(1)訓練参加部隊等
西部方面隊等
(2)参加規模
ア 人 員 約17,000名
イ 車 両 約 4,500両
(10式戦車4両、74式戦車4両、16式機動戦闘車8両を含む。)
ウ 航空機 約 65機(UH-60JA、CH-47J(JA)等)
6 特 色
島嶼侵攻事態対処能力の向上を図る実動演習であり、西部方面隊に加え、陸上総隊、
北部方面隊、東北方面隊、中部方面隊等の部隊が自衛隊施設以外の施設・区域を含む
西部方面区全域に展開し、一部においては米軍施設を使用する。
(問い合わせ先)
陸上幕僚監部広報室 安達、三井(担当)
(03-3268-3111 内線40083)


平成30年 度 日 米 共 同 統 合 演 習 ( 実 動 演 習 )
「 K e e n S w o r d 1 9 / 3 0 F T X 」
自衛隊と米軍は、下記のとおり平成30年度日米共同統合演習(実動演習)を実施します。

1 演習の目的
武力攻撃事態等における自衛隊の運用要領及び日米共同対処要領を演練し、自衛
隊の即応性及び日米の相互運用性の向上を図る。
2 実施期間
平成30年10月29日(月)~11月8日(木)

3 実施場所
自衛隊施設、在日米軍基地、対馬及び我が国周辺海空域並びにアメリカ合衆国グアム、
北マリアナ諸島自治連邦地区及びそれらの周辺海空域
4 統裁官
(1) 自衛隊:統合幕僚副長 陸 将 本松 敬史
(2) 米 軍:米軍計画
5 主要演練項目
(1) 水陸両用作戦
(2) BMD/防空作戦
(3) 海上作戦
6 演習参加部隊等
(1) 自衛隊
ア 機関等
統合幕僚監部、陸上幕僚監部、海上幕僚監部、航空幕僚監部及び情報本部
イ 陸上自衛隊
陸上総隊、各方面隊等
ウ 海上自衛隊
自衛艦隊、各地方隊等
http://www.mod.go.jp/js/
統合幕僚監 部 報 道 発 表 資 料
エ 航空自衛隊
航空総隊、航空支援集団等
(2) 米 軍
インド太平洋軍、在日米軍等
(3) その他
一部の訓練に加海軍艦艇が参加予定
7 演習参加規模
(1) 自衛隊:人員約47,000名、艦艇約20隻、航空機約170機
(2) 米 軍:人員約9,500名
(3) 加 軍:艦艇2隻
8 その他
(1) 日米共同統合演習は昭和60年度に開始され、概ね毎年、実動演習と指揮所演習
を交互に実施。実動演習は今年度で14回目である。
(2) 豪軍、加軍、仏軍、韓国軍及び英軍からオブザーバーを招へいする
http://www.mod.go.jp/js/Press/press2018/press_pdf/p20181012_05.pdf


統合水陸両用作戦訓練(実動訓練)の実施について
http://www.mod.go.jp/js/Press/press2018/press_pdf/p20181012_06.pdf

1 目 的
統合水陸両用作戦訓練(実動訓練)を実施し、水陸両用作戦における自衛隊の戦術技
量の向上を図るとともに統合運用の資を得る。
2 期間
平成30年10月15日(月)から10月24日(水)
3 実施場所
海上自衛隊佐世保地区から種子島に至る海空域、同島周辺海空域及び同島から海上自
衛隊横須賀地区に至る海空域
4 主要訓練項目
(1)ボート・AAV・ヘリコプターによる着上陸
(2)LCACによる揚陸から沿岸支援地域(BSA)開設までの一連の行動
5 訓練参加部隊等
人員約510名、艦艇1隻、航空機2機
(1)統合幕僚監部
人員約10名
(2)陸上自衛隊:陸上総隊
人員約300名、CH-47JA 2機
(3)海上自衛隊:自衛艦隊
人員約200名、輸送艦「しもきた
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10月15日(月)のつぶやき

2018年10月16日 | 書評
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自衛隊の先島―南西諸島新配備に対する、NHK報道規制の解禁について!

2018年10月15日 | 主張

 自衛隊の先島―南西諸島などへの新配備に対する、NHK報道規制の解禁!
 
#自衛隊 #南西シフト #沖縄 #宮古島 #石垣島 #奄美大島

 昨日の自衛隊記念式典・中央パレードにおいて、NHKはついに自衛隊の「南西シフト態勢」への報道を解禁した。
 この自衛隊記念式典の報道において、ほとんどの報道が安倍首相の「改憲発言」を中心に報じており、これもまた重要であるが、しかし、それと同じぐらい重大な問題が、NHKがようやく自衛隊の先島・南西諸島新配備ー南西シフト態勢に関する報道を解禁したということだ。

 NHKによる自衛隊の南西諸島配備に関する報道は、事実上これが初めてだ。マスメディアとしても、ほとんど初めての報道といえる(2017年4月のTBS特集報道を除く)。
 この報道解禁の理由は明らかだ。
 政府・自衛隊は、来年3月、宮古島・奄美大島の「自衛隊駐屯地の開設行事」を予定しており、この両島の駐屯地の「開設・開隊」を全国に大きく報道しないわけにはいかない。しかし、今まで、完全に報道を規制し、両島への駐屯地工事着工さえ報じてこなかったのに、いきなり、「駐屯地開設」では、政府としても報道機関としても、あまりにも報道規制が酷すぎると思われるだろう。そこで、この中央パレードでの水陸機動団の登場を契機に、報道解禁をしたということなのだ。

 それは、この日の報道内容を見ても明らかだ。NHKは先島―南西諸島配備に関して、以下のように言う(下記の全文参照)。

「南西諸島の防衛態勢を強化  防衛省は、南西諸島の防衛態勢の強化を目的に、水陸機動団以外にもこの地域での部隊の増強を進めています。おととし3月には、日本の最も西にある沖縄県の与那国島に、付近の船舶を監視する陸上自衛隊の沿岸監視部隊を発足させました。また、来年3月以降、海上の艦艇を対象とする「地対艦ミサイル」の部隊を、鹿児島県の奄美大島や沖縄県の宮古島に配備する計画になっているほか、石垣島にも配備が検討されています。


 この南西シフトに関する報道について、一般民衆はだませても、関係者をだますことは出来ない。ここでは、奄美大島、宮古島、石垣島に「地対艦ミサイル部隊」を配備すると言っているが、地対空ミサイル部隊の配備や陸自警備部隊(普通科部隊)、空自移動警戒隊の配備については、全く触れていない。
(*驚くべきことだが、奄美大島への自衛隊配備について、マスメディアが報じたのは沖縄島ー全国でもこれが初めて!)

 なぜ、NHKは、先島―南西諸島などへの自衛隊配備を「地対艦ミサイル」だけに限定したのか? 防衛省・自衛隊の配置図などでも、わざわざこういう「限定配備」を示すことはない。つまり、NHKとして初めてこの先島―南西諸島配備について報道するのに、すでに工事が大々的に始まっている配備ー駐屯地建設を「小さく見せよう」としている、ということだ。

 つまり、NHKは、報道機関として絶対に行ってはならない「事実隠し」報道を行ったということだ。しかも、防衛省・自衛隊の南西シフト態勢については、すでに2016年から、奄美大島・宮古島・石垣島で防衛省の説明会が行われ、新配備の発表が行われているにも関わらずだ。
 この報道規制(全マスメディアが同罪)だけでも、メディアとしては失格だが、これに輪を重ねてのジャーナリズム失格の事態だ。

 ここ数年に亘る、マスメディアの先島―南西諸島などの自衛隊配備に関する沈黙ー報道規制の中で、与那国島・石垣島・宮古島・奄美大島・種子島などの住民らが、いかに苦しい運動を強いられてきたか、全国の平和運動を担っている人々からも、いかに「無視」されてきたか(報道が全くないので、ほとんどこれらの新配備の事実さえ知らない)。このような「戦争協力」の責任の重要な一端が、マスメディアにはある。

*NHKを初めとするマスメディアの、自衛隊の南西シフトー先島―南西諸島などへの配備の事実さえも報じない報道規制に対して、もっと怒りの声を挙げよう。
 与那国島・石垣島・宮古島・奄美大島・馬毛島への自衛隊の新配備、沖縄本島・九州佐世保への自衛隊の増強への反対の声を強めよう。

これが、南西シフト態勢の実態図だ!

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NHK19時のニュース
安倍首相 自衛隊観閲式で自衛隊の憲法明記に改めて意欲 2018年10月14日

自衛隊の観閲式で、安倍総理大臣は訓示し、「すべての自衛隊員が誇りを持って任務を全うできる環境を整えることは、今を生きる政治家の責任だ」と述べ、憲法改正で自衛隊を明記することについて、改めて意欲を示しました。

自衛隊の観閲式は、埼玉県の陸上自衛隊朝霞訓練場で行われ、安倍総理大臣が、およそ4000人の自衛隊員を前に訓示しました。

この中で、安倍総理大臣は、「今や国民の9割が、敬意をもって自衛隊を認めている。自衛隊の存在は、かつては厳しい目で見られたときもあったが、ただひたすらにその職務を全うし、まさに、諸君自身の手で信頼を勝ち得た」と述べました。

そのうえで、「次は、政治がその役割をしっかり果たしていかなければならない。すべての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整えることは、今を生きる政治家の責任だ。私はその責任をしっかり果たしていく決意だ」と述べ、憲法改正で自衛隊を明記することについて、改めて意欲を示しました。

また安倍総理大臣は、12月に新たに策定する防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」について、「宇宙やサイバーといった新たな分野で競争優位を確立できなければ、この国を守り抜くことはできない。これまでの延長線上ではない、数十年先の未来の礎となる防衛力のあるべき姿を示す」と述べました。

このあと式では、ことし3月に島しょ部の防衛のため、上陸作戦を行う専門部隊として発足した、「水陸機動団」の隊員や、水陸両用車をはじめおよそ260両が行進したほか、ことし1月から配備が始まった航空自衛隊の最新鋭の戦闘機、F35Aの飛行も披露されました。

3月に発足 水陸機動団とは
「水陸機動団」は、島しょ部の防衛を目的に、海上からの上陸作戦を専門とする陸上自衛隊の部隊として、ことし3月、新たに発足しました。

中国が海洋進出を強める中で、南西諸島の防衛態勢を強化する一環として、5年前の平成25年に部隊を新しく作る方針が示され、アメリカ海兵隊との共同訓練などを通じてノウハウを蓄積してきました。

海上からの上陸時に使うのは、アメリカ軍が湾岸戦争やイラク戦争などに投入してきた「AAV7」という水陸両用車です。船のように浅瀬を進み、そのまま上陸できる車両で、1両の値段はおよそ7億4000万円。陸上自衛隊は合わせて52両を導入する計画です。

部隊が置かれているのは長崎県佐世保市の駐屯地で、陸上自衛隊は隊員数を現在のおよそ2100人から将来的には3000人規模に増やし、南西諸島防衛の中核に位置づけたいとしています。

南西諸島の防衛態勢を強化

防衛省は、南西諸島の防衛態勢の強化を目的に、水陸機動団以外にもこの地域での部隊の増強を進めています。

おととし3月には、日本の最も西にある沖縄県の与那国島に、付近の船舶を監視する陸上自衛隊の沿岸監視部隊を発足させました。また、来年3月以降、海上の艦艇を対象とする「地対艦ミサイル」の部隊を、鹿児島県の奄美大島や沖縄県の宮古島に配備する計画になっているほか、石垣島にも配備が検討されています。

地対艦ミサイルの部隊は、ことし7月、ハワイで、訓練用ミサイルを実際に発射するアメリカ軍との共同訓練を初めて行い、海洋進出を強める中国を念頭に日米の連携を強調しました。

一方、日本と中国の両政府間では、10年にわたる協議を経て、ことし5月、海上や空での偶発的な衝突を防ぐため、緊急時などに連絡を取り合う「海空連絡メカニズム」の運用開始が合意されました。

しかし、防衛当局の幹部どうしが電話などで直接やり取りする「ホットライン」は、まだ開設されておらず、実効性を高めていていくことが課題になっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181014/k10011671131000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_007
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10月14日(日)のつぶやき

2018年10月15日 | 書評
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