昭和残侠伝 唐獅子牡丹

10月から新規に始めた一日1本任侠映作品を見ていく企画
今日の一本は昨日に引き続いて「昭和残侠伝」のシリーズ2作目、メガフォンは再び佐伯清

どっかでさんざん見てきたと言うか使い古されたシノップス
渡世の義理で仕方なく斬った男の妻子を影ながら支える主人公の姿は
長谷川伸の名作戯曲で何度も映画化されてる「沓掛時次郎」ですよね
笠原和夫の本によると東映の脚本家は円朝全集に忠臣蔵更に松竹新喜劇や長谷川伸を読め
と言われたとか・・・
ただ、本作での建さんは身を削ってまで殺した男の妻子の面倒はみないところが
世間様ではかの名作「シェーン」のパクリとも言われている
確かにラストシーンはどこから見ても「シェーン」でしたねぇ
穂積ぺぺが「おじちゃーん」とか叫んだら完全に「シェーン」だわさ

この時代は今ほど著作権がうるさくないので
世の東西を問わずに、どこの国でもパクってなにも言われなかったおおらかな時代
健さんの「網走番外地」第一作なぞも米国映画「手錠のままの脱獄」の丸パクリですもんね

この映画で初めて健さんは"花田秀次郎"を名乗っているが
池部良は"畑中圭吾"と言う役名でしたね
高倉健、池部良の道行きはシリーズの見せ場として固まっていたものの
役名は固定してなかったようですね。
ということで一体何作目から役名が固定されるのだろうか
そっちにある意味私の興味は移行している

三島ゆり子さんも津川雅彦さんもも若いよねぇ(合掌)
山本麟一さんが個性的な演技をみせておられましたが
山本麟一さんと健さんは東映のニューフェイス同期なんですよね
麟一さんお若くして他界されてしまわれましたが
どっか不器用にみえる山本麟一さんは私のご贔屓の役者さんの一人でしたです
ワルも悪も善も不器用に見えますが、器用に演じ分けられる役者さんでしたね

まぁこういう映画にはヒロインと言う言葉は似合いませんが
前作に引き続いて三田佳子さん
今作には三田さんがもっておられる天性の色気が前面に醸されていましたねぇ
あの色気が「シェーン」色を濃いものにしちゃっていたような気がしました
特にラストシーンでは・・・

ってかまさかのラストの殴り込みのカタルシスが二段構えになっていたとは

1966年製作、日本映画、東映作品
山本英明、松本功共同脚本、佐伯清監督作品
出演： 高倉健、池部良、三田佳子、菅原謙二、津川雅彦、芦田伸介、水島道太郎、三島ゆり子、保積ペペ、城野ゆき、岡崎二朗

阿修羅少女（アシュラガール） ～BLOOD-C 異聞～

いつも言ってることですが、私のレンタルの条件はジャケットの絵面
そしてアニメも漫画も殆ど見ないし、邦画もあんまり見ない
先に書いた「放課後戦記」と一緒にレンタルしてきたのですが
ブログ記事にするのが遅れました
「放課後戦記」も非道かったですが、こちらもまた違った意味で酷くて
どうまとめていいのだが大分脳内で熟成させていましたが

どうやら「BLOOD-C」と言うアニメがあったようです
それを元にして舞台劇化されたようでその演出・作劇の奥秀太郎と言う人が監督されてるようですが
これって映画って言うような作品
よく知らなくて青野楓さんのセーラー服でのキック姿のジャケットにつられた私がばかに見えます
更に日本刀での切羽な映像もあったんでこれまたガーリーアクション映画だと

いや裏切られたって言うのは当てはまらないんですが
これは意図だったんでしょうかクライマックスでのカタルシスのアクションシーンが
あることはあるんですが
なんと画面が暗くて何がどうなってるのか殆ど見てるこっちにはわかんないんですよ

古田新太、坂井真紀に水野美紀、更に手塚とおると田中要次らまで揃えてるキャスティングが実に無駄遣いでしかない
って言うのも舞台背景や設定と青野楓以下の若手の村人達の演技が学園祭レベル、
映像的にもプロット的にもにもどうすればこんな映画が出来上がるのんだ？
セーラー服と日本刀とをだしときゃ食いつくだろうって感じ

戦前の寒村で特高警察官が血を吸い取らられて死んでいた。
特高隊長の甘粕は村に捜査本部を設定し、
村人に対し捜査開始しながら赤狩りを始めた。村人は勿論特高と衝突する・・・
事件の犯人は軍の実験で血の病にかかった村の少女だった、
夜な夜な診療所を抜け出して村人や特高を襲っていた、
その少女の弟はそんな姉を庇っていたのだったが
この事件を嗅ぎ付けた小夜は特高と蘭と蓮と対峙して行く

アニメもマンがみないのでこの小夜の立ち位置がよくわかんない
化け物退治の少女なんだろうなって朧気な・・・
この小夜さんが律儀で寝るときにはセーラー服をきちんと脱いでスリップ姿になるところだけがよく言ってこの映画での唯一の見所でしかない(汗

で、ハイキックなアクションもないしもう少しいくら夜の設定でも明るい画面で
青野楓をもっと大胆なアクションを1させて欲しかったって思ったのは、私だけ？

というわけで舞台劇の関係からか古田新太の起用だったんでしょうが、こんな作品だともったいなさ過ぎた。
本人は楽しく演っていたのはわかるけども

最後これだけは言っておきますが、古田の役名が甘粕でオープニング"満映"のロゴって狙いすぎでしょ(汗

2017年製作、日本映画、満映作品
奥秀太郎監督作品
出演：青野楓、松村龍之介、古田新太、宮原華音、郷本直也、滝川英治、手塚とおる、八神蓮、田中要次、銀粉蝶、水野美紀、坂井真紀

トリプルタップ

2010年の香港映画、先の7月にオルスタックソフトと言う
所謂着エロイメージDVD専門に扱う会社ですが
何でか過去のマカロニウエスタンとかジャーロやアクションを廉価で再販してるんですよね
でBlu-rayも販売しちょるんですが
トニー・クーがでてると言うことで1800円で購入していたんですが
ようやく日の目を見させましたら

なんとパッケージには何も書いてないのにDVDとBlu-rayｰRの二枚組でして
Blu-rayｰRの方で鑑賞しました
ジャケ写の銃が普通のと違うのは実弾使用の射撃競技用のピストルな訳で
個人持ちですので・・・そうなんですよね香港も警察とか現金輸送の警備員とかの銃の使用は許可してるものの
一般人の銃使用どころか携帯も許されていません

そんな競技大会で銃撃の一、ニ位を争った証券マンのクワンと殺人課の刑事チョン
トリプル・タップの差で刑事が競技に負けてしまいます刑事はダブルタップ
一つの標的に3発当てればトリプル・タップ
二発しか撃ち込めなければダブルタップ
決められた標的たちを走って射撃しつつその銃撃の完成度とSPEEDを競う競技大会です

一般人の拳銃所持は認められていなせんから銃器と拳銃弾は分割してはこぶことをぎみ付けられてるようで大会後も係員が保管点検しに来るんですね
高級外車で颯爽と会場を後にするトニー・クー
なんとハイウエイで輸送車の強奪事件現場にでくわし

彼の目の前で白バイ警官が強盗に撃たれたのを見てて
慌てて後ろトランクからマガジンと弾を出してマガジンに弾を込めて
ようやく強盗団に声かけすると反撃され、仕方なく応戦してしまいまして
競技大会で１位の腕前は3人の強盗を射殺してしまいます

強盗を阻止したのはいいのだが一般人の拳銃使用と殺人で競技大会で２位の刑事に逮捕され
裁判にかけられ一応無実を勝ち取る
香港の陪審員って7人しかいないんですね

トニー・クー看護婦の恋人がいて、会社の上司とも寝てる
そんな女上司の名義で大量の穴を明けてしまい、その損失に今回の襲撃を考え出した訳で
計算違いは強盗が警官を、警備員を、証券の運びやを射殺してしまったことで
強盗の3人を競技用の銃で射殺していたのであるのですが

実は損失補填にこの金をつかおうとするも足元みられるはとおし番号で札が用意されていtsので
一人逃げた奴を殺し金を全部燃やしてしまう

派手なアクションは競技大会でのシューティングと強盗との銃撃戦のシーンだけ
あとは二人の競技者の心理戦と言うことで115分の尺の30分以降は銃撃戦の様相を見せてくれませんが

オチのつけかたは香港のノワールって上手いよねぇ
心理戦とは言っても緊張感が途切れないので2時間弱の尺が短く感じたかな

2010年製作、香港映画(日本公開作品)
イー・トンシン脚本・監督作品
出演：ダニエル・ウー、ルイス・クー、シャーリーン・チョイ、リー・ビンビン、チャップマン・トー、ラム・シュー、マイケル・ウォン、アレックス・フォン