10時と3時のいっぷく

零細建築設計事務所の日常とその周辺を、コーヒータイムに綴ります。

ヤマを超えた

2006年04月26日 | まちかどの近代建築写真展
「まちかどの近代建築写真展」というのは、近代建築探訪の愛好者が集まるML(メーリングリスト)の中から生まれた企画で、2004年の札幌を皮切りに今まで4箇所で開催されて来ました。年何回開催するとか、次は何処で開催するとか、そんな決りはなく、それぞれの地域の事情に合わせたユニークな展示を行なって来ました。
今回5回目となる甲府展のそもそものきっかけは、昨年の秋、甲府カトリック教会聖堂の取壊しの噂を聞いたことに始まります。それまでこの聖堂の存在を知らなかった私は、知人から聞いたその情報がきっかけで、昨年の9月、この聖堂を始めて訪れました。そして、その素晴らしさと、甲府にもまだこんな建物が残っていたのかと驚きました。そして、この聖堂の保存の問題とどう関わっていったらよいのかと模索しました。それを手助けしてくれたのが、MLのメンバーで、これまで各地で写真展開催の“営業”をしてきた「小道」さんなのです。そして、教会で写真展を、というストーリーが始まったのです。

写真展も今日で半道中を過ぎましたが、今日教会の信者のY老人とお会いしました。Yさんはお祖父さんがこの聖堂の建設に尽力された方で、そのことを大切に思っていて、今でも聖堂の保守に尽力されています。そのYさんからこんな言葉を掛けられました。
『今回、ここで写真展を開いてくれて、自分達の教会が、こんなに立派だったのかと、信者の多くが言っている。写真展のお陰で、皆がやっとこの会堂を残すように考えが変わって来た。本当に有難う…』
その言葉を聞いて、会期はまだ残っているが、今回の私の役割は果たせたのではないかと思いました。
今後、聖堂の保存が確定すれば、私の人生の中で、この写真展は“最大の仕事”になるのではと思います。

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2 コメント

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目がうるうるです (小道)
2006-04-27 07:02:28
写真展を始めるときには意識はしていなかった。みんなに写真を見てもらって、自分の周りの建物について気付いて欲しかった。だから、商店街の空き店舗や学園祭などから、声がかからないか待ってたけど、待っているだけでいいのかとも思い始めていた。文京区では五一展とあわせて開催させて戴き、大阪ではハaハaハaへ行ったときに、カメラを持っていたことから、イベントを開催することを知って、実は私たちも写真展をやってるのです。という話しになった。そして、甲府もsendohdaさんからお話を伺ったときに、教会で写真展というイメージが沸いた。甲府へ行ってみて、教会堂へ行ってみると、この見事さ。裏にはお誂えの事務棟・講堂のような建物もあるし。他でやることも考えてみたが、まず、今回は信者さんが見てくださるのではとの考えがあって、やはり会場はここしかないと思った。しかし、先方はちょうど80周年のイベントを考えていて、快く承諾してくださった。私はやっぱり、人生って切り開いていくもんだと、なんでも、繋がっていかないとだめだと、本当に今、そう感じてます!!でも、sendohdaさんがいなかったら、この件は進んでません。感謝です。
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まさに繋がっているんですね。 (sendohda)
2006-04-27 09:06:51
教会の存在を教えてくれた人、神父さんに面会の橋渡しをしてくれた人、この写真展のためにカンパをしてくれた人、後援の力添えを戴いた人、一緒に準備を進めてきた人、皆私にとって大切な友人たちです。昨夜は去年からの小道さんとのメールのやりとりを読み返しながら、私もうるうるでした。
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