今、自衛隊の在り方を問う!

急ピッチで進行する南西シフト態勢、巡航ミサイルなどの導入、際限なく拡大する軍事費、そして、隊内で吹き荒れるパワハラ……

⑥「日米の『動的防衛協力』」による南西シフト

2022年09月29日 | 自衛隊南西シフト
⑥「日米の『動的防衛協力』」による南西シフト  


                        
*この論文は「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」メルマガ第60号への投稿記事からです。
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●隠蔽された「日米の『動的防衛協力』について」

 前項のような、日米制服組による内密の南西シフトとして策定された計画が、公然として始まるのは、2010年の「防衛計画の大綱」の改訂であり、2012年の統合幕僚監部による「日米の『動的防衛協力』について」(部外秘文書で非公開)においてである。

 しかし、2000年代初頭に計画された南西シフトが、なぜこのように遅れてしまったのか。この理由はシンプルだ。頼みの米軍が、アフガン、イラク戦争の泥沼から抜け出せなかったからだ。

 すでに明記してきたように、アメリカのイラク戦争などへの一定のメドがたった2010年の米国防総省のQDR、そして、それと連動した同年の「防衛計画の大綱」での策定を経て、自衛隊の南西シフトは公開され、始動する。 

 ただし、ここで公開されたのは、「離島の防衛」の必要性ということだけであり、南西シフトの具体的態勢――その部隊編成・規模・配備場所・時期などについては、一向に公開されることはなかったのだ(筆者は、2016年、防衛省に「南西シフトに関する全文書」の情報開示を求めたが、なんと提出されたのは、「1点13頁」の文書だけである!それ以後、琉球列島の基地建設が進むにつれて、なんと数百点の文書が公開!)。

 さて、この この統合幕僚監部の文書は、「動的防衛協力」と「別紙第2」の、「沖縄本島における恒常的な共同使用に係る新たな陸上部隊の配置」という2つの文書からなる(全文19頁)。

 なお、これら統幕文書は、筆書への情報開示では、全文がほとんど黒塗りであったが、2018年3月、日本共産党の国会質問で、「一市民への開示において同文書の改竄がある」と質問され、問題になった。その後、全文が同党によって公開された(「一市民」とは筆者のこと)。
まず、「動的防衛力」文書の重大さは、公開された文書の図を見れば一見して明らかである。文書は、正面から「対中防衛の考え方」を明記している。

 「平時の抑止」においては、「米軍との緊密な連携により、中国の影響力拡大を抑制」し、「中国の東シナ海の海洋権益を抑止」する。また、「中国のA2・AD能力に対抗し西太平洋での日米の活動を活発化する」。さらに、「有事の対処」としては、「日本の主体的行動及び米軍との共同作戦をもってこれを阻止」し、「米軍の来援基盤の確立を推進し米軍との共同対処」をする、と。

 この文書は、明らかなように「対中防衛」をはっきり宣言するとともに、公然と対中の日米共同作戦(戦略的にはA2/AD戦略)を策定した文書である。
以下略(続きは、以下のリンクからお読みください)
https://note.com/makoto03/n/n1076e6c92a42


「命どぅ宝の会」からー
 いつも活動をご支援いただき誠にありがとうございます。           
 今回のメルマガは当会オブザーバー小西誠さんからの第6回目の寄稿です。自衛隊の南西シフトを考える上で、小西さんがもっとも重要な文書だと指摘する、2012年7月に策定された「日米の『動的防衛協力』について」(統合幕僚監部防衛計画部作成)の解説です。                 
 この文書を通じて現在の日米共同作戦や在沖米軍基地の自衛隊との共同使用など沖縄が直面する課題について具体的分析を加えていただきました。ぜひお読みください。

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