環境汚染物質の危険を知りながら何十年も隠蔽し廃棄し続けてきた、アメリカの巨大化学企業デュポンを相手に戦う一人の弁護士の活動を描いた、実話に基づく社会派ドラマです。
ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男 (Dark Waters)
2019年にこの映画がアメリカで公開された時に、アメリカ在住のブロ友さんに教えていただいて、早く見たいと楽しみにしていましたが、日本でなかなか公開されず... ようやく先月公開されたので、早速公開初週に見に行ってきました。
甘さが微塵もない真摯な作りで、決して楽しい作品ではありませんが、フライパンのコーティングで知られるテフロンの製造過程で起こる環境汚染をテーマとしていて、背筋が凍るような恐怖を覚える作品でした。
巨大企業デュポンに挑む弁護士ロバートをマーク・ラファロが演じています。マーク・ラファロといえば、私にとっての代表作は「フォックスキャッチャー」と「スポットライト 世紀のスクープ」。
「フォックスキャッチャー」は、心に闇を抱えるデュポン財閥の御曹司が、デュポン家の広大な敷地にレスリング選手を集めて強化チームを作るも、狂気にとらわれコーチを殺害した事件を描いたサイコロジカルホラーともいうべき作品。マークはコーチを演じました。
そして今回は、同じデュポンが本業で起こした大量殺害事件というべきもので、デュポン家ってどれだけ闇が深いんだ... と恐ろしくなりました。
「スポットライト 世紀のスクープ」はボストン・グローブの記者たちが、カトリック教会のスキャンダルに挑むもので、マーク・ラファロはカトリック教会という巨大権力の犯罪に立ち向かう記者のひとりを演じました。
本作はこの2つの作品と同じくドキュメンタリーベースの作品で、マーク・ラファロが製作を務めています。社会派であるマーク・ラファロの強いメッセージが伝わってくる作品でした。
もともとロバートは、有力弁護士事務所で大企業を守る側として前途洋々の立場にいました。しかし祖母の知り合いである農場主のもとを訪れ、何百頭もの牛が苦しみながら死んだことを知り、事実の解明に乗り出します。
それは最初は誰からも理解されない、孤独な闘いでもありました。何が彼をそうさせたのか。企業に責任を追及するということもありますが、これは被害者だけの問題ではない、やがて巡り巡ってすべての生態系に危機をもたらすことも認識していたのだと思います。
この作品には、実際に健康被害を受けた方もキャストとして登場し、衝撃を受けました。同じテーマを描いた「エリン・ブロコビッチ」は爽快なラストで終わりますが、本作は今も訴訟が続いていることもあり、ひたすら重い。でも見る価値のある作品です。
社会派のマーク・ラファロらしい映画ですね!?
本当にこの手の映画がピッタリです。
今となっては何故ハルクやったんだろう?って思っちゃいました(笑
私は「スポットライト~」しか見てないので、「フォックスキャッチャー」と合わせてこちらの映画も観たいです!
「フォックスキャッチャー」はスティーヴ・カレルがすごかったですが、そういえばデュポン社でした。そうそうマークも出てました。
マーク・ラファロはホント良い俳優ですね。
こういったキャラにぴったりです。
そして本作のラストに登場する実際の人物にびっくりでした。
今でも訴訟が続いている事実にも驚きです。
デュポン社が大儲けしたテフロンは地球上からなくなることは恐らくないと思いますが、分かる範囲で使用は避けたいなと感じましたね。
本作、重いですが、真摯に作られたよい作品でした。
フォックスキャッチャーと合わせて是非!
と言いたいところですが、どちらもずっしりと重いので、分けてご覧になられた方がよいと思います。^^
私はこういう作品好きです。
フォックスキャッチャーといい、本作といい
デュポンでなんという闇の深い会社なんだ...と恐ろしくなりました。
マーク・ラファロはよい俳優ですね。
彼のなんとしてもこの事実を伝えなくては!という思いが伝わってくる作品でした。
便利な生活と引き換えに失われるものの大きさについて考えてしまいます。
お馴染み、Graham Norton Show に
マーク・ラファロが出たときが良かったです。こちらのリンク、https://www.youtube.com/watch?v=-h0bPpaVY3s 日本からも観れると良いですが、もしダメでしたらFULL Graham Norton Show 7/2/2020 Mark Ruffalo, David Schwimmer, Nick Mohammed, Tamsin Greig で検索してみてください。7分辺りに弁護士本人がちらっと出ます。
マーク・ラファロって、いつも酔っぱらってるみたいでほんと面白いひとですね。
待っていた本作、やっと公開されました。
ご紹介ありがとうございました。
ほんとうにテフロンてありとあらゆるところに使われているんですね。今の便利な生活に慣れきってしまうと、完全に排除するということは難しいでしょうけれど。そういえば10年くらい前?に問題になった環境ホルモン(内分泌攪乱物質)も最近ではすっかり話題に上らなくなりました。
リンクしてくださった動画、日本でも見れました!
マーク・ラファロ、いいですねー。映画の場面もちらっと出て、ちょっと泣きそうになりました。
弁護士本人の方にもどことなく雰囲気が似ていて(似せていて?)驚きました。奥様の方は、ご本人の方がずっとできた方って感じでしたけど。^^
マーク・ラファロ、素顔はほんとうに飾らない方なんですね。
ご覧になったのですね。
正にお書きになっていらっしゃる通りです。「大量殺人」の権化ですよね…大量殺戮と言ってもいいのかも。
デュポン家は元々兵器産業で名を成したということ。その前身を考えても、人の命を何だと思っているのだろう、と。
今は、ちょっと目を離すと焦げ付きやすい自宅の鍋に愛着を持っている私です。
本作、楽しみにしていたので昨年公開間もなく見に行ったのですが、記事にするのがすっかり遅くなりました。見応えのある作品でしたね。
Wikiでデュポンのことを見たら、テフロンの技術が第2次世界大戦時の原爆を作るのにも寄与していたとか。
それに加えてこの映画に描かれているような犯罪行為も。
企業倫理がとことん欠落している企業としか思えません。
私のフライパンはテフロンではないのですが、焦げ付きにくいので、何かよからぬ物質が使われているかも... 便利な素材には疑心暗鬼になってしまいます。^^;