銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中の「ル・パルクの色 遊びと企て」ジュリオ・ル・パルク展 (Les Couleurs en Jeu by Julio Le Parc) を見に行きました。
レンゾ・ピアノ設計のメゾンエルメスのビルのファサードを大胆に使ったル・パルクのインスタレーション。これを見て「何?何?」と思った方もいらしたのではないでしょうか。カラフルな色の構成に、見ただけでわくわくしてきます。
エレベータに乗ると、1階から9階のギャラリーに上るまで、内壁沿いにロング・ウォークという作品が続いていて、これまたびっくりしました。(言葉で表現するのが難しいですが、例えるならばドミノ倒しのような、ピタゴラスイッチのような。)
ヴォリューム(容積)と色のアンサンブル 1971-1975
ル・パルクは1928年アルゼンチン生まれのアーティストです。1958年にフランスに移住し、モンドリアンやロシア構成主義に影響を受け、幾何学的な抽象画の制作をはじめました。
1960年代に他のアーティストたちと視覚芸術探求グループ (GRAV) を結成し、視覚的錯覚や動力を用いたキネティックアートや観客参加型作品など、新たなアートの体験を提案してきました。
本展では、ル・パルクのこれまでの活動から「色」をテーマとし、初期のモノクロの作品から1959年からの14色を使った作品のシリーズ、モビールの新作まで、メゾンエルメスのビル全体を使って紹介しています。
ビルのファサードを飾るカラフルなアートが、ギャラリーの内側から見るとステンドグラスのような効果を生み出しています。右に見えるのは2階分の吹抜けに吊り下げられた、14色の板を使った大掛かりなモビールです。
ル・パルクの14色を使った構成作品
ル・パルクの作品を見て、中学1年の美術の時間に習った12色の色相環や、グラデーションの構成課題を懐かしく思い出しました。当時からデザインや幾何学が好きで、こういうアートを考えるのが大好きでした。
初期の頃のモノクロームの作品
スチールの板を使ったモビール。鏡のようにキラキラしてきれいでした。
シリーズ 14-14 置換 1970-2020
14色を使った構成ですが、私は灯台のレンズを思い出しました。
オンド (電波) 110 no.8
14色の組合せが、隣り合う色によって、飛び出して見えたり、へこんで見えたりする不思議。習作も豊富にありましたが、どれも見ていて飽きませんでした。
映像作品や、ル・パルクのインタビュー映像などもあり、興味深く鑑賞しました。
暗くなってからのメゾンエルメス。明かりが灯るとますます美しかったです。