これは、積極的に日本映画を見ていこうという企画で視聴した作品
原作ありきで作られた人間の願望というか、欲望というか“不老不死“をテーマにしてジャパニーズSF作品ですが
アクション作品でも観念映画でもなく
不老不死の施術というか、その不老不死を開発した兄によって30歳から永遠に年を取らなくなった主人公リナの17歳から135歳までの人生を綴った物語。
始めは17歳で我が子を産み、手放さざるを得ず、19歳で美容家であるエマに拾われて、死んだ人間がその死んだ時の年齢で質感も肌感覚も生前同様の、いわゆる置物となる”ボディワークス“を作る仕事に就く
そこで生きるとは、死人に執着する人々を知り、
そこで生きるとは、死人に執着する人々を知り、
そしてエマの弟である天才科学者天音はこの技術を発展させ、遂にストップエイジングによる“不老不死”を完成させ
30歳でその施術を受けるリナ
30歳でその施術を受けるリナ
病気に勝てず弟は死に、エマも自殺する中でリナは1人この“不老不死”というか人間の果てなき欲望に応えるために
ある島に施術院を開業する
しかし、人間がもしみんな不老不死になったとしたら
地球上に人の住む場所と食料は無くなるよね
人は死ぬから地球には住処があり食料需給も保てるんですけど
この作品はそんな現実問題は無視して
不老不死を望まぬ普通に人としての天寿を全うする人種と、飽くなき欲望で死にたくないって言う言う人がいて
この物語では先に書いた人口増加や食料需給の問題は不問にされてたようで・・・
自分より先に年を取り、老人になっていき人生とは生きるとは、を教えてくれるのはなんと自分の息子である老人夫婦という矛盾的な
そして人間的な生き方の描写ではなんとモノクロで描写されます。
不老不死に施術院では完全なる無機質感を出して
作者としてもキチッとそこいらを映像で描いてくれていたなぁ
まぁ、私もこの年になって、過去を振り返ってあの時は充実していたなぁとか思い起こす事もあるにはありますが
永遠に30歳のままで生きていたいとは思わないし、かつ不老不死になったとしても
ロシアがクリミアに侵攻したり、
脱炭素だとか、地球温暖化とか、果たして死なないことが本当に人として幸せなのかとか
色々と考えさせられました。
しかし、これからも色々と進化していく映画だけは永遠に見続けていけるといいなとは思いますけどもねぇ
2021年製作、日本映画、映画「Arc」製作委員会作品、WB配給作品
『円弧(アーク)』ケン・リュウ原作、石川慶共同脚本・編集・監督作品
出演:芳根京子、寺島しのぶ、岡田将生、清水くるみ、井之脇海、中川翼、中村ゆり、倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫