
千里山の松が丘から河田新池を過ぎて、佐井寺地区へ向かう中程にある小さな峠を越えると、突然に視界が開けて千里山の昔の姿が彷彿と蘇る里山風景が広がっています。間近に迫るマンション群に取り囲まれて、次第に小さくなってはいますが、この一郭では紛れもなく里山の営みが続けられているのです。今の季節には早苗が風に揺れる水面に、雨の波紋が広がります。夏には野菜畑が、そして秋には柿の実が色づきます。こうして四季の移ろいを味わうことで日本人の感性が育まれて来たのだと思います。
ところで、里山風景の崩壊が全国的に問題になっています。過疎化や村人口の高齢化によって、美しい日本の風景が維持できなくなっています。里山風景が私達に教えてくれるものは、自然と調和した生活の豊かさや、心の安定だと思います。自然は本来怖いものです。しかし長年の体験から人は自然と調和した関係を築きあげてきました。里山風景を美しいと感じ懐かしく思えるのは、そうした本来は過酷な自然との共生が実現している一つの姿だからだと思います。一方、都市ではそうした自然への畏敬さえ忘れてしまったかのようです!!
※千里山.NETの「街並み案内」に里山風景(松が丘)の紹介ページを作成しました。右上矢印ボタンからリンクしています。
※千の里山風景(2)で「竹園」の記事をこちらにエントリーしています。
・里山同好会「環境goo大賞2005」