大幹部 無頼

一日1本任侠映画を見ていく企画
本日の一本は渡哲也の「無頼」シリーズ第二弾
前作「無頼より大幹部」と紛らわしいタイトルでしょう

前作で舛田監督の助監督ファーストだった小澤啓一の監督昇進第一作
で、それに花を添えるかのような二谷英明、芦川いづみ、内田良平と
結構日活としては第二作なのに豪華な俳優陣だし
さらに日活のニューアクションにつながっていくかのように
助監督のファーストには澤田幸弘がついているンですね
脚本は前作同様池上金男さんと久保田圭司さんということで前作のラストから物語がはじまります
五郎は青森行きの列車で過去を回想する

青森のうらびれた駅頭で踊り子芦川いづみを助ける
芦川さんが大変美しいけど
このまま消えてしまわずに後半は娼婦となって五郎と絡むも、
薄幸な佇まいはなんとも言えない
この娼婦に入れあげてるやくざに田中邦衛さん、ほんとうに儲け役
梶芽以子さんも大田雅子名義でのご出演
恋人役の岡崎二郎が殺され、五郎の前で泣き崩れるシーンがいい

二谷英明さんとかここまで日活を支えて来てる重鎮クラスまで出演していて映画に厚みを添えていた
欽ちゃんのバラエティでブレークする前の真屋順子さんのお若いこと
今じゃ鬼籍の人・・・ってもうここに出てるお方殆どが鬼籍人別帳に名を連ねてる

ラストのどぶ川でのカタルシスなんですが
擬闘と女子高生たちのバレーボールとのカットバックのすばらしい演出は
前作でも青江三奈さんの歌う姿と擬闘とのカットバックともダブるものの
今作の小澤啓一監督は前作のチーフ助監督だった人
ということで、片や堅気の人びとの日常的な描写と
やくざ世界のド汚い日常とのコントラストを描きたかったのでしょうか？

これも脚本なのか監督の演出なのかわかりませんが
前作のラストの映画タイトルといい
今作の健康的な女子高生たちの健全な肉体の躍動ってのは主人公が堅気になりたくてもなれないと言う比喩か？

従ってどぶ川で泥まみれになりはがらもがくやくざたちの汚れた肉体という構図が
紋付き袴の袖が引きちぎれた内田良平の背中から左腕にはびっしりと彫られた倶利伽羅紋紋と
小澤啓一の演出が細かい

1968年製作、日本映画、日活作品
池上金男・久保田圭司脚本、小澤啓一監督作品
出演：渡哲也、松原智恵子、二谷英明、芦川いづみ、内田良平、田中邦衛、岡崎二郎、大田雅子

狂人ドクター

10月10日インターフィルムからDVDスルーされた作品
何とも言えない不思議な映画です
ジャケットからはレンタルしようって言う意識は微塵も感じはしませんが
地元のGEOさんでは「ハン・ソロ」とか一緒の新作の棚に5本も導入だれとりまして
あんまり情報入れへんから公開作品かとセットの数に入れてきましたが・・・

1893年のボルティモア。会社経営する上流階級の両親を亡くして以来、
不眠や夢想癖に悩まされていたイザベルは、
上流階級の女性専門施設のローズウッド研究所に主治医の勧めで入院する事に。
最新の設備とケイルンという名医による治療で評判の施設と言うことでして
っていっぺんに両親亡くしたら精神的に参らない人間はいませんがな
ってことであとでわかるのだが主治医がイザベルにおかぼれしていて
彼女欲しさにこの女だけの施設に入れたんでんがな・・・

早速始まるケイルン医師によるいざべるへの治療が実に怪しいのだが、
ヒロインが毎夜見る不気味な夢、それは悪夢なのか？
治療は彼女の精神を開放するという名目で劇薬投与と肉体に鞭とか火とかの直接的な痛みを与えて、痛みからの解放へって言うもう訳のわからん治療と言うより拷問でんがなまるで

ヒロイン役のアリー・ガッレラーニという女優さん、それなりにお顔もオッパイもおきれいなお方を筆頭に、
患者はもう全裸ですやら、や看護師たちが、サディスティックだったりと
エロティックなサディスティックな治療という名の拷問をおこなうシーンが続出して、
結構エロチック的な作品ではありまして

しかし、クスリ関係から止めに入った兄を刺し殺してしまっちゃう訳で
これでもう助けてくれる人物はいなくなってしまう
さてこれからどうなる？
ヒロインは決してオカしくもなく、かと言って無理強いされて入院したワケでもなく
所謂治療の一環として薬漬けにした患者を病院施設を牛耳ってるバックが主宰する名士たちの慰みものとなるわけで
というシノップスに1800年代と言うノスタルジックな雰囲気を出そうと言う演出チープですが

所謂にマインドコントロールをするわけで・・・という事みたいなんですが、
ヒロインを主治医と病院長が取り合いみたいになるものの
そう上手くいくわけなくてヒロインは自分のしてきたことがだんだんわかってみて

騙された形で主治医をリベンジし、逃げようとする医院長と婦長さんもころして1
医院長には監督兼のジェームズ・フランコ、婦長さんにはパメラ・アンダーソン、
そして主治医にはエリック・ロバーツという中々の面子が簡単にころされま

そしてオチはなんと”？”という感じで、この病院の婦長に収まってる
と言う不思議でありつつもさもありなんと言う作品でした。

2017年製作、アメリカ映画監督：
ジェームズ・フランコ、パメラ・ロマノウスキー監督作品
出演：ジェームズ・フランコ、アリー・ガッレラーニ、ティム・ブレイク・ネルソン、ジョシュ・デュアメル、パメラ・アンダーソン、エリック・ロバーツ