ヴィンス・フリンのスパイ小説「ミッチ・ラップ」シリーズから初の映画化。「メイズ・ランナー」シリーズのディラン・オブライエンが主演し、マイケル・キートンが共演しています。
アメリカン・アサシン (American Assassin)
スペインのイビザ島で今まさに恋人にプロポーズをしたばかりのミッチ(ディラン・オブライエン)は、突然の無差別テロで、恋人を目の前で殺されてしまいます。復讐を誓ったミッチは体を鍛え、アラビア語を習得してテロリスト集団に近づき、やがてリーダーのマンスールに対峙する機会を得ますが、そこに突然CIAが現れ、テロリスト全員を射殺してしまいます。
自分の手で復讐を果たせなかったミッチは悔しさを爆発させますが、実はCIAはミッチを早くから監視し、彼の能力を高く評価していたのでした。CIAにスカウトされたミッチは、鬼教官ハーリー(マイケル・キートン)のもとで過酷な訓練を積み、核兵器テロを阻止するチームに抜擢されてイスタンブールへと向かいますが...。
予告を見て、主演の俳優さんがかっこいいな~と気になっていた作品。映像がスタイリッシュで、マイケル・キートンも出ているし、スパイ映画が好きということもあって期待して見に行きました。
主演のディアン・オブライエンは、”メイズ・ランナー”でブレイクした俳優さんなんですね。ジュブナイル映画と思ってほとんどノーマークだったので、彼のこともまったく知りませんでした。影のある二枚目で、どことなくアラン・ドロンを彷彿とさせます。ジム・スタージェスにも少し雰囲気が似ているかな?と思いました。
映画はスピード感があって、リアリティのあるキレキレのアクションがかっこいい。ハーリーは冷酷な鬼教官で「敵に捕まっても、助けには行かない。自ら命を絶て。」と繰り返し教え子たちに言い、それが物語の伏線にもなっていますが、どんなに過酷な訓練にもついてくるミッチのことは、一目置いているようです。
ただミッチの場合、出発点が復讐心から来ているために、私情をコントロールできずに激情にかられるところがあり、ハーリーは心配しているのでした。彼らの上司であるCIAの副長官(サナ・レイサン)もミッチを気に入っているようですし、なんだかんだで愛されています。^^
ロシアのプルトニウムをテロリスト集団に渡そうしている”ゴースト”というキーパーソンがいて、ミッチやハーリーはイスタンブールで何度も危険な目に遭います。いったい彼は何者なのか、なぜこんなことをするのか... のちに真相が明らかになります。
”ボーン”を思わせる、シリアスでリアルなスパイアクションに引き込まれましたが、拷問シーンはかなり過酷で、見れない場面もありました。そして、せっかくリアリティ路線でずっときていたのに、クライマックスが荒唐無稽だったのが少々残念でした。
特に核に対する扱いがあまりに軽いのが、私には見過ごすことができなかった...。テロリスト=イスラム系という決めつけも気になりました。本作がシリーズ化されるかどうかはわかりませんが、ディランくんには注目していきたいと思います。^^
ええ~っ!?これスパイ小説が元だったんですね!全然知りませんでした。
スパイ小説が元なら正直ダメダメでしょう、これは。というのが今の率直な気持ちです。
中年オヤジと若者のルーキー成長ものみたいな感じを強調してくれればいいのに、と思っておりました。
>特に核に対する扱いがあまりに軽いのが、私には見過ごすことができなかった...。テロリスト=イスラム系という決めつけも気になりました。
私もここ、すごく同意です。核弾頭、この手の作品で出過ぎですし。それとまあ、アメリカ万歳的な要素がいまだにあるっていうところですかね…。
一応CIAが舞台ですからね。^^
ミッチ・ラップは、テロリズムと戦うCIAの暗殺者という設定で
シリーズで10冊以上出ているみたいです。
本作は、ミッチがCIAの暗殺者となる経緯を描いていましたが
これからバディ色が強くなってくるのかしら?(続編があるとすれば)
あの美しい海が、このあと何十年も見えない核の汚染に苦しむことになるのに
被害が少なくてよかったではすまされませんよね~
そこがちょっと気になりました。