MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

Arc アーク

2022-02-28 23:04:08 | 邦画
これは、積極的に日本映画を見ていこうという企画で視聴した作品
原作ありきで作られた人間の願望というか、欲望というか“不老不死“をテーマにしてジャパニーズSF作品ですが
アクション作品でも観念映画でもなく
不老不死の施術というか、その不老不死を開発した兄によって30歳から永遠に年を取らなくなった主人公リナの17歳から135歳までの人生を綴った物語。
 
始めは17歳で我が子を産み、手放さざるを得ず、19歳で美容家であるエマに拾われて、死んだ人間がその死んだ時の年齢で質感も肌感覚も生前同様の、いわゆる置物となる”ボディワークス“を作る仕事に就く
そこで生きるとは、死人に執着する人々を知り、
そしてエマの弟である天才科学者天音はこの技術を発展させ、遂にストップエイジングによる“不老不死”を完成させ
30歳でその施術を受けるリナ
病気に勝てず弟は死に、エマも自殺する中でリナは1人この“不老不死”というか人間の果てなき欲望に応えるために
ある島に施術院を開業する
 
しかし、人間がもしみんな不老不死になったとしたら
地球上に人の住む場所と食料は無くなるよね
人は死ぬから地球には住処があり食料需給も保てるんですけど
この作品はそんな現実問題は無視して
 
不老不死を望まぬ普通に人としての天寿を全うする人種と、飽くなき欲望で死にたくないって言う言う人がいて
この物語では先に書いた人口増加や食料需給の問題は不問にされてたようで・・・
 
自分より先に年を取り、老人になっていき人生とは生きるとは、を教えてくれるのはなんと自分の息子である老人夫婦という矛盾的な
そして人間的な生き方の描写ではなんとモノクロで描写されます。
 
不老不死に施術院では完全なる無機質感を出して
作者としてもキチッとそこいらを映像で描いてくれていたなぁ
まぁ、私もこの年になって、過去を振り返ってあの時は充実していたなぁとか思い起こす事もあるにはありますが
永遠に30歳のままで生きていたいとは思わないし、かつ不老不死になったとしても
ロシアがクリミアに侵攻したり、
脱炭素だとか、地球温暖化とか、果たして死なないことが本当に人として幸せなのかとか
色々と考えさせられました。
しかし、これからも色々と進化していく映画だけは永遠に見続けていけるといいなとは思いますけどもねぇ
 
2021年製作、日本映画、映画「Arc」製作委員会作品、WB配給作品
『円弧(アーク)』ケン・リュウ原作、石川慶共同脚本・編集・監督作品
出演:芳根京子、寺島しのぶ、岡田将生、清水くるみ、井之脇海、中川翼、中村ゆり、倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫
 
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ソウルメイト/七月と安生

2022-02-28 17:28:26 | アジア映画
先に「少年の君」を観てたんですね、それも員数合わせでのレンタルでしかなかったんですが
これが重たい内容の映画でしたが、いろんな意味で結構映画としての完成度と、こっちに訴えかけてくる上部の重たさと違う何か爽やかさが映画にあって
これが実にハマって・・・
ちょっと間が空いたのには、やっぱ自分的に「少年の君」が心の中で完全消化されてきたのもあって
この作品は監督デレク・ツァンの初監督作品であり、透明感のあるチョウ・ドンユイがこちらにも主演してるという事もあって
日本でのDVDリリースが同時に行われたわけでして
 
でもって、個人的には順番を守る人なんですが、ようやっと先に作られたこっちを見ました。
これまたチョウ・ドンユイさんが主演というか安生を演じ、七月をマー・スンチュイという女優さんとのW主演でしょうね
最初に言っちゃうと二作品共に素晴らしい作品です。
しかし舞台の設定が違うからか、こちらの作品の方が映像的に透明感ある作品となっていましたが
どうなんでしょう、よく俗に”女同士の友情はない“なとも言われていますが、
小学校高学年で知り合い、そこから高校までつかず離れず一緒に過ごしてきた安生と七月
 
高校時代に好きな男ができた七月、彼と付き合うものの
こいつ見かけは素敵な奴なんですが七月と安生とを天秤にかけていたような、ないような
地方から大人になって北京に舞台を移しても
2人の友情は変わらない
って言えるのかどうか・・・

大人になってからの2人が歩む道ではすれ違いを繰り返し
でもソウルメイトを思い そして成長して行き 大人なる姿を 
七月が携帯小説として書き進めて行くと、それが話題になり出版される企画になったものの
七月がどこにいるか全く掴めない
しかし、もう1人の安生の消息を掴んだ出版社が
安生に七月の所在を尋ねているところから映画は、始まります
でその小説の過去から現在までのストーリーと、現在の安生のリアルタイムの生活とを交差させて描写していくんですね
 
ここに演出としての意図が隠されてて、最後に見てるこっちはドンデンをくらいます。
この作品は少女から思春期を経て大人になっていく過程で、先に書いたように女同士仲良くしてるがその実、ホントはどうなんだ
って1人の男を介して2人の女の人生を描いていく様は実に見事で素晴らしい
「少年の君」は男女の友情以上恋愛未満的な感情を表していましたが
こちらは女同士でしたからねぇ
ある意味「ソウルメイト」って言うタイトル自体がパラドックスにも思えて仕方なく感じたのは・・・私だけ?
 
2016年製作、中国・香港合作映画(日本未公開作品)
デレク・ツァン監督作品
出演:チョウ・ドンユイ、マー・スーチュン、トビー・リー
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恋するけだもの

2022-02-28 01:21:28 | 邦画
白石晃士監督の久々の長編映画でしたが尺的には86分と言う
個人的に映画としてはちょうどいい尺でした。
先にこの骨子となった18分の「恋のクレイジーロード」を観てすぐの鑑賞でしたから
宇野祥平さんの女装には違和感なく入れたのと
なんでシャベル持ってないんだって思って見てたらば
なんと期待を裏切らないシャベルの登場でしたし
アスファルトとの引きずり火花と。シャベル真一文字に横一閃での首チョンパには
思わず見惚れてしまいましたがな

スナックくぽちかでのクライマックスまでが、先ほどちょうどいい長さと言うには言いましたが
なんだかほとんど見どころがなく、ちょっとそこまで長く感じてしまったのも白石監督の計算にこっちがはまったんでしょうねきっと
ここからの見てるこっちの解放感と演者の開放感とのマッチングが凄すぎて・・・

実際最初っから胸糞映画でして、オープニングでのある意味人物紹介的なところでのオシッコ二題にはねぇ
こいつらの糞ぶりが実にうまく昇華されて居ましたが
個人的には最後のケレンでの拳銃使用には是とは言えない気がするのは何故だろう
でも宇野翔平さんは撃たれても、宙也に首の骨折られても死なないばけものだったり
結局は、ばけもの二人の恋のお話だったようで
なのでラストは2人して手に手を取ってのスキップらんらんらんでした
 
犯罪者ばかりが働いている作業会社の連中が片し屋って言う設定はありですが
宙也の過去をセリフ説明で片付けるのはいかがなものかと・・・
宇野さん同様に言わず語らずの方がばけもの感が出てよかった気がするのは私だけ?
そうでないと宙也の普通人から殺人鬼への変身シチュエーションの意味が消えてしまうような気がしたんですよね

ある意味全員がキ◯ガイの映画でして
そんな輩が一か所に集まれば当然我を通して血みどろの展開になるのは必至という事で
プロットの運びはうまいんだけど
ここにくるまで何かものたらなさを感じたのも事実ではあるのですが

首チョンパや顔引き千切ったりしてるけど、血飛沫もチラッと出るには出るんだけど、直接グロ描写がないのはレイティングGという制約からなんでしょうか
もっとグロさも強調して欲しかったなぁ
楽しい映画ではありましたが多少そこいらに不満の残る作品でもありました。
 
2020年製作、日本映画、ダブルフィードル作品
白石晃士脚本・撮影・編集・監督作品
出演:田中俊介、宇野祥平、上のしおり、木村知貴、細川佳央、大迫茂生、久保山智夏、金子鈴幸
 
コメント (2)
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