謀殺11 2012-12-11 | 創作 本多正信 「されど、かような話しも、利三殿が知っておかなければ日向守殿が困る事態にも成りかねないかと存じ上げますが」 蜘と利三の間の緊張感に気づかない弥八郎が、重苦しい空気を破った。 「日向守様が困る事態とな」 利三の手が止まった。何気ない一言が弥八郎の命を救った。 「斉藤殿もご存じかと思いますが、越前の柴田殿より中納言様に凱旋祝いの . . . 本文を読む
謀殺10 2012-12-10 | 創作 四月二十一日甲斐より信長は安土に凱旋した。 信長の周辺は一気に慌ただしさを増していた。京都、堺、など畿内の大名、商人が信長の前に進物がうず高く積まれた。そして朝廷より二十二日勅使を使わし戦勝を祝賀し、征夷大将軍に付くよう要請しているが、信長は帰陣間もないことを理由にして、返事を保留している。 天子様の依頼を保留したことは、公家にとっては重大事であった。 本願寺の弥八として公家にも名の知られていた弥 . . . 本文を読む
美しい自然 醜い心 2012-12-09 | 日記 美しい自然と子供を放射能から守る会の醜い心の人達です。 能登は優しや土までも なんて大嘘 申入書を輪島市役所に提出する新木順子代表 この方の販売する美味しい輪島の特産品だそうです。 輪島崎水産加工グループ 新木順子 申し込みはこちらへ 石川県輪島市輪島崎町1-118 【問い合わせ】0768-22-0577 新木順子さん 女性部長の新木(しんき)順子さんは輪島市議会の唯一の女 . . . 本文を読む
謀殺9 2012-12-08 | 創作 柴田勝家 魚津城攻めで膠着状態になった北陸前田陣に再び弥八郎があらわれた。 「流石に、能登のお手並み鮮やかで感服仕った」 笑いながら会釈する弥八郎を、利家は、敵とはいえ戦場での長年の付き合いで旧知の友が訪ねてきてくれたかのような親しみを覚えた。 「貴殿に誉められると、つい疑ってみたくなる。 あれは、貴殿が上杉に与えた策ではないのかと . . . 本文を読む
衆議院選挙について 2012-12-07 | 日記 衆議院選挙が始まりました。 政治は他人事ではありません。自分の生活に直結していますから投票した方が良いと思います。 原発反対、TPP反対と皆さん言いますが反対するならサルでもできます。 どうせ明日できるものじゃないのですから。 この不景気、何とかしてくれる人が良いですよね。 決められない政治にしたのは、今の民主党じゃないですか。 先の総理であった福田さんがどなたと話したら結論が出るのか、本当に困っ . . . 本文を読む
謀殺8 2012-12-06 | 創作 魚津古城 天正十年五月、織田信長が甲斐攻めを行っていた頃、越中では魚津城・松倉城攻めが始まっていた。 五月の魚津城の包囲軍の一画に、前田利家の陣があった。 北陸攻めで佐々成政と柴田勝家の間に一揉めあったので、佐々陣と柴田陣の間に割って入るように前田の陣は備えていた。 甲斐での目覚ましい織田軍の戦果はここ北陸にも届いていた。 ここ北陸 . . . 本文を読む
謀殺7 2012-12-05 | 創作 弥八郎と蜘蛛は四月二十五日、京都における徳川の御用商人茶屋四郎次郎の屋敷に入った。 茶屋四郎次郎は、元三河の武士で京都における徳川家の情報収集の要でもあった。 「茶屋殿、またご厄介になります」 「いえいえ、今度は長くなるようなのですか」 「此度は少し長くなるかも、ところで三河守殿は、五月半ばには上洛なされるとか」 「そのようでございます。今度はお寺衆が家康様の護衛をしていただけるとか、石川様より使 . . . 本文を読む
謀殺6 2012-12-04 | 創作 翌日、蜘蛛は信忠付きの馬回り衆、猪子高就の屋敷に潜入した。 猪子高就、もと美濃、斉藤道三の側用人であった猪子兵助の子供で、織田信長には美濃三人衆より前に降っていたが、自前の兵力に乏しく今は信忠の馬回りをしていた。しかし、親譲りの策謀家であり、何より野心家であった。 猪子高就の屋敷は、森の中にあり周囲を3メートルほどの堀で囲まれていた。 蜘蛛は、屋敷にはいると猪子の寝所に忍び込んだ。寝息を立てている . . . 本文を読む
謀殺5 2012-12-03 | 創作 弥八は、大垣城を退去すると尾行する稲葉の者達に行方が分からないようにして、岐阜城下の本願寺派の商人長谷川夕隻の家に現れた。 「これは弥八殿、お久しぶりです」 「いや、ごやかいになります。ますます商売も繁盛のようで」 「全て御仏の御利益でございます。して、今度はいかなるご用でございましょうか」 弥八が笑っているだけを見て、長谷川はそれ以上聞くことはなかった。 「時に、甲斐の方では、織田殿が大勝したそ . . . 本文を読む
謀殺4 2012-12-01 | 創作 安藤守就 天正十年四月。 織田信長が甲斐で武田家の掃討を行っていた頃、美濃大垣城の近くに住む元美濃三人衆の一人安藤守就のもとにひとりの武士が尋ねてきていた。 「弥八殿、いちべつ以来じゃが、お元気そうで安心いたしましたぞ」 「いえ、我等の不注意から、策が露見したようで、安藤様にはご迷惑をおかけしました。顔なぞ出せる義理ではないので . . . 本文を読む