背寒日誌

2019年7月12日より再開。日々感じたこと、観たこと、読んだことなどについて気ままに書いていきます。

私の中の吉永小百合

2005年10月03日 07時59分08秒 | 日本映画
 吉永小百合は、昭和20年生まれだ。なぜ覚えているかというと、私の兄と同い年だからで、生年が終戦の年にあたる。もう還暦を迎えたはずで、40年以上も女優として第一線で活躍している。本当にすごいし、えらい!私はサユリスト(純正の小百合ファン?)ではなかったが、ずっと彼女をお姉さんみたいに思ってきた。
 吉永小百合は歌手だった。初めて彼女を見たのはテレビだった。「北風吹きぬく、寒い朝を…」で始まる「寒い朝」という歌を高い声で熱唱していた。そのすぐあとに、橋幸夫とのデュエット曲「いつでも夢を」が大ヒットした。確かレコード大賞を取ったはずだ。「星よりひそかに、雨よりやさしく、あの子はいつも歌っている」というあの歌は今でも口ずさむことがある。カラオケへ行って相手の女性がいないときには、私一人でも歌う。興がのると、吉永小百合のパートは裏声で歌うこともある。
 吉永小百合が出演した昔の日活映画は、リアルタイムでは見ていない。ビデオが出回り始めた25年ほど前に何本か借りて見た。「伊豆の踊り子」は好きな映画で、繰り返し見た。日本髪の若い吉永小百合が可愛い。「あいつと私」に出ている彼女のピチピチ若いこと!私は石坂洋二郎の青春小説が今でも好きだ。「あいつと私」は、松原千恵子主演のテレビ・ドラマを中学時代欠かさず見ていた。告白すると、当時は吉永小百合より松原千恵子の方が好きだった。
 最近吉永小百合の古い映画をテレビで見た。「いつでも夢を」と「上を向いて歩こう」だ。橋幸夫は今でもテレビで見かけるが、浜田光夫はどうしているのだろう?坂本九は死んでしまったが…。吉永小百合は日活時代浜田光夫との共演作が多かったが、「愛と死をみつめて」と「潮騒」はぜひもう一度見たい!
 映画監督の浦山桐朗が死んでからもう20年近く経つだろうか。「キューポラのある街」は銀座の並木座でリバイバル上映の時に見た。浪人時代だった。明るくけなげな吉永小百合に私は元気をもらった。
 浦山監督の「青春の門」と「夢千代日記」はビデオで見た。「夢千代日記」は吉永小百合の名演に引き込まれてしまった。この頃(70年代から80年代)の彼女は女優として脂が乗っていた時期だった。代表作ばかりが並んでいると思う。「天国の駅」の罪深いすさまじい女、「おはん」のいちずな情愛深い女、「細雪」の品の良い女、そして「男はつらいよ」の真面目で可憐な女、どれも素晴らしい。この時期に吉永小百合は大女優の域に達したと思う。
 テレビで原爆詩を朗読している吉永小百合を見たことがある。胸にジーンときた。
 最新作「北の零年」は見ていない。吉永小百合の映画は「外科室」くらいからずっと見ていない。ビデオを借りて見ようかとも思うのだが、ためらっている。
 テレビのCMで吉永小百合をよく見かける。その姿、あの声に接すると、私はほっとする。今は彼女をテレビでちょっと見るくらいが良いのかもしれない。
 心から吉永小百合を応援している。